忍の世界とか割と詰みである 作:こうすけ増田劇場版
「うっ、うっ、ううっ……ジジイ……」
大雨とは言わないがそれなりの雨が降り注ぐ中で行われるのは……三代目の葬式だ。
いきなり場面が飛びすぎじゃないのか?と思うが、俺達は我愛羅を倒すのでやっとであり火影達の戦いに参戦は出来なかった。
大蛇丸は腕を死神に取られて初代のおっさんと卑劣様は三代目と一緒に死神に封印された。
仮に俺が参戦したとしてもブルードラゴンを出せなかった俺はどうしようもなかった。
本来に近い状態で再現したら初代のおっさんと卑劣様のスペックだと大蛇丸じゃ制御出来ない、と言うかフルパワーの卑劣様と全盛期を過ぎている三代目が戦ったらそれだけで詰む。
木ノ葉丸が三代目は死んだんだと涙を流している。
木ノ葉総出の告別式、葬式?国葬?……とにかく木ノ葉の里の忍達は全員葬儀には参加していて……三代目が死んだ事に涙を流す。
三代目は散っていったが……覚悟を決めて戦っていた。大蛇丸は三代目の死亡で木ノ葉は終わりだと思っているが、三代目が死亡しても着実に木ノ葉の里の忍達は火の意志を継いで他者の為に命を紡ぐ事が出来ると各々で三代目の最後を見届けた。
「自来也さん、あんたこういう時ぐらいは普通に参加しましょうよ」
全員が喪服を着ている中で何時も通りの格好をしている自来也さん。
雨はとっくに止んでいて、足元には不自然な水溜りが生まれていることからそういう事だと認識したが……だからこそ普通に参加しろと、影から見守ることをしてどうすんだと呆れる。
「ワシには喪服なんぞ似合わんわ。師も死に、弟子も死に……残ったのはワシだけだが、着実と火の意志は継がれている」
「その割には思う所はしっかりとありますよね」
俺は自来也さんの足元に不自然にある水溜りを見る。
三代目は死んだが、その意思は着実に誰かが引き継いでいる。四代目は死んだが、その意思はしっかりとナルトが引き継いでいる。
意思をしっかりと引き継がせる事が出来ては居るが、それでもしっかりと残されてしまった奴が居る。
先人や自分の教え子達が色々と活躍している中で……自来也さんはなんだかんだで残されてしまっている。意思をしっかりと引き継いでいる者達に……なにを教えれるか、なにを伝えれるか。
「のぅ、辰五郎よ。お前さんにはしっかりと火の意志が伝わっておるか?」
「……分かんねえっすよ、俺は誰かに道を教えられた覚えは無いし……負の遺産ばっかり見えてくる。サスケの事やナルトの事、2人を見ていれば火の意志は時にはロクでもないものっす」
「その割にはお前さんの瞳からは闇を感じんの」
「……心に闇があるとかそういう話をするならあるにはあるっすよ」
火の意志について自来也さんから聞かれるので火の意志はあんまりいいものじゃない。
ロクでもないものであると認識はしているが、俺の瞳に心の闇が映し出ていないのだと言ってくるが表に出してないだけだし……
「それを含めての俺っすよ……自来也さんだって伝説の三忍なんて言われるほどに偉大な忍であると同時にエロ本を書いているロクでなしじゃないっすか。良いところも悪いところも含めて自分……とは言え、悪い所は醜いとか色々思ってますけどね」
心の中に闇があることは自覚しているが、その闇を心の強い光を持って掻き消す……なんて事はしない。
光が強ければ強いほどに闇や影は強くなる。闇や影が濃い程に光は眩く輝く。だから表裏一体の関係性であり……無理に消すんじゃなくてそれも自分の内にあるものの1つだと受け入れている。
「人間は良くも悪くも潔癖症、醜い色については醜いって決めている……俺も醜いとか色々と思ってますけど、それでもまぁ……」
「ふっ……お前さんもまだまだ青いの」
「この年齢で自来也さんみたいな貫禄を持っている方がおかしいですって……」
別に面白いと言える刺激がある前世を送ってきたわけじゃねえんだ。
自来也さんはまだまだ俺が若くて青いと言って微笑んでこっちを見てくるがこの歳で色々とそういう貫禄を出してどないすんねん。
「辰五郎よ、すまんが一杯……っと、飲めなかったの」
「無理っすよ……自来也さんがそういう気分なのは分からなくもないっすけど、それに付き合えるのは……最後の三忍じゃないすか?」
「…………そうだのぅ……」
最後の別れの挨拶だと酒を酌み交わしたい自来也さんは俺もと酒の席に誘う。
まだまだ飲める年齢じゃないし、仮に飲めたとしても一緒に飲むわけにはいかない。それを一緒に飲めるのは、最後の三忍である綱手様だけだ。
三代目が死んだという事実を里の奴等は少しずつ、少しずつ受け入れる。
砂隠れの里の長である四代目風影はかなり前に殺されていた事が判明し、砂隠れの里は木ノ葉の里に全面的に降伏。音隠れに関しては詳細は不明……そもそもで音隠れの里は小さな国である田の国が軍事方面に力を出そうとして大蛇丸に利用されてる。
忍を持っていない国が忍を持たないから蛇の道は蛇と言わんばかりに、忍としてエリートである大蛇丸に漬け込まれた。
音隠れの方は完全降伏するのかと思ったが開き直る感じに近いが、降伏しない……木ノ葉の里が襲撃されたのと三代目が死んだ事で更に悪い方向に物事が流れ動いている。
「ほぉ、マイホームを手に入れたと聞いておったが中々に立派だの」
「自来也さん、なんでいるんすか?」
まだ建築途中のマイホームを確認していると自来也さんが現れた。
こんな所で何してんだよと呆れて聞けば自来也さんは真剣な顔をした
「お前さん、なにをした?」
「なにって……ああ、はいはいそれね。死の森で大蛇丸に襲われた時にはこのブルードラゴンと大蛇丸と相性が良い空裂斬のおかげで何とかなった」
「噂に聞いていた青い龍か……お前さんの影としっかりとくっついておるな。奈良一族の影を操る術の応用かの?」
「なんか使えるから使ってるだけで実態は知らん」
なにをしたと聞いてくるので心当たりを探って……大蛇丸の事について聞かれていると気付く。
大蛇丸となにやら裏で取引をしていると思われているので、大蛇丸を撤退させた方法についてわざと勘違いしたフリをしてブルードラゴンを出した。ブルードラゴンに対して興味を抱いているが、コレがなんなのかは知らん。
「……辰五郎よ、お前がそれを今まで隠していたのはダンゾウに目をつけられたくないから。しかし木ノ葉や己の危機を前に使った。しかしそれでもダンゾウに加担するつもりは無いとのことだな」
「まぁ……大蛇丸と同じで木ノ葉の里を代表する暗くて黒いことをしてる忍っすから……それをしなくて生き抜くのが不可能な事ぐらいは頭でも心でも分かってますけど、それでも色々な所に不要な恨みを買ってるんで」
「ふむ……そうか……ならば辰五郎よ、少しの間はワシについて来い」
ダンゾウに目をつけられたくないから今の今まで力を隠していた。
自来也さんはそれを聞いて納得をした後についてくる様に言ってきた
「また随分といきなりっすね……音と砂に襲撃されて三代目が死んでてんやわんやしてるじゃないっすか。戦闘能力はあるけれども他が足りない下忍にもCランク以上の任務がポンポンと配られますよ」
「木ノ葉の里は火の車状態なのは分かっておる……だからこそ、それをどうにかする為にワシはある人物を探しに行く」
「……新しい火影っすね……」
「即座に気付きおって、つまらんのぅ……その通りだ。お前は今回の一件、中忍試験で見せた青い龍を見て、上の連中が興味を抱いての。その中には当然、ダンゾウも居る。目の上のたんこぶであった三代目が居なくなった事で表舞台に姿を現す為に色々とするだろう。当然、お前を根に引き抜く話もあった」
「……」
力を見せたら嫌でもそういう展開は起きるだろうなとは思っていたが、予想通りダンゾウは動いていた。
ただ自来也さんはそういう話もあったと言うことを言っていて、そういう話で決まったとは言っていない。
「木ノ葉の里で砂隠れの里と合同での中忍試験を行ったが、途中で木ノ葉崩しが起きた。幸いにもほぼ全員が1回は戦っているからそれを基準に中忍に昇格するかしないかを審査されるだろう。お前さんの戦いは見ていないが、中忍以上の力で戦っていると聞いている。今は時代が違うがワシやカカシの時代ならば中忍にはなっておるだろう」
「……まぁ、上に上がれるのは嬉しいっすけど」
「ダンゾウの手駒にならない為に、名目上はワシの監視下に居るという事にしておく……名目上と言ってホントに何もしなかったら色々と言われるからの。色々とあるが今回の人探しをワシと一緒にする。そうすることで周りからはワシの弟子という事に出来る」
「……そんなざっくり感覚でいいんすか?」
相手は腹の読み合いでは百戦錬磨だし、なんだったら幻術とかも割とガンガン使ってくる。
別天神とか使われて駒に使われるのホントに嫌なんだけどな……
「相手は手練でどう動くかは読めんが、これから口説きに行く女に気に入られればある程度はどうにでもなる!」
「……ナルトを連れて行かなくていいんすか?」
「なんじゃ、知っておるのか」
「ナルトが口寄せの術で蝦蟇を呼び出した……木ノ葉の里で蝦蟇と契約している忍と言えば自来也さんで、ナルトに蝦蟇と契約させてナルトの中にある膨大なチャクラを引き出すコツとかを教えたんでしょ」
ナルトとの師弟関係について言っていないのに知っていることを少し驚く自来也さん。
蝦蟇の口寄せと膨大なチャクラを引き出す方法について教えたことを指摘すればなるほどなと納得してくれた。
「ならば話は早い!ナルトと一緒に人探しをするぞ」
「……ナルトは納得しますか……三代目が死んで、もっともっと強くならなきゃならないって思ってますよ」
「それならば話は早い。ナルトに向いている術があっての、移動しながらでも覚える事が出来る術だ……して、辰五郎よ。ナルトの奴は何処におる?最初はアパートに向かったがお前さんは新居に、ナルトの奴は行方が」
「ナルトが行くところと言えばただ1つ、ラーメン屋すよ」
「ラーメン屋か、ちょうどいい」
グーと俺も自来也さんもお腹が鳴った。
ナルトが向かうラーメン屋と言えば決まっている。一楽のラーメン屋だ。予想通りと言うべきか、一楽のラーメン屋に向かえばラーメンを啜っていた。
「ホントに居た……ラーメンばっかだと毒だぞ」
「あー!エフォフェフィン!ファフフォフォウ!」
「おっちゃん、チャーシュー麺麺大盛りネギトッピングで……自来也さん、出しますよ」
「ならばワシはラーメンのナルトトッピングかの」
ラーメンを啜っているナルトと遭遇すればついでだからとラーメンを食べる。
ここは俺が持つと言えば自来也さんはその言葉に甘えてラーメンのトッピングを注文した。
「エロ仙人、辰五郎と知り合いだったんだな」
「ちと作家仲間じゃ……実はのナルト、ワシは今から人探しをしなければならない。そこでお前さんも一緒に来い」
「えー!嫌だってばよ。俺ってば、カカシ先生に千鳥を教えてもらうんだ」
「千鳥か……あの術はセンスが居るしお前さんには向いとらん」
「そんなのやってみなきゃわからねえってばよ!」
五代目に襲名されかけている綱手様を探しに行くのでなく人探しとスゴくざっくりと言う自来也さん。
いきなりの五代目と言われればナルトも感情的になるだろう。人探しならば自分でしろよとナルトはめんどくさそうにし、そしてカカシ先生から千鳥を教わるのだと言うが自来也さんは向いてない事をハッキリと言えばナルトはカチンと来た。
「せっかく、千鳥よりもスゴい忍術を教えてやろうと思ったのに……仕方」
「行く!行くってばよ!荷物の準備してくるってばよ!」
千鳥が話題に出れば千鳥よりもスゴい忍術を聞けばナルトは目の色を変える。
ラーメンにスープを飲み干してテウチのおっちゃんに代金を支払って颯爽と家に向かっていった。
「まったく、現金な奴だの」
自来也さんはそう言いながらも笑っている姿は孫を見ている祖父みたいな姿だった。
久しぶりに食べる一楽のラーメンは美味い。自来也さんもなんだかんだで過去にプライベートで来たことはあり、美味いと満足そうな顔をしている。
「よっしゃあ!!修業に行くってばよ!!」
「……山籠りでもするつもりか!!」
飯を食い終えた後に色々と手続きをしたんだが……ナルトのリュックがパンパンだった。
波の国ぐらいの荷物の量で良いのに、なんか2mぐらいはあるギッチギチのリュックで自来也さんにツッコミを入れられた……この後にどういうことになるかは大体は読めてるけど、不安だな……