忍の世界とか割と詰みである 作:こうすけ増田劇場版
それは本当に一瞬、とは言えないがあっという間だった。
リーがチャクラを練り上げる。
「第三生門、解!」
八門の第三の門を開いて高い身体能力を会得する。
放った忍術を信じて突撃していき周りの岩が消滅していく中でリーは走り出した
「っ!?」
「我愛羅くんを返してもらいます!」
リーは颯爽と駆け抜けて一尾を引き抜かれかけている我愛羅を助ける。
いきなりの壁の破壊で暁の2人は驚いているが、反応する事が出来ず我愛羅を奪還する。
「っ……」
「っと、大丈夫?スゴい忍術だったけどチャクラがまともに練れなくなったじゃん」
滅遁を使って仙術チャクラが底をついて仙人モードが解除されたので今まであった力が抜けてまともに戦闘が出来なくなる。
テンテンが俺を抱えて心配してくれるが、さっきも言っていた様に2、3分はチャクラが底をついたのと仙人モードの解除による脱力でまともに動けない
「こっちだ!」
「俺達は我愛羅を連れて撤退だ!ナルト、影分身の術で時間を稼げ!」
「多重影分身の術!」
我愛羅を無事に助け出す事に成功したのでナルトに時間を稼ぐように言うネジ。
多重影分身の術を用いて、我愛羅の奪還に成功したと認識されて意識が切り替わった暁の2人から苦無が飛んでくるがナルトの影分身が肉壁となり、無茶をしたから当然と言えば当然だが、土砂崩れが起きる。
「奴等は生きている……気をつけろ!」
「ネジよ、心配をするのは分かるがこっちの方もだ」
土砂崩れが起きた暁のアジト。暁の2人は死んだように見えるがネジが白眼で全てを見切っている。
最後のアドバイスだとアドバイスを送ればガイ先生が我愛羅の容体を見るようにとネジの白眼で我愛羅を見た
「コレは……どうなんだ?目に見える大きな傷はついていない、チャクラの流れもある……」
一尾を引き抜かれかけていた我愛羅は完全に意識を失っている。
白眼で我愛羅を見ればチャクラの流れを感じ取っており、心臓も微弱ながらも動いている事の確認が取れている……医療忍術のスペシャリストのサクラが暁の討伐に行ってしまったから回復が出来ない。
「心臓は動いていて、チャクラの流れを感じるのならば生きてはいる……人柱力の膨大なチャクラを引き抜かれたのだ、酷く衰弱しているのだろう。こういう時は兵糧丸を一旦飲ませて安静にする」
ある程度の距離まで逃げることに成功すればガイ先生が我愛羅を寝かせた。
回復用の兵糧丸だと水と一緒に無理矢理押し込んで飲ませた。
「ガイ先生、僕達は加勢に行った方がよろしいのでは」
「いや、我愛羅の護衛が優先だ……今の彼は意識を失っていて心臓の音も不安定だ。このまま暁のメンバーを倒す事に集中して我愛羅は意識不明のまま死んでしまったのだけは起きてはならん。しかし辰五郎よ、見事な術だ」
「それはどうも……はぁ、やっと動ける……」
滅遁を使って一瞬でガス欠を起こしたので動けなくなっていたが、少しずつ動けるようになった。
取りあえず我愛羅の奪還には成功していた……ネジが白眼で中を覗いた際に我愛羅からチャクラを引っ張り出している光景が見えてる事については確認済みだが、この場合はどうなんだ?
「うっ……」
「意識が、我愛羅くん!起きてください!僕です、ロック・リーです!」
「ちょっとリー、そんな風に揺らしちゃダメよ」
「グゥァアアアアアア!?」
「きゃあ!?」
「ぬぅお!?」
どうなってんだと思っていると我愛羅がピクリと動いた。
意識を起こそうとしているんだなとリーが呼びかければ我愛羅は反応し……砂嵐が周囲に吹き荒れて俺達は弾け飛ばされる。
「っ、コイツは……我愛羅のチャクラじゃない!」
我愛羅は意識を取り戻したと思ったのだが、我愛羅のチャクラを感じ取れなかった。
我愛羅の中に入っている我愛羅のチャクラじゃないチャクラと言えば1つしかない。我愛羅の中に封印されている尾獣、守鶴のチャクラだ。まさかと思っていれば守鶴が表に姿を現していた。
「ヒィイイ、ハァアアアアア!!我愛羅の野郎、完全に意識を失ったみてえで自由に動ける……封印を外から無理矢理緩めようとしたからありがたいぜ」
「まさかコレが……守鶴」
我愛羅の上半身が頭部に置かれているがそれ以外は守鶴そのもので、膨大なチャクラとその巨大さにテンテンは息を呑んだ。
守鶴はこっちを見てくるのでどういう風に動いてくるのかと思えば足元がメキメキを悲鳴を上げた。まさかと思えば足の岩場を粉砕して砂に変えていた。
「悪いが俺様はもう自由なんだよ!!縛られてたまるか!」
「口寄せの術!」
「クァー……尾獣無理無理無理!こういうの自分じゃない!」
「デネブが呼び出しに応じてくれねえんだから仕方ねえだろ!」
こっちに対して守鶴が攻撃してくると口寄せの術を使ってゲイルを呼び出す。
デネブを本当は呼び出したいが砂隠れの里に行くのに足代わりで使って不機嫌な状態だから呼びかけに応じてくれない。ガイ先生達も砂の攻撃を上手く回避してくれて一旦集まる。
「アレは砂の守鶴……辰五郎よ、嘗て木ノ葉崩しで戦ったのだろう。なにか知っているか?」
「俺は途中離脱で、ナルトが……あの時は我愛羅をぶっ叩いて無理矢理封じ込めましたから……上半身だけ残っている我愛羅をどうにかすればって言いたいですけど守鶴が我愛羅の意識が完全に失っているって言ってたんで怪しいっすね」
「そうなると……私達だけで尾獣を抑え込めって言うの!?無理よ!尾獣なんて化け物は私達じゃ」
「テンテンよ、相手が獣だからどうしたと言うんだ!こちらには木ノ葉の碧い猛獣がついている!」
「そうです!木ノ葉の碧い猛獣、碧い野獣、そして蒼い龍が居ます……嘗てナルトくん達が止めたのですから、僕達だってなんとかしてみせます!」
尾獣をたった数人で抑えなければならない状態に弱音を吐いたテンテン。
相手が尾獣だとしてもガイ先生、リー、俺が居ると説得していてテンテンは両頬を叩いた。
「こんな所で泣き言を言ってる暇はないわね……」
「取りあえず数十秒時間を稼いでくれ。仙人モードにもう1回入る」
「さっきのを使うのか?」
「いや、滅遁は戦闘には使えない……まだ幾つかあるからなんとかしてみせる」
「ストラッシュ!ストラッシュ!」
もう1回仙人モードに入ることを伝えればネジが滅遁を使うのかを聞いてくるので使わないと良い巻物から雷刀・牙の内の一本を取り出す。なにをするのかが分かったゲイルは嬉しそうにテンションを上げているが、それと同時に変な動きをしないでくれ。
仙人モードに入るために自然エネルギーを集める……その間に守鶴は上半身の我愛羅で印を結んではプックリと膨れ上がった。
「風遁 裂空弾!」
「六門、景門、開……朝孔雀……っぐ!?」
「ガイ先生の朝孔雀でやっとの相殺か……だが、どうやら上半身の我愛羅が印を結ぶ役割を担っている様だな。ならばそこの点穴を突かせてもらう!」
ボン!と空気の弾丸を発射するのでガイ先生が第六門の景門を開いて、高速の突きである朝孔雀を放つ。
空気の弾丸を相手にやっと相殺するレベルでガイ先生は腕が悲鳴を上げている。ネジは白眼で見切ったと守鶴が術を発動するには必要な上半身だけの我愛羅に向かって飛んでいった。
「バカ野郎!そいつの体に不用意に触れんじゃねえ!」
「間に合ったか!」
守鶴の頭の上に乗れば守鶴の砂の体は揺れ動く。
ネジを砂が包もうとし圧殺をしようとするのでブルードラゴンを出した。ただのブルードラゴンじゃない、仙人モードを発動した状態でのブルードラゴン……下半身が生えた上位生命体のノイと合体した姿のブルードラゴンで軽々と守鶴の砂に手を突っ込んでネジを助け出した。
「すまない、助かった」
「礼は要らねえよ……それよかどうすんだ?……この姿で思う存分に暴れられる相手ではあるが、狙いは別にあるんだろ?」
「取りあえず守鶴をある程度は攻撃しておかなきゃいけない……圧倒的な一撃を当てて守鶴の意識を奪う」
「っへ、ならあの技だな……いくぞ!」
ブルードラゴンはそう言うと俺の影を伸ばして守鶴と殴り合いを開始する。
ブルードラゴン本体が勝手に動いてくれて俺は俺のことを好きに出来る様になった。敵は守鶴だけだから自然エネルギーを集める為の動かないと事が出来る。仙人モードになれば全ての能力が向上して、ガス欠気味だった体もスゴい勢いで回復をしていく。
「ブルーシャイニーバースト!」
「こんの、クソ蜥蜴が!」
「っへ、どうやら本調子じゃねえみてえだな!」
ブルードラゴンが右足の爪にチャクラを込めて切り裂く蹴りを叩き込む。
守鶴にも確かにダメージは入っている様で苦しそうな悲鳴を上げている。ブルードラゴンはその様子を見てニヤリと笑みを浮かべた……さっきまで尾獣チャクラを引き抜かれていたからか、守鶴は本来の調子を取り戻してないみたいだ。
ブルードラゴンが何回か攻撃をする。守鶴はそれを受けてブルードラゴンにやり返す。
どちらの一撃も一発一発がありえない威力を秘めていて、周りの物を粉々に破壊していく
「どうするの?蒼い龍って時間制限あるんでしょ!」
「なに、こうするんだ」
仙人状態だとブルードラゴンは上位生命体と合体した姿になる。
チャクラを大量に引き抜かれていて本来の調子じゃない守鶴と殴り合う事が出来ているが、まだ肝心の守鶴を抑え込む事が出来ていない。テンテンはこのままじゃこっちが劣勢になっていくのは明らかだと何かあるのかを俺に聞いてくるので俺は雷刀・牙を逆手に持った。
「仙人モードによる全ての能力の底上げに加えて一部の人体変化で発電を行える様になった。雷刀・牙の力を合わせれば自然から発する雷と同程度の雷遁を使うことが出来る」
俺自身は雷遁はそこまでではあるが、仙人モードと雷刀・牙の力の底上げで雷遁をある程度は使えるようにする。
雷刀・牙にチャクラを流し込んでチャクラ刃を作り出せばバチバチと雷が放出されている。
「それも使えば倒れるとか、無いわよね?」
「それは無い……雷刀・牙の入手に関しては予想外だ。仙人モードの恩恵で使えるようになったのは良い予想外だ……その結果、コイツが使える!ゲイル!」
「クェーー!」
ゲイルの名を呼べばゲイルは守鶴よりも頭上に飛んだ。
それと同時に俺を振り下ろす……雷の刃で3つの太刀を同時に放つ
「ギガストラッシュ!!」
アバンストラッシュを使えるが、雷刀・牙を使うことで更に上の術が使える。
ギガブレイクとアバンストラッシュの2つを組み合わせた物、ギガストラッシュ……守鶴の腕を切り落とすことに成功し守鶴は悲鳴を上げる。
「っち……辰五郎、全然だ」
「この野郎、俺様がチャクラがガス欠だからいい気になりやがって!ここら一帯を砂漠に変えてやるぜ!!」
ギガストラッシュで守鶴の右腕を切り落としたが、砂で出来ているかは知らんが守鶴はくっつけた。
守鶴をどうにかして抑え込まなきゃいけねえが、ブルードラゴンで殴ったりギガストラッシュをぶつけたりと色々としている……しているが、全くと言っていい方向に流れない。
「我愛羅!!」
「ナルト……」
「またあん時みたいに暴走してんだな!待ってろ!本体ぶん殴って起こしてやるってばよ!」
「誰かと思えばバカ狐の器じゃねえか……悪いが今は俺様の、ぅっ、ぐぅ!?」
殴り合いは続いているが、そろそろやばいと身の危険を感じていればナルト達が現れた。
ボロボロになっているがここに現れたってことはナルト達は暁のメンバーを無事に倒せたのだと思っていると今まで反応をしなかった我愛羅がピクリと動く
「ナ、ルト……か……」
「我愛羅……俺だってばよ!守鶴なんかに負けんじゃねえ!」
「ふっ……2年が経過しても大して変わらんな……」
「んなバカな!さっきまで意識は無かった筈なのに……く、クソぉ!」
守鶴は徐々に我愛羅の内側に入ってく。
ナルトの声が聞こえたおかげで我愛羅は守鶴を抑え込む事が出来て……守鶴は完全に我愛羅の中に入り……我愛羅は倒れた。
「サクラちゃん!」
「いい……すまないな」
「なに言ってんだ!俺達、友達だろう!」
「ああ、だからこそすまない……俺はこうして風影になった。お前が火影になるのを少しだけ待ち侘びていた……だが、もう無理だろう」
「なに言ってるんだってばよ!サクラちゃん」
「コレは……」
意識を取り戻した我愛羅は僅かながらチャクラを練った。
守鶴を封じ込めるチャクラであり、それが徐々に消えていこうとしていて……ナルトは怪我をしているのならばとサクラの名を呼んでサクラは我愛羅に手を翳して黙った
「サクラちゃん、早く医療忍術を」
「ナルト……ダメ……我愛羅は」
「分かっている……守鶴を抜き取られる際に俺のチャクラを先ず抜き取った。自分の命が抜き取られて、守鶴も本体こそ身を守れたものの残っていたチャクラは絞りカスも同然だ」
「なに言ってるんだってばよ」
「ここにいる俺は、守鶴に付属していた一部のチャクラからなっている俺だ……俺の命はもう果てている」
「嘘だ!!そんなわけねえ!なぁ、ネジ。白眼で見てやれってばよ!そんなのは我愛羅の勘違いだって」
「ナルト」
「ただ疲れてるだけで」
「ナルト!!」
「っ!……」
我愛羅はもう死んでいる……意識があるのは我愛羅チャクラの一部が守鶴についていたから。ナルトの呼び声でそれが目覚めた。
後少しで死んでしまうというのは我愛羅も理解しているが……満足そうにしてる。
「ありがとう、ナルト……俺のことを、友と呼んでくれて……」
「ふざけんなよ……お前が風影になったんだったらよ、俺が火影になった時によ……」
「ああ……1つ、酒でも酌み交わしたかった……火影になった記念に俺の奢りでな……」
「我愛羅!我愛羅!!」
「…………この老耄にもまだ出来ることはあるようじゃの」
ゆっくりとだが風前の灯になっている我愛羅のチャクラが消えていく。
それを一同が感じ取っていればナルトは死ぬなと我愛羅の名前を泣きながら叫んでおり、その光景を見ていたチヨ婆が我愛羅に手を翳す。
「なに、してんだよ……」
「一か八かの賭けじゃ……っ!……」
「砂の婆ちゃん、カンクロウを倒した奴を相手にしてたんだろ!?ボロボロなのに大丈夫なのかよ」
「へっへっへ……こりゃキツいの……守鶴が表に出てこようとしている。コレを抑えねば術が、ゴホッゴホッ」
一か八かの賭けに出るチヨ婆を見て何してんだと戸惑うナルト。
既にボロボロの状態なのに大丈夫かと聞けばきついと言って血を吐いたので止めようとするのだが、その時だった……砂隠れの忍達が集った
「我愛羅様!」
「チヨ婆様、我愛羅は」
「見ておるだろう……医療忍術を使っておる……じゃが、チャクラが……っく……」
「だったら俺のチャクラを使ってくれってばよ!エロ仙人がコラボ忍術があるってチャクラとチャクラを合体させる事が出来るって聞いたことがあるってばよ!」
「ナルト、あんたはさっきまで暁の奴等と戦ってたんだろ……ここはあたし達のチャクラを……」
「全員、手を繋ぐんだ。チャクラとチャクラを合わせて1つの紐にして、最後にチヨ婆に届くようにするんだ……」
砂隠れの里の忍達は俺の言うとおりに動いて手を繋いだ。
チャクラを練り上げてチャクラとチャクラを繋ぎ合わせて1つのチャクラにして……チヨ婆を経由して我愛羅に医療忍術を使った。
我愛羅は意識を取り戻した……そして、チヨ婆は医療忍術……否、転生忍術の代償である命を失った。