忍の世界とか割と詰みである 作:こうすけ増田劇場版
「あれが八尾の人柱力か……」
「タコのおっちゃん、ありがとうだってばよ!」
クラーケンみたいなダイオウイカを退ければ八尾の姿から元に戻ったキラービー。
暴走らしい暴走をしておらず八尾の力を完璧に使いこなしている事を見て噂は本当だったのかと我愛羅は納得する横でナルトはお礼を言う。
「だってばよ?」
ナルトの口癖である、ってばよと聞けばキラービーはライム帳を取り出した。
なにが書かれてるか知らんがくっそしょうもない内容なのは確かだろう。
「このガキと合うのか合わないとか、俺はアウトローな男!ガキはアウト!」
「……な、なんだってばよこのおっちゃんのダジャレ」
「……ビー様のラップよ」
ナルトと合うか合わないかと韻を踏みながら考えているキラービー。
ナルトはラップがダジャレに聞こえるので戸惑っていてサムイさんは白い目で答える……キラービーは歴代の人柱力で随一の才能を持っているがその代わりと言ってはなんだがラップの才能が無い……と言うか日常でラップは無いだろう。
「サムイ、来るのは木ノ葉と砂と聞いたが」
「色々とありまして」
「えっと……」
「落ち着け」
ビーさんが木ノ葉でも砂でも無い撫子の里の額当てをつけているシズカを見て困惑していた。
何処から来たんだ?とサムイさんに聞こうとするがサムイさんは色々とで答えるのでシズカがどの様に答えればいいのかと悩んでいたのでバトンタッチした。
「ワイの名前は寺田辰五郎、木ノ葉出身の忍!コイツのワイのワイフのシズカ!見た目はお淑やかで心も静か!撫子の里の出身で旅の道中、婚姻!急遽迫られワイは困惑!それでも誠実に向き合う!堅実!」
「ほぉ……結婚はめでたい事!祝福!でも俺達にはやらなくちゃいけないことがある!それ宿命!」
「俺の中に宿る三尾の力のコントロール!三尾と一緒に仲良くコント!今じゃ三尾と結構仲良く出来てる!でも、シズカの婚姻問題の時に力貸してくれなかった!困窮!」
「ふっ……どうやら多少は出来るみたいだな」
ビーさんとのラップバトル?と言うかラップでの語り合いをしたらビーさんはシズカが居ることについて特に文句は言わない。
まぁ、元々そういうことに対してああだこうだと文句を言う細かいことについて気にするタイプの人じゃねえのは知ってる。ラップを聞いて多少は話し合いが通じると分かればビーさんは拳を出した。
「拳を突き合わせろ。このヤロー、バカヤロー!」
「了解」
「……ほぉ、コイツは面白えじゃねえか」
ビーさんと拳を突き合わせれば心の内側を読まれる。
どういう技術かは知らないが、心の中にある闇みたいなのとは向き合ったり対話をする事をとっくに終えているので心の中の闇みたいなのを感じなかった。
「木ノ葉と砂から遠路遥々ご苦労。ここからは俺達が案内をする。案内役のモトイだ」
船がしっかりと上陸を果たせば、サムイさんとモトイさん以外の雲隠れの人達、ヤマト隊長とアオバさんとガイ先生以外の木ノ葉の人達は帰っていった。
「ゴォオ!」
「ゴリラ!?」
「落ち着きな、キングちゃん」
木ノ葉の死の森を彷彿とさせる森だと思っていれば木ノ葉の死の森では出てこないであろうバカデカいゴリラが出てきた。
ナルトが驚いて構えようとするがビーさんがゴリラの前に立てばゴリラいや、他の動物達もすみませんでしたと頭を下げて謝罪をした。
「随分と慕われているようだな」
「この島の猛獣だけじゃない。八尾すらもコントロールしているんだ」
「八尾……」
猛獣達にペコリと頭を下げてもらっている姿を見て我愛羅は慕われていると感じる。
モトイさんがこの島の猛獣だけでなく、八尾すらも完璧にコントロールする事に成功していると教えれば我愛羅とナルトはビーさんを変な人、ではなくスゴい忍と見方を変える。
「部屋は沢山あるから使ってくれ」
八尾の頭部を彷彿とさせる住居スペースに案内された。
最低限のインフラは設備されていて、モトイさんは部屋は沢山あるから好きに使ってくれと言ったので各々で部屋を借りる。
「磯撫、どうだった?」
『驚いたよ。牛鬼の奴、スゴく丸くなってる』
部屋を借りて荷物を置いてから、磯撫にどうだったのかを聞いてみた。
ビーさんの中に宿っている八尾。温厚そうな性格に見えるがそれはあくまでもビーさんが手懐けたからであり、それまでは他の尾獣と同様に凶暴性を持っていた。拳と拳を合わせた瞬間にビーさんは心を読んできたが、その際にビーさんの中に居る牛鬼を見て丸くなっていると感じた。
「っと、予想通りか」
部屋で好きに過ごしてくれと言われていて、長旅だったのでガイ先生達は休んでいる。
だが、我愛羅とナルトは早速とも言うべきかビーさんに接触をしている。
「なんのようだ?」
「すまない。しかし頼みがある……俺もナルトも人柱力だ。お前が人柱力の完成形と聞いている。どうか人柱力の完成形として鍛えてくれないか?」
「俺様は今ブラザーからの命令で休暇……お前達の相手はする気はねえ」
「休暇って、尾獣の力のコントロールの為に集まったんじゃなかったのか?」
「俺は既に八っつぁんの力を使いこなせてる!修行は完了!お前達に教えること無い!授業は勘弁!」
「ビー様、何故ここに居るのかお忘れで?」
「……なんだっけ?」
「はぁ……モトイさんだけに任せずに残って正解だったわね」
ビーさんの元に訪れたナルトと我愛羅。
ビーさんはなんの用事かと聞けば人柱力の師匠になってほしいと2人は率直に頼むが、ビーさんは休暇だからと断る。ナルトはそもそもで尾獣の力のコントロールの為に集まったんじゃなかったっけ?と妙な所に気付いたがビーさんが軽く流す。
ただまぁ、サムイさんがなんでここに居るのか。原作と違って今回は雲隠れが尾獣の力のコントロール方法の技術提供してくれるのだがビーさんは何故に自分達がここに居るのかについて微妙な認識。多分中に居る八尾が驚いてんだろうな。
「ビー様、人柱力として2人、いえ、3人に修行をつけろと雷影様より言われています」
「……ったく、仕方ねえな」
雷影から命じられているから仕方がないと言えばビーさんは俺にやった様に拳を向ける。
ナルトと我愛羅に拳を突き合わせろと言うのでナルトと我愛羅は拳を突き合わせたが……直ぐにピクリと反応をした。
「こんな奴に教えることはなにもねえ」
「なっ!?なんでそんな事を」
「話をよく聞け。このヤロー、バカヤロー!俺が言ったのはお前だけだぜ!だってばボーイ!瓢箪野郎は大丈夫!それ即ち正しい評価!」
「何故ナルトはダメで俺は可能なのだ?」
「それは俺の口が言うことじゃねえ」
「ふむ……尾獣にとってありがたい術を教えると言ってもか?」
我愛羅は面倒を見ても良いとビーさんは考えた。我愛羅は何故ナルトはダメなのかを聞くがビーさんは答えない。
我愛羅は色々と考えた末にビーさんにありがたい術を教えようとする。
「辰五郎、キラービーは人柱力だ。あの術を教えても構わんか?」
「別に構わねえぞ」
「あの術?」
『磯撫、チャクラ』
『わかったよ』
あの術とは尾獣をミニ状態で表に出す分身を作り出す術だろう。
我愛羅は守鶴から、俺は磯撫からチャクラを受け取れば印を結んだ。俺の右肩には磯撫、我愛羅の左肩には守鶴が出現した。
「えぇ!?なんだってばよそれ!?」
「辰五郎が開発した術だ……尾獣をそっくりそのまま外に出すわけにはいかんが仮染めの分身体を動かせる様にしている」
「そいつは中々に便利!八尾をサビに出来るぜ!……だが、それでもダメだ。素質ねえ奴になにしても無駄だ」
『ビー、その術は結構使えそうだから使え。お前が言いたいことは分かるがそれは俺達じゃどうしようもならねえ』
「「!?」」
「……今のは」
『おっと、人柱力同士だから流石に聞こえているか』
尾獣を一時的に表に出す術を教えるという交渉のカードを切った。
流石にビーさんも尾獣を楽にさせる事が出来るのならば興味を抱くのだが、そういう問題ではないのだとナルトの面倒を見るのを断ればこの場には居ない者の声が聞こえた。ただしそれは俺とナルトと我愛羅だけで、その場に居合わせているサムイさんはなにも聞こえておらず、声の主の人柱力にしか聞こえていないなと納得し、ビーさんは印を結べば左肩にミニ八尾が出現した。
「ほぉ、コイツは思ったよりも便利な術だな」
「辰五郎が開発した術で居心地は悪くはないよ」
「おい、バカ狐。見てっか?俺等はこうして気ままに歩けるぜ?」
「尾獣が、喋ってる?」
八尾は俺の開発した術で表に姿を出して自由に動かせる肉体が思ったよりも便利だと感じた。
磯撫は俺の開発した術だと教えて、守鶴はニヤニヤしながらナルトの方を見ればナルトはお腹に違和感を感じたのかお腹に触れる。サムイさんは尾獣達が何事もなく会話をしているのを見て驚いている。
「サムイ、俺達だってちゃんと感情はあるんだよ……にしてもお前等、大分丸くなったな」
「それは君もだろう?」
「言っとくが、バカ狐の援助はしねえぞ!俺は元に戻るのが嫌だから渋々協力してやってんだよ!」
八尾は自分達には感情があるし喋ろうと思えば喋れる事をサムイさんに軽く伝えれば磯撫と守鶴を見た。
他の尾獣の様に荒れているかと思えば思ったよりも軟化しているなと思っているが、磯撫や守鶴からすれば八尾が温厚になっているのも驚きである。
「尾獣が表に出てんのに、暴れてねえ……」
「結論から言えばこの状態が答えだが……お前なんかアドバイスを貰ってねえのか?」
今までは凶暴な存在だと思っていた尾獣だったが全くと言って暴れていない。
八尾はこの状態こそが答えだが、ナルトはそれよりも前の段階に居るわけで八尾は俺を見てなにかアドバイスを貰ってないのかを聞くのでナルトは手を見た。
「デカ爺ちゃん仙人、いや、妙木山で九尾の力のコントロールしたいなら憎しみの感情をどうにかしろって言われた……」
「ならお前はそこからだ。他にも色々とある中でここを選んだって事は真実の滝か……モトイ、連れてってやれ」
「あ、ああ」
過去に色々と因縁のある八尾に指示されれば色々と戸惑うモトイさん。
ヤマト隊長と合流を果たしてナルトは真実の滝に向かって歩いていった。
「お前等は随分と良好な関係を築き上げれてるみたいだな」
「「出会いは最悪だけどな」」
「そいつは今に始まったことじゃねえだろ。ビー、久々に会えたから少し会話をしておきてえ。チャクラが欲しくなったら貸してやるから好きにしとけ」
「OK」
八尾は好きに動けるので磯撫達と会話をしたいと頼めばビーさんは特に深く考えずあっさりと承諾。
遊んでくるとビーさんは何処かに行った。
「ビーの野郎は全然話を聞いてなかったが事情は把握している。色々と世界が動き出してるみたいだ」
「まぁ、そうだね……それで、君のところは力を貸してくれるのかい?」
「ビーの野郎はやるべきことはちゃんとする。だが、その前に幾つか段階を踏まなきゃならねえ……守鶴は封印を解除して完全にリンクすること。磯撫はもう大体は終わってんだろ?」
「まあね」
ビーさんがどうにかする筈だとなんだかんだでビーさんを信頼している八尾。
俺と我愛羅を見てやらなければならない事があると言うのだが、俺の場合はやらなゃいけないことを殆ど終えている。
「尾獣玉の会得と尾獣化の戦闘が俺の覚えなきゃいけねえ課題だ……磯撫との関係はまぁ、ボチボチってところだな」
「守鶴との対話は済ませているが……封印は解除していないな」
俺も我愛羅も自分の中に宿っている尾獣とある程度は上手く仲良く出来ている。
ただ人柱力としての完成形であるビーさんと比較すれば劣っており、我愛羅は守鶴を見る。我愛羅が次に行わないといけないのは守鶴と完全にリンクすること。守鶴から守鶴のチャクラだけを抜き取ることじゃない。
「ここには俺や磯撫の奴が居る。何かあったら力で止めれる」
「っけ!出たよ!俺様達と対話を望んでいる素振りを見せて暴走したら力で抑え込むのを前提にしているのを」
八尾がなにかあれば自分達で止めれると言えば守鶴は不機嫌そうにする。
なにかあれば力で尾獣を抑制するつもりなんだろうと言ってくる。尾獣は歩くだけで災害級になるんだからそりゃそうだろう。
「……そうだな。向こう側が折れるのを待つのは少し筋違いだ」
我愛羅は色々と考えたのか自分の額にある愛の文字に触れる。
なにをしたのかと思えば守鶴が驚いた顔をしている……我愛羅は自分自身に仕掛けられている守鶴の封印を解除したんだな。
「我愛羅、お前……」
「俺とお前は始まりは互いに歪な関係性であった。今日に至るまでに色々な苦楽を共にしていた。過去に起きた出来事が辛く、それをこれから起きる幸福で帳消しに出来るかと聞かれれば無理だろう……だが、お前とこれから刻む新しい一歩は一緒に選ぼうではないか」
「……っけ!暁とのゴタゴタが終わるまでだ!」
守鶴がそう言うと我愛羅とチャクラを接続した。
風影なだけあって我愛羅のチャクラ量は半端じゃなかったが、守鶴と完全なリンクを果たした事で最低でも十数倍のチャクラ量になった。勿論、それだけじゃなく守鶴の固有の能力を使える様になった。