忍の世界とか割と詰みである 作:こうすけ増田劇場版
ナルトが自来也さんの死を受け入れて、立ち直り一歩前に進むことになった。
ただこのまま木ノ葉にいても仕方ないからとフカサク様は自来也さんに嘗て教えた仙術をナルトに叩き込んでやる!と言い出した。
「仙術か……ナルト、多分お前がしてきた修行の中で一番辛い修行だ」
「なに言ってんだ。それぐらい過酷じゃなきゃ修行になんねえってばよ!」
「フッフッフ、辰五郎ちゃん、自分が仙術を使えるからってネタバレはいかんよ……まぁ、ナルトちゃんは明らかに仙人モードの修行が向いてないタイプなのは確かじゃろうが」
「爺ちゃん仙人どういう事だってばよ!?」
木ノ葉の里の入口である門の前でナルトの見送りをする。
現状木ノ葉の里で仙術を使えるのは俺だけであり、仙人化が物凄く難しい修行なのを知っている。特にナルトやガイ先生みたいなタイプには向いてないのは確かで、フカサク様もナルトには高難易度な技術だと見抜いている。
ナルトとは自分が契約している蝦蟇に逆口寄せされた。フカサク様と一緒にだ。
「仙術の修行ってそんなに厳しいの?」
「ああ……そういや、サクラも受けようと思えば受けれるんだっけ」
「ええ」
仙術の修行が物凄く難しい事を話題にしていたので気になっているサクラ。
俺にどれくらい難しいか聞いてくるので難しいと頷いた。そして思い出す。サクラは五代目を経由して蛞蝓と口寄せ契約をしているのを。ナルトが修行に向かった妙木山と同じく秘境ではあるが仙術を教えてくれる湿骨林にサクラも行こうと思えば行ける。
「仙術を使うのに必要な仙人モードを会得したらスゲえパワーアップするが、如何せんキツい……俺も一年ぐらいかけてやっと会得したからな」
「辰五郎で1年かかったの!?……じゃあ、ナルトは何十年先かしら」
「お前、そういうところ厳しいよな。俺の場合は任務の合間合間で向かってたから一年ぐらいかかったけど、ナルトは仙人モード会得するまで帰ってくるなだから……あの環境だし自来也さんの一件があるから早いだろう」
「あの環境?」
「妙木山の食事は昆虫食だ」
「なぁっ!?」
おそらくはナルトにとって一番の難敵はご飯が美味しくないというところだろう。
ただ美味しくないならばまだ受け入れることが出来ただろうが、妙木山の食事は昆虫食だ。それを知ったサクラは引いている……
「た、辰五郎。あんたカラスの所で修行したのよね……まさか生ゴミを食べたんじゃ」
「俺はちゃんと食料持ってったぞ」
「……私が仮に湿骨林で修行したら、なにを食べさせられるのかしら……」
「カツユは流石にその辺の空気を読むだろう」
あの蛞蝓さんは優しい性格だから……他の蝦蟇と蛇がくっそ性格悪かったり五月蝿かったりするとも言うけれども。
サクラが仙術に興味を抱いている。ナルトよりは覚えるのは早そうだが、如何せん湿骨林でどんな食事が出されるのか分からんし、ハードな修行になるのだけは確かだろう。
「五代目、ナルトに修行期間を与えたんすから俺にも修行期間くださいよ」
「修行期間とは言うが、なにかあるのか?」
そんなこんなで五代目の執務室に向かう。
ナルトに依怙贔屓と言う名の修行期間を与えたので自分にも修行期間をくれと頼む。五代目は修行期間を与えてなにかパワーアップする方法でもあるのかについて聞いてくるので俺は三尾の尻尾を出した
「それは!」
「色々とやって出来る様になりました」
「三尾のコントロールに成功したのか……うむ。ナルトが仙人モードを会得した後にお前がサポートをして九尾の力のコントロールも視野に」
『辰五郎、ちょっと変わって』
あいよ。
「それは無理だよ」
三尾のコントロールに成功したことを聞けば五代目はナルトが仙人モードの会得を終えれば本格的に九尾の力のコントロールを視野に入れる。尾獣のコントロールを成功した者が居るからそれをサンプルに色々と出来ると言いたげだったが、磯撫が代わってくれと言うので交代し、俺と人格を入れ替える。
「お前は……」
「こうして表に出て直接挨拶するのははじめてだね。僕の名は磯撫、君達が三尾と呼んでいる尾獣だよ」
「三尾だと!?辰五郎は」
「落ち着いてよ……辰五郎は無事っていうか人格を切り替えてるだけだから」
磯撫と人格を切り替えれば案の定驚かれる。五代目は俺の人格はどうしたんだと指摘するが大丈夫だと磯撫は教えてくれる。
「改めての本題だけど、辰五郎に僕の力を使いこなせる様になる修行の時間をくれないかな?今まで僕の人柱力になった忍は居たけど、この領域にまで至ったのは辰五郎が初めてで僕自身もどうすればいいのかわからなくてね」
「む……それは……分かった。お前の力を使いこなす為の修行時間を任務として与える。しかし、ナルトが九尾の力をコントロールするのが無理なのはどういうことだ?」
「理由は大きく分けて2つ、先ずはナルト自身の精神が未熟だから。僕達尾獣は暴れるチャンスを狙ってチャクラを経由して暴れさせようとする、それをどうにかするには憎しみを乗り越えた心が必要だ。だけど今のナルトには無理……理由は言わなくても分かるよね?」
「……自来也……」
人柱力になって悲惨な目に遭って、それでも負けないと立ち上がった。
そんなナルトに頑張れと応援をしてくれる恩師が死んでしまった。ナルトの中には憎しみの感情はしっかりとある。その憎しみの感情を五代目は無くせとは言えない。きっと暁のリーダーと実際に対峙したら五代目も感情的になって動くのは分かってるから。
「次に尾獣達は忍の世の中の嫌な事を沢山見てきた。火影なら知っているんじゃないかな?九尾の人柱力がどういう迫害を受けていたのを」
「……」
「辰五郎はつい最近、僕の人柱力になったばかりでそういうことにはなっていないけどナルトの場合は生まれた時から。僕達尾獣はちゃんと感情がある。それなのに君達人間は力で抑えつけるし迫害するしで憎しみを持たない方がおかしい」
「……ナルトには九尾の力のコントロールは不可能なのか?」
「そうは言ってない。ナルトはまだまだ成長するけど、戦闘能力的な成長じゃなくて人間的な意味で成長しないといけない……九尾は気に入った人間なら遠慮なく力を貸すタイプだから、ナルトが気に入られるかどうかの問題だよ。少なくとも僕はナルトは嫌いじゃないかな。でもまぁ、僕は辰五郎に多少の愛着が湧いてるから力を貸してる感じだし……っと、辰五郎に切り替えるね」
「つーわけで磯撫の力のコントロールの時間をください。ナルトが妙木山で修行してる間だけでもいいんで」
ナルトは何度も言っている様に段階を踏まなきゃ九尾の力を使うことが出来ない。
磯撫と人格を切り替え終えた後に五代目に改めて磯撫の力のコントロールの修行の時間をくれと、ナルトが妙木山で修行している間だけでいいからと伝えたら五代目は分かったと承認してくれた。
「ところで修行って言うけど、なにかアテでもあるのかい?」
「取りあえず、お前の力を使ってる状態で仙人モードの維持とか」
磯撫自身も自分としっかりリンクをしている人柱力が初めてでなにをすればいいのかがイマイチ分かっていない。
尾獣の必殺技である尾獣玉を教えることは出来るが……まぁ、木ノ葉の里でぶっ放したらどうなるのかは言うまでもない。
「同棲の術を使ったら嫌がるだろ」
「まぁ、僕の力があるのにカラスとのシェアハウスはね……」
「お前の力と仙術を使うことが出来れば大抵の相手、と言うか他の尾獣に負けないだろう」
取りあえずナルトがやっていた仙人モード+尾獣の力を俺も出来るようにならなきゃならない。
最終決戦では仙人の力が無いと体術以外では一切のダメージを与える事が出来ないと言う中々のクソ仕様……今、この忍界で仙術使えるのって俺と今頃は龍池洞で修行をしているカブトぐらいだろうな。
仙人モードの修行はホントに洒落にならんぐらいに難しい。
自然エネルギーを感じ取るのもそうだが、自然エネルギーを受け入れる自然と一体化する為の動かないという動作がホントにキツい。
ジッとしてる事が苦手なタイプであるナルトには仙人モードの修行は地獄……まぁ、一番は昆虫食の食生活が地獄だから。アレばっかりは四代目ですら嫌がるからな。俺も普通にNGだ。
「思ったよりもあっさりといけたな」
「まぁ、チャクラを練るだけだからね」
そんなこんなで仙人モード+尾獣の力のコントロールだが、思った以上にあっさりといった。
仙人モードで一番キツい動かずに自然エネルギーを集めるというのはとっくの昔にクリアしている課題であり、自然エネルギーを確保する役割を磯撫に任せて色々とやってみたら思うようにいけた。
「螺旋手裏剣も出来る様になったか……」
今まで足りない足りないと言っていたチャクラだったが、磯撫が俺の中に入ってからグングンとチャクラ量が向上している。
流石にナルトほどのイカれた量ではないがカカシ先生の数倍は普通にある。そのおかげか今まで出来なかった風遁 螺旋手裏剣を覚えた……ナルトと違って片手で作れて投げることが出来る。後、火遁と水遁の螺旋手裏剣も出来る様になった。
「ここまで来たら後はもう尾獣化ぐらいだけど……辰五郎、マトリフがいるのに僕の姿になる必要はあるの?」
「……水中戦ならあんじゃねえの?」
尾獣玉と尾獣化以外は大体は覚える事が出来たので、残りはと磯撫は言う。
俺にはマトリフがある。マトリフを使えば尾獣と殴り合いを可能にする……磯撫は水中戦では尾獣最強だと自負しているが如何せん地上での戦闘が他の尾獣と比べて苦手である。対するマトリフは空を飛べたり色々と出来るからな。
「後……暁と対峙した時……暁はもう尾獣を狩りまくってる。守鶴は本体こそ奪われなかったがチャクラが根こそぎ持ってかれた。お前はマトリフでボコった時に体の一部を持ってかれた……今こうして俺が暁に狙われず何事もなく修行をする事が出来ているのはそのおかげだが今頃は四尾以降の人柱力が狙われている。暁が本格的に忍五大国を含めた国と喧嘩をおっ始める時には確実に今まで集めた尾獣を使うだろ」
「……そうか。他の皆と戦わないといけないか…………」
「やっぱ思うところはあるのか?」
「君と居るとね……尾獣と忍との向き合い方とか色々と考える様になるんだ」
尾獣達は一方的に力で封印させられて嫌な物を見ている。嫌な存在に力を貸す義理は無い。だけどあくまでもそれは嫌な存在の話だ。
磯撫は過去の人柱力と嫌な思いをしたが今回の人柱力が俺であり、俺が磯撫に対して色々と向き合っているから磯撫も人柱力との向き合い方について改めて考える。
「まぁ、色々とあるが尾獣化してみるぞ。チャクラプリーズ」
「了解」
磯撫のチャクラが俺の体に入ってくる……だけでなく磯撫のなにかが入ってくる。
ナルトが九喇嘛の尾獣チャクラだけを引っこ抜いて九喇嘛とリンクしてなかった時と九喇嘛と正式に繋がった時が大幅に異なっていたが、きっとこんな感覚だったんだろう。
磯撫からチャクラを受け取り磯撫をイメージする。
変化の術に近いのか?と思ったが、そうとも言えねえしな……と思いつつも磯撫の姿になったらヤマト隊長が現れた。
「辰五郎!」
「どうしたんすか、ヤマト隊長?」
「って、意識があるのかい?」
「そりゃまぁ、磯撫の姿になっただけなんで意識はありますよ……もしかして五代目が万が一を想定して?」
尾獣の力のコントロールに関しては現状キラービーを除いて教えてくれる人は居ない。
万が一が起こった場合にヤマト隊長が上から木遁で抑えつけることは可能だが、尾獣の力のコントロールに関してはホントにキラービー以外は居ない。だから万が一暴走した時を想定して五代目がコッソリとヤマト隊長を付けてくれたが、磯撫となんだかんだ言いながらも良好な関係を築き上げている俺は特に暴走する様な真似はしない。
「はぁ……驚かさないでくれ。てっきり三尾が暴走したと思ったよ」
「そうなったらそうなったでマトリフを出しますんで……」
『辰五郎、この姿は今回ははじめてだから5分しか保たないよ』
なにかあった時に尾獣を抑えつける仕事を担っているヤマト隊長は苦労人だな。
尾獣化に成功したが磯撫は初の尾獣化なので5分ぐらいしか保たない事を伝える……
「アレだな。お前、亀だから動きにくいな」
『回転すれば攻撃しながら移動出来るけど、僕はやっぱり水中戦がメインだからね』
磯撫の姿になった感想としては、明らかに地上戦が向いてないなだ。
磯撫は高速での移動は出来なくもないが回転しながらの攻撃がなんだかんだで強い。アカネのミルタンクじゃねえんだぞと思いつつも、磯撫は水中戦がメインな事を認める。
「やっぱマトリフをメインにするか……まだ1回しか出来てないから、マトリフの実体化を重視しよう」
『マトリフは口が五月蝿いけど、辰五郎は気にしないの?』
「なんだかんだの関係性だよ」
そんなこんなで尾獣化そのものは成功した。
ヤマト隊長は何時暴走するか分からないと心配をしていたが、磯撫が暴れる事は無い。それよりも厄介だったのはマトリフであり、磯撫が便利だからって磯撫に乗り換えんじゃねえだろうなと睨まれる。浮気者とまで言われたが、磯撫がホントに水中戦向けの尾獣のせいで地上での尾獣化の戦闘を求められる場合はマトリフの実体化じゃないとダメっぽい。多分、須佐之男とその内に殴り合う事になるだろうな。