転生×転生=多重転生?   作:匿名の読む専

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えい、第19話始めっぞ〜
時間空いたせいで頭の中の展開が飛んだから書き直さんと…面倒くさ、何はともあれ20話で七つの大罪を完結させて次の章に行きたい。
場合によっては打ち切り並みに雑な終わり方する可能性も…。

[あらすじ](初の試み)
前回は主人公が改めて長命種になった自覚を強めたね。
今回はちょっと主人公がそろそろ力を持て余しすぎてその内星ごと破壊しかねない気がするし強化の余地がかなり減ってるから手加減越えてセルフ封印してもらうかな〜っておもてるよ…。
じゃあ第19話スタート〜


これまでの旅×これからの旅=何時かは消える物語

 

 

 

〜主人公視点〜

 

最初に立ち寄ったあの村を出てから約1950年程の時が経ち、メリオダスは色々な文化や営みを見て回り、たまに今までの旅路を逆走したり、様々な出会いと別れを繰り返して居た。

 

ホントこの旅は…一瞬で過ぎ去る様な時間なのに…一つ一つが濃ゆすぎて十年が百年に感じるような旅だ。

でも、終わってみれば一瞬だった様にも思える…おかしな話だ、出会う奴等はどいつもこいつも予想出来ない様な出会いや鮮烈な別れを経験させてきやがる…その殆どは人間だってんだから…誇らしいやら寂しいやら。

 

そろそろ前旅に出てから()()()が経つ…千五百年前から流石に五百年周期は長いと思って五十年旅したら天空宮に帰る事にして居る。

最初に時間を五百年に設定したには理由があるのだが、思ったよりあっさりとその理由…というか問題が解決したので実は最初も五百年経たない内に帰っても良かったり…引っ込みつかなくなった気がして結局帰らなかったけど。

 

それはともかく、今はまた五十年の旅を終えて今の家へ帰る道中だ、隣にエリザベスとマーリンも居る。

つい70年ほど前にエリザベスは女神族の長という役目を次代に託し自由に動ける様になったので連れ回してる。

 

長の座を降りた時俺はエリザベスと共に天空宮から地上に引っ越した、マーリンは千年前からちょくちょく俺の旅に着いてくるようになった、正直かなり助けられてる。

 

今はマーリンに頼んで何時でも出し入れ出来る家を持ち歩き旅の途中で気に入った村や街に五十年ほど住んで次の旅に出る時に引き払う事にしている、いつもありがとうマーリン大先生

 

ふぅ…しっかしこの景色も随分変わったな…結構な頻度で通ってる気がするのにいつの間にか二百年とか経ってる。

長命種の感覚に大分染まってるな〜って実感するな…まぁ70年前をついこの間みたいに言ってる時点でお察しだが。

 

そうだ、歩きながら今までの旅で出会った景色や人間達の事を少しだけ思い出してみよう。

人間と獣人以外の4種族の友達はまだまだ現役バリバリって感じで生きてるから、エリザベスにまだ話してない奴等のことも話しておこう。

 

エリザベスはどうな反応をするのか楽しみだと、上機嫌に笑う俺をエリザベスは少し不思議そうに見る。

そんな彼女に今までの俺の旅であった事を話したいと告げる。

 

「アナタの思い出話?」

 

「今回の旅は今までの中でも結構忙しない旅だったから、あんまり思い出話をする機会が無かっただろ?丁度いい機会だし道すがらにでも話してみようと思ってな…聞いてくれるか?」

 

「ええ!とても興味があるわ、今までもアナタは帰ってくる度に凄く充実したような顔をしていたもの!ずっと聞いてみたかったの!」

 

「私も興味があるな、お前の旅は毎回いつの間にか壮大な冒険になる…私が知らない物語も多そうだ」

 

そう言って目を輝かせるエリザベスと少し呆れたような目をして居るマーリン。

ふむ…エリザベスに期待されてる…うし!今までの旅の中でも特に思い出深い者達の事を話そう…称号もオンにしておくかな、世界を巡る旅人の効果で話上手になれるし、この二千年で培った話術と組み合わせたら絶対に楽しんでもらえるはず!

マーリンも知らないエピソード結構あるし二人とも楽しんでくれると良いが…。

 

時系列的に順を追って話していこう。

 

まずは弓使いの女との出会いからかな…語る前に思い出して記憶を整理しなきゃ………

 

 

 

とある谷底で出会った弓使いの女…彼女はまぁデタラメだった。

職人の村を出てから十年程経ったある日のことだ、山で足を滑らせて深い谷へ落ちたと言う女に出会った。

その女は、谷へと落ちた時に弓が壊れたと言い途方にくれていたので、少し前に立ち寄った村で譲り受けた弓を貸す事にした。

 

最初はこの深い谷に落ちた事より弓が壊れた事の方が困るのか…なんて思いながら弓を貸してみたのだが、なんと驚いたことにその女は貸した弓で谷に斜めの穴を空けて、歩いて深い谷を抜け出したのだ。

凄まじい勢いで飛んでいく矢は雲までもを引き裂いていた。

 

その後、彼女の弓の腕前に惚れ込んだ俺は早速彼女へと弓術の弟子入りを申し出た、食事を作ったりもした。

そうすると彼女はかなり渋ったが最後には料理を教わる代わりに教えるならと折れた。

料理が決め手か…フッフッフ…楽なもんですな。

 

それから、彼女とは20年程旅をした…その道中で俺は彼女に弓と森の歩き方を教わったし彼女は俺から料理と酒作りを学んだ。

 

おかげで今ではどんな所でも最適の道がまるで光っているように見える…森の中ではそこらの野生の獣よりも身軽に動ける自信があるな。

 

そんな彼女のデタラメなエピソードは結構ある。

 

雲の上に居る天空魚を正確に射抜いて撃ち落としたり。

 

とある国の貴族に雇われ数十里里離れた山に巣食う魔獣の群れを弓一つで殲滅させたり。

 

伝染病が流行り高くそびえる岩山に阻まれたせいで医者を呼べない村では山を穿って反対側と直通の道を作って見せた事もあった。

 

彼女は頭も良く、大胆と言うか度胸がある判断力を持っていた。

時には自然の精霊達との勝負で知恵比べを挑まれ全戦全勝、精霊達の力を無償で借りる事が出来る様になったり。

 

余り目立たなかったが彼女は足が速かった…とある平原の主として君臨していた大きな六本脚の馬と速さ比べで競って勝利した事もある。

因みにその馬は魔獣だったが知性があり温厚な部類だったので討伐はしなかった。

馬刺し…

 

旅の果てには弓矢で戦争国の周囲の大陸を引き裂き国境を築いて見せた。

 

弓の腕前では全ての種族を含めても彼女に勝る者は居ないだろうと言われる程の英雄として名を馳せていた。

…まぁ俊足と慧智の逸話は広まらなかったが。

 

そして旅の道中、彼女は俺が人間では無い事に気が付いていたのだろう、己の死に際を見せるのは酷な事だと言って俺が彼女の弓術を越えたら己は旅を終えると言い放つ。

 

闘級や特典の才能と称号の身体制御能力を持ってしても20年掛かったのがホントに意味わからん…こればっかりは化け物じみてると言わざるおえない。

 

そして俺が弓の腕で彼女を越えたとき、彼女はとある村に腰を落ち着け、料理と酒作りを伝えると言った。

その村の名は()()()()、今でも稀に立ち寄る程には栄えた村になっている。

 

因みに、彼女の子孫とは代々知り合いだし仲良くさせてもらっている。

村人は俺の事を知らないが彼女の家系は俺の事を忘れない様にと絵本まで書いてくれていた…少し恥ずかしい

 

 

そしてまた数十年が経った頃、薬学を千年先取りすると謳われる天才薬師の男に出会った。

 

彼はさすらいの薬師、10数年程の付き合いだった、その時代にそぐわぬ知識と薬の調合の技術は様々なトラブルを呼び込んだが、退屈はしない旅だった。

 

ある時は幻の薬草を採る為に魔界へその身一つで飛び込んだり。

 

またある時は気まぐれにありとあらゆる傷や状態異常を回復させる薬…と言うかエリクサーみたいな薬を作ってみせたり。

 

挙句、不治の病と言われる伝染病にかかった自国の王妃を城に乗り込んで無理矢理治し報奨として国宝扱いされている純白の釜を要求するなど、破天荒極まりない馬鹿だった。

 

しかも彼は何かとトラブル体質だった…巻き添え食らって投獄されかけたり、謎の薬で二人とも女体化したり、何故か死者の都に迷い込んだりした、死者の都ってこの時代から入れたんだ…。

 

改めて考えてもアイツのトラブルに巻き込まれすぎてるな…俺。

イヤそんな事はどうでも良くて…俺は彼の調薬の技術を教わりそのかわりに彼の旅路を守る、そういう約束で旅をしていた。

 

十年目で彼の薬師としての知識と腕前を全て吸収し、色んな街や村では救世主なんて呼ばれた事もあったな…その全ての動機が自分の調合した薬の実験をしたいからってのがアレだがね。

 

彼の魔力は素粒子まで見通す目だったから薬を作るときの配分のミスとかが一切無かった…俺もあの魔力をコピー出来たからこそ十年で覚えられたが…出来なかったら才能(全)あっても千年は掛かってたと思う…。

 

一番思い出に焼き付いているのはアレだな…魔獣を倒す薬を作ろうとして何故か史上最強の媚薬を作り上げたエピソードだな…正直、奴はかなり中性的と言うか…髪が長ければ女と見紛う程には優れた容姿だったし抱けるって奴も居そうだが、俺はノーマルだし野郎は目に入らん。

 

あのバカ俺は男だし婚約者居るつってんのに問答無用で飛びかかってきやがった…イヤ速攻叩きのめして川に放り込んだんだが…あの薬を魔獣に使ったら確かに魔獣は即死したけど…人間に使うと凄まじい媚薬効果を発揮するので作るのを禁止させた代物だ。

…このエピソードは二人に話さないでおこう…そうしよう。

 

旅の終わりは彼がとある女性と恋に落ちた事だった。

彼はその女性に全力でアピールし続け、数年掛けて振り向かせることに成功、そのままゴールインして平和に…ンン、まぁ…なんだ…平和に過ごした様だ。

彼の子孫とは余り会うことも無いが、様子を見に行く度に歓迎してくれる。

どうやら先祖代々俺の事を言い伝えているらしい。

トラブル体質も先祖代々引き継いでるけどな…

 

 

そして薬師との旅を終えてまた旅をしていた時、この世の呪物を収集するのが生き甲斐と言う豪商の翁に護衛として雇われた。

 

きっかけはとある街道で翁が山賊に襲われているのを助けた事だ。

まぁ拾われたのはそれだけが理由って訳でも無いけどな…

あの翁とはたった数年の付き合いだったが、人間の老人とは到底思えない程エネルギッシュだったな…彼からは商人としての知識や物を見極める目、そして商売のイロハを教わった…市場の見方とかも教わってるから多分どこに言っても商人としてやってける程度には仕上がってると思う。

 

彼の収集した呪物は今俺が全て管理しているが…その総数は把握しきれない程だ、人間の一生分で集まる量とはとても思えない。

呪物は色々あるが例えば持つと常に虫の羽音が耳元で聞こえるようになる呪物や身につけると何故か全身が七色に光る指輪とか、そんなネタみたいな呪物もあったし…ヤバいヤツなら被ると自認が馬になって二度と戻らなくなる仮面とか、生命を斬る旅に鋭さと頑丈さが上がる剣とか…まぁ植物も生命の括りに入るからって今は農作業と家の手入れで有効活用してるけどな。

…長い事植物斬るのに使ってるからか呪いが少々変質してる気がするが気にしない。

後あの爺夜中にモスキート音の呪物を枕に仕込みやがったことは一生忘れん。

 

彼は商人としては超一流だったが人としては中々のダメ人間だったよ…手に入れた呪物のコレクションを三日三晩徹夜で手入れして大切な商談に遅れかけたり、何故か呪われた鍋で料理をしようとしたりと、私生活の乱れが目立つ爺さんだった。

 

だが商人としての腕前は圧巻の一言に尽きる。

 

とある街に巣食うマフィアの様な豪商を一月で破産に追い込んだり。

 

迷い込んだ吸血鬼の国では国王に直接商談を持ち込んで国庫の呪物を根こそぎ掻っ攫ったり。

 

挙句の果てにはブリタニアの国々の中心に商業の街を築き上げた程だ。

 

何でも老い先短い人生ならいつ死んだ所でさして変わらん!ならばやりたい事や面白そうなこと全部やり遂げる!とか言ってたな。

 

それで一大国家に引けを取らない程の力を持つ都市を作り上げちまうんだから凄まじい。

定期的にゲーミング翁になるのはやめてほしかったけど

 

偶に魔獣か何かと勘違いした騎士に斬りかかられてたのに全く懲りなかったんだよな…凄まじい速度で逃げるもんだから一時期は都市伝説呼ばわりされてた、今なら分かる…バカと天才は紙一重ってこの世の真理だ。

 

旅の終わりはまぁ…寿命だった、翁は俺が人間じゃ無い事を知っていたし、周りにおいていかれる辛さも理解していたがその上で、いつまでも知らないままではならないと思っていたらしい、彼の残した日記には、こう書かれていた。

 

人はいつか死ぬものだ、人間、妖精、巨人、女神、魔神、誰もがいつかは終る、それは悲しい事だがこの世の理だ。

そして次の時代に託すための大切な儀式、生きる者は皆何時かは死ぬ、それを教えるのは肉親の役目だが…お前さんどうもその辺複雑みたいだからな、俺がその役目を貰っておくぜ。

お前はきっと俺の人生に悲しみはすれど惜しむことは無いだろうな…なんせ俺はこの生を全力で走りきったからよ!でも、泣きたい時は泣いても良いんだぜ?それは野暮でも何でも無い、お前が前を向くために必要な事だからよ。

 

達者でな。

 

Ps.あの夜お前のオートミールを食ったのは俺だ!言い出せなくてすまんな★

 

なんだかんだで、寿命による人の終わりを看取るのはこれが初めてだった。

あの爺さんは俺がずっと考えて居た事をあっさりと否定してくれた…そしてやっと気づいたんだ、泣きたい時は泣いたって良いんだって…そうして俺は人の死と、次へと繋ぐ生命の尊さってやつを今一度学んだ。

それはともかく図に乗るなよジジイ…誰がテメエなんぞのために泣くかよ、そんな風に強がったりもした。

まぁ実は俺、前世も今世も涙腺の発達不全で涙は出ないけど、それでも泣くことは出来てるしオールオッケー。

 

でもあの爺は許さん…!ちょっと見えるか見えないか位の小さい文字で書いてる当たりが最高に小賢しくてムカつく…!?オートミール返せクソジジイ!

 

 

次に出会ったのは自国の王女と恋に落ち、婚約する為に龍を討った武闘家だ、俺はその男の友人兼恋愛相談役として面白おかしく日々を過ごした。

 

奴との出会いはかなり些細な事だった、酒場で偶然相席になって見た目年齢が近かったから話したら意気投合しただけ。

 

それからと言うもの、街でバッタリ出会ったり飯屋で隣になる事が続き気付けばお互い親友の様に仲良くなっていた。

 

奴は齢15歳にしてその国最強の騎士と正面切って戦えるほどの天才格闘家だった…何でも平民の生まれで貴族達にコケにされるのが気に障ったからって貴族の屋敷に乗り込んで全員殺さずブチのめして帰ったらしい。

 

一時期は国中の騎士達が彼を捕らえようと押し寄せてきたが、その尽くを返り討ちにした…やがて最強と呼び声の高い騎士を返り討ちにした頃、なんと驚く事に王宮から正式に我が国の騎士にならないかと言う書状が届いた。

 

彼は面倒くさそうな顔で断っていたが、王宮は諦めずに書状を送り続けた、やがて面倒になったのか彼は王宮に直接乗り込んで断りに行ったのだが、そこでその国の第一王女と恋に落ちたらしい、その日は特に騒ぎを起こさず…と言うか誰にも気づかれずに帰ってきた…あの時はアイツ暗殺者だったっけ?とか疑問におもったな…。

 

それからと言うもの、アイツはほぼ毎日王女に会いに行っていた、ある時は屋根を伝ってこっそりと、またある時は正面切って堂々と走り抜けて侵入を繰り返して…最初の頃は城の者達も大問題だと認識していたが結局奴はただ逢瀬を繰り返すだけ。

 

最終的にはもう皆諦めてたし国民は今日こそ捕まるかと国の一種の名物として賭事にしていたのは笑えた。

ある日アイツは国王に王女と結婚したいと迫り「認めねぇならこの女勝手に貰ってくぜ」なんて言い切った…王女も満更ではなさそうと言うかむしろノリノリだったもんで国王も困り果てていたらしい。

そうしてどうするか考え抜いた国王はその武闘家に娘がほしいのならば覚悟を示せ、と言い試練を与えた。

 

王女もアイツもどうせ生涯を共にするなら正式に認められた上で祝福されたいという思いはあったらしく、その試練を受けた。

 

試練は3つ、知恵と勇気と力を見せてみろと言っていた。

ソレ聞いたときはどこのトライフォースですか?と思わず聞いてしまいそうになったな…。

 

知恵の試練はありきたりな事だった。

とある魔法の言葉を用いて城の宝の箱を開けること、それを知っているのは王族とその側近である魔法使いのみ。

 

王の側近である魔法使いが3つの立石に言葉を話させた。

立石は「常に真実を語る」石と「常に嘘を語る」石と「気まぐれに語る」石が居た。

その石たちにはそれぞれ1つずつ質問が出来る、石たちの中から答えを教えてくれる石を見つけ出して魔法の言葉を聞き出す事、アイツは地頭は悪く無かったからすぐに答えを当ててみせた。

 

勇気の試練はその国の南方に位置する虚影の洞穴をくぐり抜ける事。

虚影の洞穴は、大昔、とある魔神族の手によって作られた場所だ、作られた目的は誰も知らないが。

(※もしかしてゴウゼル…まさかね)

 

洞穴に入るためにはルールがある、ルールは五つ。

一、洞穴の中には衣服と己の身一つで入らなくてはならない。

二、洞穴の入り口から出てはならない、必ず出口から出ること。

三、洞穴の中で魔力を使用してはならない。

四、明かりを灯してはならない、暗闇の中を照らさないこと。

五、その洞窟の中ではけして走ってはならない。

一つでも破れば即座に入り口まで戻され、そこには国の兵士たちが居るので誤魔化しは効かない。

 

その洞窟の中では入ったものの恐怖が幻となって現れる。

過去の自分、失った大切な何か、勝てなかった敵、自分の死。

そんなビジョンが次々と押し寄せるが幻を倒すことは出来ない。

ただ前へ進み続けることでのみ試練を越えられる…のだが、アイツはどうも恐怖にはいい意味で鈍くて、過去の自分は今を育てた恩師、失った大切な何かは次失わない為の誓い、勝てなかった[敵]はそもそも居なく、自分の死はそうならないために強くなるとか滅茶苦茶言いながら洞窟をくぐり抜けた。

 

そして力の試練は国の地下に居着く巨大な龍を討伐する事だった。

何でもこの国は龍の背中の上に作られていたらしい。

当時の人々はまさか己の立つ大地が龍の背中とは思わずにそのまま城を建ててしまい、150年前にその龍が目覚めたせいで国は壊滅的な被害を被ったのだとか。

 

以来その龍は50年に一度目覚めて国の一部を破壊してからまた眠るのを繰り返している、そして次の年が丁度前回龍が目覚めた日から五十年目だそうな。

 

まぁ全てを語ると長すぎるので端的に言うと、アイツは龍が目覚めるまでの間は俺と共に修行に明け暮れた、アイツは俺という圧倒的な怪物との戦い方を学び、俺はアイツから武闘家の体捌きや体術を学んだ、やっぱし人間の力の振れ幅バグってるよ…。

 

そうして1年の修行を終えた後、アイツは目覚めた龍に挑んで三日三晩戦い続け、最後は龍の体内から全力で暴れまわって頭を砕いた。

 

俺は万が一アイツがやられた時の事を頼まれていたので街から弓を構えて見ていた。

 

手助けする気は無かったさ、ただ弓を構えてると凄く目が良くなる称号を持っていただけ。

 

ともかく、アイツは国を背に乗せるほどの巨龍をその身一つで討ち取って見せた、国王もこれを認めぬわけにはいかぬと渋々ながらも王女との結婚を許した。

因みに蛇足だが、その巨龍の死骸を残し続けると腐って伝染病の元になりかねない、かと言って動かす事も出来ないので、取れるだけの肉を取ってから俺が獄炎で焼き尽くしたと言う裏話もあったり…その肉はまだ残ってるしメニューのショップで購入可能だ。

バチクソ美味い…ショップがあって良かった…。

 

その後は国民達の強い要望もありアイツはその国の王になった、それからのあの国は龍の骨から漏れ出る魔力で土壌が豊かになり、農業が栄えた国として繁栄して居る。

その規模たるや現在から千年前に大陸全土に広まった大飢饉すら凌いだ程だ。

 

アイツの話は現代ではかなり脚色されているが神話として残っているし、あの巨龍の骨は王都の周りをトグロを巻くようにして現代まで存在して居る。

 

その神話に実はこっそりと俺も登場している、と言うか色んな英雄譚とかに俺と思わしき存在が出てくるもんだから金髪翠眼の子供は英雄と共にある者〜なんて言われていたり。

 

あの国には十年ほど滞在した…国を出る時は王都中の人々やアイツ、まぁ武闘家と王女も見送りに来てくれたし、皆には凄く別れを惜しまれたが、それでも快く見送ってくれたアイツらには感謝してもしきれないな。

 

今は偶にその国に立ち寄るのだが、アイツの子孫はこの国に来る度に俺の事を歓迎してくれる、何でも俺の絵が国宝として残っているのだとか、凄く恥ずかしい…

 

 

それから半世紀ほど経ちとある山岳でカラクリで出来た動く街を作り上げた女に出会った。

 

奴とは大体60年の付き合いだったかな…最期も看取ったよ。

正直言って奴との初対面は最悪だった、倫理観と道徳心を知ってるが持ってない、そんな感じの女だった。

一応人の心はあったから良かったものの危うく世界の為に討伐する事になりかねなかった、だってほっといたらラピュタ作りそうだったもん…生まれ変わって随分経つから前世の記憶とか殆ど飛んでるけどラピュタメニューのおかげで覚えてる、十戒の全力と同等かそれ以上の殲滅力を持つ兵器の量産は洒落にならん。

前世のお母さんラピュタの本買ってくれてありがとう…(クソデカボイス)

 

そんな奴との出会いは俺が気まぐれにロッククライミングを楽しんでいた時、偶然奴の作った大砲が俺が登ってた山に打ち込まれて山ごと吹き飛んだ時だった。

 

いきなり何すんだよって文句言いに行ったら生きてる事に滅茶苦茶驚かれたな…自分の兵器には相当の自信を持っていた様で要約すると俺が居るのに気づかず撃った事は謝るけど当たったなら大人しくくたばれ、みたいな事を言われた。

中々カスな女だったな…それから奴は何故か俺の旅に勝手に同行する様になったのだが…アレはいつぞやの薬師にも負けないほどに破天荒と言うか予想がつかない女だった。

 

2年ほど滞在していた重化学工業が栄えた街では数日姿を消したと思ったらその街全ての職人に生産力と技術力で喧嘩売った挙句全戦全勝、個人で工場に勝つとか言うトンチキ事になったのはこの世界に魔力とかそういう神秘が満ち溢れている故だろう。

 

その後奴は街中の技術者の技術を吸収した後独自に昇華させて職人達の心を次々と折っていった。

その結果一時期街の生産力が大幅に落ちたのだが一部の折れなかった職人達の成長が著しく、2年が立つ頃には大体これまでの3倍以上のクオリティと比較にならないほどの生産力を身に着けていた。

 

因みに俺はこの街で凄く久しぶりに挫折した、初めて農業に挑戦した時以来だった…ガチャで才能の底上げしても生産力だけはカスだった、と言うかむしろ才能が邪魔して来る、一つ一つ作る度に足りないものが見えすぎて修正しまくってた結果クオリティだけはそれこそ神器に引けを取らない芸術品みたいな事になる、集中力使いすぎてキツイけど。

何か一つ作る度に三日潰れる職人とか誰が依頼するんだと…いや別に職人じゃ無いし依頼を受けることも無いけど。

 

俺の挫折は置いといて、奴の職人としての技術や頭脳は本当にただの才能、天然物の天才だった。

そこに奴の魔力、[設計図(ルグの祝福)]が加わる事で天災が大天災に成ってしまったんだよな…。

 

奴の魔力の効果は全職人垂涎の代物だ、作りたいものがあるならばそれの設計図が頭の中に浮かんでくる。

例えどんなに有り得ないものだろうが技術さえ噛み合えば何でも作れるし足りない技術があるならそれを会得するための道筋も浮かぶ。

 

さらにヤバいのが一度作った物を魔力でコピーして何もない所から出す事が出来る、つまり一度作ったものは一瞬で、且つ無限に手に入る様になる

 

生産力がヤバい原因だ、誰が勝てるんだこんなん…魔力を模倣した俺でも勝ち目が無いわ…いやそれはクオリティに拘ってるせいもあるけど純粋に奴の技量がバグってるのが悪い。

 

色々無茶な物作ってきたが、奴がある日突然カラクリで出来た街を作る等と言い出したときは何言ってんだコイツってシンプルに疑問に思った。

でもその後やるに決まってんだろってなった当たり大分ロマンに染まった自覚はある。

 

歯車で動く街って何だ…そもそも歯車自体この時代ではかなりのオーパーツ…まぁファンタジー混じってるからある所にはあるけど。

 

設計図と奴の生産力を持ってしても30年掛かったのは絶対にクオリティに拘ったせいだな、それでも俺以上の速度で俺と同等のクオリティに仕上げて来やがる…何気にアイツに工業の分野で勝てるようになるまで五十年掛かってるんだよな…しかもその勝ちも年に邪魔された節あるしな。

 

だがそこまでやった分完成した街はとんでもない事になった。

 

見た目は全長200kmほどの大きなカラスだ。

名前は[カーンドゥフー(黒い巨鳥)]、空も飛べる…何回解析してもどう言う仕組で飛んでるのか分からん…いや仕組は分かるけどどう言う計算式でそんな事思いついたのかが全く分からん…まぁそういう工程すっとばせるのが奴の魔力だ、だからこそたった30年で、且つ二人だけでこんな物を作れたのだが。

 

一番デタラメなのはこのカラスがどんな動きをしても背中にある街には何の影響も無いという所だな、後何故か潜水も出来るし酸素も作れる。

 

カラス自体がバリアーみたいな膜で覆われてるからもしかしたら宇宙行けるかも、コイツ歯車仕掛けのクセにSFすぎる…いつかこれを魔力無しで作れるようになるかな…少なくとも三千年じゃとても足りないな、間違い無く。

 

そうして出来上がった街はもはや街と言うより小さな世界のようだった。

背中の上には巨大な街が広がっており、ともすれば巨人族も暮らせるほどの広さはある、なんなら実際巨人族を想定した居住区が存在するし巨大な森や火山すらある。

 

水も魔力頼りの謎技術で無限に生産できるから川や湖もあるしトイレは水洗式だ、これは俺が提案したんだが。

 

人間だけでは無く巨人や妖精、女神や魔神だろうが、その他のどんな種族でも快適に住める様な場所…この世界の時代設定的にも理想郷の名を冠しても良い神秘的な仕上がりだ。

 

これは蛇足だが前世の記憶はほぼ擦り切れているけどショップで漫画とか買うことが出来るから所々覚えてる事もある、その一つに時代的な事も含まれているのでこんな感想を言えるのだ。

ニンテンドーSwitchも使える、ソフト限定だしオンラインは無理だしYouT◯beもHu◯uもアマ◯ラも見れないけど…スマホ使えないしね。

 

話が逸れたな。

 

奴の作った理想郷には防衛機能がある、ラピュタの雷みたいなビームも出せるしゼルダ無双のヴァ・メドーみたいに風を操ったり斬撃っぽいの出せる、さらにはその理想郷に住む、と言うか配置されているゴーレム達が大砲やビーム砲を乱射してくるし近接もゴーレム達がこなせる上カーンドゥフー自身もこなせる。

カーンドゥフーは基本音速で動いてるからその勢い+コイツの質量で攻撃されたら十戒クラスでもそこそこのダメージを負わせられる。

 

四大天使を二人相手取っても撃墜出来るくらいの戦力は整えてる自信あるけどそんな超兵器野放しに出来ないので今は俺のヒミツの隠れ家に入れて好きに飛ばせてる、基本雲の上に居るが時々会いに来る事もある。

 

最近なんか付喪神にでもなったのかと思うくらいはっきりと自我を感じるんだよな…。

 

そんな奴との日々は中々に滅茶苦茶で楽しかった…あの女自身がロクデナシだったから遠慮なく接することも出来た…いわゆる悪友って奴かな…まぁ流石にあのカラスを放っておくのはマズイという位の良識はあったらしい、己の死後はアレの管理を俺に任せると言って来た。

 

流石に三十年見た目が変わらなきゃ人間じゃ無いってバレるわな、別に隠してた訳でもないけど。

 

そんなこんなで紆余曲折経て完成させたカラクリ仕掛けの街の名はアヴァロス。

 

まぁこの世界まだアヴァロン無いし…ちょっとパク…リスペクトさせてもろただけだから…

 

そうして俺達はカーンドゥフーに乗り雲の上を飛びながらまた30年近く旅をしていた、そんな旅の終わりは案の定寿命だ…あの女ババアになって益々ウザさが増したと言うか老いて益々健在どころか強かさとか図太さ増して最後の最後までとんでもねぇ悪友だった。

 

別に何か劇的な事があった訳でもなくただ雲の上での生活があっただけ、俺が乗ってるせいで偶に次元の壁乗り越えてどっか迷い込む事もあったけどそんなウッカリは無かった事にしておく。

 

奴は結局最期まで独り身で生涯を全うしたが、自分の意識をゴーレムに移して好き勝手旅してる。

アレを死んだと判断して良いのかは甚だ疑問だが死んで欲しい訳でもないので良しとする。

 

奴は今どうやらブリタニア中で物作りの神様として信仰されている様だ。

多分その内調子乗って何かやらかすだろう。(確信)

 

今思い出した5人は最初の五百年であった中で特に濃ゆかった連中だが、コイツらに負けず劣らずの奴は他にもいる。

この二千年で人間以外の4種族だけじゃ無い、吸血鬼や人魚、獣人にドワーフ、エルフもいたし珍しい所で言えばブギーマンなんかにも出会った。

ブギーマンはしっかりぶっ飛ばしたけど、アイツ概念的存在に近しい存在だから定期的に湧くんだよな…ほっといたら人間の子供攫っていくから野放しに出来ないってのがね…。

 

今は人との出会いに焦点を当てて語っているけど、種族ぐるみで関わったり大きな旅団や船団に加わった事もある。

 

空の上には天空宮の元になった天然の浮島とそこに住まう民に生身で空を飛ぶ方法を教わった…(今世はあんま意味ないけど…)

ある船乗りと共に大海原を渡り、巨大な海の怪物共や幽霊船と一戦交えたり知恵比べしたり、その道中見つけた海底にあった人魚と魚人の国では泳ぎ方や水中でも呼吸が出来る秘宝を譲り受けた。

水と共に生きる村では村人と共に全長数マイルの巨鯨を狩ったり。

火山の麓にある村では噴火を押し返す儀式魔法を見たり。

砂漠化した国では塩やスパイスの使い方を学んだ。

大きな山に穴を開けて住まう音楽を愛する民とは舞を通じて仲良くなった。

獣人の集まる島では最初は針の筵と言うか村八分みたいだったけど数年掛けて獣人の盟友として認められたり。

古代の人間が作り上げた遺跡の迷宮はロマンがあったな。

地底には魔界とは違う世界が広がっていたりもした…炎の壁のラインに重なって無くて良かった…最初たどり着いた時は冷や汗止まらなかったね

 

そんな彼ら彼女らの名前は友人帳に乗っている、まぁ、別に会えないわけでもないし。

 

というのも、実はこの友人帳は死人の名前を呼ぶと一時的にだが彼らをこの世に呼び出すことが出来る。

 

Fateの英霊的な感じで来てくれる様だ、あちらが答えない限りは呼び出せないのだが…死者の世界は中々退屈な様で、今の所呼び出し拒否された事は一度もない。

 

最近呼び出した例だと、実は名前を書いてもらっていたゲナクを呼び出して新しく作った酒で酒盛りをした。

(※最近=100年前)

 

家に戻ったら改めて紹介するかな…今回の旅では地底の大冒険…エリザベスも初めての旅がこんな大冒険だった分、かなりワクワクしたようだし、期待して聞いてくれるだろう。

 

そうして、帰り道の道中、これまでの旅の話を二人に語りながら歩いたのだった。

 

 

 

 

〜数十年後〜

 

 

 

〜主人公視点〜

 

 

マーリンとグロキシニアに頼まれていた俺の旅の小説を執筆していた時の事だ…膨大すぎて五十年じゃ全部書ききれんぞ…ドロールとグロキシニアは千五百年前にそれぞれの種族の長を引退して今は隠居して居るが交流は今でも続いている。

 

巨人族の戦士長は五百年周期で入れ替わっている様だ、妖精王は十数年前に2代目が面倒くさがって隠居して以来、新たな妖精王がまだ生まれて居ないらしい。

聖戦が始まった時も戦争を嫌がって行方を眩ませてたし…アイツさては隠居の味占めたな…?またその内グロキシニアに連れ戻されるのがオチだろうけど2代目も千年以上妖精王の務めを果たしたし、そろそろ世代交代しても許されるだろって愚痴ってたからこれを機に3代目を神樹に選ばせるつもりだろう。

 

とは言えゲラードとある人間の子孫が森の守護者として代々妖精王に仕えており、彼らの実力は並の魔神族なら容易く返り討ちにしてしまうほどなので数百年は問題無いらしい、だが妖精王が居ないと森が枯れてしまうので妖精たちは血眼で2代目を探しているのだとか…グロキシニア隠居してる場合じゃ無くね?

 

巨人族は引退した戦士長達がブリタニアで武者修行をしている様で、どこに言っても巨人の伝説を聞く。

岩の巨壁を作り上げて津波から街を守ったとか

斧一振りで山脈を切り拓いたとか

そんな噂がブリタニアの各地で聞こえてくる。

 

ドロールの迷宮と言う巨大なダンジョンの話も聞くな…戦士の憧れの地として有名だ。

実は俺がドロールに色々吹き込んでロマンに突っ走った結果だったり…

 

女神族は聖戦以来殆どが空の上に引きこもって出てこないがリュドシエルを始めとして地上と交流のあるやつも結構居る。

 

地上に降りてきている女神族の半数近くは他種族と恋に落ちて子をなしている、人間の国では女神族の末裔として王族並みの権力を持つ貴族も居る。

 

天空宮に居る女神族の顔ぶれは聖戦の時から殆ど変わらない、極稀に新顔が居ることもあるけどほぼ全員顔見知りだ。

女神族って寿命あるのかな…?

 

魔神族は未だにゼルドリスが魔界の王として君臨している…聖戦時の連中は殆どが寿命で逝った、未だに生きているのはゼルドリス、メラスキュラ、グレイロード位だろう…黒の6連星?が天空宮で封印されているので一応そこも生きてる判定か?

 

魔神族の中でも一際中の良かった奴等は軒並み寿命で逝った、まぁ魔神族の平均寿命って千年位だからな。

グレイロードはなんかもう例外だろ…最近人間の国で悪さして封印されたとか聞いたけど何したんだろうか…?

 

因みにモンスピートは聖戦終結した時に沈黙の戒禁も無かったので速攻でデリエリに告白、電撃結婚してたね、デリエリも少なからずモンスピートの事を良く思っていたのだろう、ご祝儀代わりにショップで価値のありそうなものとかそれまでの旅で手に入れたお宝ありったけ渡したら怒られた。

 

俺とゼルドリスは多分後千年は生きるだろうし、ゼルドリスも最近は十分魔界が豊かになったし次を任せられる存在、と言うか娘が育ったとのことで魔神王引退を考えているらしい、ゲルダと一緒に地上の何処かで隠居するつもりのようだ、多分ドロールの様に妖精王の森付近に引っ越すと思う。

 

あの辺かなりの秘境だからな。

 

そんな風に二千年前からの友人たちの事を考えながらそろそろ次の旅に出るかなと思っていたある日、メリオダスはふとインデュラ化に対しての考察を思い出した。

 

「そういえば俺闇との契約無視出来るよな…っていうか契約の工程だけ抜き取ってインデュラ化したら別に踏み倒す必要も無いんだがねぇ…その工程がどれか分からねぇし、踏み倒すしか無いかな…うっし!隠れ家でちょっとインデュラ化してみるか!」

 

かなり軽々しく決めた様子だが、メリオダスは確信していた。

インデュラ化で俺の自我が本能に飲まれることはまず無い、何故そこまで確信しているのだと聞かれるとまぁ、精神力だな

ヘルプで改めて良く調べてるんだが、どうもこの精神力って副次的効果で自我や理性の保護、と言うか正常な状態に固定されるらしい。

この正常な状態と言うのはどうやら俺の基準で設定されている様だ、でなければ俺は感情の起伏も出来なくなっていたかも知れないと思うとゾッとする、と言うか二千年前に知っていれば最初の旅で五百年とか言わなかったのに…。

 

「過ぎたことか…うっし!さっさと始めるかね」

 

隠れ家に到着っと、まぁ一瞬だけど。

コレ以上強くなる必要あるかと聞かれると別にそんな事も無いけど、それはそれだしこれはこれ。

 

グジュ…ズルズルズル!!

 

「おおう…凄げぇ痛い…気力のおかげでこんなもんで済んでるけど原作でインデュラ化した奴覚悟ガンギマリすぎやしないか?これ…」

 

己の胸を抉り、心臓を引きずり出す…痛いで済むのもそこまで躊躇いなく実践できるのも中々おかしい話だな…長命種マインドは完璧に染み付いたね…これが正常ってんだから人間との違いを思い出す…ほぼ覚えてないが。

 

「我が六つの心の臓を贄と捧げ、契約する!解放せよ!我が魂に内在する本性を!」

 

グググ…ズァ!!

 

体から瘴気が吹き出す…それはやがて形を変えて俺に纏わりつき全身が覆われる。

瘴気の濃さは煉獄のそれとは比べ物にならない程に強く、呼吸するだけで肺が爛れそうだ…

適応に成功した側から瘴気は加速的に濃さを増していく。

 

「ヴヴヴァァァァ…ア゙ゥ゙グゥ゙…ァ痛ダダダダ…!?」

 

喉や目からは血が吹き出す…ここまでダメージ負ったの初めてな気がする…マジで痛い。妖精王の魔力が指以外にも通るようになっちゃう…アレ魔力量の差とか無視してくるから中々反則じみてる。

だが何故か一向に体の変質が怒らないんだよな…体の中身が爆発的に変化して行くのは分かるんだけどそれが全部体内に無理矢理押し込められてる感覚だ、多分適応のせい…称号の適応もあるから速いけどその分負担がえげつない事になってる。

 

「これ…後数十分は続きそうだな…クォッ!…ッ!…痛ってぇ…心臓治しとくか…健やかなれ!」

 

少しでも痛みを減らしたいからとりあえず潰した心臓六つを治す。

なんかもう心臓7つ無いと落ち着かなくなったし、今更要らんとか言えないんだよな…二千年の付き合いだもん。

 

俺の魔力は称号の効果が合わさって効果が強まっている。

それは出力的な意味でも凄まじい程に強化されていた、直接女神族に種族を変えなくても今のエリザベスに一歩劣る位の強度で癒しの魔力を使える、つまり傷だけなら生きてる限り大体何でも治せる。

 

…?心臓治しても大丈夫なのかって?まぁ何の問題も無いな。

だってもう心臓捧げてるもん、捧げたものを返してもらった訳じゃ無いから今のインデュラ化には影響は無い。

それはそれとして凄く痛いが、この瘴気や体の変化に適応してきた。

特典の適応って体の変化にも対応してるんだ…正直助かった…これは痛すぎる…苦痛や精神を塗りつぶそうとする本能にもいい加減に慣れてきたとこだ。

後は闇が凄い勢いで干渉しようとして来るのをどうにかするだけだな。

 

「悪いとは思わんでも無い!獄壊斬(ヘルブレイク・スラッシュ)!!

 

久しぶりに新技登場だ、この技は最大圧縮した獄炎をロストヴェインに纏わせて世界の破壊者の効果を上乗せ、災いを払う者で闇との契約と言うほぼ概念みたいな現象に弱点、と言うか目に見える形にして物理的に破壊できるようにする。

仕上げは恒星以上の個人で出力を上げ続ける!称号フル稼働+インデュラ化の影響で爆上がりしたフィジカルで契約を焼き切る!

 

「ハァァァァ!!!」

 

ヴォン!!…ゴォォォ!!!

 

剣を振り抜いた瞬間、目の前が真っ黒に染まった…というよりはこの隠れ家の世界全てが獄炎で満たされたのだろう。

…この世界って現実世界の宇宙も丸々入るってヘルプに書いてたんだけどな…ホントに現実世界でやらなくて良かった。

 

「意識も理性も問題無さそうだな、インデュラ化の影響や力全部取り込んでから契約断ち切ったからかなり力が増してる…元が高いとその分上がり幅も凄まじいな」

 

現在のメリオダスと闘級

 

(インデュラ化前かつ素のメリオダス)

(魔力、600万、武力300万、気力100万、闘級1000万)

 

(臨界突破+殲滅状態のメリオダス)

(魔力、1300万、武力、900万、気力、100万、闘級、2300万)

 

(強化、称号効果、全部乗せ)

(魔力、2000万、武力2100万、気力、100万、闘級、4200万)

 

インデュラ化後

(デフォルトメリオダス)

(魔力、800万、武力900万、気力、200万、闘級、1900万)

 

(臨界突破+殲滅状態メリオダス)

(魔力1700万、武力2700万、気力200万、闘級4600万)

 

(全部乗せメリオダス)

(魔力2900万、武力3600万、気力200万、闘級6700万)

 

…俺はどこを目指してるんだろうか?

いやまあ今まで何となく数字上げるの楽しいな〜位の感覚だったし実際強くなって困る事も無かったけどこれは過剰過ぎるな…俺の手加減の技術が追いつかなくなる。

 

「とうとう武力が魔力を上回ったな…気力はあの痛みとか諸々耐え抜いた影響かねぇ?素で二万って原作屈指だろ、原作終盤のバンとかは行ってそうな気もするけど。」

 

何者なんだアイツ…。

 

そんな事はどうでも良くて、このまんまじゃ手加減した上で星ごとぶっ壊してしまうな…魔法で最大まで枷を付けても二分の一位にしかならんし…新しい封印の魔法作るかな。

 

次の旅までは後2年程度しか無いけどマーリンと協力すれば十分間に合うだろ。

 

そうして俺はマーリンに封印の魔法を作る手伝いをしてもらいに行くのだった。

 

 

 

 




と言う訳で、第19話終わり。
当初考えていた事が一部吹っ飛んだから2話に分けるつもりの話を一纏めにしたっていう、称号とかも大量に確保しているけどそこはまぁ次回書こうかな〜って思ってる。

そういえばこの作品の技名ってBLACK系とか怪天魔槍とか獄破斬はチャットGPTに頼んだけどこれってAI使用のタグつけたほうが良いのかな?本文には使ってないけど気になる…

女神族のオリジナル技の名前は西洋の神話や伝承から取れば良いから楽だけど魔神族とか闇関連は技名っぽいのないんよ…

今回大雑把に紹介した旅のストーリーは気が向いたら別の作品で番外編として書くかも?

夏場は暑くて何の気力もわかないね。

じゃ、また次回〜
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