忍の世界とか割と詰みである 作:こうすけ増田劇場版
「グー……んん、おぉ……もうこんな時間か」
「クソッ……全然ダメだってばよ。エロ仙人、なんかコツはねえのか!?」
「バカモノ!自分で見つけ出してこそのコツだ!仮にワシが秘訣を教えたとしてもお前がそれで覚えれるかはまた別の話だ……とは言え少しぐらいなら、ちょっと来い」
酒で軽く一杯引っ掛けていた自来也さんは気付けば爆睡して夕方になっていた。
ナルトは螺旋丸の第一段階である水風船を全くと言って割ることが出来ずに苦戦しておりコツを聞いたが、自来也さんはまともな事を言った。だがなんだかんだでナルトには甘い様でナルトの旋毛を見てチャクラを回転させる向きが逆だったと教えた。
「辰五郎、お前さんの方はどうだ?」
「空間捻じ曲げてどっかに飛ばすところまでしか出来てないっす……」
「それが出来るだけでとんでもないわ。飛雷神の術に関しては教える事が出来んから頑張れとしか言いようが無いが……まぁ、疲れたのならば気分転換に執筆活動でもしておけ。最近ご無沙汰だろう」
帰るぞと取っている宿に一旦帰る俺達。
ナルトには何がなんでも螺旋丸を覚えてもらいたいけれども、も!だけどナルトの忍としての才能が偏ってたり、カンフー映画にありがちな今までの謎の行いは全て修業だったんだ!的な所謂、正規の手順を踏んでの修業が苦手だったりする。
ナルトを代表し、今まで上手く術が使えない中で、会得した高レベルの忍術である影分身の術と多重影分身の術。
効果は強いのは今更だけどもその分のデメリットもそれ相応に大きいし、下忍が覚えてたらおかしいもしくは物凄いレベルの忍術だ。
サスケの千鳥も下忍が覚えていたら明らかにおかしいレベルの術……2人は着実に上を目指しているし、今の時代は戦闘能力以外も色々と見られるからポンッと中忍試験で中忍になれるわけじゃねえが。
「……う〜ん……三代目が逝ってしまったし……忍者物でも描くか」
自来也さんが気分転換に小説を書いとけと言われるので小説を書くのだが、ここ最近あった出来事と言えば忍関係の事ばかり。
三代目が逝ってしまった。別に三代目に対して深い情を持っていたわけじゃねえし、こうしなきゃ後で大変な事になるから……三代目に関しては好きとも言えないし嫌いとも言えないし無関心でもない。
人としての善性とか情に訴えかけるとかそういう優しさ持っている人だけど、その優しさを悪意ある人間が貪る。
ダンゾウもある意味、その手の口……表に出せないだけで木ノ葉にとって大事な功績を幾つも残しているんだろうが、裏方に行くと決めて綺麗事じゃない仕事をすると決めた以上なら、闇に徹する。
火影という為政者がいて、その為政者がこういう方針で物事を進めたいと決めたのならばそれをサポートする。
相談役として悩みを聞いたりとかじゃなくてなくさり気なく、気付かれずに。少なくとも三代目を選んだのは卑劣様で、三代目も火影としてこれからの忍の世界に生きると決めていた。
組織が一枚岩なのは色々と厄介だが、少なくとも火影と言う頂点はしっかりといる。
情に脆いがそれはそれ、これはこれで割り切って行動する卑劣様はともかく他にも色々と腹にイチモツを抱えている……火影は偉大な存在かもしれねえけど、なったらなったで仕事にやられる日々で辛いのにな。
「ニンニンジャーでいいか」
死んだ三代目を思い出したから忍者物にするかと決めて書き始めたのは手裏剣戦隊ニンニンジャー。
タイトルはその内に変えるが、祖父と同じラストニンジャを目指す5人の孫達の話……実は祖父は死んでいるとか、後を継ぐ方法があまりにも残酷とか色々とあるけれども、何とかなるだろう。
気分転換に執筆すれば思ったよりも上手く書ける。
ここ最近は色々とあって書く暇が無かった……俺は連載は持っていると言えば持っているが、1つの作品を書き終えてから編集者に渡す。途中で色々と口出しされたら普通に嫌だから……なんだかんだで受けているからそれはそれでいい。
「……このマーキングなんだよな」
ナルトが右回転だと分かって必死になって水風船の水を右回転させている。
ただ右回転させているだけじゃ永遠に割ることが出来ないが、それには自力で気付かなければならない。第一段階でアドバイスを送ったとしてもナルトの成長にならないし……俺も他人の心配は出来ない。
ナルトはなんだかんだで螺旋丸を完成させる。
今まで無かった実用性がある必殺技をナルトが手に入れればこれからナルトは段違いに強くなる……チャクラ量に物を言わせてると言われりゃそうだが。ナルトって疾風伝になるまでの修業期間で影分身の使い方が上手くなったり大玉螺旋丸を会得したけども、思ったよりパワーアップしてねえんだよな。自来也さんが九尾の力をコントロールとかやろうとしたけど普通に失敗に終わったし。
「マーキングか……そもそも時空間忍術は口寄せの術がそれに該当してるんだよな」
四代目が実際に使っていた苦無を見て考える。
苦無には四代目のマーキング、呪印が施されておりコレのおかげで飛雷神の術が成立しているが、逆を言えばコレが無ければ飛雷神の術が成立しない。そしてそもそもで口寄せの術が時空間忍術に該当している事を思い出す。
契約している動物を別の空間に呼び出す、至ってシンプルな術だが呼び出す動物が物凄く強かったり便利な力を持っていたらそれだけで武器になる。自来也さんが呼び出せる蝦蟇は油や水を吐くことが出来て風遁や火遁の術とコラボすることで物凄い威力を秘めた術になる。色々とあるがやってんのは召喚術だ。
飛雷神の術が施されている苦無と俺のチャクラをくっつける事には成功している。だけどまだ、思う様に物体を飛ばせない。
自分のチャクラを纏わせている物だから時空の狭間的なのに消えて完全消滅したのは感じ取れるし、はたまた何処に飛んでいってるんだよと言える場所に飛んだのを感じたと同時に遠すぎるせいでチャクラ感知が出来ねえ。
「……これ、四代目仕様にカスタムされてんのか?」
卑劣様も飛雷神を使っていた、と言うよりは卑劣様が飛雷神の術を作った。
飛雷神の術のマーキングを連結させるぞという場面があったのと飛雷神の術はマーキングしている所にしか飛べない事から考えて、四代目仕様に飛雷神の術がカスタムされていると考えれる。
飛雷神の術の原理としては物を保存するタイプじゃなくて動物を呼び出す口寄せの術の応用だろう。
自分のチャクラか自分が接していないと飛雷神の術は自分以外の誰かに使えないって本人が言っているから……飛雷神の術にマーキングの印自体が術式になっている。
「互乗起爆札があったし、試しにやってみるか」
イルカ先生が巻物から出てきたから人間そのものを口寄せの術にすることは可能だ。
無数の口寄せの術の札を用意して簡易的に契約を済ませて影分身の術を使う。風遁の術で無数に口寄せの術が発動する札を撒き散らし、発動する。
ボン!ボン!ボン!ボン!と煙を出す口寄せの札。
影分身の俺が口寄せされては更に違うところに口寄せされるを何度も何度も繰り返したから術自体は成功しているが……類似しているが異なるもの……
「術式を自分に合うようにカスタムしなきゃいけねえってことか」
物体を空間移動させる事が出来てはいるが上手くいかない理由はチャクラ量とかじゃなくて術式そのものが合ってない。
自分のチャクラに合わせた専用のマーキングを作ったりしてカスタム……いや、この場合はチューニングしなきゃいけねえって事か。
「だぁーっ!くそっ、なんでだ!コツを聞いたのに全然割れねえ!」
俺が捗っている一方でナルトは大苦戦を強いられていた。
チャクラで回転させる事は出来ているが水風船が一向に割れない。割れない理由は明確だがそれでも一番最初の頃よりは進歩しているが、我慢の限界が来た。
「なぁ、辰五郎……なんかコツってばねえのか?」
「……自来也さんが一番最初に水風船を割っただろ。それと同じやり方じゃないと水風船は割れない」
「だからこうして水風船回転を、エロ仙人の教えの通り右回転で回してるってばよ!」
「それは合っているけど、自来也さんが割った時とお前がやっている時を比較してみろ。大分違うからな」
俺にコツを教えてと言ってくるので自来也さんが最初にやった通りにすれば風船は割れる。
それを伝えれば水風船をバシャバシャと音を鳴らしながら回転させてるぞとアピールをするが自来也さんがやった時とは違うと言いなにが違うんだと思い返す。だがナルトには答えは分からない。
「術式そのものを改造するって程じゃなくて自分に合うようにカスタム……自分及び自分のチャクラでしか呼び出せない口寄せの術……」
あるのは四代目のマーキングがある苦無だけで卑劣様のマーキングは無い。
卑劣様と四代目の飛雷神の術を見て、被っている術式のところを見抜ければと思ったがそれは不可能で、口寄せの術の方を弄くる事にする。自分自身を呼び出す口寄せの術……
「飛雷神転送の術……ふぅ……なんとか見つけたか」
自分自身を呼び出す口寄せの術を覚え、その術式を苦無に仕込んだ。
自分自身の血液で術式を刻んでいてチャクラを練り込んでいるから何処にあるのかが分かっていて……取り敢えずは物質を送る事に成功はした。四代目火影仕様の飛雷神のマーキングじゃなくて俺仕様の飛雷神のマーキングが完成した。
その頃にはナルトはチャクラを常に同じところにしか回転させていない、乱回転させなければならない事に気付き自来也さんがやったやり方とは異なる方法で乱回転をさせる事に成功させた。
「さて、第二段階はコレだ!」
「えー!またこんなの!」
「文句を言いたければやってみせい」
水風船が割れたので今度はゴムボールだとゴムボールを出せばナルトが不満そうにする。
自来也さんはナルトが文句を言うのは予想通りだとゴムボールをパァン!と割ってみせたのでナルトは驚き、自来也さんがやってみせろと言うので第一段階でやったやり方でやるがゴムボールはうんともすんとも言わない。
「辰五郎よ、お前さんの方はどうだ?」
「なんて言えばいいんすかね……いや、見せた方が早いっすね」
ナルトに第二段階について説明を終えれば今度は俺について聞いてくる。
順調といえば順調だし停滞しているといえば停滞している。見せた方が早いと苦無を投げて木に刺せば自来也さんの目の前に居る俺は消えて苦無が刺さっている木の後ろ側に飛んでいった。
「見事……飛雷神の術、と言いたいところではあるが完璧ではない。いや、この場合だと実用性が無い」
「……飛雷神の術を使うのにめっちゃ集中しますからね……」
飛雷神の術を覚える事が出来たがポンポンと使うことが出来ない。
四代目は苦無を投げると同時に螺旋丸を作り出して苦無が飛んだ先に飛雷神の術で飛んで奇襲を仕掛けるといったことを平然と成し遂げているが、俺の場合だと飛雷神の術を使うことにだけ集中して他の動作を入れる隙が無い。
自来也さんはあっさりとそれを見抜いて実用性があんまり無いと言ってくる。
「まぁ、気を落とすな。飛雷神の術はナルトに教えている螺旋丸よりも更に上のSランク忍術、使えるだけでも凄まじい……ミナトの様にポンポンと使って移動してと実戦に使えるのは本当に極少数で、何よりも飛雷神の術は移動を短縮するだけの術だ」
「それ言ったら身も蓋もないっすよ」
「しかし、事実でもある……飛雷神の術を覚えたとしても、それをどういう風に戦闘に組み込むか。お前さんの場合だと刀を使った奇襲になるだろうが、飛雷神の術を使うことにだけ集中しなければならん以上は何度も何度も反復練習をして飛雷神の術を水面歩行や木登りの感覚で簡単に使える様になるしか道は……もしそれ以外にあるとするのならば、お前さん自身で新しい忍術を開発するしかない」
飛雷神の術が物凄く早く移動する移動を短縮する補助系の術という悪用は出来るけれども術そのものに攻撃性は無いと身も蓋もない話をする自来也さん。飛雷神の術を覚えてもどういう風に実戦に組み込むかについて考えなければならない。
自来也さんの言う通り、飛雷神の術を使うことにだけ集中してたら使えないし……何かしらの術を覚えるしかないが……
「螺旋丸以上の攻撃系の術となれば限られておるしチャクラがある程度は必要になる……螺旋丸は形態変化を極めし術で、同じ系統の術でそれ以上の術となればただの人間では永遠に辿り着く事は出来ん」
多分、尾獣玉のことを言っているんだろうな。
飛雷神の術は形にはなったが今の段階だと実戦では使い物にならない……何かしらの別の形に発展させるか地道な反復練習で実戦に使える様になるかのどちらかで……何度も何度も試しているが、飛雷神の術を別のなにかをしながら使うことが出来ない。
特に螺旋丸みたいにチャクラを多く使う上に更にチャクラコントロールが重要な術の場合はどっちも不発に終わる。
飛雷神の術を使って誰かを遠い場所に運んだりするだけでも圧倒的に強い忍術ではあるが、このままだと本当にそれだけで止まってしまう。
自来也さんはブルードラゴンが奥の手で物凄く強いんだろう?と俺が物凄い攻撃系の忍術を覚える事を重視してない。ブルードラゴンがいざと言う時の切り札なのは分かっているから変に強い攻撃よりもこういう補助技がいいと思っている。
実際にブルードラゴンは強くてその辺の中忍クラスならば大体の事は片付くが、ブルードラゴンを出している俺を殴ればそれで終わってしまう。自来也さんの黄泉沼の術を使えばその時点で俺がパニクるから効果は抜群で、ブルードラゴンは頼りにしているからこそ俺自身がある程度は強くならなきゃいけなくて……
「飛雷神の術を攻撃系の術に改造か……明らかに難易度Sだな」
会得難易度Sであり自力で術を作らなきゃならねえ……神様よ、マトリフが悪いとは言わねえがもうちょっと他になんかあったんじゃねえのか?と思いながらも試行錯誤する。