忍の世界とか割と詰みである 作:こうすけ増田劇場版
「まさか俺が代理とは言え、被る事になるとは思いませんでしたよ。先生」
五影会談が決まってあらかたの事務仕事を片付けた。
カカシ先生は四代目の旦那の墓の前に向かい、火影の帽子を手に持ちながら自分が被る事になった事を報告に来た。
「貴方がナルトに受け継いだ火の意志はしっかりと伝わっています……里の復興が済めばまた来ますね」
四代目の旦那に軽く報告をすればカカシ先生は火影の証である帽子を手に持ったまま歩き出す。
忍者、でなく侍がいる鉄の国に俺とシカクさんと一緒に今から向かう。四代目の旦那の挨拶を終えたから後腐れは無い。木ノ葉の里の出入り口に迎えばシカマルとガイ先生がいた。
「親父、母ちゃんが持ってけってよ」
「ああ、助かる」
シカマルは弁当をシカクさんに渡した。
母ちゃんと言っていることから考えてこれから大きな仕事を控えているシカクさんの為にシカクさんの好物を入れた弁当を作った、そんなところか。シカクさんはそれを直ぐに察した。
「カカシよ、お前が居ない間の木ノ葉は俺に任せろ!」
「ああ、頼んだぞガイ……こういう時にお前が居てくれて助かるよ」
カカシ先生がここで里を出なきゃいけない。俺も出なきゃいけない。
木ノ葉の戦力は言うまでもなくガタ落ちであるが、木ノ葉にはガイ先生がいる……体術だけならば、どんな忍にも負けないと言ってもいい人でありカカシ先生は時折雑に扱いながらもなんだかんだで信頼しているし証だ。
「シカマル、俺が居ない間ちゃんとやっとけよ」
「わかってるよ」
因みにだが五影会談で俺達が不在の間に色々と木ノ葉復興計画の一部の雑用をシカマルは押し付けられている。
言うまでもなくシカクさんが押し付けているが、シカクさんもシカクさんで親バカな一面があるなと思うが押し付けてもなんだかんだで仕事をこなしているシカマルはマジで優秀である。
「ところでカカシよ、ずっと手に持ったままだが被らんのか?」
「いやいや、俺は火影代理で火影じゃないから」
「しかし、他の五影と会談する際には先ずは最初にと帽子を置くのが恒例の行事だと聞いたことがある。その帽子に思うところはあるかもしれんがここは腹を括って被った方がいいぞ」
「……まぁ、そうだな……場合によっちゃ、ホントに火影に任命される可能性がありそうだし」
ガイ先生がカカシ先生が火影の帽子を持っているだけで被っていない事を指摘する。
カカシ先生はのらりくらりと躱そうとするのだが、今から五代目こと綱手様の代理で出席しようと言うのと場合によっちゃ自分がホントに火影に任命される可能性がある事を考慮してカカシ先生は火影の帽子を被った。
「じゃ、行ってくる」
そんなこんなで鉄の国を目指すことになった。
木ノ葉がこんな状態だから襲撃してくるバカとか居る可能性があると思ったが特に問題らしい問題は無く、鉄の国に辿り着いた。
「その帽子、火の国の木ノ葉隠れの里の火影とお見受けいたすが」
「火影、と言うよりは代理ですが……」
「拙者、鉄の国の侍の頭領を務めるミフネと申す。他の五影はまだ到着をしていない。長旅であっただろう、しばし休息を取るといい」
鉄の国に辿り着けば侍の頭領であるミフネのおっさんが歓迎する。
カカシ先生は火影、でなく火影代理である事を一応は主張しておき、ミフネのおっさんは軽く自己紹介した後に他の五影がまだ来ていないから休めと言ってきた。
「辰五郎、お前が言い訳を考えとけ」
「まーた、いきなりっすね。今度はなにに至ったんですか?」
「なに、五影会談で議題に上がるのは暁の事だ……暁を殲滅する為に同盟を結んだとして、お前の三尾とナルトの九尾が狙われるのは言うまでもねえ。普通に考えてナルトは護衛対象になるが、ナルトのあの性格ではいそうですかで受け入れると思うか?」
「無理っすね……とは言え、その場合だと他の国、特に雷影から協力とかしてもらわないと無理なんですけどね」
「なに、そこは俺とカカシに任せろ」
「……シカクさん、俺は」
「暴力担当で、極秘の五影会談とは言え暁の情報網は謎だからな……なにかあった時はお前が戦えよ」
暁関係のゴタゴタとした会議が始まるのだが、俺は会議をするよりも会議に乗り込んでくるバカをボコれる様にしとけと言われた。
そりゃそうだろうなと思いながらもシカクさんは事前に集めている情報や今回の五影会談で議題に出てきそうな内容を予測し、カカシ先生と一緒に具体的にはどういう風に話を進めていくかについての打ち合わせをする。
「段々と話が大きくなってきたね」
「まぁ、敵がそんだけヤベえって事だからな……つか、磯撫。お前はなんか心当たりがあるんじゃないのか?」
「心当たり?」
「お前等尾獣は知り合いの関係性なんだろ。守鶴から九尾まで集めたらなにかあんじゃねえのか?」
暴力担当の俺は何時でも戦えるようにスタンバイしておけと言われているので、スタンバイしておく。
ミニ尾獣になっている磯撫に話が段々と大きくなってきたことを言われるのでここは少し時計の針を進めておくかと磯撫にカマかけに近いことをしておく。
「……1つだけ心当たりがあるよ」
「尾獣を使ったヤベえ忍術か?」
「ううん、僕達は元々一体の尾獣だったんだ……十尾と言う尾獣で六道仙人が十尾を分解して僕達尾獣が生まれたんだ」
「お前はそういうのをポロっと教えるのやめてくんない?恐ろしいんだけど」
カマかけて原作知識的にも知っているが、磯撫や守鶴達は元々は1体の尾獣だった事を聞いた。
後でシカクさんに報告したらそれを早く言えよと磯撫を睨んでいたが磯撫は大して気にしていなかった……つか、知ろうと思えば雲隠れは十尾のことを知ることが出来たんだろうな。
「改めて、はじめまして。はたけカカシです。本日はお手柔らかに」
「はたけカカシ、木ノ葉の白い牙の息子で写輪眼の英雄と呼ばれる男か!成る程、綱手姫が出れなくなってロクなのが送られないと思っておったが多少はマシなのを送ってきた様じゃの」
そんなこんなで他の五影達もやってくる。
雷影にはカカシ先生が五代目の代理で出席してると言う話は通しているが他にはあまり伝わっていない。三代目土影のオオノキの爺さんに挨拶をすれば木ノ葉も多少はまともなのを送ってきたと少しは軟化する。
コレで仮にダンゾウが来ていたらよりによってダンゾウかよと言う視線をぶつけてくるだろう。
あいつは忍世界の闇と言われている老害だから仕方ねえと割り切るとして、水影や風影とも改めて顔を合わせた後にミフネが中立のもとで五影会談が始まる。
俺はカカシ先生が襲われた際に護衛に回る仕事でシカクさんはカカシ先生や他の影達に補佐として色々と意見を言う立ち位置にある。
そしてまぁ、五影会談だが……グダグダ進行だった。予想通りと言うべきか暁の討伐を忍五大国でしようと言う話題になった。
ただ雲隠れ以外は最低でも1人は暁のメンバーを出している。
それだけでなく、尾獣狩りを始める前に傭兵部隊として動いていた暁を雇っていた過去等があったりする。暁を倒そうと言う考えは全員一致するが過去の経験の後ろめたさや、一国の里を納める長としてのメンツとか色々とある。
汚い大人が会議をしているねぇと、カカシ先生自身も頭が良くてシカクさんが居るからどうにかなるかと思ったがグダグダになっている。
「貴様等、いい加減にせんか!!」
色々とグダグダとした会議をしていれば当然、痺れを切らす輩が出てくる。そう、過激なタカ派である雷影だ。
カカシ先生の千鳥の素になっていると噂の雷遁を身に纏ったチャクラモードを発動せず、素のフィジカルだけで机をぶん殴って破壊した。純粋な忍体術じゃこの人もなんだかんだでトップレベルだなぁ、と思いながらも瞬身の術でカカシ先生の隣に立ってカカシ先生を守る。
「四代目雷影よ、今回のこの五影会談は貴方のたっての希望で開催された。貴方には貴方の目的があるとは言え、それが上手くいかないからと言って八つ当たりをするのは……それでも一国を納める影か?」
ミフネのおっさんが感情を爆発させて派手に動いた雷影を見て、冷静になれと遠回しに言う。
多分五代目が居たら居たで似たような事を五代目がしていたから五代目じゃなくてカカシ先生が居てくれてホントに良かったと思う。
「尾獣を手中に納めた暁に対抗すべく忍連合と言うがの、暁を倒した後の尾獣の分配はどうするつもりじゃ。戦争とは昔から起こすよりも終わった後の後始末の方が大変じゃぜ……嘗ての初代火影の様に尾獣を分配する気か?」
「二尾と八尾は雲隠れの物だ!」
「ならば七尾はどうする?アレは本来は滝隠れの物じゃ。あの国の忍は忍五大国の次に強い国、七尾を何処が手に入れるかの争奪戦や騙し合いをするつもりか?」
多分こうなるんだろうなとは薄々察していたが、土影と雷影の口論が始まる。
木ノ葉と砂は尾獣に頼った戦術をしているわけじゃねえ。暁討伐成功の折には尾獣は分配って考えだ。そうなるとここに出席出来ていない滝隠れが保有していた七尾は誰が持ち帰るという非常に厄介な事になる。
八尾の人柱力であるキラービーが八尾のコントロールに成功している。
尾獣のコントロールに成功していると言う事は自分達の国でも出来る可能性があり、そうなると1体でも尾獣を手に入れた方がお得……そういう考えをしているから尾獣側から力を貸してやるって考えを持とうとしねえんだ。
因みに水影はあんまり言って来ないのは尾獣に対して圧倒的に有利な鮫肌を鬼鮫の持ち逃げされてて、キラービーを襲撃したから。
原作じゃサスケがやったが、どうやらサスケは色々と巡る旅をしている。だからキラービーは相性が最高に良い鬼鮫が行っている……ホントに尾獣達と鮫肌の相性が悪すぎる。
「悪いが、一尾から九尾までの尾獣は木ノ葉でも砂でも雲でも岩でも霧の物でもない……俺の物だ」
「「「「「っ!?」」」」」
雷影がテーブルをぶっ壊してギスギスとした空気が流れている。
何時五影同士の喧嘩がおっ始めてもおかしくない中だったので五影は警戒心に関しては最大に向けている……それなのにも関わらず、暁の面をつけた男が現れた。
「貴様、何者だ!!」
「俺の名はうちはマダラ……しいて言うのならばこの世の救世主だ」
「うちはマダラ、だと……」
暁の面をつけた男が何者かと雷影が聞けば、うちはマダラと答えた。
その名を聞いた三代目土影は顔を青くする。なにせこの中で本当に本物の生きたマダラを目の当たりにした事がある歴戦の猛者だからな。
「そのうちはマダラがなんの用事だ?……守鶴を奪いに来たか?」
「なに、それに関しては今ここでするつもりは無い」
うちはマダラは歴史の教科書で知るレベルであり、本物を知らない世代である我愛羅。
暁なのは確かなので守鶴を改めて自分から完全に抜き取る為にやってきたのかを聞けば暁の面をつけている男はここで一戦おっ始めようという考えは無いと言うが……はいそうですかで言うことを聞くほどに、雷影は優しくない。雷遁のチャクラを身に纏い水平チョップをくらわせようとしたがうちはマダラには当たらなかった。
「雷影様、その者には攻撃が通じません」
「なんだと!?ならばどうやって倒せと言うのだ!」
「風影様、確か貴方は砂を操る忍で相手を砂で包み込む術が使えると……確認しておきたい事があるからそれを使ってくれ」
「辰五郎、お前の事だ。なにか考えがあるのだろう」
雷影の目にも止まらない音速の水平チョップを軽々と流す暁の面をつけた男。
暁の面をつけた男はここで戦争をするつもりは無い……なにせここには五影が居るし、なによりも自分にとって唯一の天敵になりうる万華鏡写輪眼を持っているカカシ先生が居る。ここで万華鏡写輪眼で自分を吸い込み異空間に体を移す神威の仕組みがバレると大変だ。
取りあえず出来ることはやっておこうと我愛羅に動いてもらう。
我愛羅は砂を操って暁の面をつけている男の元に砂を纏わせる。
「握り潰すんじゃない。砂を体のあちこちに紛れ込ませるんだ」
「……!砂が消えた」
「まったく……やっぱりか」
砂を操って圧力で握り潰す術でなく暁の面をつけている男に砂を纏わりつかせる。
我愛羅は俺の指示通りにしていたら操っていた砂の一部が消え去ったので、俺はここでやはりかと素振りを見せる。
「おい、木ノ葉の蒼い龍!なにがどういう事だ!」
「説明をしてくれ、辰五郎!」
1人で納得をしている俺を見て雷影とカカシ先生が聞いてくる。
何処から説明をしてみるべきかと考えていると我愛羅を包んでいる砂が暁の面をつけている男に吸い込まれていき……
「っ、写輪眼!」
写輪眼が見えた。
万華鏡写輪眼でなく三つ巴の写輪眼だったが、その写輪眼を見せられれば嫌でもうちはマダラだというのを思い知らされる。