仮面ライダージョーカー&名探偵プリキュア!   作:究極の闇に焼かれた男

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本作に関しましては完全な見切り発車ですので過度な期待はしないで下さると助かります。


CASE0

 

 

 

月が蒼く輝く夜、とある街の港に在る埠頭内で1人の戦士と異形の怪物が対峙していた。 周囲にはドロドロに溶けたコンテナの残骸と半ばから折れた電柱が転がっており、戦士の拳が怪物の顔面を殴り付け衝撃音が大地を揺らしていた。

 

 

「ぐっ……何なんだテメェーはっ!?」

 

 

太陽とライオンを思わせる頭部を持ち、流れる溶岩と燃え上がる炎を想起させる黒とオレンジの体をした怪物──【マグマ・ドーパント】が舌打ち混じりに悪態を吐きながら、自身と対峙する戦士の姿を見やる。

 

赤い複眼を持ち紫のラインが走った黒いボディをした仮面の戦士──【仮面ライダージョーカー】は、独特なファイティングポーズを取りながらマグマ・ドーパントの顔面に殴打を浴びせ続けざまに胸を蹴り飛ばす。 顔面を殴られて怯んだ所に胸を蹴られたマグマ・ドーパントは後方に吹き飛ばされ、何度もバウンドしながら地面に倒れ込む。

 

 

「そろそろ終わりにしようか。 行くぜ、マグマ野郎」

 

 

そう言うとジョーカーは腰に巻かれた右手側にのみスロットを備えたベルト──【ロストドライバー】に装填されたアルファベットのJの文字が表面に刻まれたUSBメモリ型のアイテム──【ジョーカーメモリ】を抜き取ると、ドライバーの右腰側に備えたマキシマムスロットへと装填する。

 

 

『JOKER MAXIMUMDRIVE!』

 

「ライダーキック!」

 

 

マグマ・ドーパント目掛けて駆け出し地面を蹴って跳躍すると、メモリのエネルギーがジョーカーの右足へと最大限に増幅された状態で収束され、そのまま飛び蹴りとしてマグマ・ドーパントへと放つ。

 

ジョーカーのライダーキックを受けたマグマ・ドーパントは後方へと吹き飛ばされて行き、そして次の瞬間には凄まじい轟音と共に爆散、黒煙を上げる。

 

黒煙が立ち上る中、ジョーカーはマグマ・ドーパントが爆散したのを見届け足元に視線を向けると、白目を剥いて意識を失っている男と粉々に砕け散って原型を留めていないメモリの破片が散らばっており、そこに一陣の風が吹き破片を乗せて空へと運んで行く。

 

 

「ふぅー……これで一先ずは解決かな」

 

 

そう小さく呟くジョーカーは黒煙に背を向けると埠頭内から立ち去るのだった。

 

翌日の朝、埠頭で原因不明の爆発が起きたとニュースで流れたと言う。 警察は現場で白目を剥きながら意識を失っていた男を拘束し原因を突き止めようとするも意識を取り戻した男は原因不明の記憶障害を発症しており捜査は難航し、事件の真相は分からず仕舞いとなるのだった。

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

この世界には人間を異形の怪物へと変貌させる特殊なメモリが裏の世界で取引されていた。

 

【ガイアメモリ】──地球に記録された現象・事象を再現するプログラムが封じ込められており、ガイアメモリを挿した者は肉体に"地球の記憶"が注入されドーパントと呼ばれる異形の怪物へと変貌する。

 

そんなドーパントの魔の手から、人々を陰ながら守る1人の探偵がいた。

 

これは人知れず仮面ライダーとして戦う1人の探偵の物語である。

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

CASE0:〖Jの始まり/幕が上がる少し前〗

 

────────────────────────

 

 

 

-1999年3月-

 

 

 

晴々とした天気が広がる青空の下、まことみらい市の街中を黒い探偵帽とチェスターコートに身を包む少年──【鳴瀬翔太郎】はクレープを片手に歩いていた。

 

 

「はむ・・・・・・うん、流石は春限定の苺クレープ。 苺の甘みとクリームの舌触りが絶妙にマッチしていて美味いな。 ん? あの後ろ姿はもしかして」

 

 

クレープを頬張りながら歩いていると、ふと前方に見覚えのある後ろ姿を捉える。

 

 

「やっぱりそうだよな・・・くれあ」

 

「? ・・・・・・あっ、翔太郎くん!」

 

 

翔太郎が声を掛けると少女──【帆羽くれあ】は買い物袋を手に持ちながら振り返った。

 

 

「よっ、こんな所で会うなんて奇遇だな。 見るからに買い物帰りって所か」

 

「えぇ、ケーキの材料を買って帰る所なの。 そういう翔太郎くんは食べ歩きかしら?」

 

「それもあるが、街を散策しようと思ってな」

 

「そうだったのね。 あっ! いけない、急いで店に戻らないと・・・・・・またね、翔太郎くん」

 

「ああ。 帰りにケーキを買いに店に寄るだろうから、また後でな」

 

 

そう言ってくれあと別れた翔太郎は食べ歩きを再開するのだった。

 

 

 

 

 

-翔太郎side-

 

 

 

俺こと鳴瀬翔太郎は探偵で、最近16歳の誕生日を迎えたばかりの高校2年生でもある。

春休みと言う事もあって特に依頼も無く暇潰しに食べ歩きをしに街に赴いている。 本当なら少し前に来た居候も一緒に連れて行こうとしたのだが、どうも朝から地下室の研究所に籠っていて流石に邪魔するのも気が引けたので1人で行く事にした次第である。

 

 

「(念の為に幾つかお菓子を買って帰るかな)・・・ん?」

 

 

そんな事を考えていると公園の前を通り過ぎようとした所、公園内に見覚えのある探偵帽とケープ付きコートに包む少女がルーペを片手に忙しなくしている姿を見掛けた。

 

 

「・・・なるほど、そういうことか」

 

 

必死に何かを探している様子を見て相変わらずだなと感じつつ、ここで見掛けたのも何かの縁だろうと思い俺は公園内に足を踏み入れ、そのまま少女の元へと近付いて行く。

 

 

「こんな所で探し物か? みくる」

 

「っ!? ・・・しょっ、翔太郎さん!?」

 

 

声を掛けると少女──【小林みくる】は吃驚した様子で振り返る。

 

 

「依頼お疲れさん。 それで、今日も人助けか?」

 

「えっと、その・・・・・・実は」

 

 

みくるが言うには少し前に道端で困っている女性と会って、どうにも大事に持ち歩いていた筈の財布を落としてしまったらしく一度は交番に行ってみたものの肝心の財布は届いていなかったとの事だった。

 

 

「落し物の財布を探している最中と・・・・・・ここら辺を散歩してたけど其れらしい物は見かけなかったな」

 

「そうですか・・・・・・う〜ん、もう少し詳しく聞いてみた方がよかったかな」

 

「財布を落とした事に気付いたのは何の辺りだったかは聞いたのか?」

 

「はい。 近くの雑貨屋から出て公園で少し休んだ後に気付いたみたいなんです」

 

「ふむ・・・・・・因みにだが、雑貨屋の方には話を聞きに行ったか?」

 

「いえ、まだですけど・・・?」

 

 

それを聞いて俺は少し逡巡してから考えを述べた。

 

 

「なら雑貨屋の店員に聞いてみろ、財布を無くすケースで最も多いいのは置き忘れだ。 それに店に寄っては袋詰めを客にさせる場合もあるからな」

 

「なるほど、ありがとうございます翔太郎さん」

 

「礼は財布が見つかったらにしてくれ。 それと依頼人は待たせるものじゃない、急いで聞き込みに行きな」

 

「はい!」

 

 

みくるは元気良く返事を返すと雑貨屋のある方角へと一目散に走って行く。

 

 

「相変わらず元気で忙しないヤツだな。 さてと、買い物を済ませて早く帰らないとな」

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

一方その頃、とある山奥に建てられた今は既に放棄され廃墟と化した建造物の中、その最奥にある部屋に男は居た。 男の腰部には無骨で無機質な形状をした鍵穴の様にも見えるドライバーが巻かれており、手には禍々しい化石の様な見た目をした一本のメモリが握られていた。

 

 

「ようやく準備が整った。 後は役者が揃うのを待つだけだ。 そうすれば世界は変革の時を迎える。 其の時こそ────」

 

 

不気味な笑みを浮かべながら男は手にしたメモリのボタンを押して起動させると、そのままドライバーの中央にある窪みへと垂直に突き立てる様にして挿し込む。 挿し込まれたメモリがバックルを通して男の体内へと入り、それと同時に異形の怪物へと姿を変える。

 

 

「さて、役者が揃うまで少し時間が掛かりそうだ。 その間の暇潰しに例の実験でもして待つとしよう」

 

 

そう言って怪物は笑みを零すのだった。

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

それは本の一瞬の事だった。

 

お菓子の入った袋を片手に帰路に就いていると、ふと一陣の風が吹いた。

 

 

「・・・嫌な風だ、こういう風が吹く時に限ってロクな事が起きない」

 

 

頬を撫でた風に嫌な感覚を覚えた翔太郎は思わず表情を歪める。 其の風は何か事件が起きる前触れを告げる時の感覚に似ており、翔太郎にとっては新たな戦いの兆しでもあった。

 

 

「念の為、急いで事務所に戻ったら準備して備えて置いた方が良さそうだな」

 

 

そう呟くと翔太郎は早足で歩き出すのだった。

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

夕暮れ時、街外れにある裏路地内でその怪物は暗がりの中を徘徊していた。

 

無機質な機械を思わせる見た目をした怪物は口から夥しい量の唾液を滴らせ獣の如き唸り声を漏らしながら何も無い空間を見つめていると、左右の前腕と両脚の間に車輪状のエネルギー体を形成し始める。

 

すると先程まで何も無かった筈の空間が歪み始め穴の様なものが開かれる。

 

怪物は虚空に開いた穴の中に向けて飛び込み、そして裏路地内から姿を消し去るのだった。

 

 

 

to be continued‥?




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