忍の世界とか割と詰みである 作:こうすけ増田劇場版
ポンポンと飛雷神の術で移動しての高速移動攻撃は俺には不可能だった。
これから時間をかければ出来る様になるが、今の段階では螺旋丸等の忍術と併用しての飛雷神の術は使えない。
「まったく新しい術か……」
ナルトは後に一生の付き合いになる必殺技である螺旋丸を会得しようとしている。
こちらも何かしらの必殺技、アバンストラッシュがあるだろうとなるが海波斬が出来ないのでアバンストラッシュ擬きしか出来ない。アバンストラッシュは3つの剣術を1つにすることで完成する奥義であり、海波斬が出来ない以上は難しい。
「水遁 水喇叭!……火遁 業火球!……風遁 真空弾」
口から水を、炎を、風を吐き出す。
既に完成していた風遁だけでなく水遁と火遁もある程度は使える様になっている……鬼鮫レベルの水遁じゃないし、うちは一族レベルの火遁の術でもない。風遁もまぁ、それなりに威力があるがそれだけだ。
「くそ……どうすりゃいいんだ」
ナルトの奴はゴムボールをチャクラで割るのに苦戦をしている。
ゴムボールの破壊に必要なのは高密度なチャクラで、ナルトは一定量を出し続ける事は出来るがチャクラの密度を上げたりする事はまだ上手く出来ていない。サクラとかはサラッとチャクラを高密度に固めて怪力を発揮しているが……
「ナルト、ゴムボールを割るのは第一段階と同じだ……違う所があるってならめっちゃスゴいチャクラが居るってことぐらいだ」
「チャクラは流してるってばよ!」
「ただのチャクラじゃない、めっちゃスゴいチャクラだ……それが第二段階で求められる物だ」
俺はゴムボールを1つ取ってパァンと破裂させた。
既に螺旋丸を完成させているのだから、手の経絡系を痛めたり負荷がかかったりする事は無い。
物凄いチャクラを求めるというスゴく分かりやすいヒントを出した。
ナルトがどういう風に答えを出すかは知らないが……少しずつ、少しずつゴムボールがボコボコとする様になって最終的にはプシューとゴムボールに穴が空いた。
自来也さんは少しは進歩したなと褒めてアイスを奢ってくれて、第二段階のヒント、チャクラの集中について教える。
物凄いチャクラも必要だがそれと同時にそのチャクラを一定の場所に維持する事が大事なのだと掌に渦を書けばそこからナルトは今まではうんともすんとも言わなかったゴムボールがプシューと穴が開く様になった……だが、破裂はしない
「お前さんの方はなにか閃いたかの?」
「折角、飛雷神の術を覚えたりしたんでそれを何かに使えないかなってなってます」
「移動するだけだがそれが恐ろしい忍術だからのぅ……」
俺の進捗状況について聞いてくる。発動に時間がかかったり色々な物にマーキングする事が出来るわけじゃねえが一応は飛雷神の術を会得した。四代目や卑劣様の様にポンポンと使えない。物凄く強力な技を前にして回避するぐらいにしか飛雷神の術が使えそうにない。
それだけでも充分で、自来也さんも飛雷神の術は時空間を経由して移動するだけの術だから弄くりようが無いと考えている。
「そもそもで時空間忍術と言っているが空間を跳躍するタイプの補助系の術が主体で……ワシも色々と見てきたが、時間を移動する術は見たことがないの……空間を操るという事で三次元だけでなく四次元に干渉しているから時空間忍術と言われておるが」
「流石に時間の移動は……そういうのすると色々とややこしくなるんで」
「タイムパラドックスというやつだの……まぁ、焦るな。飛雷神の術で過去にワシは何度も命を救ってもらった。お前さんのあの蒼い龍が如何に強くてもお前さん自身が弱いという弱点がある。飛雷神の術は逃げる時に便利な術だ」
ナルトが攻撃系の必殺技を覚えようとしている中で逃げる為の術を覚えている事を誇れと言われてなんとも言えねえ気持ちになる。
飛雷神の術を攻撃に使うとして、どうすると?……飛雷してからなにか行動するんじゃなくて、飛雷神の術を相手に当てて溶岩地帯に叩き込む?……いや、飛雷神の術はチャクラか本人が触れてないとダメだし、今の俺じゃ目視する事が出来ない場所、例えばここから木ノ葉の里までポンッと飛雷神の術で移動は出来ねえ。
「攻撃系の空間忍術……神威?」
攻撃系の空間忍術はなにかないかと考えればカカシ先生の神威を思い出す。
アレは確か、空間を捻じ曲げて無理矢理切断する感じの技で……実際のところは物体を神威空間に飛ばしている感じの術だった……アレしか空間系の攻撃忍術は知らない。アレは強力だし、無かったら無かったで第四次忍界大戦負けていたぐらいにヤバい代物だ。
ただまぁ、アレは万華鏡写輪眼だから出来る芸当だ。
万華鏡写輪眼はその人によって覚える専用の瞳術があって、他の忍術よりも圧倒的な力を秘めている。飛雷神の術を覚えたての男が神威を真似る事は出来ない。出来ないが、方向性は見えた。
「飛雷神の術がこのマーキングだから空間を無理矢理捻じ曲げる一撃……」
ジョジョのザ・ハンドみたいな感じじゃなくてもっと別の形の一撃……手裏剣を投げて当たった相手を空間を捻じ曲げて削る攻撃を浮かべたがおそらくそれは俺のセンスでは使えない。カカシ先生が両目に万華鏡写輪眼を宿して六道の力を借りてはじめて出来た事だ。
「……アレか……」
どういう風に術を作るべきかと考えて、とある技を思い出す。
それっぽい形になるだろうなと刀を分解して、柄の部分にマーキングを施して……術の練習をしようかと思ったらナルトが螺旋丸の第二段階のゴムボールを割ることを成功させた。
「掌が焼き付くほどの高密度なチャクラ……中々に魅せてくれるわ」
「でも、自来也さん……最後はスゴいキツいっすよ?第一段階と第二段階を我流でなんとかしてる以上は第三段階も我流でなんとかしなきゃ無理っすよ」
「こやつは意外性No.1の忍、ワシや術を考案した四代目ですら思いつかなかった方法で会得するだろう……辰五郎もなにかを見つけた様だの」
「今から修業だって時に自来也さんが来ましたけど」
「それはすまんかったの。しかし、綱手らしき人物を見たという目撃情報があっての……ナルトを休ませれば探しに行く」
「了解っす」
俺の方は俺の方でなんだかんだで上手くいきそうな感じはしている。
ここ最近の疲れが溜まっていたのかナルトは爆睡していて宿屋に連れて帰れば朝までしっかりと熟睡し……気付けば全回復した。恐るべし、九尾の力。
「綱手らしき人物を見かけたとの情報が入った……急ぐぞ」
「第三段階は?」
「なに、第三段階は歩きながらでも出来る事だ」
自来也さんはそう言い風船を膨らませて螺旋丸について説明をする。
圧倒的な速度で高密度なチャクラを乱回転させてそれを1つの小さな球にして留める。第三段階を会得したのと第二段階を会得したのではどういう風に違うのかをみせつけて螺旋丸の凄さを教えて……ナルトも実戦してみるが風船は破裂してしまって失敗に終わる。
「これは……今までと違う」
「この第三段階がこの術の要であり最も難しいところ……ただでさえお前は本来の覚え方で覚えとらん以上は何かしらの形でこの術を使えるようにならなければならん。コツらしいコツは一切無い!お前の閃きと体で無理矢理覚えろ!」
第三段階が今までとは段違いに難しい事をナルトは即座に理解し、自来也さんもそこが一番難しいと言う。
移動しながら出来る様になれとナルトに修業を与えれば自来也さんは歩き出し、俺もついていく。ナルトは何度も何度も螺旋丸の第三段階を試そうとするが、最後のチャクラを留める事に苦戦しており破裂……そして
「へへ、二代目だってばよ」
「いや〜ラッキー」
綱手様捜索の際に立ち寄ったパチスロ屋でナルトはフィーバーを起こした。
コイン1枚であそこまでフィーバーするかと思えるぐらいにナルトは大フィーバーしており、俺はたまたま売っていた直ぐに結果が出る宝くじを購入して1等が当たった。
「お前等、忍術の才能よりそっちの才能の方が強いの……ワシなんぞ負けかけたというのに」
ナルトは赤色の蝦蟇の財布を見て笑みを浮かべる。
やっぱり財布はパンパンに太っているのが一番だと笑っていて二代目の蝦蟇財布を手に入れた事を喜んで、俺は宝くじで通帳の中身が更にパンパンに増えた事を喜んだ。
綱手様を探す為の賭けをした際に自来也さんは危うく負けかけたので、そっちの才能があるナルトや俺を見て呆れている。
「エロ仙人さ、さっきから色んなギャンブル出来る場所に行ってるけど綱手って婆ちゃん見つかんねえじゃねえか」
「目撃情報だけはしっかりと取れておる……とは言えこのままでは同じ街に居ても会えない可能性もある。高い所から探すのもありか」
「自来也さん、サラッと出してますけど普段、別の用途に使ってますよね?」
色々とギャンブルが出来る場所に行ったけども綱手様が見つからない。
自来也さんは目撃情報はしっかりと手に入れているが近くに居ることだけは確かだが、全くと言って見つからないのもまた事実だと望遠鏡を取り出した。普段は女湯を覗く為の道具なのに本来の正しい使い方をしようとしている。
「な、なんだ!?」
「コレは……」
「おじさん、ここでなにかあったんですか?」
「ああ、実はついさっき巨大な蛇が現れて」
上から見てみようとなったので城を目指していると粉々に破壊されている城に遭遇する。
明らかに戦闘をしている後が残っており、近くにいたおじさんに聞けば巨大な蛇が現れて暴れた事を教えてくれて……ナルトはその蛇は自分の里でも暴れた事を言えば自来也さんが先を急ぐぞと早足になる。
「どうしたんだってばよ、エロ仙人のやつ」
「蛇を暴れさせた奴に心当たりがあって、わざわざ暴れさせるって事は……相当な事件に発展してるって考えたんだろう」
自来也さんは破壊の痕跡を見たが、痕跡だけ残っていてその他の手掛かりらしい手掛かりは見つからない。
争っていた奴等を見なかったか等を聞いたが大蛇が現れて暴れたとなれば近隣住民にとって大騒ぎでパニックになって、何処の誰が何をしていたか等については全くと言って分からなかった。
「今日の晩飯はここにするぞ」
「って、居酒屋じゃん!!俺ってばまだ飲めねえってばよ!」
「こういう所にこそ情報が集まるんだ……お前は辰五郎と一緒にツマミでも食ってろ……ほぉ」
「!」
「!」
普通の飯屋でなく居酒屋に来たことについてナルトは文句を言うが、こういう所の方が情報が集まりやすいと入店する。
そこには……ずっと探していた探し人である綱手様と綱手様の補佐を務めているシズネさんが居た。2人は自来也さんを見て気付いて驚いた。
「やはり、こういう所におるの」
「自来也……まさか一日の内に三忍全員が揃うとはな」
「……やはりアレは大蛇丸か。すまんが相席させてもらうぞ」
「勝手にしろ」
自来也さんは遂に見つけたぞと喜んで相席をする。
ナルトはこの人がと驚いているが、綱手様は特に無関心でありお猪口に酒を注ぎ込む。
「単刀直入に言う……お前が五代目火影に指名された」
「……ええ!!」
「本当にいきなりだな……やはりあの噂は本当だったか」
「ああ……猿飛先生は大蛇丸に殺された」
「……そうか」
五代目火影に襲名された事を聞けば綱手様は驚くのでなく、何故五代目火影が必要なのかについて探る。
三代目火影が死んだ、だから五代目火影が必要になる。それにピッタリなのは綱手様しかいない。至って普通の話だ。
「エロ仙人!どういうことだってばよ!取材じゃねえのか!」
「気にはなっていたが、なんだそのガキどもは」
「うずまきナルト、知っておるだろ」
「……九尾のガキか……そうなるともう1人は蒼い龍のガキか?」
え、待って。俺の情報の拡散早くない?ブルードラゴンを使ってまだそんなに日数が経過してないんだけども。
綱手様が納得をしたがナルトは納得がいかないとなんで綱手様が五代目にと聞いたりしてくる。
「お前も知っての通り三代目は死んだ……砂との小競り合いを含めて木ノ葉は火の車状態で今すぐにでも新しい火影が必要になる。そこで上層部が綱手を抜擢した。綱手は初代火影、千手柱間様の孫であり医療忍術を使わせれば右に出るものは居ないとされている。実力も血筋も申し分ない……綱手よ、このままでは木ノ葉は危うい。今までの様に着のみ着のままの風来坊を止めて木ノ葉の里に戻り五代目に就任してくれ」
「……嫌だね」
自来也さんがわかりやすく説明をした後に五代目に就任してくれと頼み込む。
自来也さんの言葉に綱手さんは一瞬だけなにかを考える素振りを見せた後に嫌だと断った。
「木ノ葉の里が大変だろうが知ったことじゃない……あたしに爺さんや先生の火の意思が継がれていると思っているならアテが外れたね。あたしには里なんぞに賭ける命は持ち合わせていない……」
「……綱手」
「爺さんも先生も最後は里の為だなんだと言っているけど、ロクな最後を迎えていない……長い間、大蛇丸を放置していたくせにいざ自分で始末しなきゃならない時がやって来て、出来なかった。犬死にだよありゃあ」
「んだと、このクソババア!!!三代目の爺ちゃんの思いが、あん時居なかったくせになにが言えるんだ!!」
「よせ、ナルト!」
「伝説の三忍だかなんだかしんねえけどな!火影ってのはそんなんじゃねえんだよ!!」
綱手様の発言に対して真っ先にキレたのはナルトだった。
綱手様に対してテーブルまで乗り出してガンを飛ばしていて睨みつけている……怒っているのが分かっているが、綱手様にとっては大した脅威でもなんでもない。
「表出ろ。一発ぶん殴ってやる」
「いいだろう。お前等と飲んでたら酒の味が不味くなるからな」
「あ、すみませーん。皮タレとボンジリと唐揚げをお願いします」
ナルトが綱手様に向かって喧嘩を売れば綱手様はその喧嘩を買った。
俺は全くと言って気にせずに居酒屋のメニューを追加注文すれば綱手様の補佐であるシズネさんがズッコケた。
「あの、今から決闘なんですが」
「ああ、大丈夫大丈夫……今の状態じゃどう転んでも意味は無いから」
「なにを根拠に言っておる?」
「綱手様の命がギラギラと輝いていない……自来也さんは綱手様がどれだけスゴい忍なのかは知ってるだろうけど、それは過去の話。今じゃ伝説のカモと称される程のギャンブル狂いになって放浪の旅をしている。純粋にギャンブルが好きだろうけど、それよりも嫌な事から目を背ける為になにかで妥協をしようとしている」
「「!!」」
綱手様になにをやっても無意味なのはわかっていることだから、俺は全くと言って気にしない。
原作知識とかそういうのも関係なくてもこの人は止まっているんだなと言うのがハッキリと分かる。
「人が生きていると言えるのは、熱を持って何かをしている時……でもこの人には込み上げる熱を持っていない。伝説の三忍と言われるほどの忍で、俺やナルト以上に様々な経験をしている。良いことが沢山あった分、それ以上に悪いことが沢山あった」
「……だからって、三代目の爺ちゃんや火影をバカにする発言は見過ごせねえってばよ」
「逆だよ逆……三代目も初代の火影も、最後までバカを貫き通したんだ……初代がバカを貫き通して頑張ったおかげで木ノ葉の里が生まれた。三代目は前線を退いて四代目に譲ったがその四代目は命懸けで死んで前線に舞い戻って、後釜を作らずにずっと火影として頑張っていた……バカとしか言えねえが、それでいい」
「それでいいって、お前」
「そこにギラギラと熱を帯びた火の意思ってのがある……確かに初代のおっさん達は二代目様と違って色々とやらかしている。でも、それでも真っ直ぐと突き進んでいった……熱を持っていた。だが、綱手様からはそれを感じない」
火影はバカな奴だという考えに対し、ナルトはバカにしていると思っているから怒っているが俺からすれば火影はバカで間違いない。
綱手様からは火影から感じていた熱らしい熱は全くと言って感じておらず、ただただ惰性に生きているとしか言えねえ。
「その人が火影にとって相応しい能力があるだろうけど、一番肝心な熱を持っていない。熱を持っていない人間は熱い三流にすら劣る」
「……小僧、お前、まさか、お前の名は」
「無限界時空、この名前ぐらいは聞いたことあんだろ」
熱い三流と言う言葉を聞いてある事を思い出す綱手様。
まさかと思って聞いてくるので俺のペンネームを言えば……何処かしんみりとした顔をした。
「火影ってのは熱いんだ……そんなやる気のねえババアは俺がぶっ飛ばしてやる」
その後はまぁ、原作通りに綱手様にボコられるナルト。
火影の夢について語れば大きな隙が生まれてナルトは螺旋丸をしようとするが失敗に終わり、蝦蟇財布二号を奪われて賭けを持ち出された。
「綱手には熱が無い、か……確かにそうかもしれんの。この数年はただ単にギャンブルで遊び呆けているだけの人生を送っていてなにもしなかった……だが、それでも綱手にも火の意思は受け継がれている筈だ。その意思を火を滾らせる事を出来るのは……ナルト、お前だけだろう」