IS 復讐の弾丸   作:らんくらニキ

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第十九話 はじめてのお刺身

 

「ハァ……ハァ……‥疲れた………」

「ライディ結構遊んでたよな」

「まぁな……こういう体験あまりなかったし」

 

現在19時、空がオレンジからパープルに変わる言うなれば黄昏時。

洗い流す程度にシャワーを浴びてきた俺は備え付けの浴衣に着替えたあとのち自室の床に倒れ伏していた。

 

にしても……ラウラも結構疲れてんじゃないかって思う。

いくら軍人といえど結構ハードでやったぞ。

でも心残りがあった。

 

「一夏、俺ってさ復讐者じゃん」

「いきなり物騒な事言うなよ。」

「もしさ、篠ノ之博士に会った場合聞いてみたい事があるんだ」

「やめといた方がいいぞ。あの人なんでか知らないけど俺や千冬姉や箒に対して甘いけど他の人に対しての態度がやばいぞ」

「でも聞いておきたいんだよ! ISが出て狂わされた奴らがいるってのにその元凶がいるんだぞ!お前は何とも思わないのかよ!」

 

ISが出てから空の大翼に使われた戦闘機は日の目を浴びる事がなくなり、戦闘機のパイロットだった軍人は退役してその後路頭に迷う奴とかみてきた。

俺はまだ戦闘機のテストパイロットだった為まだ残れた。

 

「…………ごめん一夏、俺情緒不安定だわ」

「ライディも大変だもんなぁ…………」

 

更織楯無先輩の言う通りに後回しにしているが忘れた訳ではない。

ISを作った本人がいると言うことは世界を揺るがす大問題なのである。

 

「お前達ここに居たのか」

「あっちふ…織斑先生!」

 

一夏も学習したのか千冬姉じゃなくて織斑先生と呼ぶようになったか。

 

「そうだアストラス。食事前にすこし付き合え」

「え……?」

 

 

ーー♢ーー

 

 

 

「…………それで、俺に何か用ですか。」

「二人の会話を盗み聞きをしてな。アストラスがISに復讐しようとしてるのは本当か。」

「まぁ……はい。 あ、でも今は学業に専念してます!」

 

取り繕って織斑先生に対して笑顔で対応、だけど織斑先生にはバレていたので普通の態度で行った。

 

「お前とISはどんな関係だ。」

「でもそれ聞くことですか」

「あぁ。アストラスが使っていた銃を見たらわかる。」

 

俺はバススロットからグロックを呼び出してそれを織斑先生に渡した。

 

「………束と出会した時にロックを解除したか。」

「……はい。」

「ISに復讐する為に開発者本人を殺す気だったのか?」

「違います! ただ俺は拘束しようと………」

「お前の言う通りだとするとすぐ銃を奪われて向けられていたが?」

 

織斑先生はわかっていたんだな。

拘束する際は銃のロックはかかったまま向けると言うものだが俺はロックを解除していた。彼女…篠ノ之束が何するかわからなかったからだ。

レゾナンスの時に話さなくて正解だったぜ

 

「で、ISに復讐する訳はなんだ。この社会になったのを一人の開発者に向けても意味がないのは分かっている筈だ。」

「………………俺の父さんがISに殺されたって言ってもですか」

 

それを聞いた途端織斑先生の目の色が変わった。

 

「………ちょっと待て、臨時教官時代の時に聞いた事があるぞ。お前…まさか……!」

「はい。父は五年前、ISと戦闘し全滅した空の大翼(ブリューゲル・デア・フライハイト)の一人でした。」

 

空の大翼(ブリューゲル・デア・フライハイト)

 

ドイツ空軍が誇る大隊の一つで表向きはスポーツ大会の演出などをするが

実際はドイツ領空を守るのが使命の戦闘機軍団。

だが五年前に謎のISと戦闘し全滅した。

全滅とはいえど生き延びたのは数名しかいないとの事

 

「そうだったのか………」

「でも手掛かりなんてありませんし……今できることはやるつもりです」

 

俺が知っているのは父さんがISに殺されたと言う情報だけ。必ずISを見つけ出して………殺す、ただそれだけだ。

 

「………長話はここまでにするぞアストラス。夕食の時間には遅れるなよ?」

「はい。」  

 

あの後一夏に聞かれたけどはしゃぎすぎて怒られたって言い訳した。

 

 

 

ーー♢ーー

 

 

 

現在夜の19時半。場所は昼飯を食べた場所とは違い大広間を3部屋繋げた大宴会場にて俺たちは夕食を取っているが座敷とテーブル席で別れていた。

色んな国の生徒がいるIS学園なんだからさすがに全員正座はなかった。

 

「ぐぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

でも俺の隣の隣、ライディは悶え苦しんでいた。

 

「ライディなんでテーブル席にしなかったんだよ!」

「友達と食うのに理由はいらねぇだろぉぉ!!!」

 

なんだこいついい奴すぎひんか

とまぁ気を取り直して料理を食べる

 

「それにして美味いなぁ。千冬姉が言ってた金額は嘘じゃないんだな」

「何の話?」

「それは……… ゴニョゴニョ」

「え!?ここそんなにするの?」

「IS学園って、すげーよな」

「凄いねー」

 

そう言って頷いたのは俺の右隣に座っているシャル。

今は全員がそうであるようにシャルも浴衣姿だ。よくわからないが、この旅館の決まりらしい。『お食事中は浴衣着用』だって。普通、禁止するものじゃないのか? 

 

ずらりと並んだ1学年の生徒は座敷なので当然正座だ。そして一人一人に膳が置かれている。

メニューは刺身と小鍋、それに山菜の和え物が2種類。それ二赤だしの味噌汁とお新香。

 

これだけ書くと普通だが、なんと刺身がカワハギなのだ。しかも肝付。信じられん。

噛むと独特の歯ごたえと癖のない味がなんともいえず下を楽しませる。肝も臭みや苦味などはなく深い味わいがある。最近では高級魚だと言うが納得だ。

 

「あー、美味い!しかもこのわさび、本わさじゃないか」

 

「本わさ?」

「あぁ、シャルは知らないのか。本物のわさびをおろしたやつを本わさって言うんだ」

「えっ? じゃあ学園の刺身定食で付いてるのって……」

「あれは練りわさ。えーと原料はワサビダイコンとかセイヨウワサビとかいうやつをだったかな。着色したり合成したりして見た目と色を似せてあるやつ」

「ふぅん。じゃあこれが本当のわさびなんだ?」

「そう。でも練りわさでも最近のは美味しいのが多いぞ。店によっては本わさと練りわさを混ぜて出したりもするから」

「へぇそうなんだ。はむ」

 

えっ?シャル、今わさびの山を食べなかったか……? 

 

「っ〜〜〜〜〜〜〜!!」

 

 案の定、鼻を押さえて涙目になるシャル。な、何やってんだ……

 

「だ、大丈夫か?」

「ら、らいひょうぶ……」

 

 鼻声で返事をしながら、にこりと笑顔を浮かべようとするシャルだったが、その笑顔は涙目に崩れていまいち決まっていなかった。

 

「ふ、風味があって、いいね……お、おいしい……よ?」

「ど、どこまで優等生なんだ、この子は。」

「っ……ぅ……」

 

ちなみに俺の左隣ではセシリアがさっきからずっとこんな感じでうめいている。どうも正座が苦手らしい。一向に食事が進んでない。

 

「大丈夫か? セシリア。顔色良くないぞ?」

「だ……ぃ……ょう、ぶ……ですわ……」

 

 うん、すげぇ大丈夫じゃないっぽい。というか、そんなに苦手なのか正座……

 次第にプルプルと震えだしたセシリア。しかし英国人としてのプライドなのかなるべく平静を装って箸を手にした。

 

「い、ぃただき……ます……」

 

ず、ず……と味噌汁を飲むのにも難儀している。

そういえばこのIS学園は世界中から入学希望者がやって来るため、生徒・教師ともにかなり多国籍だ。

現在も浴衣を着ているものの金髪や銀髪の女子、褐色の子に碧眼の子と多種多様。ここだけでちょっとしたワールドツアーが楽しめそうだ。ーーーって無理か。

 

「お、おいしぃ……ですわ、ね」

 

に、ニコリ……と笑うセシリア。うーんかなり無理をしているように見えるのだが……

 

「なぁセシリア、正座が無理ならテーブル席の方に移動したらどうだ? うちのクラスからも何人か行ってるし、別に恥ずかしくはないだろ」

「へ、平気ですわ……。この席を獲得するためにかかった労力に比べれば、このくらい……」

 

うん?席を獲得ってなんのことだろう?夕飯の席は入ってきた順に座っただけだと思うんだが……違うのか?そういえばライディのやつどっか行ってたなぁ

 

「女の子には色々あるんだよ」

「そうなのか」

「そうですわ」

 

 

 

ーー♢ーー

 

 

夕食開始前にて俺は一人でいた。一夏はと言うとシャルロットと仲良く談笑して行ったらしい。

箒達えぐいほど嫉妬しそうだなぁーそうに決まってる

 

「いやー楽しみだなー」

「あの!ライディさん!」

「うん?」

 

まさかのセシリアだった。

 

「この後の夕食の時に私に一夏さんの隣を譲って貰えないでしょうか」

「一夏の隣?」

「はい!」

「別に良いけど一夏の席って座敷だぞ。セシリアは正座できるのか?」

「うっ!夕食の時間は耐えてみせますわ」

 

おぉなんとまぁ耐える気でいらっしゃるよこのイギリス娘。正座って慣れてないとキツイんだよなぁ……俺も正直言って正座慣れてないんよな

 

「でもぉ……見返りはなんだ?」

「ふっふっふ………」

 

セシリアの後ろにはラウラが居た!しかも呪詛をぶつくさ放ってるぞこっわ!!

 

「ええっ……」

「わたくしではラウラさんを抑えるのは厳しくて……」

「人はそれを責任転嫁って言うらしいぜ」

「そ…それではよろしくてよ」

 

あ、こいつ逃げた。と思いきやこんなものを渡してきやがった

 

「五万円差し出しますのでそこをどうか……」

「ええっ………」

 

金で解決すんなよなぁ。って思いながらも渋々受け取った。

セシリアと場所を入れ替えるとラウラはシャルロットと一夏が会話してるのを気に食わないのか嫉妬していた

 

「ぐぬぬシャルロットめぇ……!親友を差し置いて嫁と会話するとは……!」

「ラウラ?」

「ん?」

 

ラウラが顔を上げると俺と目があった。

 

「……なんだライディか。」

「そんなに一夏と食べたかったのかよ」

「あ、当たり前だ!」

「ならシャルロットと一緒に行けば良かったじゃないですか!」

「ううっ……」

 

俺と海で遊んだ後シャワーを浴びた後横になった瞬間爆睡してしまったとのこと。

やっぱり疲れてたんだ

 

「寝てしまったせいで夜眠れるか分からない」

「軍人あるまじき行為っすよ」

「う、うるさい! 畳の寝心地が良くて悪いか!」

「別になんとも」

 

あの後五万円の使い道を考えた俺だった

 

 

ーー♢ーー

 

 

まぁこんなことがあってセシリアはウキウキだったのだが慣れない正座のせいでやばいことになってた

 

「うぐっ……ううっ……」

「うぉぉぉ………あれ……なんか慣れたぞ」

「これも訓練これも訓練!!」

 

やっぱり慣れてないよなぁ………

さっきから2回も刺身を取り損なっているぞ。

 

「セシリア」

「移動は、しませんわ」

 

むう、言い切られてしまった。

 

「しかし、食事が進まないだろ。食べさせてやろうか? 前にシャルにーーむぐっ!」

「い、一夏っ!」

「す、すまん」

 

つい口が滑ってしまった。シャルからしたら箸が使えなくて食べさせてもらったなんて恥ずかしに決まってる。

 

「い、一夏さん、今のは本当ですの!?」

 

うわー食いついてきた。いかん誤魔化さなきゃ。

 

「えーと、あの時はシャルが体調を……」

「シャルロットさんのことはいいんです! そ、その! 食事を、食べさせてくれるというのは……!」

「う、うん? 別に良いぞ。足の痺れが取れるのを待っていたら料理が冷めるだろ。それに刺身、カワハギだぞ。鮮度が落ちたらもったいない」

「そ、そうですわね! えぇ、えぇ! せっかくの料理が傷んではシェフに申し訳ありませんものね!」

 

うむ、その通りだ。食事を作ってくれるというのは当たり前のことなんかじゃない。感謝を忘れたら人間終わりだ。

 

「で、では。お願いしますわ」

 

そう言って俺に箸を預けてくるセシリア。それを受け取って、俺はさっそく刺身を1切れつまむ。

 

「セシリア、わさびは平気だったか?」

「わ、わさびは、少量で……」

 

苦手らしい。美味いのになぁ。

 

「じゃあ」

「は、はい。あー……」

 

ん、言おうとした所で問題が起きた。

 

「あああーっ!セシリアずるい!何してるのよ!」

「織斑君に食べさせてもらってる!卑怯者!」

「ズルイ!インチキ!イカサマ!」

「飯まず国家!ブリカス!」

 

ぬぁ、他の女子に見つかった。ーーって、当たり前か。ずらーっと並んで座ってるんだし、普通気づくか。

 

「ず、するくはありませんわ! 席が隣の特権です! あと誰ですか私の祖国の悪口を言ったのは!」

「それがずるいって言ってんの!」

「事実でしょうが!」

「織斑君、私も私も!」

 

 これ幸いとばかりに自分も食べさせて欲しいと女子が押し寄せる。こら、ちょっとまて。どう見てもお前ら普通に食事できるだろ! 

 

「早く早く!」

「あーん!」

 

一様に口を開く女子の群れ。ええいお前らは雛鳥か! 

その時だった。

 

「お前たち静かに食事することができんのか!」

 

その声に場の全員が凍りついた。

 

「お、織斑先生……」

「どうにも体力が有り余っているようだな? よかろう、それでは今から砂浜をランニングしてこい。距離はそうだな……50キロもあれば十分だろ」

「いえいえいえ!とんでもないです!大人しく食事します!」

 

そう言い各自の席に戻っていく。それを確認してから千冬姉は俺の方を見た。

 

「織斑、あんまり騒動を起こすな。鎮めるのが面倒だ」

「わ、わかりました」

 

最後に織斑先生は俺に注意して襖を閉めて教員用の部屋に戻って行った。

 

「ごめんセシリア、代わりと言っちゃなんだけど、後で部屋に来てくれよ」

 

小声でそう言うと、セシリアは2度ぱちくりと瞬きをした。

 

「へっ……後で部屋に……?はっ!い、一夏さんそれはもしや!」

 

なんか上機嫌になってたセシリアでした

 

 

ーー♢ーー

 

 

「…………なぁラウラ。」

「どうしたライディ?」

「何か考えているだろ」

「そ、そんなわけあるか!」

 

そう、ラウラは周りの女子と違い騒がなかったが実際嫉妬していた

 

「セシリアはこれを見据えて俺を買収したのか……!」

「何だと!?私も何か渡せば良かったのか……」

「何か渡す以前に隣を確保していたシャルロットはどうだ?」

「くっ……! 私の負けかっ……!!」

「二人とも楽しそうねぇ」

 

一組のテーブルゾーンの直ぐ後ろを振り返ると、真後ろの二組のテーブルゾーンから鈴が声をかけてきた。しかも哀愁が漂っている

 

「てか隣がなんだってのよ。あたしなんかそんな権利すらないわよ!なんで私だけ、私だけ二組なのよ!なんで私より後に入ってきたシャルロットとラウラは揃って一夏と同じクラスなのよ!?」

「それは知らん。」

「真実は神のみぞ知るってな」

 

そう言いながらも俺は赤だし味噌汁をすする。

 

「てか二人ともカワハギに手をつけてないじゃない。食べないの?」

「「ぎくっ」」

 

鈴に痛恨の指摘をされた。そう、メインディッシュのカワハギを食べてないからだ

ドイツでは「生肉(特に生の豚肉ひき肉『メット』)」を食べる文化があるが「生卵」や「生魚(寿司を除く一般的な魚介)」は基本的に生で食べない。

 

ラウラは魚を焼いて食べる機会があまりなく、俺は父さんと川で魚釣りした際は毎回ムニエルか串焼きかホイール焼きとか言う酒の肴すぎるのしか食べたことが無い。

つまり二人とも生魚(刺身)未体験である。

勿論そこは流石の高級旅館、事前に生魚が苦手だと言えば別のものに変えてくれる。だが。

 

((疲れて申請するの忘れたああああああ!!))

 

自業自得である

 

生魚で死ぬことはあまり無いのだが、食中毒の噂とかサバイバル演習で魚をそのまま食ったやつが腹痛に侵されてリタイアしたのを耳にしてるライディは心なしか恐怖していた

 

「…………ラウラ隊長。俺が先陣を切ります! これを食べなければ一夏達とは並べられない!」

「そうか行ってこい! お前の命は無駄にしない!」

「なによドイツコンビは戦場にでも立ってんの?」

 

たかが刺身にこの気合いの入りよう、と鈴は呆れを目で訴えた。

それでも生魚を食べると言うことは命を張る覚悟は出来ている!

 

「いただきますっ!!」

「…………どうだ?」

 

ん……んんっ!こ、これは!!

弾力があって、しっかりとした歯ごたえがある!

クセのない上品な白身で、噛むほどに優しい旨味がでてる!

味が消えないうちに白飯を入れると、米の甘味とカワハギの旨味が見事に合わさって…………んだこれ美味すぎるぞ!!

今まで焼いたのしか食べた事なかった俺にとってこれは忘れられない!

人生のフルコースに入れよかな

 

「う、美味いのか?」

「もちろん!食べてみろよ!」

 

美味しそうに食べる俺に触発されたラウラが疑心暗鬼ながらも俺の食べ方に習ってカワハギの刺身を口にした。そして。

 

「んんっ!!? こ、これは………!!!」

 

即落ち2コマ宜しく目を輝かせた。

おー見てください俺の方に向いたラウラの顔よ。溢れ出る喜びを存分に見せつけてやがる

 

「今度はわさびと醤油で行きましょ!」

「えっ、でもシャルロットが……」

「流石にそのまんまはダメだからちょこっとすよちょこっと」

 

ちょこっとちょこっと園田智代子(??!?!)

俺は少量のわさびを混ぜて刺身に付けて食べる

ん、これは! 

先程の旨味はそのまま、けどいの一番に舌全体に乗る鋭い辛み、次に鼻を突き抜けるこれまた独特の匂い。だけど辛みがしつこくない、むしろ上品な辛みの余韻はカワハギの味をより引き立たせた。

 

「おーおー、アスちんとぼでゔぃー美味しそうに食べてるねぇー」

 

向かいののほほんさんがなんか醤油にまた混ぜてる

 

「布仏、それはなんだ?」

「カワハギの肝だよ~。新鮮な肝は醤油と混ぜて肝醤油にして食べると美味いのだ~」

「ほうほう」

 

言われた通りプルプルの肝を醤油で崩し、カワハギの刺身を浸して食べる。

 

「んだこれ濃っ!!!」

 

何て言うんだろう、海、というか磯かな? 海苔の佃煮のような濃いコクが口一杯に広がった、それでいてカワハギの淡白な味も負けていない。

更に+1として本わさびもトッピング。

ダメだこれ美味すぎる。先程の味にわさびがマッチ。

カワハギの淡白、肝醤油のコクと塩味、本わさびの上品な辛みが邪魔することなくお互いを上手く出している。

 

「美味い……!美味すぎるぞ………!!!」

「ありがとう布仏!お前には私の刺身を差し上げよう!!」

「えー?ぼでゔぃーありがとー」

 

えぇあげちゃっても良いのかよ

 

「何をしているライディ、布仏にあげなきゃダメだろ」

「流石に嫌やだ。鈴、差し上げろ」

「嫌よ」

「ぼでゔぃー以外厳しいーー。・゚・(ノД`)・゚・。」

 

一介の学生では到底ありつけないような高級刺身定食を存分に味わい。至福の時間はあっという間に過ぎていった。

 




カワハギ美味しそうだなぁ

ちなみに俺は11日から和歌山旅行や⭐︎
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