忍の世界とか割と詰みである   作:こうすけ増田劇場版

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第52話

 

「ったく、人をやっとまともに呼び出したかと思えば……脚代わりか!!」

 

「そう言うな。緊急事態なんだ」

 

 風の国もとい砂隠れまでかなりの距離があり、物凄い足を持っている俺達忍ですら数日はかかる。

 なんとしてでも砂隠れの里に一秒でも早く向かう為に口寄せの術を使った。滅多な事では呼び出さない巨大な奴を相手にした時用の口寄せカラス、デネブを呼んで陸路でなく空路を辿った。

 

 まともに呼び出しをしたのだから相当な敵が待ち構えていると思っていたら、脚代わりに使ったことをデネブは怒る。

 非常事態なのは飲み込んでいるが、脚代わりにするから鳥系の忍獣達は忍との口寄せの契約が嫌なんだぞとハッキリと言ってくる。

 

「我愛羅……」

 

 最速で急いでも数時間はかかった。

 途中でテマリを拾ったりしたが、書状が届いた頃には既に事件が起きているわけで間に合うことなんてありえない。我愛羅の事を心配しているナルトは目の色を青色から赤色に、自来也さんが言っていた様に感情的になることで九尾チャクラが溢れ出ている。

 

「木ノ葉の里から応援が参った……状況は?」

 

「実は、追っ手に出たカンクロウ殿が返り討ちにあってしまい……現在、毒に苦しんでおります。医療班が色々と解毒の処置を施そうとしているのですが、何分未知の成分が多い為に」

 

「そんな……なんとかならないのか!?」

 

「テマリさん、ここは私に任せてください……伊達に綱手様の弟子はやってないわ!」

 

 砂隠れの里の人間としてテマリが状況を聞けば我愛羅が拉致され、追跡に出たカンクロウが返り討ちにあい毒に苦しんでいるという。

 毒に対しては心得が無いテマリは医療班がどうすることも出来ない事だと声を大きくして感情的になればサクラが任せてくれと言い出す。

 

 綱手様のもとで修業をしたサクラは今では立派な医療忍者。

 綱手様以上の医療忍術の素質を持ち合わせていて、博学だとカンクロウが眠っている医務室3に向かえば老人と老婆の2人組と鉢合わせした。

 

「お、お前は!!……ここで会ったが100年目!息子の仇を討たせてもらうぞ!木ノ葉の白い牙よ!」

 

「へ?え?……いや、確かに私は木ノ葉の白い牙と」

 

「問答無用!キェエエエエエイ!」

 

「ぐふぅ!?」

 

「カ、カカシ先生!?」

 

「姉ちゃんや、そいつ……木ノ葉の白い牙じゃなくね?あいつ、確かとっくの昔に亡くなってて姉ちゃん恨み言を言いまくってただろ」

 

「……っは!確かにそうじゃった!」

 

「なんだってばよ、このボケた婆ちゃんは!」

 

「砂の相談役のチヨ婆様だ……砂隠れの中でも毒に精通している物でカンクロウの解毒をと依頼をしたが……思ったよりも早かったな」

 

「怒られるの覚悟で口寄せしたんで」

 

 老婆もといチヨ婆はカカシ先生を見れば殺気立って蹴りをカカシ先生に叩き込んだ。

 爺さんの方が木ノ葉の白い牙はとっくに亡くなった事を言えばそう言えばそうだったと思い出し、いきなりの挨拶なので険悪ムードの中でナルトが叫べば砂隠れの上忍のバキが早くにやってきたことを驚いたのでザックリと説明をする。

 

「私は医療忍者です。少し容体を確認しますがよろしいでしょうか?」

 

「ふん、なにをしに来たかと思えばこんな小娘達を寄越しおって……やれるものならやってみせい」

 

 サクラは容体を見ると言い出せばチヨ婆は譲った。

 カンクロウの心音、脈、唾液、眼球の動きから毒がなんなのかを推測、直ぐに砂隠れの薬草の一覧表を持ってくるのと同時にカンクロウの中に入っている毒を抜き始める。

 

「……」

 

「どうした?」

 

「サクラちゃん、何時の間にあんな事ができるように……」

 

「なにもお前とサスケだけがバカみてえに伸びてるわけじゃねえんだよ……サクラだって負けてたまるかって綱手様のもとでお前やサスケには出来ないタイプの技術を会得してんだよ」

 

 医療忍術の齧りを覚えていた頃のサクラは知っているが、体内に入っている毒を液体を用いて抜き取る技術を使うサクラは知らない。

 ナルトは何時の間にあんな事が出来るようになったのだと驚いているので、ナルトだけが特別に成長しているわけじゃねえことを教える。

 

「なんか、カッコいいってばよ」

 

「そうか……少しは納まったみたいだな」

 

「え?」

 

「興奮しすぎてて九尾チャクラが漏れ出てたよお前……サクラの姿を見て、少しは気持ちが納まったみたいだ」

 

 興奮していたナルトは消え去って普段のナルトチャクラの状態に戻っている。

 カカシ先生がサクラの姿を見て気持ちが納まった事が分かれば一安心……とはいかない。

 

「我愛羅……いや、風影を拐った暁は?」

 

「カンクロウが追跡し、その結果がこれで……」

 

「……手掛かりは0ってことね。こりゃ厄介だ」

 

 今すぐにでも風影もとい我愛羅を助けに行きたいのだが、暁の行方が完全に消え去った。

 カカシ先生がバキに暁の足取りを追うことが出来ているのかを聞けば、この結果だと手掛かりは0……どうにもならない状況でカンクロウの解毒治療が始まる。

 

 チヨ婆は小娘になにが出来ると息巻いていたが、サクラは毒の成分を見抜いた。

 解毒に必要な薬草は砂ばかりの風の国では少量しか取ることが出来ない物の解毒薬を作り上げてカンクロウに飲ませた。

 

「カカシ先生、木ノ葉の白い牙って誰なんだってばよ?」

 

「ん〜、そうだな……一言で言えば俺の親父さ」

 

「!……どうりで似ておるわけか」

 

「カカシ先生の父ちゃんってそんなにスゴいの?」

 

「…………今は何とも言えないし言ったらダメだからなんとも」

 

 カカシ先生を木ノ葉の白い牙と間違えたチヨ婆がすぐ隣に座っている横で木ノ葉の白い牙について聞いてくるナルト。

 地雷をストレートに踏みに行ってんじゃねえよと内心ヒヤヒヤしつつもカンクロウの解毒は着実に進んでいき、解毒薬を飲んでなんとか喋れるようになったカンクロウは上半身をベッドの上から起こす。

 

「暁の行方……コレなら分かるじゃん」

 

 カンクロウはそう言うと傀儡の腕のパーツを取り出して手で握っている服の切れ端を見せた。

 服の切れ端を見て、暁の衣装だと分かったカカシ先生は今度は俺の番だと言わんばかりに口寄せの術を使い8匹の忍犬を口寄せの術で呼び出して匂いを辿らせる。

 

「言っとくが、デネブでの時短は出来ねえから足で行くしかないからな」

 

 火の国から風の国に移動するのに呼び出して割と不機嫌なデネブ。

 もう1回口寄せの術で呼び出したらブチギレるオチが見えているので呼び出せない事を先に釘を差しておけばカカシ先生は木ノ葉から送られてきた書状を受け取る。

 

「ガイ達が応援にやってきてくれる……途中で合流をする手筈になった」

 

「ゲキマユ先生達が……パックン、早く暁を見つけるってばよ……」

 

 ガイ先生達が増援としてやってくるのがわかった。

 早く暁の行方が分かれと祈っていれば翌日にパックンが戻ってきた。暁の衣装の切れ端の匂いが何処で途切れているのか、あからさまで明らかに怪しい場所があると教えてくれた。

 

「カンクロウ、あんたはよくやったよ……我愛羅の奪還はあたし達に」

 

「待て」

 

「……なんですか?」

 

「風影の奪還にはワタシが行こう」

 

「なっ……何故です!?」

 

「なに……追手の傀儡使いの手を尽く読み切ってコテンパンにした相手にちと因縁があっての。それとも、この老いぼれは傀儡使いの二の舞になると思っているかの?」

 

「いえ、その様な事は……」

 

「ならば、任せろ」

 

 俺達の休息も終えて今から我愛羅を奪還しに行くこととなった。

 テマリも当然我愛羅の奪還に参加するつもりだったがチヨ婆は自分が行くと言い出して驚いた。既に隠居した身ではあるが、砂隠れの猛者が参戦してくるのだからありがたいことはないのだとパックンの案内のもとで向かう。

 

 途中でうちはイタチ……が憑依っぽい感じのことをしていて本来のうちはイタチのスペックを出すことが出来ていない暁の末端で砂隠れのもと上役の1人が襲いかかってきた。ナルトは幻術破りを覚えたのだと幻術を解除しようとするが劣化コピーと言えどもイタチの写輪眼は本物であり、幻術破りを失敗しかけるが先に破っていたサクラとチヨ婆が代わりに幻術を解除し、ナルトの大玉螺旋丸が決まった。

 

「遅かったな、お前らしいと言えばお前らしいが」

 

「すまないな、途中で足止めをくらってしまった」

 

「ナルトくん、お久しぶりですね!……今は積もる話もありますが、我愛羅くんの救出をしましょう!」

 

「ああ!……で、この中に居るんだな」

 

 ガイ先生、リー、テンテン、ネジ達と合流を果たす。

 暁がそこに潜んでいるとも言わんばかりの封印札が付けられている巨大な岩が置かれている場所をナルトは睨んでいる。

 

「待ってろ、我愛羅……さっきは大玉だったけど、今度はもっとデケえ螺旋丸でこの岩をぶっ壊してやる」

 

「待て、ナルト」

 

「無駄じゃろ……木ノ葉の者が先に来ていてなにもしていないわけがなかろう」

 

 岩をぶっ壊してやると意気込むナルトは影分身の術の印を結んだ。

 カカシ先生は何かがあると察し、チヨ婆がなにもしていないわけがないのだとガイ先生を見つめれば……ガイ先生は肘打ちを岩にくらわせるが、岩に波紋が広がるだけで破壊される事は無かった。

 

「なんとか破壊出来ないかと試みたが、予想通り結界を張られている……どうにも俺達の攻撃が全くと言って通じなくてな」

 

「じゃあ、どうすんだよ!中には我愛羅が」

 

「…………ネジ、白眼で内部は分かるか?」

 

「白眼!……ああ……我愛羅の肉体からなにかに向かってチャクラを引っこ抜いている……チャクラは複数あるが実際に居るのは2人だけ。中は広い空洞になっている」

 

「ふむ、予想通りじゃの。尾獣を抜き取るには相当な手練が、それこそ何人も集まってでなければ行えんじゃろ……なにか考えがあるのかの?木ノ葉の蒼い龍よ」

 

 念には念をとネジに白眼で内部を見通せないのかを聞けばネジは白眼で見通した。

 この状況を打破する方法が浮かんでいるのかとチヨ婆は聞いてくるので俺は……封印札が貼られている巨大な岩とは無関係の場所に触れた。

 

「土遁の術で別方向から穴を開けて突っ込めばいい」

 

「なるほど、その手があったか……と言うか馬鹿者が!!この様な硬い岩盤を破壊でなく貫くとなればそれ相応のチャクラを使うだろう!第一、貴様は貫通や地動操作系の土遁の術を使えるのか!」

 

「カカシ先生は!カカシ先生なら地面を掘る土遁の術を使えんじゃねえの?」

 

 別の方向から穴を開ければそれでいいと言えばナイスアイデアだ!となったフリをするチヨ婆。

 土遁の術が使える人間が居ないんだから出来るわけないだろうと言ってくるので、ナルトがカカシ先生なら土遁の術が使える筈だと言いナルトはカカシ先生を見る。

 

「確かに俺なら土遁の術で穴は作れる……だが、中に居るのは暁で風影を拉致する程の猛者だ。岩盤の硬さから土遁の術にチャクラを注ぎ込めば穴を作れるがその時点で俺は戦力として数えられなくなる」

 

「むっ、まずいなそれは……俺達はさっき暁のフリをしている者達を相手にしたが、偽物でも強かった。本物がアレ以上の強さを持っているというのならば、カカシがここで離脱することは手痛い」

 

 自分の土遁の術ならば穴を開ける事が出来るが、それにチャクラを注ぎ込まなければ開ける事が出来ない。

 ガイ先生はここでカカシ先生が居なくなったら任務の成功確率が格段と落ちるどころか手痛い反撃を受ける可能性があると危惧している。

 

「だったら、辰五郎は!辰五郎のブルードラゴンだったら穴を開ける事が出来るってばよ!」

 

「落ち着け……15秒だ」

 

「15秒?」

 

「今から大穴を開ける……開けるけども、中には誰が挑んでも苦戦する手練が居る。我愛羅から尾獣を引き剥がそうとしている事と予想外の襲撃から考えて対応をするのに15秒ぐらいの時間が開く。やることはシンプルだ、高速で移動して我愛羅を奪取する」

 

「でしたらその役は僕がしましょう!僕の素早さならば早々に追いつけない筈です!」

 

 ブルードラゴンならば大穴を開ける事が出来ると今度は俺に期待を寄せるナルト。

 言い出したのは俺なのだから突破口の1つや2つはしっかりと考えており、穴を開ける方向で話は進み……穴を開けた瞬間から誰がどの様に動くのか。

 

「大穴を開けるのは結構キツい……2、3分はまともに動けないしマトリフ出せないから誰か俺を背負ってくれ。ナルトは分身を沢山生み出して瓦礫崩壊や相手の攻撃の回避の為の肉壁になる……我愛羅を完全に助け出したらガイ先生達と俺が我愛羅を安全な場所に……4人は暁の奴と対峙してくれ」

 

「マトリフが出せないって……なにをするつもりなんだ?」

 

「面白い忍術ですよ……多重影分身の術!」

 

 ブルードラゴンを出さずに大穴を開けると言い出すのでなにをするのかが予測出来ないカカシ先生。

 この作戦を考えた時からやっていた自然エネルギーを集める、動かないと言う行為に及んでおり仙人化をし……多重影分身の術を使って分身を4体生み出した。

 

「辰五郎くん、いったいなにをするつもりなのですか?」

 

「なに、ちょっと血継限界を再現する事が出来ねえかって実験してたら生み出せた術を使うんだよ……チャクラコントロールも難しいし動かない大きな的にしか当てられないから実戦では使えないし、そもそもでそういう用途で使う術じゃねえし」

 

 4人の分身の内の3人は手を重ねた。

 1人はチャクラを火に、1人はチャクラを風に、1人はチャクラを水に性質変化させていく。

 

「血継限界って……既にそういうものみたいなの持ってるだろう」

 

「それを言っちゃおしまいすよ」

 

 ブルードラゴンが血継限界だろうとカカシ先生は指摘するがコレは貰い物なのでノーカンだ。

 血継限界の術を再現しようとした……そのキッカケと言うべきか、水遁の術に対して風遁の術をぶつけて偶然にも氷の礫を放つ忍術が生まれた。他の属性の忍術を噛み合わせる事で新しい属性になるんじゃなくて何かしらの属性が強化される術になるんじゃね?と色々と試行錯誤していけば、火遁に風遁をぶつければ灼遁の如き熱量を持っていた。水遁に風遁をぶつければキンキンに冷えて氷遁になった。

 

「なんかバチバチと……なんなの、その術は」

 

 4人目の俺が3人の俺が手を翳しているところに手を突っ込めばバチバチと眩い光を放つ。

 

「この術は、火遁の燃やす力と水遁の冷やす力、それを風遁で繋ぐ……それぞれを同時に放って後で1つに合成する……合計3つの性質変化をちょうどに組み合わせなきゃ出来ねえ」

 

「なっ……それは血継限界でなく血継淘汰だぞ!」

 

「出来るかなって思ったら出来ちまったんだから仕方ねえよ」

 

 バチバチと音が鳴り響いていて、火遁の燃やす力と水遁の冷やす力を風遁で繋ぎ合わせる。

 ちょうど均等になるように混ぜ込まなければ出来ない……3つの属性を混ぜ合わせた忍術だと分かれば血継限界でなく血継淘汰に至っているとチヨ婆が言ってきているが、チャクラを性質変化させて別の物に変わった物を後で合成し直しているから、血継淘汰とは少し違う。血継淘汰は先に3つの属性を組み合わせた物を放っているが、コレは先に3つの属性の術を作り上げてそれを合成している。だから原理は似ているけど違う。

 

「さぁ、一発だけで土影みたいにポンポンと撃てなくて実戦には使えない……火、風、水の力を組み合わせる事であらゆる物を消滅させる忍術!」

 

  

その名も滅遁!滅怒郎亜(メドローア)だ!

 

 チャクラコントロールが恐ろしく難しい忍術だが、触れる物を全て消し飛ばす忍術……土影の塵遁は相手を原子レベルにまで分解するがこの術は触れた物を問答無用で消し飛ばす!

 

「滅遁……滅怒郎亜(メドローア)!!」

 

 光の矢が封印の隣の岩盤に向かって放たれて……大きく消し飛ばしていき、俺の仙術チャクラが完全に切れたと仙人モードが解除された。それと同時に各々が動き出した。

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