忍の世界とか割と詰みである 作:こうすけ増田劇場版
「まさか……ここまでとは」
「甘いですね。こっちにはチョウジが居るんですよ」
新居が無事に建ったのでそれに対する祝いの焼肉を行うことになった。
約束通り肉の代金なんかは綱手様持ちであり綱手様は外で食うよりは安く付くだろうと見積もっていたが、チョウジが居る時点で財布の紐が物凄く大変な事になるのは目に見えており、綱手様の財布はスッカラカンになった。
「しかし、なんだ……引っ越していいのか?」
「なにがすか?」
「ただ暮らしていくのならば今のアパートだけでも充分だろう?隣がナルトなのもあって呼び出しを含めてこれからは色々と不便になると思ってな」
明らかに一人暮らしをするのに向いていない家に引っ越しをすることを綱手様は大丈夫かどうか心配する。
豪邸といえば充分過ぎる豪邸だ……部屋は確実に空いてしまうのは目に見えている。
「今更っすよ」
「……」
「孤児院を自分の意思で出たんだし、帰ってきても誰かが居るとかそういうのは今に始まった話じゃない……だからまぁ、あんまり気にしないでくださいよ」
「……すまん」
別に望んだわけでも何でもないのに強制的に転生された。
この世界は面白いかと言われれば面白いけれども、世界が滅びる大きな戦争があったりしてどうしようもならない。強制的に関わり合いを持たなければならない立ち位置にいる。
あのまま孤児院に居ても忍として働かされるルートはあったんだ。
BORUTOはどうなるかは分かんねえけど、NARUTOが終わるまでは必死になって頑張るしかない……家に帰っても誰も居ないのは今更な事を言えば余計な地雷を踏み抜いてしまったのだと謝ってくるが、謝ったところで何かが変わるわけじゃねえ。
「キャアアアア!!」
「む、女の悲鳴!」
地雷を踏み抜いてしまったのだと気まずい空気が流れる中で女性の悲鳴が聞こえた。
なにか異変が起きたのだと察した綱手様は顔を変えて現場に向かえば……風呂桶を投げつけられている自来也さんとナルトが居た。
「覗きよ覗き!」
「この変態が!」
「俺は覗いてねえってばよ!!覗いたのはエロ仙人で」
「お前も若干テンション上がっとったろう!!っと、早くにズラかるぞ!!」
「何処に行くつもりだい?」
自来也さんとナルトが居て、近くに銭湯がある事から大凡の事情を察することが出来た。
女湯を覗いたんだなこのおっさんと思っていれば額に青筋を浮かべている綱手様と鉢合わせをして……自来也さんもナルトも汗を滝の様に流している。
「ま、待て!コレには深い事情があ」
「お前の深さは足湯にもならんわぁ!!」
「ぐふぉおう!?」
綱手様の拳骨が決まって見事に叩きのめされる自来也さん。
周りも自来也さんがめり込んでいる事に対してドン引きしている…………………ん?
「あれ、おかしいな……」
ドン引きしている視線を感じ取って、うわぁと思っていれば……違和感を感じ取った。
違和感を感じ取ったと言うよりは……サスケとかなり似ているチャクラが物凄く近くにある。ただ質が似ているだけで量は異なっている。サスケが持っているチャクラの最大値を軽く上回っている。
「む、なんだ……見ない顔だな」
「え、あ……」
「怪しいものだな……何者だ?」
「俺は大道芸人で、コイツは俺の弟子だ」
自来也さんを叩きのめした事でスッキリしたが見たことがない人が居ると綱手様は気付いた。
気付いたんだけど、髪型が違ったり顔付きが違うだけで遺伝はしっかりとしている人物で、何者かを聞けば答えに戸惑っていれば、隣に居る眼帯を着けている男が大道芸人と言いゴムボールを投げれば弾けてくす玉になった。
「旅の大道芸人か……忍術を使っているという事は忍崩れ。分かっているとは思うが余計な事はするなよ、ただでさえ木ノ葉の里は警戒態勢を強めているのだから」
「ああ、すまない……………なんだ?俺の顔に何かついているのか?」
「……いや、なんでもない」
大道芸人を名乗っている忍崩れ、サスケだ……チャクラの質とか最大値が変わっているけども根本的なサスケ要素が変わってない。
弟子として扱っている奴はどっからどう見てもうずまきボルト……タイムスリップする話がそういえばあったなと思い出す。
「なんとも怪しいな……そうだ。お前等、この2人を監視しろ」
「えーっ!なんでワシが!ピッチピチのギャルならともかくむさ苦しい男とガキのめんどうなんざ見たくないわい!」
「そうだってばよ!そもそもで原因はエロ仙人で俺は無罪で」
「まだまだ拳での話が足りん様だな?」
「「っひ!?」」
綱手様がパキパキと腕を鳴らせば顔を青くする自来也さんとナルト。
命令だ!と言えば逆らうことは出来ず、綱手様はそのまま去っていった……
「あ、あのさ……俺達も今この里に来たことだし色々と案内してくれたらほしいってばさ」
「そんな事をしてる暇があるなら修業、エロ仙人!今度こそ修業を」
「うむ!では、修業としてそいつ等の面倒を見ろ!ワシは取材をしてくる!」
「おいコラ!あんた、逃げたいだけだろう!」
ナルトに似ている子供は木ノ葉を案内してほしいと頼めばナルトは断る。
自来也さんに修業をつけてくれと頼んでいるが、自来也さんは修業を名目に2人の面倒を押し付けて逃げ去った。
「エロ仙人の奴、取材だなんだ上手い事を言って誤魔化しやがって……」
「まぁまぁ、落ち着けって……結果的にはいい方向に流れたってばさ」
「お前等、怪しい行動するんじゃねえってばよ!」
自来也さんが逃げたので諦めたナルト。
ナルト似の男がいい方向に流れたと喜んでいれば怪しい行動をするんじゃねえとビシッと指を差したが……ナルト似の男しかそこには居なかった。
「あーっ!!言った側から消えてんじゃねえ!」
「サ……師匠はこういう所あるから……大丈夫だってばさ」
「そうか……っと、改めて自己紹介だ。俺は寺田辰五郎だ」
「!……?」
自己紹介をしたらナルト似の男……もうめんどうだからボルトでいいや。ボルトは驚いた顔をしたが直ぐに何かを感じたのか首を傾げた。どういうこと……このボルトとさっきの男こと大人になったサスケは俺が居ない世界線の住人、か?
「あ、なにか足りないかと思えばそういうことか!」
「……足りない?」
「ああ、いや、こっちの話」
ボルトがなんかイマイチリアクションが薄いと思えば何かが無いと言う事に関して気付いた。
足りないって言われても今は買い物中で武器があるとかないとか色々とあるけれども、特にコレと言って大事な物を持っていないとかそういうのを感じない。
「あのおっちゃんどっかに行っちまったし、今日はもう夕暮れだから来るってばよ」
「ああ、ありがとうだってばさ」
そんなこんなで大量の肉を持ってアパートに帰る。
コレは焼肉用で綱手様の財布から出させた良い肉なので冷蔵庫に保存してナルトの部屋に向かえばナルトはカップ麺をボルトに出していた。
「お前、客人にカップ麺ってどうなのよ?」
「明日は肉だから今日はコレで抑えるの!……あ、辰五郎。コイツも加えてもいいかな?」
「いいぞ」
「加えるってなににだ?」
「辰五郎、大食い大会で優勝して家を貰ったんだってばよ。完成したから同期の皆とゲジマユ達と焼肉でパーッとすんだ……安心しろよ。お前も入れてやるってばよ」
「……あの話、マジだったのか」
明日にある焼肉に関して参加させるとなり、その日はカップ麺で終わった。
意外と美味いじゃん!とボルトが言って満足そうにしており、ここは関わらないでおこうと自分の部屋に戻った。
「……あえて言葉にしねえけど、なにやってんだ?」
「敵がこの木ノ葉にやって来ている。ただの敵でなく、ナルトの中に居る九尾を狙っている」
ナルトとボルトが仲良く団欒しているところを壊すわけにはいかないのだと距離を置いた。
だがサスケはしっかりとその様子を監視していて俺のチャクラ感知範囲に引っかかる……大人のサスケが引っかからない様に上手くやり過ごす技術ぐらいは身につけているだろうが、色々とあって使えねえんだろ。
「お前はお前であってお前じゃないって認識でいいのか?」
「ああ、その認識で概ね間違いない……弟子の方についても色々と気付いているんだろ?」
「気付いてはいるが、誘導して口を割らせる程に俺は悪趣味じゃねえし……お前もアイツも本来はここに居たら厄介な存在なんだろ……ある程度は察しているがそれについては聞かねえ。ただ、敵の情報に関しては教えてもらわなきゃ困る」
俺はチャクラ感知でサスケがサスケだと気付いている口振りで話を進めて、ハッキリと聞かない。
ハッキリと聞かない様にしながらも、敵の情報についてはしっかりと教えてもらう。
「ウラシキと言う男で、色々とややこしい術を使う。だが、狙いはナルトなのは確かだ……ここに来たのは今がナルトを狙うベストタイミングだったからだ」
「そうか…………一応は聞いておくけど、お前は俺を知っているお前なのか?なんか、アイツが俺を見て違和感を感じていたが」
「……悪いが違和感についてはなんなのかは教えられない。だが、俺はお前の知っている存在だ」
「そうか。ならそれでいい」
未来からやって来たボルトと大人になったサスケは俺が居る世界線からやって来た。
俺が居ない世界線からやってきて誰だお前?となったらそっちの方が割とショックである……一番聞きたい情報は聞けたし、それだけで大満足。
「はい、じゃあ新築祝いに乾杯!」
そんなこんなで翌日、新築祝いだぞと新居に向かって複数の七輪の上に肉を焼いて乾杯の音頭を取る。
ボルトについては誰なのコイツ?と言う空気を醸し出しているので、ナルトが色々とやらかして監視しなきゃいけなくなった大道芸人と答えた。
「全員、変わらないって言うかそのまんまの人はそのまんまだな……」
モグモグと焼肉を食べながらボルトは感想を述べる。
多分、未来の大人になった俺達と今のガキになった俺達を比較していて、まんまだなと……特に奈良家とか親子瓜二つなところがあるからな。
「にしても……最初はこんな形だったんだな」
「なにがだ?」
「え、あ、いや……いい家だなって。1人暮らしには勿体ないんじゃねえのってさ?」
「それ昨日、綱手様にも言われたよ……普通に住むだけならナルトの隣の部屋だけでいいんだけども、貰った物だし何時までもあのアパートでの生活もな……つってもまぁ、家が大きくなっても相変わらずだけど」
あんまり気にしない様にはしているものの、やっぱり家が大きいのは心の何処かで気にしている。
ボルトは家を見て色々と思うところがあるからこの家になんかあるんだろうなと思いながらも軽く自虐する。
「大丈夫だってばさ……寂しいのはもう少ししたら無くなるってばさ。なんだったら、あ、いや、この話はやっぱ無し!」
「なにが無しだ……まぁ、その言葉は信じてみるよ」
ボルトは大丈夫だと言って寂しい事が無くなるのを保証してくれるが、余計な事を言ってしまったなと口を閉じる。
なにが無しだとツッコミを入れつつもその言葉は信じてみる価値があると信じる事を決めた……昨日のサスケが両腕があったし、比較的に未来はいい方向に流れているみたいでなによりだ。
「……なぁ、あんた。将来の夢っていうかなんか作りたい物があるか?」
「あるぞ」
「……それ、多分スゴいことになるってばさ」
「だろうな……俺が作ろうとしているのは規格外のゲームだからな!」
グリードアイランドを作ろうとしてんだから、そりゃすごいことになるよ。
ジンが作った様に100個だけに留めてグリードアイランドを作るつもりだからな。この様子だとグリードアイランドは作れているのか。
「にしても、エロ仙人の奴……上手い事を言って今もどっかで誤魔化してるんじゃねえか」
「ははは……あの人、あんな感じだけどさお前のことを思ってるから」
「だったら真剣に修業をつけろ!エロ仙人、取材だなんだと言って誤魔化しやがって……」
「……婆ちゃんと爺さん、大して変わらないってばさ……」
ナルトは肉をヤケ食いしながら自来也さんに文句を言う。
ボルトがあんな感じだけどとフォローを入れたりしているが、はいそうですかでナルトは納得することが出来ず……その様子を見ていたボルトは少しだけ呆れていた。