IS 復讐の弾丸   作:らんくらニキ

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新章突入!!
七話が問題視されてて顔が無いこの頃


天空福音(ヒンメル・エヴァンゲリウム)
第十三話 夢と現実


シュヴァルツェア・レーゲンに勝利した夜、俺はドローン形態のクーゲルと一緒に自身の銃であるグロックのメンテナンスをしていた。

 

「(アシタオレニッコウヨクシテェ)」

「なんで?」

「(オレジツハタイヨウコウデエイヨウトゥテル。ニッコウブソクデシナイケドウゴカナクナル)」

「あーなら分かったわ」

「(ウワーイ!)」

 

メンテナンスが終わって組み立て作業していると一夏がシャワーを浴びて出てきた。

 

「うおっお前何やってんだ!?」

「あぁ?銃のメンテだよメ・ン・テ」

「えぇでもライディの服にホルスターなんてついてないし…どうしてんの?」

「バススロットに入れてるかな。日本に来る前に物を入れる事できるか?ってドイツにいる幼馴染と一緒に試したらいけた」

「へぇー」

「あぁいっとくけど幼馴染って言っても男だからな?」

「分かってるよ」

 

会話しながら組み立て終わったのでバススロットに収納した

 

「今のところライディって勝っているんだろー羨ましいなぁ」

「一回だけ上級生と戦って負けたから全勝してはないな」

「俺なんかセシリアと決闘して負けちゃったんだ」

「えぇなんでだ?」

「まずセシリアと戦って最中に一次移行(ファースト・シフト)を終えて千冬姉の使ってた雪片二型の零落白夜を使ったんだけど」

「それで?」

「零落白夜の能力を知らないで全力で使ってあと一歩って所でエネルギー切れで負けたってこと」

「惜しいなそれ。でも俺にも使ってたって事は…………」

 

零落白夜(れいらくびゃくや)

一夏の専用機・白式に備わってるワンオフ・アビリティーであり

エネルギー性質のものであればそれが何であれ無効化・消滅させる白式最大の攻撃能力。

しかしその発動には自身のSE(シールドエネルギー)、つまり自分のライフを削るという武器仕様であり、諸刃の剣でもある。

その威力は全ISの中でもトップクラス。

 

「ワンオフ・アビリティーが織斑教官と一緒って友達が言ってたなぁ。」

「あの時千冬姉の顔に泥を塗ってしまったなぁって」

「まぁプレッシャーえぐそうだもんな………なぁって篠ノ之達に教わってんだろ?普段どんな感じだ?」

「それはー………」

 

うわ、一夏のやつ苦労してる顔してる。そんなにあいつらひどいの?

 

 一夏の話を聞いて以下の通り

 

 篠ノ之箒の場合

 

『こう、ずばーっとやってから、がきんっ! どかんっ! という感じだ』

 

擬音ばかりかよ!

 

セシリア・オルコットの場合

 

『防御の時は右半身を斜め上前方へ5度傾けて、回避の時は後方へ20度反転ですわ』

 

わかりずらすぎるまじでNow Loading

 

凰鈴音の場合

 

『なんとなくわかるでしょ? 感覚よ感覚。……はぁ? なんでわかんないのよバカ』

 

感覚派かよ………

 

ラウラ・ボーデヴィッヒの場合

ほとんど凰のやつと文面が変わらないので割愛

 

 

それを聞いて俺は唖然としていた。仮に専用機を持った国の代表候補生が(篠ノ之は違うが)なんてアバウトな説明を……

 

「お疲れだな一夏」

「ほんとにそうだよ」

 

呆れる俺と疲れ顔の一夏、もう乾いた笑いしか出ないわ。

 

「もう寝るか」

「あぁ」

 

 

ーー♢ーー

 

 

 

今日もランニングした後、いつのまにか日が昇っていたためクーゲルと一緒に日向ぼっこと称して休憩していた事だ

 

(あぁーーードイツを思い出すなぁーー! 帰りてーー!(ホームシック七日目))

「お!例の男性操縦者!」

 

すると陸上部のジャージを着た上級生がやってきた

 

「………誰ですか?」

「あぁごめん分かんないよな、私は柊ひいらぎ希実のぞみだ。

ナギとクラス一緒なんでしょ?」

「ナギ………もしかして鏡さんの先輩ですか!?」

「そうそう。 君ーなんかISに復讐するとか言ってたけどまじ?」

「………昔はそうでしたけど今は違いますんで。そこのところ深掘りやめてくれませんか」

「ごめんごめん。 それにしてもいつから居たの?私達今から朝練なのに」

「5時から居ました。 軍でテストパイロットやっても体力は必須ですからね」

「流石軍人!しかもテストパイロットって色んな戦闘機の安全性を確かめてくれるのご苦労様ね。」

「あ、ありがとうございます!!」

「(アリガトウ!)」

 

あの後クーゲルについてもジロジロ観察されました。

 

「それにしても軍人なだけだって体力があるわね。良かったら陸上部に入らない?」

「えっ?俺をですか?」

「IS学園は基本的になんかしらの部活動に入部しなきゃいけないのよ」

「へーそうなんですか。」

「あ、因みにー織斑先生は何の部活の顧問してると思う?」

「え、何部なんですか?」

「茶道部よ」

「へぇー………あ、入部は考えさせてください」

「分かったわ。 じゃあね」

 

結構意外だと思った俺は柊先輩と別れたのだった。

 

 

 

ーー♢ーー

 

 

 

シャルロットとラウラの部屋で、ラウラはいつもの様に早起きをしていた。

 

「早く起きすぎてしまったな一夏の所に行こうかと思ったが……だいぶ前にライディあれだけ言われたしな」

 

ラウラは昨日の夜に食堂でカウンターに並んでいる時にライディから注意を受けていた。

 

 

「ラウラ。一つ言っておきたいことがあるんだが」

「なんだ?」

「五日前の件なんですけど流石にあれは無いと思うぞ」

「な、なぜだ!」

 

トレイを持ったまま勢いよく振り向くラウラにライディは少し後ずさりする。

しかし負けじとライディは言い返した

 

「あれどう見たって不法侵入だぞマジで」

「それはクラリッサから教えてもらったもので……」

 

「はぁ……そんな事してると一夏に嫌われますよ」

「そ、それだけは嫌だ!」

「なら今後はあのような行動は控えるべきかと」

「うぅ……わかった」

 

これで一夏の睡眠も少しは改善された事を思いながらも、そのままカウンターで夜食を受け取るとまぁいつものメンツが集まっているテーブルに向かった。

 

 

ーー♢ー!

 

 

「うーん早起きした事だしライディを見習ってランニングにでも出るぞー!」

 

こうしてラウラは同居人であるシャルロットを起こさないように部屋を出た。

出て行った一方、同居人シャルロット・デュノアは幸せそうな顔で寝ていた。

 

 

 

「ごめんね手伝ってもらっちゃって」

「気にするなよ」

 

放課後の廊下に赤い夕日が差し込む中をシャルロットは一夏と歩いていた。2人ともその手にはこの間のIS授業のレポートの束を持っている。

 

「でも良かったの? 放課後にアストラス君とISの練習するじゃなかったの?」

「良いんだ。大体シャルロットにも教えてもらいたかったしな」

「えっ?」

「それに……まぁなんだ。こういう手伝いでも好きな相手と一緒の方が良いってことだよ」

 

そう言った一夏の頬は僅かに赤く染っている。それは夕日の色だけではないように見えた。

 

「一夏……」

「シャルロット……」

 

2人しか居ない廊下でお互いに相手だけを映した瞳。

そこに言葉はいらなかった。

オレンジ色の光景の中、2人の影が徐々に重なって…………

 

 

 

 

 

「…………あ、れ?」

 

シャルロットは、ぼーっとした頭で状況を確認する。

場所はIS学園1年生寮の自室。時刻は朝の6時半。

 

「………………」

 

シャルロットはまだはっきりしてない意識のままだったが2回瞬きをしたところで今の現状を把握した。

 

「夢…………」

 

はぁぁぁ……と深く深く深海2万マイル程のため息が漏れる。

 

(あ〜あ、せめてもう10秒くらい見れればなぁ……)

 

夢の残骸に思いを馳せ、その名残を惜しむ。

 

(うわぁぁぁ、ぼ、僕はなんて妄想を、い、一夏と廊下で……)

 

夢の内容を思い出しさらに顔を赤くしてシャルロットは顔を枕に埋めて足をバタバタしていた。

シャルロットは1週間に2回は今のような夢を見るようになっている。

 

何かしらのバグかな??

 

「はっ!?」

 

ふと隣のルームメイトにこんな姿を見られたらと思い、ゆっくりと隣のベッドに目を向けると。

 

「あれ?」

 

隣のベッドにルームメイトの姿がないことに気がついた。

この状況をシャルロットは一旦整理する

 

(ラウラどこに行ったんだろう?もしかしてまた一夏の所に……いやだいぶ前にアストラス君に言われてたしそれは無いか。そしたらどこに行ったんだろ……?)

 

まぁ寝起きの頭でシャルロットは少し考えたが。

 

「……まぁ、いいか!」

 

そんな事よりも先程の夢の続きである。今眠れば、もしかしたら先程の夢の続きが見れるかもしれない。

そんな淡い期待を抱いてシャルロットは瞼を閉じて眠りにつこうとした。

 

(せっかく夢なら、もうちょっとエッチな内容でも僕は全然構わないかな)

 

 

 

ーー♢ーー

 

 

 

ランニングを終え、制服に着替えた俺は一夏を起こしに向かうと枕にヨダレを垂らしてだらしない格好のルームメイトを見て目を細めた。

 

「はぁ……おーい一夏起きろー」

「……………」

「いーちーかー!」

「う〜ん……」

「おい一夏!起きろって言ってんだろ!!」

「ん〜もう少し……」

 

俺が体を揺すって起こそうとしたがThe寝坊野郎特有の『あと5分だけ』が発動したのを見て俺は少しイラッと来たのでモルにもやってた事をやる。

 

「オ゛ォ゛ラ゛ァ゛!゛」

「グボハァァ!!!?!?」

 

腹部に肘打ちである。そしてその後

 

「いだいいだいちぎれる!!」

 

卍固めをすると一夏が抵抗しだしたので緩める事にする

 

「いきなり何すんだよ!?」

「あ、おはよう一夏。いい朝だな」

 

目頭に涙を浮かべながら怒鳴る一夏に俺は冷静に朝の挨拶をした。

 

「くァ〜痛ってぇ…… お前なぁ!仏の顔も三度までだろ!?」

「3回も起こしたのに無視したお ま え が わ る い」

「ううっ……」

「さ、兎に角食堂に行くぞ。早くしないとご飯食べれなくなるぞ」

「あっ! そうだった!」

 

慌ててベッドから降り一夏も着替え始めた。

そして俺たちは着替え終えて食堂に向かった

すると篠ノ之とラウラという珍しいメンツが先に来ていた。

後からオルコットと凰もやってきていつもの人達が揃ってた。

 

「ラウラにしては早いな。箒は部活か?」

「あぁ。朝練があったからな。」

「私も朝練と言うのをやったぞ。」

「へぇーー何の?」

「ランニングだ。」

 

おおーって俺達は褒めようとしたが俺だけ引っかかった

 

「あれ?でもラウラ見なかったぞ?」

「何!? 貴様嘘ついてるな!?」

「そんな馬鹿な!」

「ら、ラウラは何時にやったんだ?」

「5時半からだ」

「あー俺その時には帰ってるわ」

 

部下との差を見せつけられて落ち込んでいた

結構ハードスケジュールな為睡眠期間を設けられそうになったのはさておき

とまぁ皆それぞれご飯を食べていた時だった。

 

「わぁぁぁっ! ち、遅刻っ……遅刻するっ……!」

「あぁ?」

 

珍しい声が食堂に響いてきた。声の主はばたばたと忙しそうに食堂に駆け込んでくると余っている定食から一番近くにあったものを手に取る。

 

「よっシャルロット!」

「ちーっすデュノア。」

((ちーっす!?))

「あっ、一夏。それにアストラス君お、おはよう。それにみんなも」

 

デュノアは空いていた篠ノ之の隣に座った。俺から見れば真正面にあたる位置。

しかしデュノアがこんなに遅く食堂に来るなんて珍しく感じた。

一見生真面目そうだったんだが、人は見かけによらないということか。

待てよ?今から朝食を取ったら急がない限り遅刻が確定じゃね??

 

「どうしたんだ?いつも時間にはしっかりしてるシャルロットがこんなに遅くなるなんて、寝坊でもしたのか?」

「う、うん、ちょっと……そのー寝坊……」

「へぇーデュノアでも寝坊なんてするんだな」

「う、うんまぁ、ね……その……2度寝しちゃったから」

 

急いで食べてるせいかデュノアは微妙に歯切れが悪いの悪い言葉で、受け答えをしている。気のせいだろうか微妙に一夏から目線を逸らしているような? 

 

「シャルロット」

「う、うん?」

「なんか俺の事避けてないか?」

「そ、そんなことは、ないよ? うん。ないよ?」

 

一応1ヶ月も同じ部屋にいたんだ。一夏はなんとなくシャルロットが誤魔化している雰囲気は感覚でわかってしまう。

 

(でもまぁ、あんまり問い詰めても鬱陶しがられるし、やめておこう)

「うん? どうしたのアストラス君?」

「ん? あぁ。いや〜デュノアって妙に箸の使い方が上手いなぁと思って」

「一夏に教えてもらって上手くなったんだ」

「へぇーそういえば俺が入る前のルームメイトってデュノアなんだっけ?」

「うん。僕ここに転入した時は男子として来てたから」

「男子?待て待てデュノアって女子だよな?」

「う、うん色々あって……」

 

よく見たらデュノアって男子に見えるし女子にも見えてきた,プラシーボ効果すぎるのもあるけど男装姿のデュノアはちょっと似合っちゃうなー

 

「しかし改めて女子の格好をしてるシャルロットは新鮮だな」

「し、新鮮?」

「おう。可愛いと思うぞ」

「か、可愛い……!?」

 

シャルロットはその言葉に顔をボッと顔を赤くしていた。

そんなことを露知らずに一夏はお茶を手に取ろうとした所に俺は

 

「おい。」

「どうした?ライディ。」

 

ぶすり。

 

「グァァァァァッ!!!目がぁぁぁ!!!!!!」

 

今まで考えてこなかった何故一夏がモテているのかを今理解した。

それはこの性格だった。

 

「何……すんだよ!ライディ!!」

「お前はそんな言葉をよくもまぁ」

「どういう……意味……だよ!!」

 

織斑一夏がこういう天然女たらしの『唐変木』だって聞いたらモルのやつブチギレそー。まぁ触らぬ神に祟りなしってか。あれ?あってる?

 

するといつの間にか予鈴が鳴っていた。

 

 

「うわぁっ! い、今の予鈴だぞ、急げ! ってあれ?」

「何やってんだ置いてくぞ!」

 

慌てて立ち上がった一夏は周りを見てると誰1人いなかった。

えっ? さっきまでライディが隣に居たよな?なんで食器を片付け? いやそんなこと思ってる場合じゃない! 

その後一夏以外のメンバーは食堂を出てダッシュしていた。

 

「ちょ待てよ! お、置いていくな! 今日は確か千冬姉……じゃない織斑先生のSHRだぞ!」

 

織斑先生のSHR……遅刻即ち死である。

 

「済まん一夏!私はまだ死にたく無い!」

「同じくですわ!」

「教官のSHRは送れるわけにはいかん!」

「あたしは関係ないけどじゃあねー」

「おおいお前ら俺を置いてくなぁ!! ライディも巻き添えてくれよ!」

「嫌。」

 

皆に血も涙もない事に泣きそうになったその時だった!

 

「ほら一夏っ!」

 

まさかのシャルロットが手を差し伸べてきた。

シャルロットお前待っててくれたのか!一緒に死んでくれるなんてお前ほんと良い奴だなと思ったが……

 

「一夏飛ぶよ!」

「へ?」

 

聞き返そうとした瞬間、シャルロットの脚と背中に光の輪が広がり収束して弾けた。

それはシャルロットの専用機である『ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡ』の部分展開。

脚のスラスターと背部推進ウイングを実体化させた状態になった。

 

「……おわっ!?」

 

ーー♢ーー

 

俺を含めた1組4人と2組の凰さんは階段を駆け上がっていた。

チラ見するとデュノアのリヴァイヴが一夏を掴んで飛翔してやがる。

おいおいバレたら終わりだぞ

 

「ここまできて疲れたからクーゲル。頼んだ」

「(ラジャー!)」

 

首吊り状態のまま運ばれる姿を見て四人はドン引きしていた。

俺は教室に入る手前で織斑先生に見つかったが怖すぎてスルーされた

 

「到着ー!」

「助かったー!!!」

「何が助かったーだ織斑。」

 

いるとは思わなかったのだろう、一夏は実の姉を何処ぞのUMAを見るが如く目を丸くし、シャルロットは色素が抜けたように顔を青くしていた。

 

「本学校はISの操縦者育成のために設立された教育機関だ。そのため何処の国も属さず、あらゆる外的権力の影響を受けない、だがしかし」

 

スパパァンッ!響き渡る出席簿アタック

あれをくらったら多分死ぬな。うん。

 

「敷地内でも許可されてないIS展開は禁止されている。意味はわかるな?」

「は、はい……すみません……」

 

クラスでも優等生のデュノアの予想外の規律違反にクラスメイトは衝撃的だったらしく唖然の表情を浮かべていた。

 

ちなみに俺たちは2人が怒られている後ろを難なく突破し着席していた。一夏がこちらに『助けろよ』という顔を向けていたがこればっかりは自業自得である。

 

「デュノアと織斑は放課後教室の掃除をしておけ。2回目は反省文提出と特別教育室での生活をさせるのでそのつもりでな」

「「はい……」」

 

二人は肩を落として着席。

まぁ無慈悲にもチャイムは鳴り響くんですけどね

 

「そう言えば今日は通常授業の日だったな。IS学園とはいえお前たちも扱いは高校生だ。赤点なんて取ってくれるなよ」

 

IS学園はISを学び、操縦者を育成する教育機関だが一応は高校の役割を持っており、授業数自体は少ないが一般教科もIS学園では履修する。

案内を読んだが、中間テストは無いが期末テストはあるらしい。それを赤点なんて取ったら夏休みは補習の連日になってしまう。それだけは避けたいな……夏のイベントに行きたいし。

 

「ううっ………」

「ねぇアストラス君。織斑君可哀想な声出てる」

「心配すんな相川さん。あいつが百悪い」

 

前の相川清香さんが一夏を心配しているがまぁあいつは何とかなる。

 

「それと、来週から始まる校外特別実習期間だが、全員忘れ物などするなよ。3日間だが学園を離れることになる。自由時間では羽目を外しすぎないように」 

 

7月頭にある校外学習。つまり臨海学校がある。

3日間の日程のうち初日は丸々自由時間に当てられる。もちろんそこは海なので、クラス基1年の教室では先週からずっとテンション上がりまくりなのだ。

 

しかし海かぁ……水着持ってきてないし買わないとなぁ。今週末にでも一夏と見に行ってみるか。

 

実は俺は空も好きだが海も好きだ。雲は砂浜、空は海に例えて見てる時がいちばん心が落ち着く。

 

「ではSHRを終わる。各人今日もしっかり勉学に励めよ」

「あの織斑先生。今日は山田先生はお休みですか?」

 

手を挙げて質問してきたのはクラスのしっかり者の鷹月静寐さん。

確かにいつも織斑先生とツーペアでいるのに今日は居ないのは気になっていた。

 

「山田先生は校外実習の現地視察に行っているので今日は不在だ。なので山田先生の仕事は私が代わりに担当する」

「えぇ〜山ちゃん一足先に海に行ってるんですか!? いいな〜!」

「いやー! 私たちの真耶ちゃんのメロンパイがナンパ男の手に!」

 

流石は花の10代、話題があれば一気に賑わう。それを鬱陶しく思った織斑先生は言葉を続ける。

 

「あーいちいち騒ぐな鬱陶しい!山田先生は仕事で行っているんだ。それに校外実習先はIS学園のプライベートビーチだ一般の人間は1人も居ない!」

 

はーい、と揃った返事をする1組女子。そういうところだけはチームワーク抜群だった。

 

 

 

ーー♢ーー

 

 

 

俺は暇だったので学食の休憩スペースコーナーで電話する事にした

本当は放課後に一夏と射撃対近接の練習をしようと思ったが朝の1件で今も教室掃除をしているため中止になった。

 

流石にクラリッサさんには電話できないからモルにかけてやろう(何だこいつ)

 

「もしもしー」

『おぉライディか!!久しぶりにお前の声聞いたぜ!』

「それはこっちのセリフだっての。」

 

やっぱり新たな土地での友達もいいけどやっばりこっちだよな。

 

『それにどうだ?なんかいい事あったか?』

「学園は相変わらず楽しいぞマジで。後は……うーん……ラウラと仲良くなった事かな」

『あーそれはよ…─ってお前何ボーデヴィッヒ少佐の事呼び捨てしてんだよ!』

「IS学園の一生徒だし良いだろ別に。黒ウサギ隊としての時は敬語で行くし。』

『お前……そんな軽やかになってどうしちまったんだよ』

「クラスメイトや先輩が俺を変えてくれた……からかな。」

『何だそれ』

「因みにモルの所のホルツドルフ基地はどうなんだ?」

『うーん……あ! 最近リオンの奴がフォーツ427大隊にスカウトされたぐらいかなー』

「え!?あいつそこまでいってんのかよ!」

『おまけに顔が良いしなーあー羨ましいわ』

 

会話に花を咲かせていたところで俺は話題を変える事にした

 

「そうだモル。俺実は校外学習で海行くんだよ」

『な、何だと!?』

 

するとモルがガタガタと電話外で騒がしくしておりなんとか落ち着いた。

 

『もしもしライディ! お前本当なのか!?』

「ってノイマン中尉!!何してんですか!?仕事は?」

『今は休憩中だ! それよりボーデヴィッヒ少佐と海行くんだろ!』

「えぇまぁ行事でですけど」

『そうか!ならサンオイルの塗り方だけでも覚えておけ!』

「は、はぁ……」

『それじゃあ二日目楽しみにしとけよー』

 

ぷつりとノイマン中尉に変わったまま切られた俺は困惑を受けたままだった

 

「はぁ…………サンオイルの塗り方なんていつ使うんだってんだ」

「そりゃあれだろ。愛する人の身体を塗る為だろ」

 

誰だと思い振り返るとまた知らん人がやってきた。

 

「………誰ですか?」

「何?IS学園でオレを知らないとはな。」

「すいませんそう言うの疎くて」

「まぁいい。オレは三年のダリル・ケイシーってんだ。二年のフォルテ・サファイアとコンビで【イージスコンビ】って呼ばれてる」

「あぁ俺は…」

「ライディ・アストラスだろ?男性操縦者でも話題なってんのに闇深って言われてんぞ」

「え?マジですか?」

「あぁ。因みに隣いいか?」

「は、はい。」

 

俺の隣に座った彼女だが、はっきり言って色気がやべぇ。

金髪のポニーテールならぬホーステールが特徴で、背丈は高くバストサイズは山田先生と同じかそれ以上。

制服はスカートが短く、下着が露出する程までにスリットが深く入っており、黒のガーターベルトを着用している。

 

「お前何ジロジロ見てんだよーサファイアに嫉妬されちまうだろうが」

「すいません……」

「気にすんな。」

 

てか俺って年上に関わる頻度高くないかと心の奥底で思いながらも疑問を口にする

 

「でも何で俺なんかに話しかけたんですか? 俺はただの空軍のテストパイロットなのに……」

「何でかって? それは───」

 

 

ーー♢ーー

 

 

ライディがダリルと会話してる中、同時刻1年1組の教室では朝にやらかした1件で教室掃除をしていた。

 

放課後の夕暮れ色に染まる教室で俺とシャルロットは2人で掃除をやらされていた。他の生徒は居ない。

というのも、このIS学園は生徒に掃除などをさせないのである。毎日専属の清掃業者が教室に廊下、天井に至るまでピカピカにしてくれる。

 

学舎の掃除を生徒にやらせないのは一時期保護者からの反発があり、曰く『僅かな時間でもIS教育に回した方がいい』との事で決着がついたらしい。

という訳で、教室の掃除はもっぱら生徒への軽い罰として使われることになったそうだ。で、今まさにそれを体感している訳だが……

 

「ふぅーやっと終わったなぁ。しかしごめんなぁ俺のわがままみたいになっちゃったね。」

「ううん気にしないで。ってかこの机重っ…………」

 

あれ確か岸里さんの机か……教科書全部詰め込んでて『フルアーマー机』とか言ってたなぁ……

 

「おいおい無理すんなって」

「大丈夫……行ける……ってうわぁ!!」

 

シャルロットは机が重く、倒れそうになり俺が受け止める。

 

「大丈夫か?あんまり無理するなよ。」

「あ……ありがとう……」

 

後ろ側に滑ったシャルロットを背中から支えたので、ちょうど抱きしめる格好になってしまい。さすがに男に体を包まれているのが落ち着かないのか、シャルロットは妙に視線をさまよわせる。

 

「っと、わりぃ。離れる」

「あっ……」

 

ん?なんだかシャルロットの声がすごく残念そうなんだが……なんでだ?

 

「……別に良かったのに……」

「え?」

「な、なんでもないっ!」

「そうか?」

 

今朝といい、なんだか今日は不思議なシャルロットだった。

 

(わ、わ、心臓がすっごいバクバクいってる……。か、顔大丈夫かな? 変な顔になってないよね?)

 

罰掃除とはいえ願ってもない2人きりの状況にシャルロットの胸は自然と高鳴りが増していく。

夕暮れに染まるオレンジの教室がふと今朝見た夢の光景と重なってしまってシャルロットの顔は耳まで真っ赤になった。

 

(ど、どうしよう……何か喋らないと……うぅ、でも言葉が出ないし話題が思いつかないよ……)

 

「そういえばさぁ」

「ひゃいっ!?」

 

予想していなかった一夏からの話かけに咄嗟に返事をしたせいで、その声がみっともないくらいに裏返ってしまった。あまりにもおかしな声だったのでシャルロットは自分の口を押さえた。

 

「ど、どうした? 変な声出して」

「な、なんでもない。なんでもないないよ!ちょ、ちょっと考え事してたから、それだけ」

「ふーんそっか」

 

特に疑問を抱いた様子もなく、一夏は机を運んでいく。これを全部戻し終えると掃除も終わり。そう考えると、どことなく寂しい気持ちになってしまうシャルロットであった。

だけど一夏はシャルロットのおかしい態度を問い詰めると一夏がかつて二人きりの前で『シャルロット』って呼んでの次の日に女子に戻ったが、

それ以降シャルロットの周りに箒達が集まってきてて嫉妬してしまったらしい。

 

「そうかごめんな。これからはシャルロットと向き合いたい。だから今日からシャルで呼んでも良い?」

「シャル………いいねそれ!」

「よろしくなシャル!!」

 

ときめくようなシチュエーション。背景の夕焼けがアクセントとなっていた。

 

「そういえばシャルに頼みがあるんだが」

「うん? 何かな?」

 

突然の一夏からの頼み事に『?』マークを頭に浮かべていると真剣な顔で迫られ告げられた。

 

「付き合ってくれ」

「……へぇ?」

 

シャルロットの世界が止まる音を聞いた。

 




10000文字超えてしまったぞ!!
超大作だから読んでねー
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