忍の世界とか割と詰みである 作:こうすけ増田劇場版
「!」
「うーす」
リュックを背負った真剣な顔をしているサスケと遭遇した……真夜中にだ。
俺の後ろには木ノ葉の出入り口である門があり、俺が現れたのを見てサスケは驚いた。
「……テメエ、なにをしにきた?」
「お前こそ、自分がなにをしようとしているのか自覚はあるのか?」
殺気立ってビリビリとした空気が流れている中でサスケがなにをしにきたか聞いた。
質問に対して質問で返すのは失礼な真似なのは分かっているが、サスケが何をしているのかについて改めて問う。
「……俺はイタチに対して復讐をしたい。写輪眼を持っているカカシですらイタチには手も足も出ない。このままぬくぬくと木ノ葉の里に居たらなにも変わらない」
「そうか……サスケ、第7班での任務や修業は心地良かったか?」
サスケとナルトが殺し合いに近い喧嘩をして、ナルトの方はともかくサスケの方が危ういとカカシ先生は動いた。
だけど既に大蛇丸は動いていて、強くなりたければ等の甘い口説き文句を言ってきて……力を持っているサスケを闇に誘っている。サスケはとにかく強くなりたい、強くならなければ目的を果たすことが出来ないと大蛇丸の元に向かうことを決めた。
「なんだ、いきなり……俺に情で誘っているのか?」
「んなもんで動けば今頃はサクラの段階で終わってんだろ……俺は作りたい物がある、それを目標にしてまぁ、それなりに頑張ってたけど第7班での任務は悪くなかった。ナルトがドタバタしてお前が煽ってサクラがツッコミを入れたりしてカカシ先生が煽って時には締めるところを〆てで」
「……俺も悪い日々とは思っていない。だが、それでもだ……お前が言っていた様に目的を果たす為には他に余計な事をしない、心の刃を常に研ぎ続けているつもりだ。今から行う事だって何度も何度も考えた。だが、里はナルトも俺もガキ扱いで何1つ真実を打ち明けない腐った場所だ」
別に感情を揺さぶろうなんて思いは無い、サスケは覚悟を決めたのだからそれを止めるのは無粋な真似だ。
ただサスケに聞きたかった。忍になって第7班……1年も経過していない班だけど、それでも色々な任務を行った。サスケにとって充実した日常であったかどうかの確認をすれば充実していたことは認めるが、それでもしなきゃいけない野望がある。
「そうか……ほらよ」
「握り飯に……巻物?」
どれだけ時間が経過しても嘗ての思い人の愛が消えない綱手様の様にどれだけ時間が経過しても果たさない限りはサスケの思いは消えない。止める理由は何処にも無いと分かったし、最初から止めるつもりなんて無かった。今日ぐらいに行動するだろうなと予測していたので竹の皮で包んだ握り飯と1つの巻物を渡した。
「巻物の方はもう1個の巻物とリンクしている……イタチを倒したとしても、イタチの裏に潜んでいる奴はしっかりといる。だからイタチを倒して準備万端になったらその巻物を開いてチャクラを流せ。もう1つの巻物にチャクラ反応があれば1回だけお前を口寄せの術で呼び出せる」
「……辰五郎、お前」
「イタチを倒したとしても、真の黒幕は別に居る。俺も俺で明日にでもサスケを逃がした事について綱手様から怒られるついでに色々とカマをかけたりする……新しく五代目になった綱手様に関しては完全に白だけど、生き残っている三代目世代の上層部は怪しさが満載だ……だけどコレだけはハッキリと言える。確実に狙う時がやって来るのが」
自分のことを止めるのかと思えば用意周到なぐらいに色々と用意していたので少しだけサスケは驚いた。
俺だって色々と黒いんだぞと思いつつもサスケは巻物とおにぎりが入った竹の皮の弁当を受け取って……おにぎりを食べた。
「おかかにするなら混ぜご飯じゃなくて具にしろ」
「文句を言うんじゃねえ……じゃあな」
おかかにしたけど鰹節を醤油で混ぜた物をご飯と絡めた物で、サスケは具じゃない事に対して文句を言う。
最後の最後までサスケはサスケらしいと感じながらもサスケが里から出ていくのを見送った……
「最後まで悪役を演じるなら演じるで、俺は利用させてもらうぞ」
イタチがサスケだけを残してうちは一族を皆殺しにしたが、サスケだけを残したのはサスケを殺したくなかったからだ。
唯一の最愛の弟だけは手を出して欲しくないし出せない。他の一族の面々も手を出したくなかったが、それでも大きな争いにならない為にイタチは自らの意思で悪役を買って出た。
それが受け継がれている火の意志なのか卑の意思なのかは分からん。
ただ三代目は三代目なりに分かり合おうと初代のおっさんの様に心からの対話を望んでいたが、ダンゾウが裏でロクでもない事をして事態を悪化させた。全ては里の為だと大義名分のもとに……ダンゾウこそが何者にもなれない木偶の坊だろう。
そんなダンゾウが居ると色々と迷惑なのでとっとと消えてもらいたい。
サクラが近くのベンチで眠っている。明け方ぐらいになれば起きる当て身での気絶をさせられているので近くのベンチに座って眠っていると……中忍のモブじゃなかった、コテツさんといずもさんが俺達の存在に気付いて声をかけてサクラは直ぐに綱手様のもとに走り出して説明をした。
「お前も近くに居たと言う事は、サスケを止めようとしたのか」
「止めようとしても千鳥で本気で殺しに来そうだったんです即座に諦めましたし……これはこれでよかったと思ってますよ」
「どういう意味だ?」
「じゃ、軽く説明を」
俺が現場に居たのにサスケが出ていくことを止められなかった事について聞いてくる綱手様。
これはこれでよかったのだと言えば意味が分かっていないので説明をと綱手様の肩をポンッと触れる。それと同時に綱手様に説明をする為の幻術を流し込む。
綱手様は直ぐに幻術だと気付いたがこれにはなにか意味があると幻術の俺から説明を受ける。
俺からする説明としてはナルトの前にうずまきクシナと言う人が人柱力だったこと、九尾の封印を意図的に誰かが解除していてそれをうちは一族の者だと断定して誰かが断罪した。でなければエリートしかいない忍の一族のシフトの調整をする事が出来ない。そしてサスケだけが何故か殺されなかった。サスケが殺していないのはうちは一族をリセットする為だと。
うちは一族は非常に優秀な忍の一族なのは綱手様も百も承知だ。
だが、木ノ葉の里設立時から居る一族で腐敗が進んできているからとうちは一族を粛清した……が、うちは一族は忍として優秀なのは言うまでもないからうちは一族の血をしっかりと残す為だけにサスケを残した。サスケの野望である一族復興をすれば、汚い思想を持っているうちは一族は文字通り居なくなり生まれ変わるから。
「バカな……上がそんな事をするとは到底思えん!」
「じゃあ、綱手様……今からうちは一族の跡地に行きますか?……五代目に選ばれた貴女ならうちは一族を殺せるでしょうが、飛雷神の術の様な移動系の時空間忍術が無くて1日で皆殺しに出来ますか?」
「それは……」
「一番の不可解はそこじゃなくて、うずまきクシナって人からなんで九尾が出たって所ですよ。自来也さんは口を開く度に男としては自分の方が立派だけど、忍としては上だって言ってる四代目がミスをしますか?」
「……」
幻術を解除した綱手様は信じられないと驚いているが、色々と合わない辻褄や未だに判明してない謎がある。
先代の人柱力から九尾が出ていくのが一番ありえない事で、四代目がミスを犯すだなんて想像が出来ない。実際のところは色々とミスってるところはあるが、それでも九尾の事は失敗しない。
「……辰五郎よ、シカマルを呼べ」
「綱手様……狙いがなんなのかは分かってます。でも、俺はその任務に参加しません……体を張ってでも止めなきゃいけない。綱手様は嘗ての同志で友であった大蛇丸を倒すって腹を括ったのに、俺はあっさりとサスケを通したんで……裏でめんどくせえサスケの事務処理をしておきますよ」
「シカマルを呼んだ後にしろ」
「了解っす」
シカマルを呼ばなきゃ話は進まないとシカマルを呼んだ。
サスケが里抜けをしたことを伝えれば驚いていて、サスケについて奪還してくれと頼み込むが任務の内容が新米の中忍にやらせるものでなく、その上で優秀な下忍を集めてサスケの奪還というハードルを上げるのも大概にしろよな内容になった。
「辰五郎、お前がついてくりゃ百人力なんだけどな」
「仕方ねえよ。俺だってやらなきゃいけねえことがある……つか、サクラはどうした?充分な戦力になるだろ」
木ノ葉の入口の門に集まったのはナルト、ネジ、チョウジ、キバ、シカマルの5人。
木ノ葉の下忍でも一部は中忍以上の能力を持っている……俺は今回はついていかない事になっていて、俺が参加したら色々と楽に進みやすいとシカマルは文句を言うが俺もやらなきゃいけねえことがある。ついでにサクラについても聞けば……サクラが現れた。
「……無理だったわ」
「……」
「私ね……サスケくんが抜けるのは仕方ないって思っているのよ。他の皆と違って家族が普通に居て、恵まれた環境で。だから私にはサスケくんを止める言葉を持ってないって。サスケくんを止める言葉を持っていないけど、それこそついて行こうと思った……サスケくんね、最後に言ったのよ。ありがとうって」
ポロポロと涙を流しながらもサスケを止めることが出来なかった、サスケを止める力を持っていないんじゃなくてサスケを止める言葉を持っていない。サスケがこのままノコノコと平穏に暮らすことは絶対に無理なのはサクラでも分かっていて……サスケに気絶させられる前に聞いた最後の言葉を思い出す。
「私達と過ごした時間や思い出はサスケくんの心の中にしっかりとある……それでも、それでもサスケくんは……」
「サクラちゃん……俺に任せてくれってばよ」
「ナルト」
「なんだかな、分かんねえけどサスケの奴だけはどうしても放っておけねえんだってばよ……仲間とか同期とかそういうのを通り越してさ。俺とサスケは似てるところあるし、何かが繋がってるってなんとなくでわかるんだ。サスケの野郎を一発ぶん殴って目を覚まさせてやるってばよ!」
「……私にはそれが出来なかった。お願い」
サクラはサスケを殴って止める事が出来ず、強い繋がりがあってもそれを踏まえても尚、サスケは里を飛び出して行った。
ナルトに後を託したがサクラは強く拳を握っている……止める事が出来なかった弱い自分を悔やんでいた。そしてナルト達はサスケ奪還に向けて動き出した。
「……このままじゃダメね……もっと、もっと強くならないと。サスケくんにもナルトにも負けないぐらいに」
「その前にやっておかなきゃいけねえことあるだろうに」
「なにがあるの?」
「サスケは自らの意思で抜け忍になった……抜け忍がどういう風に対処されるかは知ってるだろう。でも、綱手様はナルトに依怙贔屓するからなぁなぁで誤魔化す。だから今の内に正式にサスケは大蛇丸に拉致されたって事にしておくんだよ。幸いにも周りにそれを納得させる事が出来る証拠はあるからな」
大蛇丸は血継限界を持っている忍を集めたりしていて、洗脳に近い扇動で大蛇丸の元に向かわせる様にしている。
サスケも洗脳されているとか大蛇丸に呪印を付けられてそれが原因でまともに忍として活動する事が出来ないとか色々と誤魔化しは利く……中忍になって一番最初にやる仕事は事務処理、ただの事務処理じゃなくて敗戦処理だ。
原作通りナルトはサスケと千鳥vs螺旋丸を繰り広げたけども敗北した。
サスケはナルトの命を奪わず自分の額当てに横一文字の傷をつけて木ノ葉の里との繋がりを断つという証を刻んだ……そしてサクラは綱手様に弟子入りをしナルトは自来也さんと一緒に修業の旅に……出なかった。
「やっぱ、そう来るか」
自来也さんは自来也さんなりに大蛇丸のアジトや暁の行方を!とか言っていて動いている……つまりどういう事かと言えばアニオリが始まった。アニオリのナルト、疾風伝はともかく少年期の方はあんまり覚えてねえからどうしようもねえよ。
アニオリは一部だけやるよ。