Archive to Glitch ─ Last Standing 作:黒凪カズキ
*ジェノね。それでジェノ、どうしたの、悲しそうな顔してたけど
ジェノ「はは。俺はスケルトンだぜ、どうやって表情を読み取るんだ?」
*……なんとなく、そう感じたから?
ジェノ「……」
*それで見たところ、ここキヴォトスの人では無さそうだけど
ジェノ「伝えても、信じてもらえるか分からないと思うが……」
*それについては安心してほしい。これでも、人を見る目には自信があるからね
ジェノ「スケルトン相手にかw?」
*もちろん、それに私に出来ることなら手助けできるかもだし
なぜだろうか。
この先生という人は、どこか頼れなさそうに見える。
なのに、その言葉は不思議なほど重く、強く、俺の心に響いてきた。
気が付けば、俺は自分の素性を包み隠さず話していた。
ここに来る前、全て説明しても完全には理解されないと考え、初対面の相手にも分かるよう、俺は順を追って説明した。
地上で起きた出来事や仲間たちのこと。謎の集団との戦い。
そして、とある力を使った直後――気付けばこの世界へ流れ着いていたこと。
*なるほどね、ありがとう、辛いことがあったのに話させてしまって
ジェノ「いや、大丈夫さ。どれだけ後悔したところで、もう変えられない過去だからな」
*……それで、率直に聞くけど、ジェノって今、途方に暮れてるって事でいいのかな?
ジェノ「あぁ、帰る方法もないし、ここが何処だか分からない」
ジェノ「つまり俺は今、”身寄り”がないさ、まぁ俺は元々スケルトンだから身はないけどなw」
先生は急に黙り込んだ。俺のギャグが滑ったのかと思ったが──
*それならジェノ、もし行く場所がないなら―― キヴォトスに移住してみない?
ジェノ「え?」
*“身寄り”はなくても、“骨寄り”できる場所ならあるしね
ジェノ「……」
*あ、ごめん、今のは忘れ──
ジェノ「はははっ、あんた中々やるな」
ジェノ「……でも、本当にいいのか? 素性も分からないスケルトンを住まわせて」
*うん。でも、無理にとは言わないよ
*ジェノが元いた世界に帰りたいなら、その方法も一緒に探す
*でもね、キヴォトスでもきっと居場所は作れると思うんだ
ジェノ「……」
*だから今は、一人で抱え込まないで
*困った時は、頼ってほしいな
ジェノ「……じゃあ、そうさせてもらおうかな」
*うん。それじゃあ、まずはシャーレかな。少なくともしばらくの間は
*空き部屋ならたくさんあるし、しばらくはそこで寝泊まりしていいよ
ジェノ「シャーレ?」
*まぁ私が仕事をしている場所だね
ジェノ「……あんたさ」
*ん?
ジェノ「初対面の相手を職場に誘うのか?」
ジェノ「ほら、他に働いてる人がいるのに、あんた一人の一存で決めて」
*それに関しては安心してほしい。何せシャーレには、ほとんど私か当番の生徒たちしか来ないからね
*それに困ってる人がいるなら、躊躇する理由なんてないよ
ジェノ「はは……」
ジェノ「変な人だな、あんた」
*よく言われる。
ジェノ「そうなのかよ」
本当に変な人だった。
俺が元いた世界なら、正体も分からない奴を家に招き入れるなんて考えられない。
それなのに、この先生は当たり前のように居場所を差し出してくる。
だからだろうか。
少しだけ――肩の力が抜けた気がした。
*それじゃあ、まずこのキヴォトスがどういう場所なのか勉強しないとね
ジェノ「勉強?」
*うん。ここの常識は、たぶんジェノのいた世界とは全然違うから
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*とまぁ、私が分かることはこんな所かな。分かった、ジェノ?
ジェノ「はは、これは少し骨が折れそうだ」
*骨だけに?
ジェノ「…………うん」
どうやら俺がいた世界とは、かなり事情が違うらしい。
学生が街を管理している。
生徒たちは当たり前のように銃を持ち歩いている。
そして先生は、そんな生徒たちを支える立場なのだという。
ジェノ(なんというか……)
ジェノ(平和なのか物騒なのか、よく分からない世界だな)