IS 復讐の弾丸   作:らんくらニキ

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第六話 故郷(ドイツ)からの旅立ち

 

なんだかんだで夕方になり、ハルフォーフ大尉に呼ばれた俺はハルフォーフ大尉の部屋の前に来ていた。

黒ウサギ隊の制服が汚れていないかきちんと身なりを整え、ノックした

 

「アストラスです」

「入ってくれ」

 

俺は大尉の了解を得て部屋に入った。

入ると大尉は上着を脱いでワイシャツとスカートでワイシャツのボタンを第3ボタンまで開けており、いつもは隊の制服で隠れてて分からなかったがその豊満な胸が少し見えて黒色の下着も見えて色っぽくて俺は見惚れてしまった。

そして2つのマグカップを持ってソファに座った。

 

「二人きりだしそう固くするなライディ。」

「いえ…大尉の前では流石に…」

「なら副隊長命令だ。今だけクラリッサさんと呼べ」

「ズルくないですか」

「良いじゃないか。それとも……嫌か?」

 

大尉は足を組みこちらに顔を向けて優しく微笑んできた。

 

「………ッ!」

 

俺はあまり見せたことのない大尉のその笑顔にドキッとしてしまった。

 

「わ、わかりました。クラリッサ……さん」

 

覚悟を決めて大尉の事を名前で呼んだ。

 

「……アハハ! いやぁすまない。ライディ結構弄りやすいんだな」

「そんな事ありません()()()()()()()

「お、偉いなぁ。私の言いつけを守っている」

 

誰のせいでこうなったんだと思いながらもマグカップを啜った

 

「………なぁライディ」

「はい?」

「お前は……目標とかあるのか……?」

 

俺はクラリッサさんのいきなりの質問に止まってしまった

 

「………………クラリッサさんは俺の経緯を知っててこの質問をしてるんですか」

「あぁ。6年前に起きたとある未確認のISがドイツ空軍の戦闘機大隊《フリューゲル・デア・フライハイト》を殲滅させた【鮮血の空事件】。

その事をブリッツ司令官から聞いた。」

 

鮮血の空事件。

それはドイツ領海にて現れたテロリストのISが俺の父さんことガドルディ・アストラスが所属するフリューゲル・デア・フライハイト通称【空の大翼】が撃墜任務を行ったがものの数分にして全滅した。

 

その惨状はかつてISを広める事になった白騎士事件の再来とも言われるまでに至った。

 

「でも当時の10のお前が何故それを知っている?鮮血の空事件は全て秘匿になってた筈です」

「葬式の時にちらっと聞こえたんです。俺の父さんはISに殺されたんだって知りました、それを聞いて俺は許さないと心に決めたんです」

 

クラリッサさんは俺を心配するかのような目で見つめながらも俺の話を聞いてくれた。

 

「でも現実は残酷です。俺のような男にはクラリッサさんや隊長のようにISを動かせるわけありません、だから俺は空軍から戦闘機のテストパイロットに志願しました。」

「何故だ?戦闘機はISが現れた事で必要なくなってしまったのにか?」

「………少なからずISに乗れるって言う希望があったかもしれません。

だから一応空に慣れる為に遠回りでISに乗る為の練習をしてました

それでもモル……モルドレッドがISについて話してる時も俺は興味のないふりをしていました。」

「そうか……」

 

初めてモル以外の人に俺の過去を話した。その瞬間俺の中の鎖が数本ぐらい外れた気がする。少なくとも誰かに話したかったんだろうな

 

「で、今お前は忌まわしいISの操縦者となったがそこのところはどうなんだ?」

「力を手に入れてすこし喜んでます。ISはISにしか勝てませんからね」

 

そう言いながら待機形態のクーゲルを触るとチェーンから外れて俺の周りを飛び回る。

数分の沈黙の後、クラリッサさんは仕事モードに切り替えた。

 

「話してくれてありがとうライディ。ここからは何故私がお前を呼んだ訳だが、これから話すことは朝に基地司令から聞いた事だから発表あるまで他言無用だからな」

「ベルリンからの手紙のことですか?」

「それには書かれてないことだ」

 

さっきまでの笑顔から仕事モードの顔に変わる大尉を見て俺も顔が強ばった。

 

「ライディ、お前のIS学園への入学が決まった」

「お、俺がIS学園に?」

 

予想してた内容とはかけ離れてたせいで気の抜けた声が口から出てしまった。

 

「あぁベルリン支局からの指示書で公式発表と同時にお前をドイツの代表候補生としてIS学園に送るという事だ」

「ちょっと待ってください!もしかしてこれを話す為に俺に過去を話させたんですか!?」

「そうだ。お前には覚悟があると分かったからな。」

 

ベラベラと過去を話した事が仇となり俺は顔を手のひらで隠して呻いた

 

「それと………お前がIS学園に行く訳は三つあってな。」

「え、三つですか?」 

「ああ。一つ目は…………いや、どれもラウラ・ボーデウィッヒ少佐に関する事だ。」

「え、何したんですか」

「聞きたいか?」

「…………はい。」

 

すると大尉は口を重くしながら話した

 

「少佐がIS学園にて織斑臨時教官の弟、織斑(おりむら)一夏(いちか)と揉める」

「何してんだ!? それで二つ目は?」

「二つ目も少佐がイギリスの代表候補生と中国の代表候補生を半殺し。」

 

イギリスの代表候補生ってたしかセシリア・オルコットだよな。モルが以前インフィニット・ストライプスのイギリス出版を買って俺に見せびらかしてたなぁ。そしたらノイマン中尉の部下の整備員の女性達にボコボコにされてたけど

 

「三つ目はドイツ空軍の目を免れてレーゲンにVTシステムが搭載されていた事だ。」

「VT……システム?」

「通称ヴァルキリー・トレース・システム。モンド・クロッソの優勝者である織斑千冬のISの動きをトレースするものだ。因みに条約では禁止されている」

 

もう無茶苦茶で草。ドイツの信頼が落ちに落ちまくってんだけど

 

「まぁこれらは少佐がお詫び申したから問題ない。」

「問題ないんですか!?」

「ライディがIS学園に向かう理由は信用回復もあるが多国籍国家であるIS学園で交流を深めることだ。決して復讐のためだけに行こうとするな?」

「わ、分かりました!!」

 

承諾はしたものの俺は不安でしかなかった。

 

「さてと、この話は終わりだ食事をしに行こう」

「は、はい」

「私が奢ってやるから元気を出せ」

 

そして俺とクラリッサさんは部屋を出て2人で食堂へと歩いて行った。

二人で食堂に行った事でモルに見つかりそれが広がってネーナ達にも伝わってしまい五人に詰め寄られたのだった。

 

それから2週間後の5月半ばホルツドルフ航空基地での緊急会見が行われその席に基地司令のエイブラハム・ブリッツ司令官と黒ウサギ隊副隊長のクラリッサ・ハルフォーフ大尉そして俺ことライディ・アストラスが座った。そして正式に俺の中尉への昇級とドイツ代表候補生発表及びIS学園への入学も発表された。

質問責めされたけど前もってモルと練習してよかったと思ってる。

 

そして現在、俺はホルツドルフ航空基地の滑走路に用意された軍用輸送機の前で基地のみんなから盛大に見送られることになった。

 

「ドイツの教えを忘れずにな。」

「はい!司令官!」

「向こうに行って隊長に迷惑をかけるなよ」

「はっ!気をつけます大尉!」

「お前はあっちでもやっていける!頑張れ!」

「はっ!ありがとうございます中尉!」

 

ネーナ達を見るとネーナはガチ泣きしていた

 

「うぅ……ライディ向こうに行っても私達のこと忘れないでね」

「そんな別れのセリフ吐くなよ……」

「帰ってくる時はお土産よろしくお願いしますね〜」

「……よろ」

「お前らなさりげなくお土産を要求するなよ旅行じゃないんだから……」

「お、お身体には気おつけて下さいね」

「ありがとうファルケだけだよそんなこと言ってくれるのは」

 

するとモルが最後にやって来たのだが,何やら箱を持って来ていた

 

「ライディ!これはお前が好きな戦闘機のプラモデルだ!向こうで絶対組み立てろよ!!」

「モル、やっぱりお前らしいよ」

「ううっ…‥俺、幼馴染が遠くへ行くから……泣かないって…‥決めたのに! ちくしょう!!」

「はいはい行くわよモル。」

「ライディが行けなくなりますよ」

 

モルはネーナとファルケに引き摺られた。良いやつすぎないかマジで

そうして俺は皆に見送られて輸送機に乗り込んだ。

 

「いやー楽しみだなぁ。」

 

俺は向こうで組み立てようと思いモルからもらったプラモデルを開ける事にする

 

「これは…… ユーロファイター タイフーン!!」

 

このプラモデルだいぶ前に買い損ねたんだよなぁ。

 

「よし、クーゲル! 一緒に組み立てるか!」

「(嬉しくて周りを飛び回ってる)」

 

日本のプラモデルがどんなのか知りたいが為にニッパーを持って来といて良かった。

ぱちっ、ぱちっとパーツを切り離し、そのまま組み立てていく。

 

本来なら接着剤がいるがこのプラモは必要ない,流石ドイツのプラモ技術

 

「よし!出来た!」

 

形がいいなぁ相変わらず。眺めているとクーゲルが窓をゴンゴンぶつかりまくる

 

「っておいおい何してんだ……………ってえ!?」

 

窓を覗いてみると後ろから戦闘機の編隊が輸送機の周りを囲んだ。

 

「おいおいそれって……」

 

俺はヘッドギアを付けるとその戦闘機と連絡が取れた

 

『アストラス中尉!……いや、ライディ!」

「ってヴェナユザ中尉!?」

『何が物足りないから見送りに来た!』

『おいおい俺を忘れんなよ』

「リオンまで!?」

 

リオン・クルーゼ、テストパイロット仲間で同期。

紺色で跳ねた髪型をしている。それにあまり話す機会が無かった。マジでごめん

 

『ライディ!お前ドイツで少佐みたいにやらかしたらタダで済むと思うなよ!』

「分かってるって!」

 

そしてドイツの領空が終わる頃大隊は機体を反転させホルツドルフ航空基地へと戻って行った。

 

俺のために色々してくれてありがとうみんな。

ならそれに相応しいくらい見返すぞ!

 

そして輸送機は予定通りに日本に到着しパイロットにお礼の敬礼をして輸送機から降りた。

 

「ここが………日本」

 

日本という異国の地だが、俺はブレない。

目標はISを見つけて倒す!その為に俺は強くなるんだ!

 

空港ロビーを出るとそこには『ライディ・アストラス様』と書かれたプラカードを持った緑髪のメガネの女性が立っていた。

なんか身長が明らかに小さいんだよなぁ……目測でだいたい150ちょいちょいってとこかなって思っちゃって、てっきり少女かと思ってしまった。

 

「あの、すいません!」

「あっ! ライディ・アストラス君ですか?」

「はい。俺です。 ライディ・アストラスです」

「良かった〜あっ! 私は山田真耶と言いますIS学園で教師をしています」

 

その女性は名を名乗り胸を前に突き出したがその身体にそぐわない脅威の胸囲が上下に動いて周りの視線を釘付けにした。当の本人は気づいてないようだ。

 

「それでは行きましょうか」

「あ、はい」

 

山田真耶ってどっかで聞いたことがあるんだよなぁ……

 

「そう言えばアストラス君って身長いくつですか?」

「ぎり175ですね」

「へぇー織斑君と近いですねー」

「え、そうなんですか」

 

傍から見れば教師と教え子というより親子みたいな身長差があり周りからは『でけぇ……』(二重の意味で)という声がたまに聞こえてくる。

と言うかなんで山田真耶さんは織斑一夏の身長知ってるんだよ

空港を出ると道路に止まっている黒色の車の後部ドアが開かれた。

 

「どうぞブリューゲル君」

「失礼します」

 

中に入るとそこにはスーツ姿の女性が座っていた。

 

「織斑……千冬」

「ほう流石に知っていたか」

「流石にと言うかホルツドルフ基地では少佐が世話になったからか有名人ですよ。」

「フッとにかく入ったらどうだ?」

 

俺は促されるまま車に乗り込んだ。そして真耶は運転席側に座った。

そして車が発進すると千冬が口を開いた。

 

「お前ボーデヴィッヒとは会った事があるのか?」

「はい……自分から喧嘩売りにいって五分五分でした」

「精神面は完璧だな。それとボーデウィッヒのやつ驚くと思うぞ」

 

そりゃそうだろうね。喧嘩した奴がIS学園に来るだなんてドン引きもんだよ。

 

「それからIS学園から事前に送られた参考書は読んだか?」

「はい。暇だったんでここに来るまでの間に輸送機の中で読みました」

「(暇つぶしで……??)なら良い、授業についていけないと泣きつかれても無理だから」

「そ、そこの所は安心してください(汗)向こうで1ヶ月半みっちりと副隊長に叩き込まれましたから」

「それは良かったです、しかしあの参考書相当分厚かったと思うんですが全部読まれたんですか?」

「えぇなにぶん飛行中は暇でしたから」

 

参考書ってあれだろ。くっっそ分厚い本だろ、向こうで講義の間に読んだりしたけどモルと一緒に読んだけど俺達頭を抱えたもんなぁ……

それにさっきも輸送機の中で残りを読んで空港に着く頃には読み終わったしな。

 

「しかし今年は異常だな」

「何がですか??」

「確かに今年は専用機持ちがアストラス君を含めて7人その内2人は男性操縦者ですからね」

「あぁ全く忙しいったらないよ」

 

専用機持ちがそんなにいるのか。聞いてた話だと年に2、3人が良いとこと聞いた。

そんな感じである意味微妙な空気になっている車内で窓の外を見ると大きな建物が見えてきた。

 

「あれが……」

「はい!あれがIS学園です。これからアストラス君が3年間通い学ぶ場所になります」

 

ついに来てしまったIS学園。まさかここに俺が来ることになるとは思ってもみなかった。

車はIS学園のメインゲートを通り駐車スペースへと進み止まった。ドアを開けてIS学園の外観を見上げた。

 

はっきり言ってデカいな。それと腕時計を見ると朝の7時だった。ドイツを夜に出て空港に着いたのが朝の6時だったから車で1時間か流石に疲れたな。

 

「ではこれから諸々の手続きをしてからクラスに案内しますね」

「了解です」

「それと手続きの間に制服に着替えておけよ事前に送られてきてただろ」

「はいわかりました」

 

そして俺達は学園内に入って行った。

 

ここで強くなってやるよ。

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