大黒島、上陸。
Gフォース隊員を載せた揚陸艇が島に乗り上げてハッチを開いたとき、まず最初に感じ取ったのは匂いだった。
「うわ、なんだこの臭い……っ!?」
隊員の誰かが呻いた。潮の匂いに混じっている、噎せ返るような強烈な臭気。隊員たちが顔をしかめる中、俺の隣でヤシロが呟いた。
「……死臭ね」
そのまま浜に降り立って漁村に着いたとき、俺たちは息を呑んだ。
石垣は根こそぎ崩れ、家々の壁は内側から抉られたように破壊され尽くしていた。転覆した漁船が砂浜に乗り上げており、マストが折れて横倒しになっていた。漁網や木材の残骸、割れた漁具、潰れた一斗缶、ありとあらゆる生活の痕跡が、波打ち際にまで散乱している。
「津波か、これは……?」
誰かが言ったが、俺は「いや、違う」と思った。
押し流されたような様子はたしかに津波の跡に似ているが、違う。これはまるで、何かが縦横無尽に暴れ回ったような壊れ方だ。
トガシ隊長が指示を下した。
「地上班、班ごとに分かれて周囲を警戒しつつ、探索を続けろ」
Gフォースの隊員たちが動き出すなか、俺たちも浜を歩いた。砂に埋もれた瓦礫を踏み越えながら進んでいくと、波打ち際に何か大きなものが横たわっているのが見えた。
近づくにつれて、臭気が一段と強くなってゆく。
「これは……」
浜に打ち上げられていたのは、怪獣の死骸だった。
全長は百メートルを超えるだろうか。大蛇に似た細長い胴体、全身を覆う青黒い鱗、ひれのような短い四肢。マンモス級の大ウミヘビ、もしくは海龍という表現が一番近いかもしれない。
死骸は全体的に腐敗が進んでおり、鱗の隙間や四肢の付け根あたりが変色して膨れ上がって、周囲の砂浜には黒ずんだ体液がこびりついて小バエが集っている。
「……マンダだな、これは」
背後から声がして振り返ると、揚陸艇に同乗していた学者が死骸を見下ろしていた。日焼けした肌に無精髭、あちこちポケットのついたくたびれた野戦福。モナークから派遣された怪獣博士、たしか名はマキ=ゴロウといったか。
そのマキ博士に、ミヤガワ副長が訊ねる。
「マンダ、というのは?」
「海洋性の怪獣ですよ、ミヤガワ少佐。海龍マンダ、普段は深海に生息していて、めったに人前に姿を現さない怪獣です。伊豆諸島近海にも生息域があるという報告は以前からありましたが、まさかこんな形で確認することになるとは……」
そう答えながら、マキ博士はマンダの死骸の傍にしゃがみ込んだ。ゴム手袋をはめ、腹部の傷口の縁を指先でそっと触れながら死体を検分する。はらわたを覗き込んでしばらくしてから、静かに言った。
「内臓が綺麗に食い尽くされている。腹壁ごと抉られていますね。外から押し破って中身だけ取り出したような、いや、無数に入り込んで内側から食い荒らした、という方が正確か。胃も腸も、胴体の内臓は全部持っていかれているようです」
「内臓を?」
「ええ。腐肉食の生物、いわゆるスカベンジャーによくあるパターンです。死んだ動物の口や肛門、傷口から体内に入り、柔らかくて食べやすい内臓だけを食べ尽くす。しかし……」
と、ここでマキ博士は口ごもった。何か困惑するような事柄がある様子だ。
「しかし、なんですか?」
「ほら、ここを見てください」
ミヤガワ副長から続きを促され、マキ博士はマンダの胴体を指した。
マンダの死骸には何かに食いちぎられたような痕跡があちこちあったが、特にマキ博士が指差しているのは先ほど覗き込んでいた腹部の大きな傷口だ。
マキ博士は言った。
「これが致命傷だったようです。肋骨が内側から外に向かって飛び出していて、生活反応も残っている。体の中から食い破られたんでしょうが、そうなるとこのマンダは生きたまま体内に入り込まれて食い殺されたってことになる。こんなの、普通のスカベンジャーじゃあ在り得ない」
「何にやられたというんですか、こんなでかいものが」
「それが問題でして」
マキ博士は立ち上がり、浜の砂に目を落とした。俺たちも同じ方向を見た。
砂の上に、何かが這いずったような跡があった。波打ち際からまっすぐ、村の方向へびっしりと続いている。その数は数え切れないほどで、何千、あるいは何万という数が一斉に同じ方向へ向かったようなそんな密度だ。
「マンダを殺した“何か”は、マンダの死骸に取り憑いたままこの大黒島に上陸したものと思われます。マンダの体の中に入れるくらいだからそれほど大きくはないんだろうが、ただその数は相当なものだったんじゃないかと……」
そのとき、無線が入った。
『こちらタケイ班。村の中央にて遺体を発見。複数。状況、確認中』
報告する声のトーンが、俺の背筋を粟立てた。報告の訓練を積んだ兵士が、それでも声を平坦に保つのに努力を要している。
トガシ隊長が短く言った。
「行くぞ」
俺たちは銃を構えて瓦礫の中へ踏み込んだ。砂から石畳に変わり、崩れた石垣の間を抜けてゆく。進むにつれて臭気が強くなった。足元に転がる生活の残骸――茶碗の破片、子供の靴、引き裂かれた漁師の合羽――を踏まないように歩きながら、俺はそれでも早足になっていた。
現場に到着するとGフォースの別動隊、タケイ班の隊員が立っている場所が見えた。隊員の一人がこちらを振り返ったが、顔色が悪かった。
「トガシ中佐、これは……」
そう言いかけて、隊員は口を閉じた。続きが出てこないようだった。
俺たちは彼らの視線の先を見て、足が止まった。
「……っ」
村の広場だったらしい開けた場所に、遺体が散らばっていた。
一人や二人ではない数だ。衣服は引き裂かれ、体の各所が無数に食いちぎられ、ぐちゃぐちゃにされた内臓と骨が露わになっている。マンダの死骸と同じように腹部が食い荒らされている者もいれば、港の方向を向いて砂を掴んだままうつ伏せで絶命している者もいる。
皆何かから逃げようとして、追いつかれたのだとわかった。
「……島の住民か」
「……おそらく」
大黒島の島民は200人前後。事前に読んだ資料の数字が、俺の頭の中で繰り返された。漁師も、その家族も、老人も、子供も、この島にはそれだけの人間が暮らしていた。
そんな彼らは貪り食われたのだ。それも、逃げようとしたところを生きたまま。
その現実に隊員たちの何名かが目を背け、中にはその場で嘔吐する者もいた。俺もその一人になりかけたが、すんでのところで踏み止まる。潮と腐臭の混じった生温い風が通り過ぎ、散らばった漁網が風に揺れていた。
「……隊長」
ミヤガワ副長の声で、俺たちは我に返った。
振り返ると、ミヤガワ副長は表情を変えずに周囲を見渡していた。その横顔がいつもより少し硬い。ミヤガワ副長はトガシ隊長に向き直ると短く冷静に言った。
「まだ全員じゃありません。生存者がいる可能性があります」
「……ああ、そうだな」
トガシ隊長は頷き、銃を構えて瓦礫の奥へ目を向けて言った。
「全班、捜索を続けろ。生存者を必ず見つけ出せ!」
銃を構え直しながら、俺はさっき踏まないように避けた子供の靴のことを考えていた。そして頭の中で繰り返していた数字を振り払う。二百人前後。それだけの人間が、ここで暮らしていたんだ。
そのとき、トガシ隊長が俺とヤシロを呼びつけた。
「ハヤマ、ヤシロ、おまえたちは二人で島の反対、南側を当たれ」
「……ヤシロとですか?」
思わず口をついて出た。よりにもよって、あのヤシロ=ハルカと。どういうわけかトガシ隊長は、ことあるごとに俺とヤシロを組ませたがる。
「隊長、俺は別の班でも……」
「人手が足りん」
俺からの遠回しな抗議を、トガシ隊長はばっさり切り捨てた。
「それともハヤマ、おまえは怪獣と戦うときにも組む相手を好き嫌いで選り好みするのか」
「そんなつもりは……」
ヤシロの方を見ると、向こうも露骨に嫌そうな顔をしていた。何も口に出さないあたりはあいつなりに弁えているんだろうが、抑えきれずに態度に出てしまっている。
当惑する俺たちを見ながら、トガシ隊長はどういうわけか口元を歪めて微笑むのだった。
「なら行け。安心しろ。おまえたちの連携は、おまえたち自身が思っているほど悪くはない」
安心しろ、っていったい何を? 隊長こそ、いったい何を考えているんだ?
そんな諸々の文句は腹の底でぐっと呑み込んだ。
捜索を始めて、どのくらい経っただろうか。
隊長の指示通り島の南側に向かったが、道中でも生きている人間の気配がなかった。崩れた家屋の内部、ひっくり返った漁具小屋の陰、井戸の中まで確認したが、見つかるのは遺体か、生活の残骸ばかりだ。
〈タケイ班、生存者は確認できません……〉
〈オオイシ班、こちらも何もなし……〉
無線で他の班から報告が入る。他の班も同様のようだ。
「……酷い有様だな」
「……ええ、そうね」
そして俺とヤシロは黙々と捜索を続けていた。
トガシ隊長は「連携は悪くない」などと言っていたが、実際こうして行動を共にしてみても、ただ二人で同じ方面を歩いているだけだ。口を開けばケンカになるので、お互いろくに口も利かない有様である。
崩れた納屋の前で俺が足を止める。言うより先に、ヤシロが入口の死角へ銃口を向けている。俺が中を検める間、あいつは背後の通りを警戒している。出て、首を横に振る。あいつが顎で次の家を示す。その繰り返し。
……こんな塩梅で、連携もへったくれもない。ただの作業分担だ。誰と組んだって同じだろう。
「…………」「…………」
それにしても、沈黙が長い。ヤシロも黙ってないでなんか喋れよと思わないでもないが、そんな気の利いた奴ではないし仲良くお話しできる間柄でもない。
この死臭の中を黙って歩いていると、嫌でも思い出すのは広場の光景だ。砂を掴んだままの手。踏まないように避けた、あの子供の靴。
途中で川を渡っていたときのことだ。不意にヤシロが口を開いた。
「……静かすぎるわね」
そりゃそうだろう、と思った。もともと200人くらいしか住んでいない島だしな。
それを指摘すると、ヤシロは「違う」と首を振った。
「猫一匹いやしない。さっきから何軒も検めたけれど、鼠が逃げる音ひとつしなかった」
言われて、思い返す。
……たしかに、そうだ。瓦礫の中を踏み歩けば、普通は何かしら逃げる。鳥が立つ。犬が吠える。野良猫が屋根を走る。
ところがこの島では、マンダの死骸に蠅がたかってたのに、それより大きい生き物を上陸してから一度も見てないことに気づく。人間の生活の跡があるのに、野良猫どころかゴキブリ一匹見ていない気がする。
ヤシロは続けた。
「戦場の廃墟にだって生き物はいるのよ。更地になった街にも、鼠と野良犬だけは残っていたわ。だけどここにはそれすらいない」
足音と、瓦礫の軋みと、遠い波の音。ヤシロの言葉が頭にこびりついて、死臭が一段と濃くなった気さえする。
……ええい、辛気臭い。
「なんだヤシロ。さてはおまえ、ビビってるのか?」
我ながら下らない挑発だった。
鼻で笑われて終わりだろう、と思いきや、ヤシロは存外あっさりと頷いた。
「ええ、怖いわよ」
……は?
予想外の答えに戸惑っていると、ヤシロはさらに続けた。
「こういうとき、ちゃんと怖がらない考えなしのバカから先に死ぬの。知らなかった?」
……調子が狂う。こいつはたまにこういう神妙なことを言うときがある。
と、ヤシロがちらりとこちらを見た。
「あんたこそどうなの。さっきから、銃を握る手にずいぶん力が入ってるみたいだけど?」
「なっ……」
反射的に手元を見そうになって、すんでのところで堪えた。が、遅かった。ヤシロの口の端が、それはもう嫌な感じに緩んでいる。
「あら。自覚はあったのね」
「う、うるせえっ!」
すぐさま切り返そうとした、そのときだった。
「ハヤマ」
声の温度が変わっていた。低い、囁くような声だ。
ヤシロは俺を見ていない。視線は俺の肩越し、その先の一点に固定されている。銃は下げたまま、だが重心だけがすでに沈んでいた。
「ゆっくり振り返って……十時方向、藪の影。子供がいるわ」
揶揄われているのかと一瞬思ったが、この声のときのヤシロは冗談を言わない。
振り返るとヤシロの言うとおり、藪の影に小さな顔があった。
「……!」
向こうもこちらに気づいたようで、弾かれたように小さな影が身を翻した。
「おい、待て!」
反射的に追おうとした俺の肩を、ヤシロが掴んで止めた。
「追わないで。怯えさせるだけよ」
「逃がす気か」
「土地勘のある子供の足よ。見失ったら、次に見つけられる保証はないわ」
言われてみればそのとおりだった。
よく見れば、子供は完全に逃げたわけではなかった。十数メートル先、崩れた石垣の陰からこちらを窺っている。逃げるでもなく、近づくでもなく、ただじっとこちらを見て様子をうかがっている。
ヤシロは銃を背に回すと、両手を開いて見せながら、ゆっくりと歩を進めた。途中で足を止め、その場に膝をつく。子供と同じ目の高さだ。
「大丈夫。わたしたちはGフォース。本土から、あなたたちを助けに来たの」
ヤシロは腰の水筒を外し、蓋を開けて、自分が先に一口飲んでみせてから、両手でそっと差し出した。
「おいで……」
長い、長い沈黙があった。
やがて石垣の陰から、子供がそろそろと出てきた。
十歳くらいの少年だ。短い髪は潮と埃で固まり、頬と膝に擦り傷、シャツは泥だらけで、片方の袖が裂けている。まともに食っていないのか顔色は悪いが、目だけが野生の獣みたいにぎらぎらと警戒していた。
少年は水筒をひったくるように受け取ると、噎せながら一気に呷った。よほど喉が渇いていたらしい。
そんな少年を撫でながら、ヤシロは笑いかける。
「慌てなくていいよ、大丈夫だから」
……それにしてもヤシロの奴、子供の扱いが妙に堂に入っている。意外だった。こいつの辞書に「子供をあやす」なんて言葉があったとは。
ヤシロは少年が飲み終えるのを待ってから、ふとその顔をじっと見た。それから、何故か俺の方を見た。
「……なんだ」
「別に」
なんなんだ、一体。
俺は気を取り直して、無線のスイッチを入れた。
「こちらハヤマ。島の南側にて生存者一名を発見。十歳前後の男児、外傷は軽微」
〈本部、了解した〉
それから応じたのはミヤガワ副長の声だった。心なしか、声に張りが戻っている。
〈でかした。他に生存者がいる可能性もある。聴取できる状態か〉
「これから試みます。事情を聴きながらそちらに戻ります」
〈了解した。生存者の安全を最優先に、切り上げて戻ってこい〉
「了解」
無線を切って、俺は少年の前にしゃがみ込んだ。
「おい、坊主。いくつか訊きたい」
少年がびくりと肩を揺らす。横からヤシロの刺すような視線を感じたが、無視した。ガキ相手だろうと、訊くべきことは訊かなきゃならん。
「この島で何があったのか知りたい。話せることだけで良い、教えてくれないか」
「無理はしなくていいからね」
少年はヤシロを見て、それから俺を見て、口が薄く開く。
声が、出てこなかった。
唇が震え、喉の奥でひゅうと空気の鳴る音だけがして、少年は自分の喉を押さえた。そのまま俯いて、肩を縮める。
「……無理に喋らなくていいよ」
ヤシロが優しい声で言った。少年の喉のあたりを見て、それから目を伏せる。
「ショック状態ね。きっと恐ろしい目に遭ったんだわ」
医者でもないのにとは思ったが、口には出さなかった。こいつのこういう推定が外れたところを、俺は見たことがない。
仕方ない、やり方を変えるか。
「よし、無理に喋らなくていい。頷くか、首を振るか、書くかだけしろ。それでいい。できるな?」
「……!」
俺の言葉に、少年が顔を上げた。濡れた目が俺をじっと見て、こくり、と頷いた。
「名前は? 書けるか?」
少年は咄嗟に口で喋ろうとしたが声にならないことに気づき、拾った木の棒で地面にこのように書いた。
“あきら”
……アキラ、か。自分の名前を説明できることから、とりあえず喋れないだけで記憶や認知能力は正常だし、こちらの話を理解できている様子なのはほっとした。
続けて俺は訊ねる。
「よし、アキラ。他に生き残ってる奴はいるか」
アキラの動きが一瞬止まり、それからゆっくりと首を縦に振った。ほかにも生存者はいるようだ。
「襲ってきたのは、海から来たのか」
『襲ってきた』というフレーズで、びくり、とアキラの全身が跳ねた。答えはなかったが、これ自体が答えのようなものだ。
……これ以上訊ねるのはやめた方が良さそうだ。聴き取りはここまでにしよう。
「分かった、もういい。浜に本隊がいる。ひとまずそこまで……」
連れて行く、と言い終わる前だった。
アキラが突然、俺の胸を両手で押した。
「うおっ、なんだ!?」
よろめいた俺を、アキラはなおも押す。そして浜の方角、つまり俺たちが来た方角を何度も何度も指差す。俺を指差し、ヤシロを指差し、海を指差す。
「……なんだ? あっちに何かあるのか?」
アキラは激しく首を横に振った。違うらしい。
もう一度、俺たちを指差し、海を指差す。行け、と言うように手を払う。
「俺たちに、帰れって言ってるのか?」
こくこくこく、とアキラは壊れたように頷いた。
「ふざけるな、子供一人置いて帰れるわけが……」
声を荒げた、その瞬間だった。
アキラの顔色が変わった。恐怖、なんて生易しいものじゃない。アキラは跳びつくように俺の袖を掴むと、もう片方の手の人差し指を、自分の口に強く押し当てた。
しーっ。
音のない悲鳴みたいだった。アキラの目は俺を見ていない。周囲を、崩れた家々の影を、藪を、そして海を、忙しなく走り回っている。
その様子で何かを感づいたヤシロが訊ねる。
「大きな音を立てると、何かが来るの?」
アキラの顔から、すっと血の気が引いた。それが答えだ。
大きな音を立てるとやってくるという『何か』。いったい何がやってくるというのだろう。
そう思い至った、ちょうどそのときだった。
〈……本部より各班へ〉
不意に俺の懐の無線が音を立て、アキラがびくりと跳ねた。
本隊からの連絡だ。島全域をカバーできるGフォースの無線機は、クリアな音声で現状を共有する。
〈これよりメカゴジラ機龍の揚陸準備を開始する。地上班は引き上げて……〉
アキラは俺の腰の無線機を凝視していた。
それからゆっくりと海を見た。
その視線の先にあるものが、俺たちにはまだわからなかった。