忍の世界とか割と詰みである   作:こうすけ増田劇場版

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第48話

 

「綱手様……これ、忍の仕事すか?」

 

「言いたいことは分かる。だが場合によっては命に関わる問題でな」

 

 極秘の任務があると呼び出されて内容を聞けば極秘の任務だったが内容がそこそこ馬鹿らしい。

 綱手様にコレが忍のする仕事なのかとツッコミを入れれば金と命に関わる問題だから忍が必要になると答える……そしてナルトとシノがやって来た。

 

「よし、来たな。お前達に任務を与える」

 

「綱手の婆ちゃん、なんでこのメンバーなんだってばよ?」

 

「お前は度々依怙贔屓をしている分、呼び出さなければ示しがつかん。シノは今回の任務に最も向いている下忍でな」

 

「俺が向いているとはどういう事です?」

 

「今回の任務はある人物の葬式に出ることだ」

 

「葬式?……なんかこう、ジッとしてるしジメジメしてて苦手だってばよ」

 

「綱手様、ナルトと葬式は合いません……そして何故俺が合うのですか?」

 

「葬儀を上げる予定の男が大地主でな、遺産相続の際に葬式で大爆笑をしたら本来相続される者に遺産が相続されない。葬式の参列者に代理人を立てる事が可能で向こうは全力で笑わせに来るために笑わないシノを」

 

「ああ、なるほど!シノが大爆笑してるイメージは無いってばよ!」

 

「……俺とて笑う時は笑います。しかし笑うイメージが無いのはそのとおりです」

 

 全くと言って大爆笑をしているシノがイメージ出来ねえナルトや俺。

 この任務は分かったと大地主……希少な薬草が取れる山を幾つか所有しているという結構な大金持ちだな。

 

「わざわざ木ノ葉の里からありがとうございます……ワシが喪主を務める風太ですが……ホンマにありがとうございます」

 

「いえ、コレも立派な忍としての仕事ですので……任務内容については聞いています。俺が葬式の代理人として、ナルトと辰五郎は護衛としてやって参りました」

 

「なんかスゲえ金持ちって聞いたけど、普通ってばよ」

 

 任務を果たすべく、依頼主の風太さんの元に向かえば普通に大きい家だった。

 ナルトが大金持ちの遺産相続の話だと聞いていたからスゲえのが出てくるものかとイメージしていたが普通だったので少しショックを受けているが風太さんは笑った。

 

「ハッハッハ、普通ちゃいまんねん。この家は木ノ葉の里にもある普通の家ですけど、ここら一帯はオヤジの土地ですねん……この土地にしか生えへん薬草が色々な病気の特効薬になるって分かってからはホンマにバブルが膨らんでもうてな。仮に君が遺産相続しても一生遊んで暮らせるレベルのお金が入り続けるんや」

 

「ナルト、今回は大地主の警備だと言っただろう……聞いていなかったのか?」

 

「いや、それは分かってるんだけどさ……」

 

「まぁまぁ、絵に描いたような金持ちライフは送るつもりはありまへん。金があっても普通の生活をしている、それが一番ですねん」

 

 金持ちらしい金持ちが出てくると思っていたがそういう感じじゃないのでイマイチピンと来ないナルト。

 シノが任務内容をよく分かっていなかったのだと呆れていれば風太さんは成金みたいなことはしないのだと言う。葬式は明日に執り行われるので、今日はこのまま屋敷に泊まる事になる。

 

「んじゃ!いっただっきまー」

 

「待て、ナルト……相手はどんな事をしてくるかは分からない。万が一を想定しなければならない」

 

「万が一って?」

 

「食事に毒が仕込んでいるかもしれない……毒に関して色々と精通しているのは俺だけだ。俺が先ず毒味をしよう」

 

 普通の夕飯をご馳走になる筈だったが、シノが油断をするんじゃないと言い出した。

 毒味をするとシノはご飯を食べる……シノもなんだかんだで育ちは良いので行儀良くモグモグとご飯を食べ進める

 

「普通、一口でいいんじゃねえのか?」

 

「いや、遅効性の毒とか摂取量によって変化する毒とかあるだろ」

 

 今から夕飯にありつけるぜ!からのお預けを受けたことでナルトは不満そうにしているが、毒にも色々なタイプがある。

 医療忍術っていうか毒に関しては受けたら解毒薬を飲むぐらいでサクラが学んでいる医療忍術みたいにパッとやってパッと終わらせる毒抜きとかは出来ねえ。その点、シノは虫を操って毒を吸い取ることが出来る。

 

 毒に関して抗体を手に入れたら便利とか思うけど、やりすぎたら静謐のハサンとかトリコのココみたいな体質になる可能性があるから毒に関する抗体とかそういうのは無くて、解毒薬を何個か持ってるぐらいだからな。

 

「ごちそうさまでした……美味しかったです」

 

「なんだよ、結局なんにもねえじゃねえか」

 

「なにを言っている?毒が一切無いと言う事を……フフフ……ハハハ……ハーッハッハ!!ブハハハハ!!」

 

「し、シノ!?シノが大爆笑してる!?ま、まさか!?」

 

「こ、これはわらいくす、いかん、解毒が……チャクラが上手く……ヒィヒィ……イーヒッヒッヒ!!」

 

 食事を食べ終えれば味の感想を述べるシノ。

 なんにもなかったとナルトが指摘すれば何もないという事がわかったじゃないかとシノがフォローをしようとすれば……シノは大爆笑した。今までこんなシノは見たことが無いのだと引いている。

 

「辰五郎、解毒薬とかないのか!?」

 

「笑い薬なんて聞いたことねえよ。竹を炭焼きした物に粉末はあるけど」

 

「だ、ダメ、そんなものは……それより、ぐ、ふぅ……誰が仕込んだか」

 

「そうだ……この家にはおっちゃんとおばちゃんしか居ないんだろ?飯を作ったのはおばちゃんだし……いったい何処でどうなってるんだってばよ!?」

 

「まさか、笑い薬を盛るためにどっかに忍雇ったんか!?」

 

 笑い薬に侵されたシノは自分のことよりもこの笑い薬は何処からやってきたのかを聞いた。

 夕飯を作っていたのは喪主である風太の奥さんであり、笑い薬を仕込む理由は早々に無い。

 

「シノ、大丈夫か?笑い薬は」

 

「チャクラ、上手く、難し……ナルトが喪主の……」

 

「分かった」

 

「え、なにがだってばよ?」

 

「ナルトが喪主の代理人をするんだ!」

 

「ええ!?」

 

 笑い薬の効果は消えなくて、虫を使って解毒しようにも笑いすぎてチャクラコントロールが上手くいかないシノ。

 このままでは役立たずなのは分かっていることなので喪主の代理人をナルトにすると提案をし、ナルトは驚いたが

 

「すまん、命と財産が狙われとるんや……頼みます」

 

「安心しろ、俺もフォローに入るから」

 

 喪主の風太は命と財産を親戚に狙われているとハッキリと分かったからナルトに任せた。

 俺もフォローに入るといい、翌日に葬式が行われる……ナルトも俺も喪服を着ており、シノは笑い薬を仕込んだ奴が何処に居るのかを裏で探している。

 

「そういや、俺、よく考えてみれば葬式に参加したこと無いってばよ。三代目の爺ちゃんの時は里総出で木ノ葉崩しで死んだ人達全員の葬儀だったし」

 

「まぁ、忍やったとしても若い子やったら葬式に参加するんははじめてやな……ほな、教えたるわ」

 

 ナルトは葬式に出るのははじめてだと思い出した。

 忍でも子供だからそんなにポンポンと葬式に出るもんじゃないと喪主の風太は葬式での礼儀作法を教えた……コレって宗派によって変わったりするし、親族かどうかで色々と変わるしな

 

「っ!!」

 

「知らん知らん!アレに関してはホンマに偶然や!」

 

 そんなこんなで葬式が始まりお坊さんがやってきた……やってきたんだがな、お化けのQ太郎みたいな髪の毛をしていた。

 親族が笑わせに来るのは分かっていたから頑張って耐えてくれと言う忍者要素が何処にあるんだという任務の内容だが……実はこの任務、もう1つの顔がある。

 

「さぁ、焼香を」

 

「え〜っと……遺族が先だっけ?坊さんが先だっけ?」

 

 ナルトはお化けのQ太郎みたいな髪の毛の坊さんを耐えて葬儀が行われる。

 焼香ですよと俺の焼香の番だと親族の人達が言ってくる……そしてどういうふうに笑わせるのかを考えている。

 

「遺族が先です」

 

「ああ、じゃあ遺族を一礼で坊主に」

 

「んんんんんん!?」

 

 親族の人が遺族に一礼をするのが先だと言ったので遺族を一礼にして坊主にした。

 ヅラだったんかい!とナルトは今にでも吹き出しそうな顔をしているが俺は特に気にせずに続きを行う。

 

「遺族を一礼で坊主にしたのなら、次にそれ以外と坊主に一撃を叩き込む」

 

「へゔごぉ!?」

 

「坊さぁああああん!!辰五郎、なにやってるんだってばよ!?」

 

「で、次に合唱をする……イェーイ!……はい、親族の皆さんも?」

 

「「「『イェーイ!!』」」」

 

 やりだしておいてなんだけども意外とノリがいいな。

 坊さんの頭を掴んでパン!パン!パン!と3回焼香に叩きつける

 

「さぁ、もう1回?」

 

「「「『ウェーイ!!』」」」

 

「坊さんンンン!!!……辰五郎、何やってるんだってばよ!遺族に謝罪して坊さんを起こさねえと!」

 

「ったく……すんませんでした」

 

「それ遺族の遺族!」

 

「貴方はお経をお願いします!」

 

「それハゲてっけど坊主じゃなくて遺族!後、坊さんは木魚じゃねえってばよ!?」

 

 葬式ならば葬式らしいことをしなければならないと焼香をやった。

 遺族を一礼で坊主にし、坊主に一撃をお見舞いして皆で合唱、焼香を済ませて遺族のカツラを座布団に座らせて禿げている遺族に坊さんを木魚代わりにして置いた。

 

「っぶ、あはは……あははやはやあははっははは!!なんですのそれ!!」

 

「坊主にお見舞いって、中々にスゴいやないか!」

 

「……ってぇ、え!?遺体が動き出した!?」

 

 俺の一連のやり取りを見てナルトは気付けばツッコミに回っていたが、遺族の方達は大爆笑していた。

 その光景を見たかったんだ!と棺桶の中に入っていた今回の本当の依頼人が姿を現した

 

「お、お父ちゃん!?なんでや!?なんで生きとるんや!?」

 

「なんでもなにもあるかいな……お前等を笑わせる為に一芝居を打ったんや」

 

「……どういうこと?」

 

「元々ワシ等はこの土地を持っとるだけの極々普通の家やった……せやけどこの山で取れる薬草が万病の特効薬や分かって一気に金持ちになった。金を持ったら人は変わる……貧しかったあの頃は皆、笑っとった。けど、薬草で金が入ってからは金や金やで笑い話の1つも出来へんくなったわ……家族の絆は壊れてもうて、いっちょ元に戻すために今回葬儀を開いたんや」

 

「笑い薬を作ったのは、その人だ」

 

「シノ!」

 

 遺体のフリをしていた今回の任務の本当の依頼人である風太の親父さんは金で人が変わった家族の絆を元に戻したいと思って今回動いた。笑い薬を調合したのも一服盛ったのもこの人が風太さんの奥さんと協力関係にあったからだ……

 

「事情は全て聞いた……そして全てが解決した。だが、辰五郎……お前はすべてを知っていたんじゃないか?」

 

「ああ……今回の任務は、葬儀に参加する遺族を大爆笑させて家族の絆を取り戻すのが本当の内容だ……下忍以前に忍がやる仕事じゃねえよ」

 

 綱手様に文句をつけたけれども高額な依頼料が払われたし、内容も一応は人道に則った内容になっている。

 断った方が後で問題になるし、この山で取れる薬草が万病の特効薬になるって話は本当なので引き受けるしかなかった。こんなバカげた葬式を俺がするわけないだろう。

 

「木ノ葉の忍さんら……すんまへんな。こないな家族にゴタゴタに付き添って貰って……」

 

「いや、いいってばよ……金で家族の絆が壊れるのは良くないし……笑うってこんなに良いことなのかって思い出したし」

 

「うちの山の薬草を調合して作った笑い薬、効果は覿面や……ほな、葬儀はここで終わりにして美味いもんでも食おうやないか!幸いにも皆から」

 

「1つ、よろしいですか?」

 

「なんや?」

 

「お坊さんは何時まで気絶したフリをしているのですか?」

 

「……あ……」

 

「坊さぁあああああん!!」

 

 家族の絆が無事に戻ったからこれから美味いものでも食べようと和やかな雰囲気になっている横で意識を失っているお坊さん。

 シノが気絶している事を指摘すればそういえば坊さんに関してはマジの無関係だった事を思い出して……今回の任務の報奨金は嘘の葬儀を行うという罰当たりな事をしたので、今回の葬式に用意された香典を含めて坊さんの懐に向かった。

 

 一発ギャグでもかましてこい!と綱手様は送り出したが更なるトラブルを起こして中忍になってから初の任務失敗をし内容が内容だけに各方面にめっちゃ怒られた。

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