忍の世界とか割と詰みである 作:こうすけ増田劇場版
「のぅ、辰五郎よ。綱手の奴にこの話を持ってきても分かったと直ぐに頷くとは微塵も思っとらんかった」
「三忍って言われてるのに、なんにもしてないってなりゃそうなるっすよ」
「やはり、ナルトとお前さんを連れてきて正解だったの……綱手にも火の意思は確かに受け継がれている。だが、綱手は今は抜け殻の様なものだ」
「力じゃなくて言葉とか行動での説得はナルトが一番っすよ」
ナルトと螺旋丸を1週間で覚えるのか覚えないのか賭けをした綱手様。
それを見た自来也さんは綱手様の忍としての実力は全くと言って衰えていないと分かるが、心の方に問題があるのだと即座に見抜く。
後はやる気さえ、火影として覚悟を決めたのだと括った腹を見せればいいだけだけど、それが簡単に行かない。
「綱手の奴、あの様子だと大蛇丸に良からぬ話を持ちかけられているだろう……如何に今の奴が木ノ葉の忍として腐っていても、そこまで落ちぶれているとは思えんし思いたくもない。だが……現実逃避をする様に賭場を巡っておる」
「現実逃避なら、その内に現実と向き合う日が……ナルトとの約束の日に何かありますよ」
ギャンブル狂いになっているが現実逃避の為にギャンブル狂いになっている。
ナルトとの約束の日が来たのならばその時が変わるキッカケを手に入れることが出来る日だ。自来也さんは綱手様の事を信じている、信じているからこそ大蛇丸の手にかかりそうだと危惧している。
相手の心を動かすなにかが欲しいとしても、それが出来るのは自来也さんじゃねえ。
ナルトならばなんとかするだろうとなり、俺も本来の修業を再開する。綱手様が見つかって1週間という誓約を作ったが、逆を言えば1週間だけだったら自由に好きに修業をしていい。
「ふぅ……ふん!」
飛雷神の術をポンポンと使えず、飛雷神の術は移動系の補助忍術だ。
だから他の形に進化させなきゃならねえと思い浮かんだ1つの答えを実行する為に刀を振るう。
刀にマーキングをしており、思った様な結果を起こしている……だが、まだだ。まだ自分が思っているハッキリとした形を残す事が出来ていない。攻撃系の時空間忍術で思った通りの結果にならない以上は刀を振るう。
ナルトも螺旋丸を必死になって覚えようとしているが最後の留めると言う段階で失敗に終わっている。
「くそぉ……完成しねえ。後ちょっと、後ちょっとなのに」
何度も何度も未完成の螺旋丸で木を抉るナルト。
この時点でも充分過ぎる威力が出ているが自来也さんに見せられた螺旋丸の完成形と比較すれば雲泥の差がある。影分身の術を使えばいいとアドバイスを送ってもいいが、ナルトが自力で気付かなくちゃ文字通り螺旋丸は覚えられない。
「っち……」
ナルトの心配もいいが自分の心配をしなきゃいけねえ。
新必殺技を使うためにマーキングにチャクラを流してチャクラ刀にするがチャクラ刀はカタカタと震えている。時空間忍術で空間を歪めたりしているから当然と言えば当然だが、これを抑えられる万力の如き握力が必要になる。
「で、お前はずっと眠ってたってわけ?」
「悪かったな」
ナルトがなんとかしてくれるだろうと綱手様の一件を丸投げした結果、終わった。
原作通りの展開になったかどうかは知らねえがナルトは螺旋丸を無事に会得する事が出来て綱手様は五代目火影になると覚悟を決めたみたいだ……なんでこんな他人事の様に言っているかと言えば……寝てました。
ナルトが決戦の日が大蛇丸の約束の日であり、俺もその日までには術を完成させなきゃいけねえなで徹夜をした。
これがナルトだったら九尾のチャクラのおかげで圧倒的な生命力のもとで1回寝ればケロッと回復するが俺は半日ぐらい爆睡して回復した。普段から行っている波紋擬きの陽遁のおかげで回復速度が早いには早いが、ナルトと比較したらそりゃ遅いだろうなで半日ぐらい爆睡し……ナルト達のカッコいい姿を見逃してしまった。
なにやってんだよ俺!となるが、下手に俺が介入して綱手様が五代目火影の話を蹴ってしまったら元も子もない。
結果的にはいい方向に流れたものの、はいそうですかで簡単に納得する事が出来るかと言えば中々に出来ない。折角の新必殺技が無駄になってしまった。
「辰五郎……確かにお祖父様も先生もバカだった。でも、そのバカを最後まで見事に貫き通した見事なまでのバカだ。私にもそんなバカなところがしっかりと引き継がれている……思い出したよ、火の意思って奴をね」
「そりゃなによりっす……けど、大変なのはここからですよ。本来ならば頑張らなきゃいけねえ四代目が倒れて三代目が一時的に戻ってその三代目が亡くなって火の車状態で、木ノ葉の里はガッタガタなんですから」
「そこは私に任せろ!……それよりも、お前がついてきている目的を聞いた。アレは良くない噂しか無いから関わり合いを持ちたくないと思うのは賢明な判断だ。しかし里を運営していく上では奴等が必要なのもまた事実」
「それでも尚、ロクでなしな最悪な奴等なんで関わり合いを持ちたくないっすね」
「そうか……安心しろ。私が五代目火影になる以上は嫌がるお前をダンゾウに引き抜かせない様にはしてみせる。しかしその分、ビシビシと働いてもらうから覚悟しておけ!」
「了解っす」
やっぱりこういうオチになるんだなとダンゾウについて言及がされる。
サスケと裏で色々とあったことでなく、コイツはダメだと本能的に嫌っているのを見抜いていて綱手様も黒なのは知っていると木ノ葉の里に帰りながらも極力、そういう力を誇示する為に道具や裏で余計な事をさせない為の道具にさせないと約束を取り付ける。
出来ればだが、木ノ葉の忍として云々の物騒な話はもうしたくねえよと思っているが無理なもんは無理だ。
「お、辰五郎じゃねえか……お前もここに居るって事はそういう事か?」
「まぁな……本気でやりに行ったけど、アレで通過するとは思っていなかった」
そんなこんなで木ノ葉の里に帰還して忍者登録室に向かっていればシカマルとシカクさんに遭遇する。
シカマルがここに居るって事はそういう事だと聞いてくるので、頷けばシカマルは呆れた顔をしていた。
「もう話題になってっからな。赤い血潮のハバネロの再来と木ノ葉の蒼い龍って……」
「少し前まで外に出てたけど噂が広まるの早いな」
「たりめえだ。中忍試験ってのはそういう場所でもあんだからよ」
既に色々な国にその名が渡り知っているかと思っていなかったが、シカクさんは中忍試験はそういう場所でもあるから噂話が広まるのは極々普通の事で、ましては面白味に欠ける試合だった筈が圧倒的な力と力のぶつかり合いで観客達を大いに興奮させている。
「辰五郎、1つ聞きてえんだが……あの影はお前のオリジナルの忍術か?」
「気付いた時にはなんか使えてた術で奈良一族の影を操る術をパクったとかそういうのは無いっすよ」
影について疑問を抱いていたシカクさんは奈良一族の影真似の術をパクったのかを聞いてくる。
そんな器用な芸当は出来ないと気付いが時にはなんか使えていたと答えればシカクさんは数秒沈黙して納得した。
「お前がそういうのを目的にシカマルやチョウジ達に近付くなんざ考えづらいからな……疑って悪かったな」
「いや、影自身がなんなのかは分かってないですし恨み言の1つや2つぐらいはありますから……っと、本来の目的を済ませますか」
本来の目的……木ノ葉崩しでなんだかんだで有耶無耶になった中忍試験だが、評価しているところは評価している。
シカマルと俺は中忍に必要な能力を持っていると判断して中忍に昇格する……シカマルはテマリ戦が正しく評価されていたからで、俺の場合は今の今まで温存していたブルードラゴンを暴れさせたから上もこのまま下忍なのはマズいと早急に中忍に昇格させた感じか。
「コレでお前達も晴れて一人前の木ノ葉の忍になったわけだ。いきなり難易度の高い任務をポンッと渡すつもりは無いが、油断していれば高難易度の任務でヘマをやらかす。腕をしっかりと磨けよ」
中忍になったら着ることが出来る木ノ葉の中忍のジャケットを貰う。
シカクさんはコレで一人前だと念を押しており、俺とシカマルに木ノ葉の里の忍として頑張れよと色々と応援をしてくれている。
中忍になることは出来たが、異例の速さで暗部に行くことは流石に無かった。綱手様がそれはさせないと阻止してくれたみたいだ。
「俺は無事に中忍に昇格する事が出来たぞ」
中忍試験を突破する事に成功したと俺はサスケに報告をする。
サスケは中忍試験で勝ってもいないし負けてもいないなんとも言えない試合だったので、評価をしようにもすることが出来ない。
「……あの時、明らかにイタチは動揺していた。どうしてそれを俺が知っているとなった」
中忍になった事を自慢する為に来たが、俺が見せた中忍のジャケットを見てもリアクションがイマイチのサスケ。
心の中にあるのは数年以上会っていなかった兄であるイタチとの再会の間に起きた出来事で、サスケはイタチの僅か挙動によって今まで裏があるかもしれないという思いから裏があったと確信をしている。
「上に上がったのなら、情報は集めれるのか?」
「答えだけ言えば無理だろうな。イタチをボコってイタチから真実や真意を聞き出さなきゃ話にならねえ……でも、それをするのは俺の仕事じゃない。サスケ、お前の仕事だ」
「っ……」
綱手様によってボロボロだったサスケは無事に回復をしているが、まだ全回復してない。
今の内に話し合いをと思ったが……サスケの手が震えている。
「俺はイタチへの復讐の為に力を求めた。写輪眼を三つ巴にし、千鳥を会得して力は確かに手にした筈だ……だが、それでもこんなに遠いとは思っていなかった。辰五郎、なんでもいい!!今すぐにでも強くなれるなにかがあんだろ!」
「残念だが、もう無いぞ」
イタチとの間にある圧倒的な力の差について痛感しているサスケは新しい力を求める。
俺の事だからあっという間にパワーアップすることが出来る何かがあるんだと聞いてくるがもう無い……俺自身が強くなる方法は探せばまだ幾らかは残っているが他人に伝授する事が可能かどうかの話になれば別だ。
「なら……お前はイタチに勝てるか?」
「無理だな……初見殺しの必殺技をやっと会得したけど、相手に通じるかどうかは分からねえしイタチにはサスケ以上の写輪眼がある。まだまだ全力でもないからブルードラゴンを使ったとしても本当に何億分の1かの奇跡を起こさなきゃ勝てない」
「……っち……」
サスケの奴は自分の力の無さに苛立っている。
それと同時に周りの連中が自分よりも先にポンポンと先を行っている事について、エリートな家柄な為にサスケはプライドが刺激されている……自分よりも先に駒を進めている奴等で一番気になるのはナルトだろうな……昔からポンポンと衝突しているし。
読み通りと言うべきか、翌日の見舞いにやってきたナルトに対して喧嘩を売って千鳥vs螺旋丸を巻き起こした。
途中まではただの喧嘩だと思っていたサクラが本気の殺し合いをしていると気付いて止めに入るが術を発動中のナルトとサスケを止めれず、カカシ先生が2人の手首を掴んで投げ捨てた。
「このまま行くなこれは……」
サスケは順調に強くなってはいるが、あくまでも順調にだ。
段違いにポンポンと強くなっていくナルトを見ればこのままの環境では永遠にイタチに追いつけないと悩みに悩んでおり、そこを大蛇丸が付け込むだろうな。