忍の世界とか割と詰みである   作:こうすけ増田劇場版

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第55話

 

「守鶴と友達にか……」

 

 砂隠れの里で一日が経過した。

 守鶴と友達の関係性にならなければ尾獣の力を使いこなす事は出来ない。それを聞かれてはいそうですかで頷ける程に今まであった苦難を無かった事には出来ない。

 

「ナルトと出会って風影になって変わるキッカケが色々とあった……今まで沢山不幸な目にあっていたし、それを打ち消す程の良いことが起きるからプラマイゼロ、そういう風に考えれる奴は結局のところは成功している人間の発言だ。失敗で終わってて苦しんでいる人間は過去の出来事が未来の幸福で帳消しになるわけがない」

 

「……」

 

 裸エプロン先輩の名言を少し引用してみれば我愛羅は図星を突かれたのか胸を抑える。

 幸福な道を今から歩むと言って今まで苦しくて辛かった日々が無くなったわけじゃないしむしろそれを無かった事にしてはいけない。不幸があるのは幸福があるから。

 

「取りあえず、チャクラを繋げてみろよ……お前の中に居る守鶴とお前と会ってみる」

 

「ああ」

 

 一定量のチャクラを纏って我愛羅とチャクラを繋げる。

 目を閉じて深呼吸をすれば謎な空間に居て……そこには守鶴と我愛羅がいた。

 

「っち……おい、蜥蜴野郎。話は聞こえてんだよ……俺様の力を使いこなしたいみてえだがなんでわざわざ我愛羅に貸さなきゃならねえ?」

 

「それはそう」

 

「なっ!?」

 

「……なんなんだよ、お前。今まで俺様の力をどうすれば使いこなせるとか色々と言っている割にはあっさりと頷きやがって」

 

 話は聞いていたと守鶴は自分の力を貸し与える理由にはならないと言い出せばそれはそうと頷いた。

 色々とあの手この手を使ってきて自分を言葉巧みに説得してくるかと思ったが特にそういう事をしてこない。あっさりと頷いている事に関して文句を言う、と言うよりは理解不能だろう。

 

「そもそもでお前はどうしたいわけだ?」

 

「どうしたい?」

 

「そうだよ……お前にだって色々とあるだろう。友達が欲しいとか遊びたいとかそういうのを」

 

「っけ、俺様が外に出ればその時点で終わりだからって色々な事をしてんだろうが」

 

 守鶴はどういう風にしたいのかを聞いてみるが、自分が動けば色々な事をしやがってと不満そうにする。

 嫌悪感を剥き出しにしているので我愛羅は少し悲しそうな顔をしている。

 

「色々な事って具体的にはなにをしてきたんだ?」

 

「あぁ?そりゃお前、色々だ……人柱力って言っている割には監禁をして放置してる。俺様達が危険で暴れるからって言ってるけど、俺様だって話が通じる奴なら多少は力を貸してやっても構わねえってのによ。アレだ、騒いだり叩いたりしたら音が鳴る玩具感覚で弄んでんだぜ?」

 

「うわぁ、性格が最悪だな……」

 

「俺達尾獣だってちゃんと意思もありゃ名前だってある。俺様は守鶴って名前を貰ってんだからよ……」

 

「……種族としての名前でなくお前の名前だったのか」

 

「はぁあああ!!お前、俺様の人柱力やってんのにそんな初歩も初歩な事を知らねえでいやがったのか!?」

 

 守鶴が種族名でなく個体としての名前だと分かれば守鶴はキレた。

 初歩も初歩的な事を知らなかったのかと物凄く怒っている。

 

「守鶴、すまなかったな。これからはそういう風に認識する……やはり名前には意味があるのか?」

 

「そりゃ絶対防御の守りから来てるんだろ」

 

「当たりだ……防御だけはどの尾獣にも負けねえよ。特にあのクソ狐にはな」

 

「狐ってことは九尾……狐と狸だからやっぱり仲悪いか」

 

「ちげえよ、バカ!あのクソ狐、尻尾が多い=強さって考えを持ってやがんだ……尻尾の数云々の話をしたら八尾の奴は尻尾じゃねえからな!あいつ、タコの足で尻尾じゃねえんだ……俺様は尾獣の中で最弱どころか最強だ!尻尾は数じゃねえ、デカさだ!」

 

 最強ねぇ……

 

「じゃあ、具体的に言えばどの辺りが?」

 

「防御に関してはテメエも知ってんだろ。それ以外にも他に色々とある。俺様の力があれば磁力を操る磁遁を使える!」

 

「……守鶴よ、俺は父様の血継限界を継いでいる。磁遁は可能だ」

 

「ちっ……あの野郎の磁遁か」

 

「どんな磁遁なんだ?」

 

「砂金を操りやがる。俺様の砂よりも重いからか動きを封じやがってな……我愛羅は例外だが血継限界を持ってねえ奴は磁遁を覚えれるんだよ。便利だぞ磁遁は。砂金が集めれるからよ」

 

 砂金に対して色々と恨みを言っているが、砂金を操る事が出来るぜと自慢げに語る守鶴。

 血継限界が使えるのは便利そうと言えば便利そうだな。

 

「砂金か……何処もそうだが特に砂漠ばかりで採算性の無い砂隠れは砂金は金になるか」

 

「やめとけやめとけ。金が価値あるのは希少だからで、忍術でポンポンと集めたら純金の価値が落ちる」

 

「砂金よりも俺様の砂の方が価値があるからな……砂そのものを作ってんじゃなくて砂を操ってんだ。物理的感知は可能だし、俺様の呪印模様を使えば相手を永遠に封印する忍術だって使えるんだよ」

 

 俺様は最強なんだぜと自慢げに語る守鶴。

 磁遁と言う血継限界、砂金を操れる、圧倒的な防御能力、膨大なチャクラ……

 

「尻尾の数が多かったらチャクラ多いけど、その分他の利点って無さそうだな」

 

「だろう?俺様はオールマイティ、全てにおいて万能だがあの狐は回復がクッソ早いのとチャクラが多いだけなんだよ…………ってぇえ!!なんで俺様はこんな事をお前等に話してんだ!!」

 

「……今更言うか?」

 

 守鶴って色々と万能な尾獣だなで話題が盛り上がっていたが、守鶴がなんでこんな話をしてんだとなる。

 今更言うことなのか?と俺は呆れてみれば守鶴の奴が怒っている。

 

「ったくよ〜……なんなんだよ。いきなり人の中に入ってきたと思えば色々と言いやがって」

 

「見た目とか口は悪いが、お前は意外と話し合いが通じる奴なのは分かった」

 

「てんめ、こら……俺様が寛容になってりゃ調子に乗りやがって……取りあえず、あっち行ってろ!!」

 

「ぬぅおあ!?」

 

 守鶴は意外と話し合いが通じる奴なのだと分かれば守鶴はくだらねえことを言うんじゃねえよと俺を我愛羅の精神世界から追い出した。我愛羅にくっつけていたチャクラが剥がされて閉じていた目を開けば精神世界から元の現実に戻っていた。

 

「……守鶴の奴は、あの様な顔や会話が出来るのだな」

 

 我愛羅も同じく現実に戻ってあんな風に会話が出来たり嬉しそうにして喜んでいる顔を持っているのは知らなかったとなる。

 コレは普通に良いキッカケになったのか、我愛羅は積極的に守鶴に対してコミュニケーションを取ろうという思考に至る。

 

「友好の証、とは言わんが守鶴の砂像でも作っておくか」

 

「そうしとけ……今まで自分が悲惨な目に遭う原因だったけど、それは守鶴も同じだ。ある意味、お前の一番の理解者でもある」

 

「……お前は、マトリフからその思想に至ったのか?」

 

「いや……そもそもでさ、向こうに意思があってしっかりと喋れるんだから対話は必要だろ?向こうにだって色々と不満があったりするし。守鶴はお前の日常を毎日観察して暇つぶししてんぞ」

 

「マトリフは違うのか?」

 

「一応は俺の動きは見てるけど、くっだらねえ理由で呼び出したら言うことを聞かねえよ……砂の像を作るとして、それは守鶴の砂でしてみたらどうだ?」

 

「ああ、やってみよう」

 

 我愛羅は手を翳せば守鶴の砂の力を使う。

 守鶴のチャクラが混ざっているおかげか、砂はスゴく高性能に動いていてあっという間に肩に乗せれそうなサイズのプチ守鶴が出来た。さっきまで本物の守鶴を見ていたがそっくりそのまま、尻尾の部分までしっかりと再現する事が出来ているな。

 

「取りあえず、コレは保管しておくか……辰五郎よ、感謝する。守鶴との対話について深く考えていなかった、どうすれば守鶴をコントロールと言う考えであったが……守鶴もこの里の一員だ」

 

「そうか……」

 

「ナルトにも同じアドバイスはしないのか?」

 

「その内にすることにはなるだろうが……お互いに現状は嫌い合っているし、ナルトはまだお前ほどに感情を制御出来てない。情に厚いって言えば聞こえはいいけど考え方を変えれば感情的になりやすいって見れる。お前の為に心の底から涙を流す事が出来ていて感情的に動けるが……時には冷たい部分も大事っちゃ大事だし、その内に向き合わなきゃいけないことも多い」

 

 将来的にナルトにも尾獣の力をコントロールでなく尾獣と一緒に行動を共にするという考えを教えないのかを聞けばその内にすることにはなる。だけども現時点ではお互いに嫌い合っている関係性で、ナルトは感情的になりやすい。それは決して悪いことじゃないが、全部が全部、良いことに繋がってるわけじゃねえ。

 

 守鶴の力を使うのに必要なキッカケは与えたし、守鶴自身も力を貸してもやらなくはないという思考に至っている。

 定期的に守鶴と我愛羅の付き合いとかそういうのを検診しなきゃいけねえな……砂隠れの奴等は、我愛羅の事を慕っているが、我愛羅の中に入っている守鶴に対しては色々と怯えているところがあるし。

 

「あ、辰五郎……」

 

「サスケ、強くなってたか?」

 

「……ああ」

 

 雲隠れに行ったり砂隠れに行ったりと色々と過密なスケジュールをこなしていけば推薦が承諾されて上忍になっていた。

 綱手様が裏で色々としたんだろうなと少しめんどうだと思っていればサスケと再会したナルトに会う。サスケが強くなっていた事を聞けばナルトは頷いた。

 

「俺ってばこの2年の間でスゲえ強くなったって思ったのに……あっという間だってばよ」

 

「そうか……サスケの目はどうだった?」

 

「相変わらず黒かったけど……なんか考えてるって眼だってばよ。大蛇丸のところにいたから、色々なもんが見えてたんじゃねえか」

 

 大蛇丸のところに向かって以来、サスケについては接触していない。

 その日が来るのを毎日毎日確認しているがその日はやってこない。ナルトは再会したサスケとはどうだったかを聞けば、少し考える様になった……大蛇丸は忍世界の闇を見るには丁度いい所で、見たくない汚い部分を沢山見ている。俺には関係無いとある程度は割り切る事が出来るには出来るが、それでも心の何処かになにかが残っている感じか。

 

 ナルトは強くなるんだと再決心をし、カカシ先生の元に向かう。

 カカシ先生は退院をして改めて修業をするぞと影分身を用いた時短の修業をする事になった……その内容は性質変化の基礎であり……自来也さんは2年の間になにしてんだよと少しだけ思った。

 

 性質変化と言えば中忍以上の忍ならば最低でも1つは覚えているものだ。

 リーみたいな例外は中には居るには居るが……自来也さんはナルトの場合だとナルトだからこそ出来るスキルを磨いててナルトって変な風に能力が偏ってんだよな。誰にも負けない一芸に特化してればそれで充分と認識するか、様々な事を器用貧乏にこなせる事が立派なのか、バトル漫画ではどっちかと言えば一芸に特化してればそれで充分って思考に偏りがちで、本来は皆が覚えていて当然のスキルとかをガン無視してる。

 

 ライトノベルとかで実はこの職業が最強でした系はあるにはあるけども、それならそれで査定方法を変えなきゃならない。

 強い職業=強いと主張するのか、その職業をどれだけ上手に使いこなせるかどうか……能力バトル漫画の基本である相手に自分の能力を押し付けるのが正しいのか……永遠の謎だな。

 

「はじめましてだね」

 

「ええ、どうも……ナルトは色々と無茶するんで大変でしょ?」

 

「手を焼くのは覚悟していたが思ってたよりで……」

 

 ナルトは膨大なチャクラを使うからと九尾チャクラが漏れ出す恐れがある。

 カカシ先生が居ない間にナルトの暴走を食い止める役割を担っていたヤマト隊長が現れて、ナルトが何時でも暴走しても力で抑えれる様にしている。

 

「頑張れよ、ナルト……お前がやろうとしてんのは俺がチャクラ量的に諦めた事だ」

 

 形態変化の極致である螺旋丸の性質変化は俺は手を出していない。

 単純に難しいってのもあるが、チャクラが足りないから火力が出ない……色々と忍術が浮かんだりするが、それでもどうしてもチャクラが足りない。仙術を覚えた事でチャクラコントロールは良くなっている筈だが、チャクラ量がそこまで増えてない。大玉螺旋丸よりも圧縮螺旋丸の方が使いやすいし、螺旋丸の投擲の方が便利だと気付いた。

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