忍の世界とか割と詰みである 作:こうすけ増田劇場版
砂隠れの風影奪還というSランク任務は無事に果たせた。
砂の上層部であり相談役であるチヨ婆の命を使い我愛羅は蘇った……暁の奴等との戦いの際に大蛇丸の情報について聞いたりしたが、大蛇丸が絡んでいるとなると綱手様はサスケを連れ戻す為の緊急任務を入れるが、カカシ先生と俺が離脱して違う奴が入る。
「木ノ葉隠れの里より参りました寺田辰五郎と申します。火影様の命により、書状を雷影様にお届けに参りました」
カカシ先生は新必殺技でありこれから無いと色々と厄介な万華鏡写輪眼のおかげでスタミナとかが切れて、出会った頃と同じく寝込んでいる。一方の俺はと言えば雷の国の雲隠れの里にやって来ており、綱手様に持って行けと命じられた書状を持ってきた。
「あんたはあの時の」
「どうも。相変わらずお綺麗でスタイル抜群でなによりです……詳細についてはそちらに書かれていますが、尾獣狩りが始まりまして過去の記録から次の狙いは雲隠れではないかと」
「少し待ってろ」
雲隠れの里にやって来て綱手様から渡せと言われた書状を渡す。
その際に応答してくれたのが何時かのデカパイパツキン雲隠れ姉ちゃん、確か名前はサムイで成長したなと驚かれているが、サムイの山脈も成長しているのを感じ取れる。
書状を持ってきたと渡せば数分後には雷影が現れる。
雲隠れに入った時から感じていたが色々と濃い連中の集まりだと感じている。
「お前が木ノ葉からの使者か」
「ええ、寺田辰五郎と申します」
「辰五郎……木ノ葉の蒼い龍か!」
「ええ、まぁ……火影様の書状に書かれている通りですが改めての説明を。嘗て初代火影である千手柱間様が友好の証として忍五大国に譲った尾獣を狩る暁と言う組織が本格的に活動を始めました。同盟国である風の国の砂隠れの里の尾獣を狙っており……暁の忍の実力は最低でも1人で一国を攻め落とす事が可能な忍である事が分かりました。実力、及び悪名で各国のSランクの指名手配犯となっている者達が集まりであることもある程度は判明しています」
「ふん……今更か。暁の情報などとっくの昔に手に入れている!揃いも揃ってロクでもない奴等の集まりであることも!そしてお前達他国が生み出したのも!」
傲慢と言うか威圧的な態度を取っている雷影。
雲隠れの里で暁に入った忍は1人も居ない、自分達は清廉潔白だぞとも言わんばかりの態度を示している。
「ならば話は早い。暁は尾獣を集めていて1人1人が強力な忍です。ここは尾獣を持っている国同士、下手な小競り合いをせずに暁を倒す事を」
「なにを言い出すかと思えば、くだらん!たった1つの傭兵擬きのテロ組織を相手に五大国が手を取り合えだと?」
「一国の長のメンツを気にしているのですか?」
「ふん、それを気にせねばならんのはお前達側だ……暁の情報は受け取った。しかし雷影としての答えは暁を討伐する為の同盟は結ばん」
「一尾が既にやられて、順番的に言えば二尾が次に来ると思われるのですが」
「ならば聞くが、何をするつもりだ?暁を倒すにしても何処に居るのかすら分かっていないのだろう。暁が尾獣を狙ってくるのだからと返り討ちに合わせて殲滅するつもりか?」
「そうなりますね。自分を派遣したのは承諾したと言うのならば、護衛としてと言われていますので」
「蒼い龍をわざわざ寄越すのは気前が良いが、雲隠れは尾獣のコントロールに成功している!護衛対象よりも弱い忍なぞ、不要だ!」
「……これより暁は大きく活動をして参ります。暁の動き次第で定期的に書状を送らせていただきます」
「……サムイ、客間を。それと監視はしておけ」
暁に関しては他里が集って出来たもので、それを色々な形で色々な国が利用してきた。
雲隠れの人柱力は他国と比べて尾獣の力を使いこなす事が出来ていて、暁程度には遅れを取らない……具体的な被害が出なきゃ、動かないし変わろうとしない。
雲隠れの里にやってきたのは夜遅くなので一晩は泊まれと……このままはいそうですかで返せば雲隠れの名が廃れると部屋を借りる。
普通の客間であり監視として堂々とサムイが立っている。
「ったく、どっちかと言えば感情的になって動きやすい性格だってのは聞いてたけどバッサリか」
「……」
「この様子だと他の国も似たような答えは返ってくるだろうな……」
六尾と三尾は完全にどっかに行っている。四尾と五尾は岩隠れのどっかにいる。
一尾に関してだが……守鶴は我愛羅の中に居る。それなりに体を持ってかれたけども核となる部分は我愛羅の中に残っていて少しずつ本来の守鶴に戻ろうとしている。
他の国にも人は派遣しているが、多分似たような答えは返ってくるだろう。
岩隠れは単純に関わり合いを持つつもりは無い!と硬い考えで、霧隠れは尾獣が完全に居なくなっている状態で、それをはいそうですかで教えるわけにはいかない。
「新作でも書いておくか」
「なにをするつもりだ?」
「伝説の三忍の1人、自来也さんの様に執筆活動を」
飛雷神の術でパッと帰れるには帰れるけども、それをした場合は雲隠れの何処かに飛雷神のマーキングをしていると思われる。
外交の場で飛雷神の術は問答無用で悪い方向に流れるから……取りあえずはナルトが帰ってきて依頼はご無沙汰である執筆を行う。
因みにだが、この2年の間に幾つか本は出している。
基本的には当たりの内容なので当たっていて懐具合は中々にいい感じになっている……なってはいるが、位置的に多分神羅天征で家が木っ端微塵に破壊されるだろうから無理だろうな……
「知ってますか、自来也さんって……綱手様の借金を帳消しに出来るぐらいには稼いでるそうですよ。億ですよ億」
「……あんた、私が監視してるの分からないの?」
「外国人との交流で何かしらの執筆のアイデアが浮かぶかもしれないんすよ」
監視をする相手と監視される相手との交流なんて中々に無い。
とは言え相手にするつもりは無いのだとクールにサムイは断ろうとしている……う〜ん、色気のある大人って感じだな。
「因みにアレから婚期とかは大丈夫」
「……調子に乗るなよ?」
お見合いの一件があったのを思い出したので聞いてみれば手裏剣が飛んできた。
忍として感情的にならない様にクールになっているが、女の話をされれば色々と心に来るものがある……軽く殺気を感じてしまうのでやっぱり気にしてるんだろう。
これ以上指摘すれば色々と厄介だなとなり、それ以上は触れなかった。
監視されている状態ではあるが執筆は行っていて、サムイがピクリと反応をしていたが気にせずに翌日に雲隠れの里を出る。
ちゃんと出ていくかの監視はしっかりとしていて、雷の国の国境付近までやってきてそこを越えたら終わりだと国境を越えれば飛雷神の術で木ノ葉の里に戻った。
「結果は散々でしたよ」
「そうか……はぁ、やはりそうなるか」
綱手様に雷影からの返事の書状を渡せば苦い顔をする。
雷影は暁に所属する忍を出したり、暁を傭兵として利用したりしている外国は信頼出来ない……場合によっては暁と結託をして尾獣を奪って独占してやろうとかいう考えを持っていると思われる。
言いたいこととか疑心になるのも無理は無いだろうが、今は五大国が協力しなきゃいけない。
色々と綱手様は書状に書いたけれども、雷影はそれを断った。
「岩隠れと霧隠れは無理でも出来れば雲隠れからは承諾をしてもらいたかったのだがな」
「なんか尾獣はコントロール出来ているとは聞いてますよ」
「ああ……雲隠れの人柱力は尾獣の力を使いこなせている。協力関係になれば先送りにしている問題、ナルトの中に居る九尾の力をコントロールするキッカケにと思ったのだが……尾獣に関しては五大国が抱えている大きな問題でそう上手くはいかんか」
やっぱり上手い話には裏があるか。
八尾の人柱力と交流させてナルトの九尾を使いこなせる様にする……頭が硬くて過激な雷影に頼んでも今の段階じゃ難しいだろう。
「尾獣の力のコントロールは長年の問題視なのは知ってますけど、雲隠れはそれを提供する理由はならないっすからね……」
「だが、この前の風影奪還の事件で条件次第では五影をも倒すことが出来る者が居るとも判明した……帰ってきて早々に悪いが、今度は砂隠れに飛んでくれ。風影からの直々の指名だ」
「了解っす」
雲隠れが見つけ出した尾獣コントロールのコツとかを他の里に提供する理由は無い。
事件がある程度は大きくならなきゃ危機感みたいなものが生まれない……砂隠れに飛んでくれと頼まれるので火の国の国境まで飛雷神の術で飛んでいき、数日かけて砂隠れの里に向かった。
「わざわざすまない」
「いえ、風影の直々の指名なので」
砂隠れの里に辿り着けば早速、我愛羅と対談をした。
風影の直々の指名と一応は社交辞令で言っておいて……呼び出された内容について聞いてみる。
「それで何用で?」
「……辰五郎よ、お前はどうやってあの蒼い龍を従えている?」
「……やっぱ、そう来るか……」
「待て、これは」
「ああ、いや、分かってる。分かってるから」
我愛羅に呼び出された理由はどうやってブルードラゴンを従えているかについて。
その内に質問をされるとは思っていた事だったが、我愛羅が真っ先に聞いてくるのは予想外……とは言えこれもバタフライエフェクトだろう。
「何れは質問をされるとは思ってた事だ……ナルトが聞いてこないが、我愛羅が聞いてきたか……」
「答えられない、と言うわけではなさそうだな」
「う〜ん……はっ!」
蒼い龍を従えているかについて聞かれたのでその答えについてどういう風に返すべきなのかを考えた。
その結果、ブルードラゴンを出した方が手っ取り早えだろうなとブルードラゴンを出した。
「ったく、なんの用事だ?」
「……改めて見るが、尾獣とは異なるのだな」
「ああ、異なってる……マトリフがなんなのかは知らん」
「マトリフ?」
「ブルードラゴンに付けた名前だよ……気に食わねえ気に食わねえって文句を言ってきてな」
「もっとマシな名前があっただろう!」
呼び出したブルードラゴンもといマトリフの名を呼べばなんだそれは?となる我愛羅。
ブルードラゴンと言う固有名に俺がマトリフと言う名前を勝手に付けている。名前の事を指摘すれば気に食わねえんだよ!とマトリフは怒る。
「そもそもでマトリフとはどういう意味で名付けたのだ?」
「偉大なる大魔道士って意味で付けた……賢者じゃないぞ、大魔道士だ」
「何故そこを注意する?」
「賢者ってのは賢い者って書いて賢者だ……ふんぞり返ってて偉そうだからな。それよりも偉大なる魔の道を駆ける道士の方がカッコいいだろ」
「ふむ……そういうものなのか」
「マトリフ、トリシマン、マシリト……この名前を聞けばゾワッとすんだよ」
マトリフに名前が気に食わないことについて我愛羅に聞いたりしたら名前を聞いたらゾワッとしている。
今上げた3つの名前は鳥山明の天敵であるあのお方からオマージュされているものであり、鳥山明が関わっているブルードラゴンにとってはゾワッとする名前だ。
「しかし……マトリフよ、何故お前は辰五郎に力を貸している?」
「何故?……ああ、そういうことか。言っておくが辰五郎に従ってるとはこれっぽっちも思ってねえぞ」
「なに?」
「ちゃんと力を貸してもいいと思えるぐらいの価値は辰五郎にはあった。ただそれだけだ……人柱力だったか?あの化け狸が喋ってたなら会話が出来るだろう。他の奴等も喋る事が出来るってなら、会話をしろよ」
「会話……」
マトリフからアドバイスを受けたらその手があったかと言わんばかりの驚きをする我愛羅。
一方的に嫌っている関係性である尾獣との会話をするというのは我愛羅にとっては盲点で目から鱗状態だ。
「だが……守鶴は俺の事を嫌っている」
「ナルトの奴と似たような境遇ならよ、だからこそお前がどうにかしなきゃなんねえんだよ……」
「一尾、もとい守鶴だが……ちゃんと話し合いをして、友達にならないかって相談したら?」
「……友達、か……風影になった俺が今でも最も苦手とする事だな」
皮肉にしかなってねえよ。守鶴と友達みたいな関係性を築き上げていく……それしか方法は無い。
マトリフがナルトと似た境遇なら分かるだろうと後押しをしているが、それが困難だと我愛羅は悩む。
「風影として負けて死にかけて、今度から尾獣をコントロールって考えだけどコントロールって考えを捨てろ。コントロールじゃなくて、一緒に戦わないかって、従えるとかじゃなくて、ちゃんとした話し合いをするんだ」
「……その様な事が可能だろうか……守鶴は憎しみの塊だ」
「テメエ等がそうなる様に動いてんだろ……1回でもあの狸の意見を聞いたか?人に害を与えるってなら、ぶっ飛ばしゃいいが……少なくともテメエは今じゃ風影だ。力で動くんじゃなくて話をするってのは普通の思考だ」
「……そうか……」
マトリフに言われて守鶴と話し合いをする様な関係性になれるのかと不安そうにしていた我愛羅は少し気が楽になった。
ただし気が楽になっただけであり、根底の問題は解決しない。こうしている間も会話はしっかりと聞かれている……でも、尾獣達だって好き勝手に暴れたいわけじゃねえからな。