忍の世界とか割と詰みである 作:こうすけ増田劇場版
「木遁 木龍縛りの術!」
「あ、っちょ」
「さて……辰五郎、一応は弁明はあるかい?」
撫子の忍ことシズカとの一騎討ちを終えて厄介な事になった。
当然と言えば当然だが……怒られている。ヤマト隊長が一切の迷いなく尾獣チャクラをも抑え込む木遁で俺を拘束する。チャクラを吸い取られているがヤマト隊長は非常に冷たい目線で睨まれる。
「か、勝てば全部終わりだと思ってたんす……」
自分と本気で戦って負けたのならば潔く婿養子として結婚しろという撫子の里の長候補の婚姻方法。
勝てば白紙に戻すことが出来ると思ってナルトの代わりに引き受けた結果が、撫子の里のくノ一もといシズカが俺を婿養子にするのでなく嫁として木ノ葉に嫁ぐ事になった。
「まったく、無茶苦茶なのはナルトだけだと思っていたが君がトラブルを巻き起こすだなんてね……」
「いや、ホントに自分でもどうしてこうなったのかを聞きたいぐらいです……あっちょ、俺のチャクラ吸い取らないで」
ナルトが問題を起こすのは性格的に分かっているとヤマト隊長はナルトを分かってきたが、俺が起こすのは想定外だった。
ヤマト隊長は俺からチャクラを吸い取ってくるので地味に元気が無くなっていく。
「まぁまぁ、ヤマトさん落ち着いて。元を正せば自来也さんの問題なんですから」
「まったく、花嫁を手に入れるだなんてやるな、辰五郎!」
「アオバ、僕達の任務を忘れたわけじゃないでしょう!それにガイさんも余計な事を言わないでください!」
アオバさんはヤマト隊長を宥めているが、ヤマト隊長は任務を真面目に遂行しなきゃいけないのに余計なトラブルを起こした俺を庇うなと言う。そしてガイ先生はその歳で美人な花嫁をゲットすることが出来て良かったなと結婚関係の話についておめでとう!と若干暑苦しいものの喜んでくれている。
「なぁ、辰五郎。やっぱこういうのってどうかと思うんだ」
「なにが?」
「俺、恋愛とかそういうのよく分かんねえけどさ。里の掟で結婚相手をポンって決めたらダメだって……」
「う〜ん……そうは言うけどよ、1つの里の忍としての覚悟は出来てる。それを否定したりするのはどうかと思うぞ」
政略結婚と言えばそうとも言える形で嫁が出来たのでナルトはそれはどうかと思うと疑問視する。
確かに結婚ってそんなポンポンと決めていいもんじゃねえし、戦いに勝ったから嫁に貰うって神話のお伽噺みたいな感じだ。時代的にどうなのよ?と言う意見は普通にあるわけだが、シズカは1つの里の長候補になった。そして掟通りに動こうとしている。
「でもさ」
「ナルト、お前……シズカは1つの里の長候補にまで居る忍だ……そういうのが里の規範となる事を守らないと里が保たない。確かにナルトの考えは一理あるけど、上に登った人間が規律を変に破ったりすれば組織的にアウトだ」
ナルトの考えは一理あるにはあるけども、上に行った人間が勝手な真似をすれば組織としての威厳と言うか規律が保てない。
現に波の国の一件、結果的には良い感じに終わったけども終わった後に三代目に思いっきり怒られた。結果的にプラスの方向で終わったからよかった、と言う言葉を出た段階でアウトだ。それが起こる事が組織的にアウトだ。
「ナルトよ、恋愛というのは十人十色な物だ。結婚を前提に付き合うというのは割とよくある話。辰五郎は見合いをして結婚を前提に付き合ったと思えばいいんじゃないか?」
「独身のゲキマユ先生に言われてもな……こういう時にサクラちゃんが居てくれたらビシッと解決してくれるんだけど」
ナルトはこう言っているが後日確認をした際にはヒナタやいのは忍である以上は男を見つけることが出来なきゃお見合いとかがあって恋愛結婚とか出来ない可能性の方が高いで腹を括っていたとのこと。一応は忍を生業としてるから是非もなし
サクラは一般家庭なので忍としての覚悟とかそういうのはもう出来ているけれども忍の恋愛事情とか、忍世界じゃ好きな異性を捕まえる事に成功しなきゃ名家の人間なら見合い話は普通に来る。ボルト世代でリーとか猪鹿蝶は
「失礼」
「貴女は……」
「私の名はトキ、シズカ様のお付き人だ」
木遁で見事にチャクラっつーか生命力を奪われていれば嘗て自来也さんと戦った忍でシズカの護衛である、トキが現れた。
他所の忍が現れたという事なので流石に警戒態勢を持つのだがトキは俺を見てくる。
「コレを」
「書状?」
「シズカ様はこれより撫子の里から木ノ葉の里の寺田辰五郎に嫁ぐ。他里での結婚はややこしい色々と事務手続きをしていたものだ」
「我々は絶賛任務中でして出来ればそちらの婚姻問題は任務の後にしてもらえませんか?」
他里ってか外国なので結婚するのに色々と手続きが居る。
撫子の里側の事務処理はこっちで終わらせたと書状を渡してきたのだがヤマト隊長が任務後にしてもらえないかと言ってくるとトキが肩に手を置いた
「第四次忍界大戦」
「っ!」
ボソリと呟いたがトキは第四次忍界大戦と言った。
ヤマト隊長はまずい!とナルトに聞かれたかどうかを確認するがナルトには聞かれていない。
「なにが、目的ですか?」
どうもガイ先生とアオバさんも聞こえたのでなにをしに来たのかについて改めてヤマト隊長が聞いた。
「撫子の里を繁栄させる為に木ノ葉の蒼い龍を婿入りさせるのでなく、嫁ぐのだ。今の情勢や情報からしてこのまま行けば下手をすればシズカ様は未亡人になる可能性がある。故にシズカ様を連れて行ってもらう。その為の書状でもある」
「未亡人?……なんの事だってばよ?」
「ヤマトよ!こうなっては致し方あるまい!」
「そうですね……ここはシズカを連れて行きましょう」
「ゲキマユ先生、アオバさん、それでいいのかよ!?」
ナルトが未亡人になるという言葉の意味を理解していない。
流石に五大国以外の里を持つところでも第四次忍界大戦が起こることぐらいは知っている。そこで俺が死ねばシズカが未亡人になるが……ガイ先生とアオバさん、ヤマト隊長は別のことを気にしていた。それはナルトに第四次忍界大戦の情報を知られるということ。
「辰五郎、元を正せば君が起こした事件なんだから責任は君にある。怒られるのは君だからね……分かりました。お連れしましょう」
ヤマト隊長は今ここでナルトが第四次忍界大戦が起きることを知るのとシズカを連れて行くことを天秤にかけた。
原因の責任追及については俺にあるので後日五代目に怒られる事になる。でも仕方ないと割り切るしかない。ヤマト隊長は俺を拘束する木遁の術を解除すれば磯撫がチャクラをくれた。
『危うく僕のチャクラも取られかけたよ』
『すまん』
俺のチャクラがヤマト隊長の木遁に吸い取られたが磯撫がチャクラをくれたのでなんとか起き上がる。
ヤマト隊長、やろうと思えば拷問とかのエゲつない事が出来るからホントに厄介だ。
「書状は確かに預かりました。ところでその花嫁は何処に居るんです?」
「ああ、少し1人になりたいと……覚悟はしていたが結婚となれば色々と考えてしまうのも無理はない」
「いや、だったらさ」
「ならば辰五郎!ここは夫らしく花嫁を迎えに行ってこい!お前の熱い言葉でナイーブな気持ちを晴れ晴れさせるんだ!」
結婚となれば色々と考えてしまうのならば結婚なんてしなくていいだろうとナルトが言おうとするが、ガイ先生が男として女を迎えに行ってやれよサムズアップする。
キラーンと爽やかな笑みを浮かべている……え?どっち?どっちなの?このおばちゃんがこれ以上ここに居てナルトに第四次忍界大戦のことを知られるのが厄介だから?それとも本心で言ってんの?この人の場合、両方の可能性が……。
「まぁ、取りあえず行ってきますよ」
俺は取りあえず仙人モードになった。
ヤマト隊長にチャクラ吸い取られたから急いで回復するには仙人モードの方が何かと便利だし、シズカが何処に居るのかが分かりやすい。俺達が泊まっている宿屋の近くにある軽い林の中にシズカと……見知らぬ男が居た……シズカは涙を流している…………
『ねぇ、これってさ』
「言うな。いや、確かにそうだ。そうだけども!」
シズカは男に頭を下げている。男は涙を流している。男はシズカに手を伸ばそうとするが、途中で止めた。
俺の気配に気付いたのか?と思ったがどっからどう見ても作り笑いの満面の笑みを見せて……去っていった……
「そこにいらっしゃるのですね」
「あ、気付かれてた?」
「声を上げた際に」
状況を俺を経由して見ていた磯撫に声をかけられたので心の声でなく実際の声を出してしまったが故に気付かれた。
気付かれた以上は姿を現すしかないなと姿を現せばシズカは涙を拭っていた……
「さっき、トキが来たよ……」
「そうですか……では参りましょう」
「さっきのって……」
「旦那様、私は忍で撫子の里を継ぐ覚悟は出来ておりました……ここでそれを掘り返すのは私の忍としての覚悟を踏み躙るも同然です!」
明らかに禁断の恋的なのをしてるのにNTRした側になっちまってんだけど!?なにこれ、俺が悪いの!?
シズカは感情を抑えて涙を止めた。泣き腫らした跡はあるが自分は忍だと言う覚悟を持っている……ふぅ……
「わかったよ……だが、旦那様はやめてくれ。辰五郎で頼む」
「わかりました……辰五郎、行きましょう」
色々とあるけど罪悪感がもうすんごい。あの男の代わりに出来ることと言えば、シズカを誰よりも幸せにすることだろう。
罪悪感が出てくるが気持ちを切り替える。これからこんないい女が嫁であると……けどまぁ、マイホーム1から作り直しなんだよな。タズナのおっちゃん達が豪華に仕上げてくれるけども……。
「と言うわけでござんす」
「まったく、お前も時折破天荒な事をするのだな」
そんなこんなでシズカが加わって我愛羅(影分身)と合流をした。
ナルト達を避難させる任務に就いていない忍が居るのだから我愛羅は当然事情の説明を求めた。撫子の里の掟で結婚をしたと言う話を色々と語れば我愛羅に呆れられた。
「我愛羅は色々と言わないんだな」
「恋愛というのは分からない。その手のものは姉であるテマリの話だ……だが、里の為に動いていると言うのならば気持ちは少しは分かる。里の為にと腹を括った女だ。お前がすべき事は誰よりも幸せにする。違うか?」
「すんごいまともな正論!」
ナルトはこんな結婚間違ってる!とかおかしいとか考えていたが、我愛羅は里の長であるので割り切っている所はある。
我愛羅は俺のやるべき事はシズカを誰よりも幸福にすると言うことであり、すんごいまともな正論をぶつけられた。
『おい、磯撫。お前』
『ああ、居るだけだよ』
シズカの一件についてはコレで終わったと思えば守鶴が話しかけてきた。
俺でなく俺の中に居る磯撫に話しかけてきた。磯撫の今の状態について守鶴は気付いている。
「守鶴?」
『っち、テメエ、俺等の中でも散々な目にあったってのに尻尾を振るのか?』
『今までとは違うからね……守鶴、君だって変わろうとしているだろう?』
『……』
『少なくとも牛鬼に関しては完全に変わっているよ……問題は九喇嘛だけど』
『言っとくがな、あの野郎の人柱力のコントロールには付き合わねえからな!!』
『それ以外なら大丈夫なんだよね?じゃあ、我愛羅に力を……』
「守鶴はなにを話しているのだ?」
「俺の中に居る磯撫の封印を解除した状態って気付いたんだ」
「なに!?」
守鶴は封印されているが、磯撫は封印が解除されている。
封印が解除されているのならば表に出て思う存分に暴れるのではないのかと我愛羅は驚いているが、尾獣同士のテレパシーの会話は人柱力の俺達にも聞こえていて、磯撫が無理矢理暴れるという雰囲気じゃないのを見抜く。
『言っておくけど、勘違いをしないでよ……人間だから誰でも尻尾を振るってわけじゃないんだから。辰五郎は力を貸しても問題は無いって判断したし、それに見合うものはくれたんだから』
『その割にはお前、チビサイズで出てねえじゃねえか』
『そういう君もでしょう。見せたら九喇嘛の奴が色々と五月蝿いってのが目に見えてるからでしょ?』
『いや、どうせ後で牛鬼にも出会うからな。バカ狐の野郎を煽ってやろうかと思ってんだよ』
「お前な……まぁ、いい。大分緩和されてるみたいだな」
「ああ、少しずつな」
守鶴と九喇嘛の仲が悪いのは相変わらずなものの、最後に会った時よりも守鶴は緩和されている。
十尾に戻そうとしているから協力的ってのもあるが、我愛羅が我愛羅なりにアプローチをして守鶴と仲良くしようとしていて……少しずつ心を開いていた。