忍の世界とか割と詰みである 作:こうすけ増田劇場版
「ここからは船に乗り換えて貰います」
「え、なんで?」
「雷の国にちゃんと入って雲隠れからの支援が受けれるから……まぁ、船がパワーアップしたりここまで操船してくれた人が雲隠れの忍に切り替わると思えばいい」
GPSが無いから正確な位置とかそういうのは分からないが、一応は雷の国の領土内には入っている。
ここからは木ノ葉の船でなく雲隠れが用意した船を乗ってくれと言うのでナルトはなんで?と疑問を抱くが、ナルトに細かな説明は出来ねえから雲隠れの船になることで船がパワーアップを果たしたと思えばいい。
「おぉ!前の船より断然良いってばよ!」
「流石は雷の国、と言ったところか」
木造船の帆船だったがエンジン付きの機帆船が出てきた。
貧相な見た目の船から少し豪華な船に切り替わったのでナルトは大喜びをしていて、我愛羅は関心をする。
「雲隠れじゃなくて雷の国?どういう事だってばよ?」
「ご存じないのですか?」
雲隠れの里が気前良く豪華な船を用意してくれたのならば流石は雲隠れと言うのに流石は雷の国と褒める事に対してナルトは疑問を抱く。シズカ、と言うかここに居る忍ならばある程度は知っている情報の筈だが流石はナルトと言うべきか、その辺の情報を知らない。
「雷の国は忍五大国の中で一番お金を持っている国です。それは雷の国の立地条件が火の国の次に優れていて外からの移民を積極的に取り入れ更には工業に力を入れているからです」
「へ〜」
「割と常識なのですが……」
雷の国の情勢について語ればナルトはそうなんだとあっさりと納得をする。
国の立地条件とか規模とかで言えば火の国が一番、水とか海関係は水の国が一番、鉱石関係は土の国が一番、工業関係で国の財政が一番潤ってるのが雷の国で、風の国は貧乏国家。原因は言うまでもなく砂しか無いから圧倒的に資源に乏しい。その上で風の国の大名が無能なせいで砂隠れの里の軍備縮小とかさせられている。
「お待ちしておりました……私が付添人の1人である雲隠れのサムイです」
「!?」
取りあえず船に乗ってくれと雲隠れの忍に言われるので雲隠れの船に乗った。
出迎えてくれたのはサムイさんであり俺は驚いた。原作知識からしてこの人って普通に忍界大戦に参戦しててこの場所に居るのはおかしい。
「あぁ、前に木ノ葉に来てた人!」
「木ノ葉より参った者達です……道中少しアクシデントがあり人員が一名増えました。彼女の身元を保証する書類等は木ノ葉に送っています」
「そう。なら順序が入れ替わるけど、手続きを済ませているなら許可は降りるわ」
サムイさんを見て前に見た人だと思い出すナルト。
一応はこの任務の隊長であるヤマト隊長が急遽1人人員が増えたとシズカの事を報告し身元の保証は出来るし五代目に書状を送っている事は報告した。サムイさんは感情に揺れることなくクールに対応をした。
「貴女、結構エロいじゃなかった。偉い忍なのになんで居るんすか?」
「なにバカな事を言ってんの?風影が居るのに、変なのを派遣させたら雲隠れの沽券に関わるわ」
「あぁ、それもそうか」
相変わらずエロい美女だと思いながらもなんで居るの?と、この人は普通にエロいそして偉い雲隠れの忍だ。
第四次忍界大戦の準備が着々と進んでいる中でここに居ても大丈夫なの?と聞けば風影が居るから適当な奴を派遣させたら雲隠れの里のメンツにも関わるのでちゃんとした忍として派遣された。
「にしても……人柱力だったとはね」
そんなこんなで雲隠れの船が出航して目的地に向かう。
我愛羅は風影で挨拶も一応はしたので肩が凝るような喋り方はせずに普通に接してくる。話題として出てくるのは俺が人柱力だと言うこと
「まぁ、結果的にはそうなっちまったんで」
「……裏は無いみたいね」
尾獣を今の間に確保してとかそういう軍事的な感じの意図があったのかとサムイさんは疑っている。
俺が磯撫の人柱力になったのは本当に偶然、使いたくなかった魂炎鎖死決闘を使わされた……結果的には磯撫の力が使える様になったが、それだけだ。魂炎鎖死決闘は仙術でカグヤやマダラを相手に使えば同じ力を手に入れて勝負出来ると踏んでいた。流石の2人もチャクラが底をつけば終わりだと思って用意してたんだがな。
「疑うんすか?」
「事が事だけに手を組んでいる、そういう認識の忍達の方が多いのよ。まったく、世界滅亡の可能性があるのにクールになれないんだから」
「そこでクールになれるサムイさんがスゴいだけだと思いますよ」
五大国での同盟ではあるものの、五大国同士のギスギスした関係性は続いている。
サムイさんは仕事だからでクールに割り切っているが、他の雲隠れの忍は思う所はなにも無いと言えば嘘になり、他の国の忍に対して恨みの1つや2つ、持っている……雲隠れは暁を輩出していないし血継限界も積極的に取り込むクリーンな里とかに見えるけど、実際の所は過激なタカ派が多かったり一枚岩じゃない。過去のことを掘り起こしちゃおしまいだけど、雲隠れの金銀兄弟に卑劣様と二代目雷影殺されてんだよな。
「辰五郎、随分と仲がいいですね」
「仕事上の付き合いがある関係だからな」
「……五大国以外の忍にポンポンと情報を渡すんじゃないわよ」
「いえ、これから私は木ノ葉の物になりますのでお気になさらずに」
サムイさんと仲良くしているのを見て嫉妬でもしているのかシズカは仲が良いと言ってくるが、そこまでの距離感じゃない。
あくまでも仕事上の付き合いがあるだけの関係性であり、そういう関係じゃない。それを一言言えばサムイさんはシズカを余所者だから余計な情報を流すなと釘を差すがこれからは木ノ葉の物になるとサラッとエグいことを言う。
「……なにがあったんだい?」
「里の掟に従ったとだけは」
「……政略結婚ね……」
「あんまその辺の所を突かないでください。俺、今んところ実感無いんで」
シズカが俺の嫁になるという事について言われても、今んところ実感が無い。
感覚的に言えば任務で外国の忍と合同になっているというぐらいの感覚だ……お見合いからの恋愛って割り切ればそれでいいが、令和の世の中、お見合いに参加する奴の一部はとんでもない要求をしてくるモンスターとか普通に居るとは聞くからお見合いにいいイメージが無い。
「辰五郎は私がタイプではないのですか?」
「容姿も性格もタイプだよ……けど、そういうのにうつつを抜かす情勢じゃないのは流石に知ってんだろ?」
結婚している実感が無いと言えば、自分を異性として魅力に感じないのかをシズカが聞いてくるが、状況が状況だけにな。
冷静になって考えれば俺、このまま行けばマダラに磯撫を引っこ抜かれて死にかけるんだよな。キラービーが八尾の残した尻尾で生き残ったみたいに磯撫の一部を残して取り込めば延命は出来る。我愛羅も守鶴の砂を取り込んどけば延命は出来るが……また戻ってきて貰わなきゃ尾獣の抜け殻になって衰弱してって死ぬだろうな。
「うちはマダラ……忍の神と言われた初代火影と唯一互角に渡り合えた男に加えて尾獣……早いところ尾獣のコントロールを覚えなさいよ」
「それを言い出したら戦争が終わった後の方が大変ですけどね……」
「尾獣については先延ばししてるだけの問題だわ」
「いや、俺の場合は……同期の女性陣とか五代目に色々と小言を言われるの覚悟してるんで。それに戦争が一段落すればベビーラッシュが起こったりするとのデータがあって……サムイさんはお相手は?」
「……イチイチそこに持ってかなきゃ気が済まないの?」
「シズカの一件が無かったら口説いてたので」
「辰五郎?」
「っと、霧が出てきたから船内に戻るか」
シズカの一件が無かったら、サムイさんを口説いていたと言えばシズカから圧を感じる。
堂々とそういうことを言えば怒るのは当然だと言えば当然であり、ちょうど都合良く霧が出てきたので船の上でなく船の中に入る。
俺には操船技術は無いので雲隠れの人達に任せ、数時間後には霧が晴れた。
「うぷ……」
「ガイ先生、大丈夫すか?」
「雲隠れの船だから大丈夫と思っていたが、やられた……」
霧が晴れたのはいいけれども、ガイ先生が船に酔った。
帆船から雲隠れの機帆船に変わったからこれで船酔いもバッチリだ!とガイ先生は空に浮くのをやめたが、船酔いは納まらなかった。もう1回浮けば?と言いたいが酔っているせいかチャクラが上手くコントロールする事が出来ない。
こういう時は我愛羅が砂を足場にしてくれたらいいんだけども、ここに居る我愛羅は影分身の我愛羅でチャクラを無駄に消費出来ない。ガイ先生の船酔いをどうにかする為にチャクラを消費してくれと頼むのは流石にダメなので酔い止めで頑張ってもらったけど効かなかった。
「目的地が見えてきたわ」
「おぉ!動物達の楽園が……って、何処が楽園なんだってばよ!!」
「なにを言っているんですか?と言うか目的地を知ってるのです?」
「俺ってば、木ノ葉を出る前にデカ爺ちゃん仙人から聞いたんだってばよ!タコが動物達の楽園で俺を鍛えてくれるって!でも、全然動物達の楽園じゃねえ!サムイおばちゃん、どうなって」
「おばちゃん?」
「あ、いえ……ホントにここは動物達の楽園なのでしょうか?」
目的地が見えたと言えば明らかに物騒な生態環境が生まれているであろう島に辿り着いた。
ナルトは木ノ葉を出る前にタコが動物達の楽園で導いてくれると言っていたのに話と全然違うと怒っているのだが、サムイさんの事をおばちゃんと言って逆鱗に触れた。直ぐにナルトは冷や汗をかいて謝罪と言うか敬語を使いどういうことかと説明を求める。
「……あんたがどんな話を聞いたか知らないけど、ここは動物達にとっては楽園であることには変わりないわ。木ノ葉にも死の森ってあったでしょ。あれに猛獣を足して島にした物だと思えばいいわ」
「え〜……もっとこう、トロピカルなのをイメージしてたってばよ」
「お前、バカンスに来てんじゃねえんだぞ」
トロピカルなのをイメージしていると言うが、そういうところって基本的には観光地だから余計に目立つ。
バカンスに来てんじゃねえんだぞと俺はツッコミを軽く入れる。ナルトも確かにそうだけどさ〜と若干不服そうにしながらも遊びに来たわけじゃないと気持ちを切り替えようとする。
「死の森に似ていると言う事は、危険なのでは?」
「それなら大丈夫よ。この島の猛獣達は高い知能を持っていて、ビー様が手懐けているから」
「サムイさん、アイツを忘れてませんか?」
「ああ、そうだったわね。1体だけ注意しないといけないのが……って、言ったら出てきたわね!」
死の森に似ていると聞けばヤマト隊長は危険なのでは?と聞いてくる。
しかしこの島の猛獣達の生態系の頂点に八尾の人柱力ことキラービーが居るので手を出してくることは無い、と言っているのだが雲隠れの他の人が何か別に厄介なのが居ると言いサムイさんはそれを思い出した。そして出てきた、吸盤付きの触手が。
「おぉ!あの足!アレは紛れもなくタコだってばよ!俺を導いてくれってばよ!」
「なにを言ってんの!アレはどう見てもイカでしょう!」
「え、イカ?え〜っと、1,2,3」
「数えなきゃ分からないの!?」
「いやでも、万が一ってことがあるからさ」
吸盤付きの触手が現れたのでタコがやってきたと喜ぶナルト。
ただ色合い的にどう見てもイカでヤマト隊長はイカだよ!とと言うのだがナルトがホントにイカかどうか足の数を数える。イカなら10本、タコなら8本と。
「まずいな、この場には砂が少ない」
「そもそもお前は影分身だから派手にチャクラを使うタイプの術は使えねえだろ。磯撫、チャクラを」
『いや、大丈夫だよ』
ヤマト隊長の言う通りホントにイカだった。
このサイズのイカはイカってよりクラーケンとかじゃねえか?と思いつつもどうするかを考える。我愛羅は力を貸したいが辺りは海で砂が無いので何時もの様に派手な砂の術が使えないとなっている。そもそもでここに居る我愛羅は影分身なのでここは俺が引き受けると磯撫からチャクラを貰って尾獣化しようとしたが、磯撫はチャクラを渡してくれない。しかし別のものを感じ取ってる。
「イカはすっこんでろ!以下省略!」
「な、なんです!?今度は牛の化け物!?」
「1,2……8本!しかもタコだってばよ!」
磯撫が大丈夫と言った後に出てきたのは上半身は牛で下半身はタコの化け物。
ヤマト隊長が今度は牛かと危機感を抱いている中でナルトはタコの足を数えて8本あると分かり、ナルトは探していたタコはコイツだと確信した。
「遅えじゃねえか。このヤロー、バカヤロー」
「人間に……いや、これってまさか!」
「ええ、そのまさかよ……この方はキラービー、八尾の人柱力よ」
巨大な牛もとい八尾がイカを殴り倒せば色黒のマッチョマンに変わった。
いきなりの変化に驚いたがこの光景を何度か見たことはあるとナルトは俺と我愛羅を見た。守鶴を表に出した時の我愛羅や磯撫とリンクして磯撫の姿に変化している俺と類似している。一応は事前に情報を聞いているのでナルトはまさか!とサムイさんを見れば、マッチョマンの正体、八尾を手懐けて完璧にコントロールする事に成功した人柱力、キラービーだと答えた。