成り代わりセイアは未来が分からない   作:ロリコンではない。好きな子がロリなんだ。

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しばらくはセイアが二年生の時間軸でお送りします。原作突入を楽しみにしている方は少々お待ちを。今が最高に楽しい種蒔きの時間なんですぜ。
(突発的に執筆してる本作が完結するのかは保証しかねますが)

前回はなんか重力が発生していたので、今回は軽ーくいきましょう。


みんな幸せそうならそれが一番ですよね

夢を見た。

 

何もない真っ白な空間だった。

 

そこではぽつんと一人で床に座ったナギサが均一な長さのロールケーキを使ってタワーを作っていた。

 

それもトランプタワーのように何個も斜めに組み合わせて。

 

異様な光景に言葉を失うと共に、その後ろ姿からはどこか哀愁が漂っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ナギサ、何か悩みでもあるのかい?」

 

「ど、どうしたのですか、突然……」

 

「特に根拠は無いのだがね。ほら、我々はそれぞれの派閥の次期リーダー兼次期ティーパーティだろう?何か抱えているものでもあるんじゃないかと思ってね」

 

何かあるんだろう?多分、きっと、おそらく。ロールケーキでトランプタワーとかふざけた事をし始めるくらいに。あれはどうなっているんだ。やわらかいロールケーキで互いを支えられるわけないだろ。物理を習ってこい。

 

「お気遣いには感謝しますが、特段悩みと言えるようなものは無いかと……」

 

「おや、そうなのかい?」

 

おかしいな、じゃあアレはただの夢か。うん、まあ薄々そんな気はしていたよ。最終的にどこからか現れ横から突っ込んできたミカがロールケーキタワーを蹴散らした所で目が覚めたのだが……これじゃあミカに何か聞いても分からないだろうな。

 

「ふふ、セイアさんは一見気難しそうに見えますが、其実友人想いの優しい方ですよね」

 

なんだ、急に。さっきまで私の問いかけに困惑していたというのに嬉しそうだぞ。

 

「……隣人を愛せよ、と言うからね」

 

「それを実際に行動に移していることが素晴らしいのですよ」

 

ナギサが妙にご機嫌だな。なぜかは分からないが、なんならこのまま一杯紅茶を飲みだしてもおかしくない。懐から紅茶とロールケーキを取り出したりしない?懐が亜空間に繋がってて椅子と机すら召喚したりしない?

 

「ふふふ、そう不思議そうにしている時点でセイアさんの人となりがよく分かりますよ」

 

「ふむ、一方的に私のことを分かったかのような言い方をされるのは少し面白くないね」

 

あと多分何か勘違いしていると思う。

 

「あら、これは失礼しました。以後気を付けますね」

 

気を付けますって言ってるヤツの顔じゃないんだが。ニコニコしてるぞコイツ。

 

「あ、セイアさん、悩みではないのですがここで一つ提案があります」

 

「提案?」

 

「今度私の友人とお茶会を開くのですが、セイアさんもいらっしゃいませんか?」

 

友人?ナギサの?この言い方はミカではないな。となると他の誰か、しかも私の知らない相手だろう。ナギサのことだし刺客とかではないと思うが、じゃあ誰だ?

 

私の知らない、ナギサの友人。それフィリウスの人じゃないか?

 

「もしその相手がフィリウスの生徒だとするならば、その場に私が行くのは場違いではないかな?」

 

「いえ、ご心配なさらず。フィリウスの次期リーダーとしてではなく、私個人の友人ですので」

 

おおっと、さっきから私の想定が悉く外れていく。なんか私がバカみたいだぞ。どうしてくれるんだナギサよ。

 

「ナギサの友人か、いったいどんな人物なんだい?」

 

「そうですね、素直で可愛らしい方です。きっとセイアさんも気に入ると思いますし、相性もいいと思いますよ」

 

「そうかい?ナギサがそこまで言うのなら、そうなのかもしれないね」

 

情報が少ない。おい、笑ってんとちゃうぞ。わざとだろ。実際に会うまで秘密にするつもりだな?というかナギサと仲の良い友人なんて原作に居たか?そういう設定とかどこかにあったのか?

 

くっ、分からん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よし、少し時間ギリギリだがお茶会の場に着いたぞ。おそらくナギサともう一人は既に集まっているはず。さあ、ナギサの友人とやらを拝見させてもらおう!

 

扉に手をかけ、ゆっくりと押し出す。すると、扉の向こうから二人分の視線がこちらに注がれて――

 

「っ!?せ、セイア様!?……あっ、こっ、こんにちはセイア様!一年の阿慈谷ヒフミと申します!本日はどうぞよろしくお願いします!」

 

そ、そう来たかァ〜……!!

 

ナギサの友人って同学年だと思ってた。勝手な判断をしていた私のミスか。でもこの時点でヒフミと仲良くなっていたなんて知らなかったし仕方ない。

 

しかしこのヒフミの焦りよう、ヒフミも誰が来るか知らされていなかったな?私はともかくヒフミには知らせてあげろよ。立場が圧倒的に違うんだぞ。おい、にこやかに見守ってるんじゃないよナギサぁ。そういうとこだぞ。

 

「ああ、よろしく頼むよ。それにそう畏まる必要もない。今日は私達以外この場に居ないのだろう?無礼講のようなものさ」

 

言いながら用意されている一つの席へと座る。おお、今日は私の好きなスコーンが並んでいるぞ!以前食べた時に好きだと言ったのを覚えていたのかな。

 

「そ、そうですか……?」

 

「だろう?ナギサ」

 

「ええ、折角のお茶会ですからリラックスして楽しんでくださいね」

 

「は、はい……」

 

ううむ、リラックスできてないな。まあ仕方ないか。なんの肩書きも役職もない生徒、しかも一年生が私達相手にリラックスしろっていうのが無理な話なんだ。普段は二人である程度会話ができたとしても、私が加わるとなると話は別だろう。

 

まったく、大好きなヒフミとのお茶会が楽しみすぎてその辺りの配慮を忘れてるんじゃないか?スコーンより先にそっちを考えてあげるべきだ。仕方ない、少しこちらから助け舟を出してやろう。

 

「ふむ、あそこに置いてあるのはヒフミの持ち物かな」

 

「へ?あ、はい、そうですが……」

 

お茶会において邪魔になる手荷物を足元に置くのは品がなく、かといって持ち続けるのも負担となる。そのため、それらを置いておく場所というのが大抵は設置されているのだ。私は基本的に荷物を持たない主義だから利用していないが。

 

そこに見えるは見覚えのある一つの白いリュック。どうやらこの頃からずっとペロロのリュックを利用しているそうだ。それは私にとっても都合がいい。会話のネタにさせてもらおう。

 

「あれは、たしかペロロというキャラクターだったかな。好きなのかい?」

 

「ペ、ペロロ様を知ってるんですか!?」

 

「ああ、詳しくはないがね。モモフレンズ、というのだろう?一部では熱狂的なファンもいるのだとか」

 

「〜〜っ!!セイア様のような方もモモフレンズのことを知っているんですね!!」

 

なんだ、そのキラキラした目は。待て、仲間じゃないぞ。詳しくないと言っただろう。私は別にモモフレンズが好きというわけではないからな。ヒフミが会話しやすいように話を振っただけだからな。

 

「あ、ああ、とはいえ、少し知っているだけだが」

 

「それでも嬉しいです!!私の周りではあんまりモモフレンズのことをお話できる方が居なくて!!知ってくださっているだけでも十分すぎますしいっぱいお話したいことが――」

 

「待て、落ち着け」

 

興奮気味のヒフミに静止をかけると、ヒフミはハッとしたようにその場で固まった。

 

「ナギサが話についてこれていないし、いくら無礼講とはいえそのテンションはお茶会には些か不適切だ。モモフレンズが好きなのは分かったが、周囲への配慮を忘れてはならないよ」

 

ほら見ろ、ナギサが優雅な笑みを浮かべたままその場で硬直しているぞ。きっとその脳内には宇宙が広がっていることだろう。想像に難くない。

 

「す、すみませんでした……」

 

うわ、しょんぼりされるとすんごい心にクる……さっきのキラキラした目との対比がすごい。違うんだ、別に傷つけたい訳ではないんだ。頼むから普通に戻ってくれ。ナギサに殺される。

 

「理解してくれればそれでいい、そう気に病む必要はないよ。そうだな、モモフレンズの話はまた今度、日を改めてしようじゃないか。だから今日は少し我慢してくれるかい?」

 

「っ!!はい!!」

 

うむ、いい子だ。パァッと明るくなった笑顔は見ていて癒される。たしかにこうして良くない点をしっかりと受け止めてこちらの話を聞いてくれる素直な子は可愛がりたくなるな。ナギサがお気に入り認定するのも頷ける。トリニティは性根が腐っているようなヤツも多いからなぁ。

 

「ペ、ペロペロ……?桃……?」

 

「ナギサ、そろそろ戻ってきたらどうだい?君が主催だろう?」

 

「はっ……んんっ、こうして三人揃いましたし、お茶会を始めましょうか」

 

そうして、穏やかに時間は過ぎていった。緊張が解けたのかヒフミは楽しそうに会話していたし、ナギサに至ってはもうニッコニコだった。そんなにヒフミが好きか?

 

スコーンはとても美味しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あのお茶会からいくらか時間が経って……

 

「セイア様セイア様!見てくださいこの新衣装ペロロ様!」

 

なんだろう、結論から言ってしまえば懐かれた。余程モモフレンズのことを語れる相手が欲しかったらしい。

 

たしか原作の方ではヒフミがペロロについての話をしているのは補習授業部くらいだったか?それもほぼアズサ相手だけだったしな。こうなるのも仕方ないと言えば仕方ないのか?

 

あまり原作からズレすぎてしまうのは考えものなのだが……。

 

「おや、珍しい。今回はペロロ本人が衣装を纏っているのかい?」

 

「そう!そうなんです!普段は何か他のアイテムとセットで新グッズが出ることが多いんですけど、今回は特別にペロロ様が衣装を着ているんです!このまんまるボディに合わせて作られたタキシード衣装がまたかわいくて!」

 

「ふむ、タキシードを着ることで普段の印象とはまたガラリと変わったね」

 

「はい!タキシード自体はカッコいいイメージですけど、ペロロ様が着ることでペロロ様のかわいさがより際立つといいますか!白と黒が同居してパキッとした印象が生まれているといいますか!また新しいペロロ様がここに誕生したんです!」

 

とはいえペロロについて語っている時のヒフミがまあ楽しそうでね、つい話し相手になってしまう。まあ、少しモモフレンズについて話すくらいの関係なら原作に影響もないだろう。ヒフミとセイアが原作で直接何かすることも無かったはずだしな。

 

それはそれとして、ペロロやモモフレンズに興味がある訳では無いが、ヒフミ経由で無駄に知識が増えていく現象はどうすればいい?癒される時間を提供してくれるヒフミへの必要経費だと割り切るべきか?

 

よし、今度ナギサにもモモフレンズについて少し教えてやろう。

 




なお、ナギサ様の推しはヒフミとセイア。
ヒフミは言わずもがな、立場を同じくした常識人枠かつ相手を思いやる言動()が多いセイアに大分救われてるところがある。
セイアは感情が表情や行動に出やすいため美味しいものを食べたり飲んだりすると目元や口元が緩むし耳や尻尾も動くことが多く、お茶会でそれを見て癒されてる。

ヒフミはモモフレの話ができる人ができてハッピー。
優しく微笑みながら(テンション高いヒフミを見てほっこりしてるだけ)話を聞いてくれるし、元々詳しくない興味がないかもしれないようなモモフレの話もちゃんと内容を理解して会話してくれるので嬉しい。大好きな先輩。
セイアのところにちょくちょく絡みに行くため、ミカとハナコに"一方的に"顔を覚えられている。





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