かの黄金の獣の君臨を!   作:小説の初心者

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続き。



第3話

 

ラインハルトside

 

 

声をかけてきたのは、赤い瞳に黒い髪を持つ女性だった。

その服装、その持ち物からして、魔法使いと言ったところか。

元の世界でもさほど居なかったその美しい顔立ちから察するに、歳は20もいかないだろう。せいぜい18程度か。

 

めぐみん「我が名はめぐみん!アークウィザードにして、爆裂魔法を操る者!」

 

「………一応話は聞こう、座ってくれ。」

 

めぐみん「あ、ありがとう。………ず、図々しいのだが、出来れば何か食べさせてはくれないだろうか………。」

 

めぐみんと名乗る者がそう言うと同時に、彼女の腹が鳴った。

 

「……うん、アークウィザードは本物のようだし、魔力も高い。ぜひとも、私の仲間になって欲しいな。よろしく、めぐみん。」

 

私は、彼女にそう言いながら店のメニューを手渡した。

 

 

────────────────────

 

 

めぐみん「爆裂魔法は最強魔法。その分、詠唱に結構時間がかかる。呪文が完成するまで、足止めをお願いしたい。」

 

私は満腹になっためぐみんを連れて、ジャイアントトードの討伐に来ていた。

平原の少し遠くには、1匹のジャイアントトード。

そいつはこちらに気付き、既にこちらへ向かってきている。

さらに、逆方向にももう1匹。

こちらは先ほどの奴より距離が近いため、私が対処するのはこちらの方がいいだろう。

 

「分かった。なら、少し遠くに見えるあいつを標的にしてくれ。近い方のもう1匹は私が対処する。」

 

私はとりあえず1匹を足止めする事に徹した。

今回はめぐみんの実力を測ることがメインだから、私がいつも通りやっていてもあまり意味はない。

横目で彼女を見てみれば、何やら詠唱をブツブツと唱えているようだ。

もしかしたら、私たちの創造位階の詠唱と同じくらい長いのかもしれない。

 

めぐみん「喰らうがいい、我が最強の爆裂魔法を!」

 

お、どうやら詠唱が終わったようだ。

さて、どれほどの威力なのか──

 

 

めぐみん「エクスプロージョン!

 

 

その瞬間、閃光が走った。

彼女の杖から放たれた爆裂魔法は、こちらに向かってくるジャイアントトードにぶつかると、目が眩む様な光と轟音により、それを爆発四散させた。

 

煙が晴れると、爆心地は半径10m以上のクレーターが出来ており、その威力を物語っていた。

 

「ほお……これが魔法か。」

 

正直、少し感動した。

元の世界には無かった力を見れたというのもあったが、永劫破壊を使わずともこのレベルの威力を出せるという点に私は感嘆の声を漏らしたのだ。

 

そしてふと見ると、先ほどの轟音で目が覚めたのか、地中から1匹のジャイアントトードが這い出てきた。

基本的にカエルは冬の時期だけ冬眠すると聞いたが、この世界では年中土に潜って暮らしているのだろうか。

めぐみんの近くにそいつは這い出てきたが、起きたばかりなのか動きが非常に遅い。

あの場からめぐみんを退却させて距離をとった後、再び先ほどの魔法で穿てば解決だろう。

 

「めぐみん、一旦後ろに下がって、十分な距離をとったらまたさっきの攻撃を………。」

 

私はそこまで言いかけ、めぐみんの方を見た瞬間に動きを止めてしまった。

何故かそこには、地に這いつくばっているめぐみんがいたからだ。

 

めぐみん「ふふ………我が奥義の爆裂魔法は、その絶大さ故に、消費魔力もまた絶大。……………つまりですね、魔力不足でぴくりとも動けないんですよ。地中からもう1匹でてくるとか予想外。やば、食われる、ちょ、たすけ………」

 

 

その後、何とかめぐみんをその場から救出してジャイアントトードを狩り、今回のクエストは無事(?)完了させた。

これからは、一撃の威力に目を取られ、油断しないようにしよう。

 

「今後、緊急時以外は爆裂魔法は禁止だな。メリットも大きいが、リスクが高すぎる。普段は他の魔法で頑張ってくれ。」

 

めぐみん「………できません。」

 

「………何が出来ないんだ?」

 

めぐみん「爆裂魔法以外を使うことですよ。私は、爆裂魔法以外の一切の魔法が使えないんです。」

 

「………本気か……。」

 

めぐみん「本気と書いてマジです。」

 

「やかましい。………あの時見たが、爆裂魔法はそうとうスキルポイントがかかる魔法だったはずだろう?他の魔法の一つや二つ、余ったポイントで取れたのではないか?」

 

 

〜〜爆裂魔法の愛を永遠語られたので割愛〜〜

 

 

めぐみん「……というわけで、私は爆裂魔法以外の一切の魔法を習得するつもりはありません。」

 

「ああそうか、もう寝てていいぞ。」

 

めぐみん「………」(-_-)zzz

 

嘘だろこいつ、の◯太か。

……爆裂魔法しか使えない魔法使い、ねぇ………。

 

 

────────────────────

 

 

受付「はい、クエスト完了ですね。お疲れ様でした。」

 

私たちはそのまま冒険者ギルドに戻り、報酬を受け取った。

ちなみにめぐみんは途中で起きた。

ここに着く頃には自分で歩けるまで回復していた。

 

 

ふと返された自分の冒険者カードを見てみると、そこにはレベル15と表示されていた。

本来ジャイアントトードは中級者向けの魔物だったらしいので、そいつらをクエストで合計30匹近く倒したからここまで急にレベルが上がったのだろう。

目に見えたステータス値の変化は殆どないが、確かに強くなったという実感はある。

 

「……まったく、面白いな。こうも簡単に強くなれる世界があるとは。」

 

正直、やってることは私たちの世界と何ら変わらない。

敵を殺した後、魂をどうするかの違いだけだ。

そして目を移すと、スキルポイントの欄に「500」という数字が入っていた。

とうとう、私もスキルが使えるようになるらしい。

 

受付「では、クエストの報酬金で10万エリスとなります。ご確認ください。」

 

今回は10万か。

聞けば、クエストで狩ったモンスターの死体はギルドで1匹あたり5000エリスで買い取ってくれるらしいので、次からは出来るだけ持ってこようと思う。

 

 

全体的に見て、冒険者というのはまぁまぁ稼ぎやすい職業ではあると思う。

確かに命の危機は伴うが、それに見合うリターンがくる時もあるし、そもそも私にはその前提が通用しないため、私にとってはローリスクハイリターンと言ったところだ。

 

まぁ、元の世界で平和に暮らしていた者にとっては少しハードモードかもしれないな。

 

「めぐみん、報酬だ。今回は私と卿で半分ずつな。」

 

めぐみん「……えっ、良いのか?私、カエルを1匹倒しただけだぞ?」

 

「いい、将来の投資だと思ってくれ。卿の爆裂魔法には目を見張るほどの威力があったのだからな、これから先、何処かで活躍する場が来るかもしれん。そのための戦力は、取っておきたいだろう?」

 

めぐみん「そうか、ありがとう!」

 

「ほら、分かったら飯にするぞ。今回は私もいつもより疲れたからな、早く食べたいんだ。」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

めぐみん「なあ、優しい人。」

 

「ラインハルトだ。」

 

めぐみん「ラインハルト、スキルは習得しないのか?」

 

飯を食べ始めて早々、めぐみんが定食にがっつきながらそんなことを聞いてきた。

 

「いや、私も習得したい気持ちはあるのだが、いかんせん初めてだからな。まだ決めきれないんだ。」

 

めぐみん「そうか、なら爆裂魔法はどうだ⁉︎まぁ、習得するために使うスキルポイントはバカにならないが、覚える価値はある。いや、なんならそれ以外に覚える価値のあるスキルなんてない!さあ、そうと決まれば早速………。」ガタッ

 

「まだ習得すると決めたわけじゃないぞ。」

 

めぐみん「(;ω;)」

 

「そんな顔しても無駄だ、大人しく座ってなさい。」

 

爆裂魔法という単語を聞いて興奮気味になるめぐみんを宥め、席に座らせる。

確かにあの威力に心惹かれないわけでもないかもしれないが、二人まとめてダウンするとなるとリスクが大きいどころの話ではない。下手したら二人とも死ぬ。

 

カードをちらっと見てみるが、現時点のポイントで習得できるスキルが結構多くてやはり中々決められない。

これならいっそのこと、片っ端から……?

 

?「あははっ!君、スキル欲しいのか?なら、盗賊スキルなんてどう、」

 

などと、少し変な方向性に頭が舵をきり始めたところで、隣の女性に声をかけられた。

そちらを見てみれば、女性が2人いた。

声をかけてきた1人は、おそらく頰に刀傷をつけた女性だろう。

もう1人は、金髪ロングの女性だ。

 

「盗賊スキルですか、例えばどんなものがあるんです?」

 

?「うーん、けっこう使えるよー?罠の解除とか敵の感知、潜伏や窃盗もあるからね。持ってるだけでも得するスキルが多く揃ってるんだ。それに、発言からして君は冒険者だろう?盗賊スキルは比較的ポイントがかからないスキルだからさらにお得なんだ。どう?今ならクリムゾンビア一杯で済ませてあげるよ?」

 

……なんか一つ勘違いしてるようだが、まあ訂正しなくていいか。

それにしても盗賊スキルか、いいな。

今ならクリムゾンビア一杯だけで良いらしいし、一つくらい教わってみるか。

 

「分かりました。すみませーん、店員さーん!この人たちにクリムゾンビア1つずつー!」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

クリス「さて、まずは自己紹介だ。あたしはクリス、見ての通り盗賊さ。で、こっちがダクネス。役職はクルセイダーだから、君の役に立ちそうなスキルはないかな。」

 

ダクネス「……よろしく。」

 

「私はラインハルトだ、よろしく。」

 

私たちは今、冒険者ギルドの裏にある、誰もいない広場にいる。

ちなみにめぐみんは満腹になったのかまた寝たのでここに運んできた。

 

クリス「じゃあまずは、敵感知と潜伏すきるから覚えようか。罠関係は、こんな平和な街には罠なんてないからまた今度ね。じゃ、ダクネス向こう向いてて。」

 

ダクネス「……分かった。」

 

ダクネスが言われた通りに明後日の方向に向く。

すると、クリスがちょっと離れた所にあるタルの中に入り、上半身だけタルの外に出す。

そして何を思ったのか、ダクネスに向かって石を投げつけた。

クリスはすぐさまタルに体を引っ込める。

 

………は?まさか、これが潜伏スキルとでも言うのか?

 

ダクネスは振り向くと、一つだけ不自然にあるタルの方向へ真っ直ぐ進んでいく。

 

クリス「ん〜、敵察知、敵察知………!怒ってるダクネスの気配をビンビン感じるよ!あ、ダクネスさん?これはあくまでスキルを教えるためにやってることだから、分かってはいると思うけどお手柔らかにいぃぃぃぃぃぃぃぃ⁉︎」

 

そして、そのままタルはダクネスによって横に倒され、ゴロゴロとぶち転がされた。

……私は冒険者じゃないから良いが、こんなので本当に覚えられるのか……?

そう疑問に思いながらも、私はカードにあった潜伏と敵察知のスキルを覚えた。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

クリス「さ、さて。次はあたしのイチオシスキル、窃盗を覚えてみようか。これはね、対象から一つ、なんでも好きな物を奪い取るスキルだよ。相手が今持っている武器であろうが、鞄の中に大事にしまっていようが関係なく盗み出せるのがこのスキルの特徴さ。冒険にも意外と役立つし、結構使い勝手のいいスキルだよ。しかもこれは幸運ステータスに確率が依存してるから、実力がほとんど関係ないのもいいね。」

 

話を聞いたところ、窃盗スキルはけっこう使えそうだ。

何より、実力ではなく幸運ステータス依存というところがいい。

私だったらもう幸運はカンスト固定になってるので、いつも最高の確率で最高のものを奪える訳だからな。

 

クリス「じゃあ、とりあえずは貴方に使ってみるよ?それっ、「スティール」っ!」

 

クリスがそう言うと同時に、カバンの中が少し軽くなったような気がした。

クラスの手の方を見てみると………

 

「おお、今回の報奨金か。」

 

クリス「おっ、当たりだね〜。ま、こんな感じに使うってワケさ。じゃ、これは返………」

 

そこまで言ってクリスは口を止め、にんまりと口角を上げた。

 

クリス「……ねぇキミ、勝負しようよ。早速窃盗スキルを覚えておいで。そしたら、あたしからなんでも一つ奪っていいよ。この報奨金と比べると、サイフは分からないけど武器は確実に私の方が価値がある。どんなものを奪ったとしても、君からしたら大した損害じゃない………どう?面白そうじゃない?」

 

「……なるほど、確かに面白そうだな。良いだろう、その話に乗ってやる。そのかわり、何を奪われても文句は言うなよ?」

 

クリス「そっちこそ、大したもの奪えなくてグチグチ言わないでね?」

 

この女、面白い提案をするものだ。

私は早速カードのスキルの欄から、窃盗のスキルを覚える。

 

「さて、覚えたぞ。いいか?本当に、何を奪われても泣いたり叫んだりとかやめてくれよ?」

 

私そう言って、右手を何かをすくうような形にして突き出す。

こんなことを言ってるが、狙いは奪われた報奨金一点だ。

何かを狙って窃盗することは難しいだろうが、幸運ステータスがすでにカンストしている私なら可能なはずだ。

 

クリス「いいねキミ!そういうノリのいい子は大好きさ!さて、何が奪えるかな?私の持ち物の中だったら、この魔法が掛かってるダガーが当たりかな?これ単体で40万はくだらないからね!そして、残念賞はさっきダクネスに当てるために拾ったただの石だよ!」

 

「はっはっは!随分と姑息なことをする。さすがは盗賊と言ったところか?」

 

クリス「あのねぇキミ、これは授業料だよ。どんなスキルだって万能じゃない、何にだって対策は立てられる。これはそういうことを教えているのさ。さあ、かかってこい!」

 

「いいだろう、勝負だ、「スティール」!」

 

……とは言うが、結局は報奨金さえ返してもらえればそれで十分なのだ。

だが、その魔法が掛かったダガーというのも少し興味がある。

まとめてスティール出来ないか?

いや、流石に強欲すぎるな。

もうなんなら、()()()()()をスティールしてしまおうか?なんて………

 

 

ポフッ!

 

 

………はて、私の報酬金が入った金はこんなへなちょこな音を出したかな?

それに、その袋よりは少し重いような………。

 

 

クリス「…………な、な………」

 

ん?おかしいな、クリスの声が先ほどよりも近くで聞こえる。

そこでようやく、私は自身の右手を見てみた。

 

クリス「ワァ………ァ………///」カオマッカ

 

そこには、ギリギリのバランスで乗っていたクリスの姿があった。

………どうしよう、私、責任取れない。

 

 

 




地味に疲れた。
なんか中途半端な文字数だな〜って思ってどんどん書いてたらいつの間にかめちゃくちゃ進んだという……。

次回!「ラインハルト、死す!」デュアルスタンバッてない!
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