ガチャして超能力を手に入れる能力を獲得 え?このガチャ渋くね?最高レア宝くじ当たる確率なんだけど 作:ただのタッパー
下校の時間。今日も教室は騒がしい。
部活に行くやつ、帰るやつ、ダラダラと喋ってるやつ。
いつも通りの特に変わり映えのないどこにでもある下校風景だ。
俺は一刻も早く帰りたいのでそそくさと支度をして帰ろうとする。
あぁ、いや。別に学校が嫌いだから早く帰りたいわけじゃない。ただ俺は家に帰りゲームを進めたいんだ。
「よいしょ…と」
リュックサックを背負い席を立つ。まるでおっさんみたいなこと言ってしまい多少恥ずかしくなってしまい。周りにバレてないか少し確認をする。
「クス…」
「ねぇ聞いた…?」
あかん終わった。ギャルと呼ぶべき人種のレディ達が俺をチラチラと見てクスクスと声を潜めて笑っている。またもや俺は黒歴史に新たなページを書いてしまったようだ。
顔が熱くなる感覚を感じながら。恥を掻いたのを紛れるように。数少ない友人と呼べる存在に別れの挨拶をする。
「細井じゃあな!」
「?は、はい…また明日」
数少ない友人があまり聞かない俺の別れの挨拶に疑問を多少の疑問を持っているが関係ない。俺はここから去る。まったく…また一つ教室からいち早く去る理由が増えてしまったよ。
てか思い返せばあのギャル共何かと俺で笑いやがる、自己紹介の時だって俺の名前である久我凌真を聞いた瞬間あいつら…
「ねぇ…まるでアニメに出てきそうな名前だよね…」
「悪役みたい…クス」
と笑ってやがった…なんて酷いギャルだ。人の名前で笑うのはどうかと思います。俺だったから黒歴史済んだが他の人があのギャル共のクスクスに耐えられるわけがねぇ。
てか俺の名前で笑うなら細井のほうがもっと笑えるだろ!「剛鬼」だぞ?「細井剛鬼」!なんでそっちは反応しないんだよ!
と心の中で人の名前で笑うのはいけないと思いますと言っておきながら、数少ない友人の名前をそっちの方が笑えるだろと矛盾しまくりなことを思っているうちに。校門近くにたどり着く。すると後ろから走る音が聞こえる。その音は段々と近づき。久我を通り過ぎる。
そこには明るいどころか。もう眩しいって言っても差し支えない程の元気な女子高校生が白銀のボブヘヤを揺らしながら、駆け足で校門へ向かっていく。その彼女は校門の所で振り向き。久我の後ろにいるその他の女子高校生に目を向ける。
「みんなまた明日〜、あ!久我くんもじゃあね!」
「あ、うん、じゃ、じゃね…」
そうついでにと俺に挨拶を済ませ駆け足で帰る。彼女の名は「氷見 美咲(ひみ みさき)」仲のいい友人からは「ヒミミ」と呼ばれてる。彼女は明るく誰にでも優しくて。成績もいい。男女にどちらにも好かれており。顔もテレビに出てるアイドルよりも可愛い。その上スタイルもよくて胸もデカくて…おっと、つい長々と語ってしまった。美しい女性に挨拶されただけ勘違いして恋してしまう。悪い癖だ。
てかなんだよあの返し方。キョドリしすぎだろ…またまた黒歴史に載るか?いやまだ大丈夫か?きっと優しい氷見さんなら気にしてないはず…なら大丈夫だな。
と、勝手にネガティブなことを考えてそして勝手に解決するを繰り返し高校を後にする。
「あ…そういえば…」
住宅街の歩いている途中にてふと立ち止まり。何かに思い出したかのように。右手を見て指を軽く鳴らす。
ーーパチッ。
すると指先から火花が散る。
「結局「これ」使える場面なかったよなぁ。まぁ…「これ」が使える場面なんてそうそうないか。」
なぜ、こんな能力を持っているのか。それは昨日に遡る。
数ヶ月前からとある事が話題になってい。どうやら地球のとんでもなく近くに隕石群が通過するらしい。
幸いな事に衝突することなく通り過ぎるようだが、どうやらそれは肉眼でも見えるほど近いらしく。俺はそこまで隕石には興味もなかったが、滅多にない事らしく、レアなイベントはなんとなく見てみたいと野次馬精神溢れる俺は、ゲームやネットサーフィン以外の珍しい理由で夜更かしすることに決めた。
「眠いな…やっぱもう寝ちまうか…?」
眠い目を擦りながら、周りを見回してみる。住宅街だからかそこらに俺と同じ目的であろう老若男女が少ないながら各々の場所で夜空を見ていた。そいつらを見ていると会話をせずとも何か、仲間みたいな意識を勝手に持ってしまう。
そんな勝手に仲間判定をした隣人達と星がぽつりぽつりとしか見えないつまらない夜空を今か今かと見上げ続けると。向かいに住んでる婆さんが自分の家に入りついにリタイアしてしまった。
家に入り眠りに入るであろう婆さんの後ろ姿を見ていると、俺は何をやっているんだ…明日も学校なのに…と思ってしまうが。堪えて待ち続けていた。
「おいまだかよ…そろそろの筈だろ…」
予報では夜中のこの時間に観れるらしいが…もしや見逃したか…?まいったな…ここまで起きた意味がねぇじゃねぇか。と後悔が頭によぎったその時。
突如昼みたいに明るくなった。
驚き、空を見上げる。大小様々な光る物体が同じ方向へ眩い尾を引いて夜空を駆けていた。おそらくそれは待ち望んだ隕石群なのであろう。まるで夜空が裂けているかのような光景だった。裂けた先から光が漏れているかのような。
「ッ……」
待っている最中は隕石群が来た瞬間写真を撮ったり、何か願い事でもしてやろうかと色々と考えていた、だがこの圧巻の光景を前にただ俺は呆然と立ち尽くし、その光景を瞬き一つ許さず、見逃さないように目に焼き付けていた。
そんな淡い光が広がりそして溶け込むように消えていく。隕石の軌道を辿るような、尾を引いた光も一瞬のうちに夜空に消えていった。
余韻に浸るかのように、暗い夜空をそのまま見上げていた俺は、ふと我に帰り、周りを見回す。どうやら近隣の同じ目的を持って夜更かしした人たちもあの光景が圧巻だったらしい。
「とんでもなくピカピカだったな…めっちゃ綺麗だった…」
どう考えてももっと良い言い方があったであろうに、あの光と共に知能指数も消えていったのか。アホみたいな感想を述べながら。家に入る。
眠気なんて飛んでしまったが、そのままベットに入り、SNSを見る。やはりと言うべきか、あの隕石群はそれはもう、バズりにバズりまくっていた。トレンドにも載り、絶賛のコメントが溢れかえっていた。どうやらみんなの心にも残ったようだ。
「ふむぁ…もう寝るか、明日も早い」
眠い目をそのままに受け入れ、横になり眠りつく。
どうやら眠気は一度は吹き飛んでも身体は覚えているらしい。横になってすぐに眠りについた。
「ふぅ……うぉっ!?」
特に何かの前触れになるような夢を見ることない深い眠りから覚めた後。
今度は眠い目をそのまま受け入れず、擦りに擦りまくって起きる。そして目の前に広がる何かの…UI画面がドンと断りもなく。視野角いっぱいに表示されている。
何が起こっているか何もわからないが。寝起きでまだ頭がボヤけているからか、とりあえず定番はやっておこうと思い至り、アニメや漫画みたく頬をつねってみる。
「まぁ…痛いよな…」
わかってはいたがやはり現実、夢ではない。今度はよく周りを見回す。何か細々とした変化はないか。もしや俺があの夜より先の記憶を失い。かなり未来に…なんてことはなく。全くもって変わり映えしない部屋である、このUI以外。
ならば、と俺は冷静になる。ここで驚くターンを終わりしよう。そして確認のターンに移行する。
まずはUIを確認してみる。今は全く何もない画面である。四角い枠、なにも映ってない半透明の画面だ。文字もアイコンのない。まるで電源の入ってないディスプレイのような物だ。
試しにと、指を伸ばす。
触れた瞬間――
突然画面に、光が走る。
「どぅわッ!?」
UIに突然文字が書き込まれていく。
能力ガチャ
→ピックアップ一覧
物凄く見覚えのありすぎる文字が書かれている。ソシャゲでよく見る文字がUIに表示されている。ガチャやピックアップ。急にソシャゲの世界に放り込まれたのかと一瞬疑ってしまう。
「いやますます意味がわからん…とりあえずピックアップ押して見るか」
ピックアップを押すと、画面が変わり。前の寂しい少ない文字だけの画面から。色とりどりの文字やアイコンだからけで。ケバケバと下品な光を放ちながら。「念動力 サイコキネシス」ピックアップ中!出現確率UPなどという。よくわからんピックアップを強調してる画面に飛ばされる。
謎のUI、ガチャ能力、サイコキネシス、この異質な状況でこれでわからないほど俺は鈍感ではなかった。段々と鼓動が高鳴る音が聞こえる、感情が溢れる予感を感じ始めた。
「サイコキネシス…?いや…まさか…もしかして…マジでか…!?」
段々と状況が飲み込めて来たのか俺は鼓動を高鳴らせる。俺の推測が正しければ。おそらくこの先、俺は漫画の主人公になれるのではないかという期待が溢れてくる。
「よし落ち着け…落ち着け…うん…一旦引こう!引いてみるか!」
そして俺は、大きな期待を抱えたまま、ピックアップの下に目を向ける。
【ガチャ回数:10】
単発ガチャ
10連ガチャ
提供割合
「ガチャ回数10…つまり10連一回しか回せないのか…まぁとりあえず引いてみよう…!」
俺は大きな期待に胸を膨らませ10連ガチャにタップした。
画面切り替わり、画面にガチャガチャが映し出される。ガチャガチャの中身には白、青、紫、金、虹のカプセルがあり。それからでも虹が当たりということはわかる。
「あの虹が当たりだろ…!頼む…!来いっ!」
ガチャガチャが回されカプセルが次々に放出される。だがそこには白いカプセルとたった一つだけある。青のカプセルしかない。
「えぇ…と…多分…ハズレた?ま、まぁいいどんな能力があるんだ?」
何か嫌な予感がするがそれを無視し、画面をタップして、カプセルを開く。
そこにはチート能力…
①【火花発生】★1
指先から小さな火花を出す。静電気レベルで痛みもほぼない。
②【くしゃみ強化(可愛い)】★1
くしゃみの音がやけに可愛くなる。自分では制御できない。
③【空き缶シュート】★1
空き缶をゴミ箱に投げた時だけ必ず入る。距離は常識の範囲内。
④【鳩召喚(単体)】★1
鳩を一羽だけ呼べる。来るまでに時間がかかる。
⑤【イケボ化(5秒)】★1
5秒間だけ声がやけに良くなる。時間が短すぎる。
⑥【受け身】★1
転んだ時だけ綺麗に受け身が取れる。わざと転んでも発動する。
⑦【右手加温】★1
右手だけ少し温かくなる。カイロ程度の熱。
⑧【防蚊(腕限定)】★1
腕だけ蚊に刺されにくくなる。他の部位は普通に刺される。
⑨【瞬間集中(10秒)】★1
10秒だけ集中力が少し上がる。効果は微妙。
⑩【微念動】★2
小さな物体を少しだけ動かせる。ペンや消しゴム程度が限界で、距離も短く重い物は動かせない。
ではなくゴミみたいな能力が並んでいた。
「カッッッッッッッッス!!!???」
あまりにもゴミみたいな能力に思わず思考よりも先に暴言を吐いてしまう。なんなんだよこの能力。もう少し何かあっただろ!何がどうして適当に思いついたかのようなカスみたいな能力しかねぇんだ!
「酷い…あまりにも酷いぞ…というか…とてつもなく嫌な予感がするぞこのガチャ能力…」
当たってほしくない予感ほど当たってしまうのが人間のサガ。引いた能力を一旦無視して前のピックアップ画面に戻る。そして10連の下にちょこんと書いてあった提供割合というものをタップした。
そこには大量の能力が書かれており。その横に確率が書いてある。それを見て俺は漠然としたなんとなくの嫌な予感が的中していることに気付いてしまった。
「サイコキネシス…0.000001?????」
わからない…確かソシャゲのピックアップって確率が上がるよな…?じゃなんでこんなにも低い??まるで宝くじのような確率だぞ?そして他の能力もよく見てみる。
「「空間転移 テレポート」…0.00000000001!?」
あっこれ上がってこれなの?ただ0の文字が5個無くなっただけだぞ??まだ宝くじの方が確率あるじゃねぇか!!
「いや待て…星5でこれだ…もしかして星4も…!?」
あ、終わってる。星4は全部0.00001だわ。0一つ無くなっただけだわ。全然確率低すぎるわ
「ま、まぁいい…引いた能力は使えるのか…?」
まだ色々文句はあるが一旦置いて、ガチャで引いた能力に目を向ける。謎のUI、能力ガチャ、ここまで異常なことが起きて引いた能力が使えないってことはないであろうと思い探してみる。
「ストック…?これを押せばいいのか…?」
「ストック」を押すと、画面が切り替わった。
今度は、引いた能力が縦にずらっと並んでいる。
ソシャゲの所持一覧みたいな画面だった。
能力名の横には星の数。
その下には短い説明文。
さらに右端には、きっちり『残り10回』と表示されている。
一番上には、今使っている能力を示す欄まであった。
「なるほど、回数制限があるのか…」
回数制限…どの能力も10回しか使えないのか。なら激レアな能力も10回しか使えないんだろうな、あの確率ほどじゃないが少し残念な気持ちになっちまうな。
「というか、もしかしてもう使えるのか…?ソシャゲみたく何か編成とかそういうすると思ったが…」
試しに、能力が使えるかどうか1番わかりやすいであろう「指先から火花が出る」能力を使ってみることにした。
「出ろ出ろ出ろ…フッ!!うわっまじで火花出たァ!!」
なんとなく指先を念じてみると、本当に指先からパチパチと小さな火花が出る。
「マジでやべぇわ…!完全に主人公じゃねぇか俺…!」
指先から出る火花を見つめながら驚きと興奮の最中突然思い出したかのようにUIを見る。すると1番上の欄に俺が今使っている「指先から火花が出る」能力が載っており、その横には使用中と書かれていた。
そしてやはりと言うべきか。能力一覧の中にある「指先から火花が出る」の横に載っている回数制限が10回から9回になっている。
「なるほどな…面白いなこの能力、うん…かなり面白い…」
薄々気付いてしまっていた。カスみたいな能力。ガチャの確率。そしてほんの少しの回数制限…いや確かにチートな能力なのを期待していたよ?能力ガチャってめちゃくちゃ強そうじゃん?
けどさ…この能力…強い能力は絶対引けないから無理じゃん…。弱い能力をやりくりすればって思ったが…その弱い能力が使い道なさすぎる…なんだよ指先から火花って…どこで使えるんだよ…。
「………まぁ面白いからいいか…」