忍の世界とか割と詰みである 作:こうすけ増田劇場版
「まったく、山籠りするんじゃねえんだぞ」
「いや〜、つい」
ナルトが2mぐらいはあるギッチギチのリュックを背負ってきたので必要な荷物だけにして木ノ葉の里を出た。
自来也さんがナルトに対して山籠りするんじゃないと呆れているとナルトはニハハと笑う。
「でもさ、エロ仙人……なんで俺や辰五郎を連れてくわけ?」
「なに、辰五郎は忍として活動していて最近執筆活動がご無沙汰らしいからの……ここは1つ、取材旅行にだ。お前さんはワシの嘗ての弟子に似ている所があるから、だのぅ」
人探し程度で自分達を連れて行く意味が分からないと言えば自来也さんが上手く誤魔化す。
本当はナルトの面倒は自分で見ると自主的に動いてカカシ先生からナルトの師匠の仕事を代わった……四代目が残した遺産であるナルトの面倒を見るのが自分の仕事だと思っている。
「前の弟子?……エロ仙人の前の弟子って誰だってばよ?」
「エロ仙人、エロ仙人って、ワシは蝦蟇仙人だっての!前の弟子か?聞いて驚け、お前さんは何処かあの四代目火影に似ておる」
四代目火影の名前を出せばナルトは驚いた……ホントは息子とかそういうのを知っているのに隠し続けている。
里がそういう風に政策を取っているが、なんでそれを隠していたかについては割と謎だったりする。それがあるだけで大分変わるのに……コレもまた卑の意思か。
「ところでよ、探したい人って誰なんだ?」
「綱手と言っての……まぁ、ワシと同い年の女じゃ」
「同い年って……ババアじゃん」
「いや、それがそいつは医療忍術のスペシャリストでの……年齢をあの手この手で偽装しては色々な国に借金を作り、付いたあだ名は伝説のカモ」
「……辰五郎、エロ仙人の探してる人だからロクでもない奴だってばよ」
「ギャンブル狂いで有名だからな。その人は」
五代目になる予定の綱手様をざっくりと自己紹介するが悪意を感じるとしか言えないような説明をする。
ナルトは自来也がわざわざ探すぐらいなんだから大層な忍だけどもそれと同時に大層なロクでなしである……伝説の三忍は忍として凄まじいがそれと同時に人間性が色々と残念だったりする。
「ギャンブルが出来る所があるならば確実に綱手の奴はいる……地道な調査になるだろうが、なんとしてでも綱手を見つけなければならない」
「ふーん」
ナルトが綱手様を見つけ出さないといけない!と言う話を聞いてもあんまりピンと来ていない。
自来也もリアクションが薄いなコイツはとなり、道を歩いていけば1つの小さな街に辿り着いた。綱手様が何処にいるのかがさっぱりなので、虱潰しに探しに行かなければならず、取り敢えずは宿を取った。
「ウォーッ!」
「……色に惑わされすぎだろ」
宿を取ればウインクしてくるセクシーなお姉さんが居た。
自来也に向かって誘惑をしてくる……が、チャクラの流れを女性から感じ取る。確実なハニートラップで自来也さんはノリッノリで誘いに乗った……
「あのエロ仙人、なにがしたいんだってばよ」
「エッチなお姉さんは興奮するし、想像力を描き立たせてもらうもんだ……」
「辰五郎、お前もなの!?」
「俺だって合法的なエロは大好きだ……自来也さんは基本的には違法なエロを追求しているからな」
自来也さんが女性の誘いに乗って行ったので部屋に残されたのは俺とナルト。
ナルトはあっさりと女についていった自来也さんについて呆れて怒っているが、ああいうエッチなお姉さんが居れば興奮するし想像力は湧き出るもんだよ。
俺はアレだよ。世界が色々とヤバい世界だから色々と頑張ってて欲望を抑えて生きているけれども煩悩に塗れてる方だからな。
ポケモンの世界に転生したらハルカとかスズナとかタロをナンパしたり色々とはっちゃけるからな。
「でも、辰五郎からそういう話をするのは珍しいっていうか」
「だってお前……同期の男を見てみろ。蟲使い、犬使い、めんどくさがり屋、花より団子、色よりもやりたいことがある……猥談が出来る関係性じゃねえだろ」
まだそういう年齢じゃないもしくはそういうのに対して色々と興味を抱く頃合いであり……ナルトはリアクションが薄い。
そういう猥談みたいなのがしたいかと言われればそこまでだしな……エロは本に描いて語る事が出来ると言えば出来るからな。
「お前もなんだかんだでスケベなんだな」
「ナルト、スケベは三代目から自来也さんに引き継がれ、自来也さんは孫弟子のカカシ先生に引き継ぎ、カカシ先生は俺に卑猥の意志、略して卑の意思を引き継がせてんだ」
「嫌だってばよ。そんな意思……」
でも、ホントに火の意思じゃなくて卑猥の意思は着実に受け継がれている。
自来也さんを死なせなかったらイチャイチャシリーズはイチャイチャタクティクスで止まらない。なんとかして自来也さんに生き残ってもらいたいよ……逆口寄せ出来る様にしとかなきゃいけないけど、自来也さんは無茶するだろうな……
「お前だって木ノ葉丸にエロ忍術を教えてるだろう」
「お色気の術は日々進化してるんだってばよ!この術はスゲえ敵にも通じんだ」
やはり卑の意思は引き継がれている……そしてナルトの言う通り、スゲえ敵にも通じる術でもある。
ぶっちゃけ大蛇丸とかにも、え、なんなのこの術?って数秒ぐらい理解不能で頭の中に宇宙猫を作って大きな隙を生み出す術なんだよな、お色気の術。
「さっきのお姉さんみたいな色気のあるボインとエロいことを……っと、いかんいかん」
「エロの話題はやめようぜ……あ、そうだ!お前なんか作りたい物があるって言ってなかったか?」
ボン・キュッ・ボンの大人の女性とエロいことをしたいなと欲望を出していたが今から起きる事を思い出して冷静になる。
ナルトもエロの話題はこれ以上にしておいてとなり、自己紹介の時に言っていた作りたいものがあるという事をナルトは思い出した。
「ああ……と言っても色々と忙しいから全くと言って着手する事が出来ねえんだけどな」
「なにを作りたいんだ?」
「グリードアイランド」
「グリ……なんだってばよ、それは」
「直訳すると欲望の島……まぁ、完成までなんとかして頑張るが、めっちゃ時間かかるから、それまでの間にお前だと結婚して子供を持つだろうからお前は子供と一緒にグリードアイランドの攻略をな」
ナルト世界だから、100%そっくりそのままグリードアイランドを再現する事は出来ない。
100枚のカードは勿論、他の呪文系のカードも本来のグリードアイランドとは異なる物を作り出す……でも、内容は大体グリードアイランドだからグリードアイランドだ。
「結婚って、まだ早すぎるってばよ」
「それぐらい時間かかんだよ……自来也さんが負けて帰ってきたか」
結婚を話題に出せばあまりにも早すぎるとナルトは呆れる。
グリードアイランドを作るにはそれぐらいに時間がかかると言えばコンコンと部屋のドアがノックされた。誰がノックしたのかは分かっているが万が一があるので自来也さんが負けて帰ってきたと言えばナルトはため息を吐いてドアを開いた
「エロ仙人……サスケ!?……じゃ、ない」
「うずまきナルトだな」
「成る程、彼がですか」
ドアを開けばサスケの兄であるうちはイタチと相棒である干柿鬼鮫がいた。
イタチを見たナルトは一瞬だけサスケかと思って驚いたが直ぐに似ているだけで違う奴だと分かった。
「えっと……あんたら誰?」
「どうします?なにやら見慣れない者も居ますし、腕の一本でも削ぎ落としますか?」
「そうだな……」
「ナルト、そいつら抜け忍だ!」
2人を見てもあんまりピンと来ていないナルト。
直ぐにナルトに抜け忍だと言えば構えようとするがその前にイタチに向かって手裏剣が飛んできて鬼鮫が愛刀である鮫肌で弾いた。
「見つけたぞ……イタチ!」
「おやおや、こんな偶然があるのですね。1日に2人も貴方以外の写輪眼を見るだなんて」
「写輪、眼……コイツ、サスケと同じ写輪眼を……辰五郎、こいつら誰だってばよ!!」
「その写輪眼を持っている男はうちはイタチ……うちは一族の抜け忍で、サスケの兄だ」
突如として現れた殺意を剥き出しにしているサスケを見て状況が飲み込めないナルト。
情報は知っているだろうと俺に聞いてくるのでサスケの兄である事を伝えれば物凄く驚いた顔をしている……問題はここからか。
「イタチ……誰が後ろに居る?」
「……なんの事だ?」
「とぼけんじゃねえ!お前がうちは一族でも随一の天才だろうが俺以外を短時間で皆殺しにするのは不可能だ!あの日、何処かで任務を受けていたうちは一族だっている。あの日の少し前に色々と異変があった……イタチ、お前の後ろにお前と共謀してうちは一族を皆殺しにした協力者が居る!そいつは誰だ!!」
「!」
サスケはイタチがうちは一族を里の上層部と共謀して皆殺しにしたと思っている。
当たっていると言えば当たっているが、色々な所が抜け落ちている。だがそれでもイタチにとってはあまり知られたくない真実について辿り着きかけている。
悪人を演じている筈なのに裏があることに気付かれて今までスゴく冷静だったイタチは僅かに反応した。
サスケは既に三つ巴の写輪眼に切り替えており、僅かにピクリと反応をしたイタチを見て殺気を更に増した。
「今、反応があった……どうやらイタチ、お前だけがうちは一族を皆殺しにしようとしたわけじゃねえ……三代目は死んだが、それ以外の上層部!それこそ任務のシフトを調整出来るレベルの権限を持っている奴だ!」
「……何故その様な間違った考えに至った」
「その言葉には騙されねえぞ!……俺とお前以外に、まだ何処かにうちは一族が生きている事だって知っている!俺を何時までもガキ扱いしてんじゃねえ!!」
「!!」
サスケが間違った答えに至っていると誘導をしようとするが、サスケはその言葉に騙されないともう1つの情報を述べる。
それだけはどう頑張っても知ることが出来ない情報の筈だがサスケはそれを喋った。さっきはピクリと極僅かに反応したイタチだったが今回に限っては俺達でも分かるリアクションだった。
「……」
「どうやら図星の様だな……そのうちは一族もお前の協力者か!だったら何処に居るのか教えてもらう!」
サスケは印を結んで千鳥を発動する。
バチバチと左手を鳴らし、放出しているチャクラが宿屋の壁を削っていてサスケは千鳥を使って突撃してきたが……イタチは簡単に回避してサスケの腕を掴んだ。
「っ!?」
「三つ巴の写輪眼か……そこまでしか到れなかったか……どうやら俺の事を忘れている様だから思い出させてやる」
イタチはそういうと万華鏡写輪眼でサスケと目を合わせた。
殺気に漲っていたサスケは殺気を消すと同時に悲鳴を上げた。
「ヤバいのは確かなら、ふん!」
状況から見てヤバいと感じたナルトはチャクラを練り込む。
ムワァっとするほどに濃密なチャクラが辺りを包んでおりイタチと鬼鮫が驚いており、鬼鮫が愛刀の鮫肌を振ったらパキパキと音が鳴った。
「あれ、なんで」
「私の鮫肌はチャクラを食べる事が出来る刀なのですよ……どうやら九尾のチャクラはお気に召した様ですね。ですが、今のチャクラが封印から漏れ出した一部であるならやはり腕の1つでももぎ取っておきますか」
鬼鮫がナルトを見たその瞬間だった。
ボンッと煙を巻き上げて現れたのは自来也さんだった。
「あー!エロ仙人!」
「……どうやらダメだった様だな」
「ふん、色気でワシを惑わそうなぞ100年早いわ!お前等、暁だろう……狙いはナルトか?」
「そこまでご存知でしたか……でしたら、次はなにをするのか」
「待て、鬼鮫……一旦引くぞ」
「イタチさん?」
ナルトが狙いであることが割れているのでナルトを連れて行こうとするがイタチが引くと言い出した。
「相手はあの伝説の三忍の1人だ……それにさっきから黙って見ているあの少年、木ノ葉の蒼い龍だ」
「え、俺、そんな異名を持ってんの!?」
「なるほど……確かにそれでは分が悪いですね」
「そう。そして更に分が悪くなる。口寄せの術!」
俺と自来也さんが居るから相手にするのは厄介だと撤退を認める2人。
自来也さんは逃さないと口寄せの術を使えば宿屋の廊下から生々しい肉の壁に切り替わった。
「妙木山の火吹きの岩蝦蟇の食道だ……お前さんらはビンゴブックに載っている指名手配犯、暁の事についてじっくりと聞かせてもらおうではないか」
「組織の名前まで……いくぞ、鬼鮫」
「ええ」
「エロ仙人、追いかけねえと!」
「安心せい、ここは蝦蟇の食道!出口は無い!」
ここに居るのは危険だと撤退していったイタチと鬼鮫。
ナルトが追いかけないといけないと言うが出口は無いと徐々に蛙の食道の密度を高めてある程度高まったので追いかけてみれば……蝦蟇の食道が黒炎によって穴が空けられた。
「コイツは……信じられん。火吹きの岩蝦蟇の食道を貫くとは……」
「なんか、不気味な炎だってばよ」
「迂闊に触るな!……その炎は忍術で出来た炎なのは確か、封印する!」
自来也さんはそう言い巻物を取り出して印を結んで黒炎を封印した。
取り敢えずはイタチと鬼鮫は逃げていって問題は終わったと思えばガイ先生が自来也さんを蹴飛ばしたり、ナルトがイタチ達を倒す!と言い出したが明らかに別次元の強さを持っているので黙っていろと自来也さんが本気で威圧感を飛ばしてきてナルトを問答無用で黙らせていた。
「辰五郎よ……サスケの奴がなにやらイタチについて聞いておったが」
「自来也さん、そこから見てたら助けてくださいよ。あの2人だったら俺等殺されましたよ」
「相手の狙いが分からん以上、そうするしかなかったんじゃ……うちは一族がまだ生き残っているというのはどういう事だ?」
「……自来也さん、四代目火影がなんで死んだのかは知ってますよね?」
色々と真意を聞き出そうとしているので、どういう風に誤魔化すのかと考えたが嘘と真実を混ぜることにした。
嘘をつくときのコツは一部は真実を混ぜること……そして自来也さんだから知っている情報を混ぜる。
「……ああ」
「四代目火影が超が付くほどの天才忍者なのを一番知ってるのは自来也さんです……ナルトが生まれた日に偶然にも九尾が現れた。いきなりポンッと現れたけど、そんな突拍子も無くポンッと現れない。なにかに封印されていてそれが破壊された」
「四代目、いや、ミナトの奴がその様なヘマをやらかしはしない……だが、外部からの干渉があれば」
「九尾はうちはマダラが写輪眼を使って操ってたって聞いてます……なら、うちは一族の誰かが九尾を操ろうとした」
「それこそありえん!!相手がうちは一族であろうともミナトが後れを取ることなど、なによりうちは一族がする理由が見当たらん!」
「じゃあ、四代目が九尾の封印を解除した?」
「……そっちの方はもっとありえん……そうなると何者かが九尾を…………九尾を操れるのは、うちは一族か……」
四代目が封印を解除することはないし封印を破壊されるミスなんて事はしない。
誰かがやったという結論に行かせて自来也さんが自来也さん自身で納得をする答えになり、なんとか飲み込んだ。
「自来也さんは忍の世界の悲惨な状況は沢山見てきましたよね……どうにも誰かがそうなる様に裏で動いている」
「……ダンゾウ、かの?」
「それについてはわかりませんよ……でも、イタチとサスケ以外にも、うちは一族の生き残りがいるとは思っている。サスケが聞いた際にイタチは俺等でも分かるレベルで反応していたからコンタクトを取っていた可能性が高い」
嘘と真実を一部混ぜ込んだ事で自来也さんは思考を早める。
ナルトが誰の子供なのかを知っていて、なんでそういう風な運命を辿ったか……九尾の人柱力になる一番の原因を自来也さんも知らない。だがもしそこに、第三者が介入していたとなれば?……そうなれば納得はいく。
「イタチのあの反応からして、なにかを隠しているか……暁の行方は気になるが、今は本来の目的を早く済ませんと、前に進むことすら出来んか……」
自来也さんはうちは一族はまだ残っているなと確信したが他に色々と俺に聞いてくる事はなかった。
色々と気になる事はあるだろうが、本来の目的である五代目探しをすることは出来ないのだと気を引き締め直した。