忍の世界とか割と詰みである 作:こうすけ増田劇場版
「マイホームが……」
予想はしていたし覚悟もしていた。しかし実際に起こった出来事だとしても受け入れるのは難しい。
ペイン六道の天道の神羅天征で家が木っ端微塵になった。幸いにもホントに大事な書類は巻物に封印してたりするからいいけれども、予想通りと言うべきか木っ端微塵だ。こういう時の為に保険に入ってたが満額降りて再建出来るよな?
「それで辰五郎、お前なにしてたの?」
「あの老害共と戦っていた」
「老害共ね……」
それはさておきカカシ先生による尋問タイム。
ペイン六道がゴタゴタと動いている中で木ノ葉の里の皆が必死になって頑張っていたのに俺の姿を全くと言って見なかった。ペインもとい暁の目的はナルトの中に居る九尾だけでなく俺の中に居る磯撫も目当てである。
ナルトと違いある程度は尾獣のコントロールに成功している俺が戦線に居なかった事をカカシ先生は当然疑問に思うので聞いてくる。
「そう……相談役の2人が尾獣が狙いならば俺を避難させようと考えていた。んでもってダンゾウの元に向かった……あの老害、木ノ葉の里で暁が暴れてるけどなんやかんやでナルトが事件解決するから動かず忍ばずの体制に入ってて……そこにサスケが現れた」
「なに!?」
「……カカシ先生、辰五郎が言ってた事はホントだってばよ。木ノ葉の里がボロボロになってて長門と戦う事に集中してたけど、あの時にサスケが感知できたってばよ」
取りあえずは説明出来る所を嘘を交えて説明をする。嘘を付く時のコツはホントの事を一部混ぜる事だから。
相談役がナルトを即座に呼び戻さないというのはあの相談役ならばありえるし、里が一大事で暗部の人間も動いているのに根の忍を一切見かけなかったのでカカシ先生が納得出来る材料だらけ。そしてそこにサスケが居たというナルトの証言だ。
「……辰五郎、お前なんか知ってんのか?」
「そうだな……そもそもでサスケがなんで抜け忍になったかは言うまでもないよな」
「ああ、イタチへの復讐だ……でも、エロ仙人が掴んだ情報じゃイタチは死んだって。その後については」
「その時にな、知ったんだよ。イタチの真実を……イタチは木ノ葉の里の為にクーデターをしようとしていたうちは一族を皆殺しにした。最愛の弟のサスケを生き残らせるのを条件に」
「なっ……」
「そもそもでお前の腹に宿っている九尾が暴れた事件は謎のうちは一族が起こした事件だ。その謎のうちは一族が原因で里とうちは一族の間にギスギスした空気があってクーデターを企てていた。三代目、ダンゾウ、コハル、ホムラの4人はうちは一族の抹殺を命じた……もっとも、三代目だけは最後までなにか別の方法があるって言っていたが」
ナルトに聞かれたので語れる部分は語っておこうとうちは一族がクーデターを起こそうとしていた事を伝える。
うちは一族をサスケしか見たことは無いナルトは信じられないと言わんばかりの顔をしているが、カカシ先生は考える。
「カカシ先生、俺はうちは一族ってのをサスケしか知らないけど、カカシ先生の世代ってうちは一族がバリバリ働いてた時代だ。イタチがうちは一族を壊滅状態にまで追い込んだ時、偶然にもうちは一族はうちは一族の住んでいる土地に居た。サスケを除いて……偶然で片付けられますか?」
「……片付けられないな」
「ホントに復讐をしなきゃいけねえ相手をサスケは復讐した……けど、それと同時にサスケは分からなくなったんだ」
「……忍の世界がか」
「ああ」
ナルトはド根性忍伝を取り出して悲しそうな顔をする。
ド根性忍伝はナルトの導としては最適な本であったが、サスケにはそんな本は無い。俺が過去に書いて何回も読み返してスゴくハマっているテイルズオブベルセリアは内容が色々とアレであるから。うん、ホントに内容が色々とアレだから。テイルズオブの中でも一番のダークサイドの主人公だからねベルベットは。そこがスゲえ魅力なんだけども。
「今回襲ってきた暁のリーダーは嘗ての自来也さんの弟子だ。自来也さんはダメな大人だが国際的なテロリストを育てるほどに落ちぶれた忍じゃないのはお前が一番わかってるだろ。暁のリーダーが忍の世界を見て豹変した様に、サスケも復讐こそ果たしたが忍の世界が分からなくなったんだ……んで、俺はまぁ、色々と巻き込まれた。サスケの仲間に雷刀・牙を持ってかれた」
「……そうか……」
「……どうした?お前ならもっと感情的になるだろう?」
忍の世界がわからなくなったという言葉を聞いてナルトは俯いて悲しそうな顔をする。
何時ものナルトならば感情的に愚直とも言えるぐらいに真っ直ぐになっているが今回に限ってはナルトは物凄く落ち込んでいる。
「エロ仙人が死んじまってサスケの気持ちがさ、分かったんだ。でも、それと同時にエロ仙人が憎しみを乗り越えた未来を作りたいって言っていた事を……俺がサスケを止められなかったみたいにエロ仙人も大蛇丸を止められなかったから」
「そうか……多分、お前とサスケはもう1回本気の戦いをする。サスケはサスケなりの答えを出す……サスケにはサスケの答えがあって、その答えとお前が導き出した答えは異なる」
「ああ、分かってる……だから戦うんだって。俺の意見が正しいとかサスケの意見が正しいとかじゃない、サスケと分かり合う為に俺の正真正銘の全力をサスケにぶつけてやる」
「……そうか。んで、今回里が崩壊した後にナルトが口寄せされたのはダンゾウのゴミ野郎が原因だけど暁の面をつけている奴が暁関係の事件の黒幕だ」
「ああ、知ってる……父ちゃんから聞いた」
「なら、俺が語ることはもうなにも無い。うちは一族の復讐を終えたサスケは大蛇丸のアジトを探って忍の世界を色々な部分を見てうちは一族を正しく埋葬出来る場所を探している……カカシ先生、俺の口から語れることは以上です」
「……そうか」
一部に真実を一部に嘘を交えて語ったが、カカシ先生は疑いはしなかった。
イタチが実はスパイだったを受け入れるかと思ったが、案外すんなりと受け入れるものだった。ぶっ飛ばしたのは忍の世界で大体ロクな事をしていないダンゾウ、そしてそのダンゾウに対して深く干渉するわけでもなんでもない相談役の老害2人。
あの2人ならばそういう発言をするという確信をカカシ先生はしているし、ダンゾウに至っては疑われて仕方ない事をしているばかりだった。
「はぁ……疲れた……」
「お疲れ様、テンゾウ」
「カカシ先輩、テンゾウじゃなくてヤマトです……まったく、木遁を使えるからってここまで酷使しますかね」
サスケの一件とダンゾウ及び相談役の2人が見えないことについては納得をしてくれた。
どういう風に罪を背負わせるのかは知らんが、少なくとも今は壊滅状態の木ノ葉の里をどうにかしなきゃならない……そう、木遁使いのヤマト隊長が思いっきり酷使されている。木遁が悪いんや木遁が。
「まぁ、そういうな。お前は戦いに参戦出来なかったんだからそれぐらいは頑張らないと」
「頑張るの方向性が違いますよ……それにしても、ホントに危なかった。ナルトの中の九尾が危うく出るところで初代様の遺産が破壊されて……」
「首飾り……あ、そうだ!綱手の婆ちゃんは!?」
「今まで溜め込んでいたチャクラが底をついてスッカラカンになって眠っている……なに、大丈夫だ。五代目は生命力だけは下手したら初代のおっさんよりも強いから」
「そっか……大蛇丸も死んでエロ仙人も死んで、綱手の婆ちゃんまで逝っちまったら俺は……」
「ナルト、時代がそれだけ動いているって証だよ……にしても初代様の首飾りが無くなったからこれからナルトの中の九尾が暴走したら……」
「まぁ、そこはヤマト隊長が頑張ってくれ」
「辰五郎、君も一応人柱力なんだからフォローをしてくれよ!」
初代のおっさんのチャクラに反応する首飾りのおかげでなにかあった時に暴走しているナルトを食い止める事が出来ていた。
首飾りが無くても木遁の術である程度は尾獣の力を抑え込むことが出来るには出来るが、初代のおっさんの首飾りがある場合と無い場合では段違いだ。ヤマト隊長はあくまでも初代のおっさんだけが使えた木遁を使えるだけで初代のおっさんのインチキ染みたスペックは持っていない。これからナルトが暴走したら大変だなと言えば手伝えと言われた。
「カカシ、辰五郎は居るか?」
「あ、シカクのおっちゃん」
「シカクさん、どうしました?」
色々とあるがこれからだなと軽く言い合っていればシカクさんが現れた。
ナルトがなんか来たなと反応し、カカシ先生がシカクさんがどうしたのかを聞いた……
「なに、知ってるとは思うが綱手様が今意識を失っている状態だ。サクラの話じゃ限界まで練り上げたチャクラが底を突いて弱って眠っているだけで命に別状は無いが見ての通り木ノ葉はこの有様……大名と上忍の上役と会議がある。お前達に大事な話があるから来い」
「わかりました」
「……うわぁ、カカシ先生はともかく上忍に成りたての俺もか」
やっぱりこういう展開になるよなぁ、と思いながらもシカクさんに連れられて火の国の大名及び偉いさんと上忍の中でも更に偉い人達が数人集まっている簡易的な会議室に通される。
これからなにを言われるのかは大体は予測出来る。カカシ先生もただ事じゃない空気だなとシリアスな空気を発する。
「木ノ葉の蒼い龍ならびに木ノ葉の白い牙の息子です」
「う〜む……ま、ええんじゃないのか?」
「……五代目である綱手様が倒れている間の代理人を立てるって感じすか?」
久しぶりに見た火の国の大名は俺とカカシ先生を見て、それでいいんじゃねえの?と相変わらずのクッソ緩いノリだった。
取りあえずなんで呼び出されたかについての見当はついていると五代目がぶっ倒れている間に木ノ葉を動かすリーダーを選出するって話だと聞けばシカクさんは頷いた。
「話が早くて助かる……はたけカカシ、お前に一時的に木ノ葉の長の代理を務めてもらう」
「自分にですか?」
「ああ……お前の能力ならば問題は無い筈だ」
「じゃあ、俺はなんで呼び出したんすか?」
「辰五郎にはカカシの補佐を務めてもらう……カカシは今も現役バリバリで最前線で働いているが、一時的に木ノ葉の里の長の代理をしてもらう。人格面も人望面も特に問題は無いが、如何せん綱手様と比較して顔の広さや戦闘能力が歴代とも比較して欠けているところがあるからな」
「ああ、俺は暴力担当ってこと……良いんすか?今まで相談役は尾獣が危険だなんだと言って先送りしまくっている問題である人柱力を出して」
「お前ならばなんだかんだで問題は無い……異論は?」
「あくまでも五代目が目を覚ますまでの代理、と言うことであれば引き受けましょう」
「俺も引き受けますけど……頭を使うタイプの仕事とかあるならシカマル貸してくださいよ」
「いや、ここは俺が出る……辰五郎と俺がカカシの補佐をする」
うわぁ……カカシ先生+シカクさんとかいう敵に回すと絶対に厄介な相手だろうなコンビが生まれちまったよ。
まぁ、木ノ葉の里が一大事でカカシ先生は強いには強いんだけど純粋な戦闘能力だけならガイ先生と言う代わりがいるから……てか、そっち系の仕事を任せるならガイ先生の方が……いや、ダメだ。ガイ先生、子供を指導する先生として一流だけど為政者としてはって考えたらアウトだわ。
「うむうむ、木ノ葉の蒼い龍と奈良一族の長が木ノ葉の白い牙の息子をフォローか……いいではないか?」
「あくまでも五代目が復帰するまでの代理、と言う事をお忘れなく」
「いっそのこと火影になるのもありではないか……綱手姫も見た目こそは美しいが自来也同様に初老じゃしの」
「いえ、流石にそこまでの大役は自分には無理ですよ」
と言っているカカシ先生だが第四次忍界大戦が終了したらなんだかんだで六代目になっているのである。
五代目もとい綱手様はこれからは若い世代だ!とか色々と言って迷いなく五代目引退する……火影在位期間が3年で生きていてピンピンしているのに火影をやめるのもどうかと思うが、新しい世代に任そうとしている。まぁ、即座にFIREして残りの人生遊んでんだけど……。
「火影ではないという事なので信任投票等は無しでよろしいですか?」
「構わんぞ……では、はたけカカシ。五代目火影、千手綱手が目を覚ますまでの間、火影代理に任命する。そして奈良シカク及び寺田辰五郎、火影代理に任命されたはたけカカシの補佐に任命する」
ダンゾウを殺したので、お鉢がカカシ先生に回ってきた。こればっかりはマジですまんとカカシ先生に思っている。
俺とシカクさんにも色々と仕事が回ってきているから……こりゃホントに厄介だ。