ハイども、作者です〜
って事で、第2話始めるんだけど。
今回主人公はあんまり全力で動けません、それでも最強に違いないんですけど。
今世の主人公の敗北条件は誰か一人でも身近な人が死ぬ事。
それを阻止する為に全力出したら余波で島が吹き飛ぶと言う…主人公が全力を出せるのは結界術で隔離した空間か人の居ない空間位ですかね。
少し展開を変えるにあたって影澪に慎ちゃんの記憶をスキャンしてもらう事になるけど…原作ファンの人、勘弁してくだせえ
じゃあ…第2話スタート!
〜主人公視点〜
午後20時15分
「マズイな…時間がなさすぎる」
さっきの戦闘で十分近く時間食ったのがまずかった…!
島民を殺せと言う命令がでたのが大体19時頃…それから島中駆け巡って影を殺して回った。
そしてあの二人と交戦したのが大体19時55分頃。あれから約20分、そんで島中の影を殺しまわりながら移動してるせいでまっすぐ神社に向えやん…タイムロスが激しすぎる…それにさっきから影がアチコチに散らばっとる…影を殺し回る存在にはもうとっくに気づかれとると見てええな。
経路的にも島の外側から神社に向かって渦巻くように殺しとるせいか…目的地に勘付かれとるみたいやな。
とは言え全部見捨てて網代慎平に接触するにしてもどこに居るか分からん…探しとる間に犠牲者が増える。
仕方がない…合理的な判断をすべきやな…ここから神社までは俺なら走って約20分、跳ぶのは目立ち過ぎる…しおりちゃんやシデに気づかれたらこの先色々面倒や、まだ隠れておきたい。
この調子で影を殺し回りながら走って向うと9時なんかあっという間に過ぎてまう…クソッ…
「ゴメン…全員は助けられへん…でも必ず敵は取るし、助ける…!」
網代慎平(影)は島民全てを救う事を諦め、神社へと全速力で駆け出した。
………………
20時30分
「どこにおんねん…!?」*1
網代慎平(影)は神社の参道、夏祭り会場を駆け抜けて網代心平を探していた。
「しゃあない…お見送り*2の会場行ったらその内現れるやろ…時間食うけど待つしか無いか…鳥居の前張っとったら流石に見えるはず…」
とは言え境内に出たら流石にシデに気づかれる…もし俺を本物と思って話しかけられたらマズイ、そこに本物が来る可能性があるからな。
そうして俺は鳥居の近くにある茂みに隠れ、顔を隠して奥からコッソリ見張る…
完全に不審者やけど背に腹は代えられん…どうか鳥居の下に居る澪と窓と朱鷺子に気づかれません様にって…!?
早速来た…!けどアカン!まだ鳥居の下に澪達が居る…このまま出て話しかけたら皆にも見える位置や…ここは機を伺うしか無いか…。
……?なんでいきなり山?それに返答がメソポタミア文明て…あぁ…合言葉。にしてもセンスがよお分からんな、多分窓が言い出しっぺと見た…ってそんなんどうでも良えねん…なんとか網代慎平が一人にならんか…!
ヤバいな…人が多過ぎる…お見送り会場には影もかなりの数紛れとるし…ここに居る奴等はどうやらまだ命令を受けてないのか…もしくは9時前になったら一気に人を殺し始めるかも知れん…その時、はシデ達に気取られる覚悟で行く…!
「…?なんや…何かおかしい…?」
下に居った人間の気配が…いつの間にか消えとる…!アレは…影澪か!?
それに、…網代慎平も!まて、じゃあ境内に居るのは偽物…!?そんなあほな…!アイツからは影の気配も感じひん!人間や!それに例え影やとしてもあり得へん…網代心平の影はもう居る!
なんで気づかんかった…!?ちゃう…影の気配が多過ぎて人の気配を感じ取れやんかったんや…!そうか!今の俺は影、同族の気配を感知する機能が高い上にこの世界は俺以外に魔力の概念が無い、単純な気配察知が無意識に影の気配だけに集中してたんか!そしてあそこに居る俺の偽物は影の気配が無かったのも相まって完全に…クソ!
ってか下見てなかった俺マヌケすぎる…!
イヤそれは後で良い、今は澪に抑えられとる網代慎平の救出が先や…!
オリジナルの記憶を取られんのはマズイ…ループの事は良いとしても俺が生きとる事がバレる…一度影を取られてその影が死ぬと影を取られてた本人は耐性が出来るしスキャンも出来なくなる…網代慎平がスキャン出来るって事は俺が生きてるって事、なのに…俺の事をしおりちゃんは感知出来ない…下手したら影を殺し回っとるのが俺やて気づかれる…いやもうバレとるかも知れん。
それに網代慎平が俺と接触する前に殺されたら次のループで俺は記憶を持ってない…つまり会えるか分からん…この先網代慎平と連携が取れなくなるのが俺にとって一番避けたい事…優先順位を付けるしか無い…。
…スマン…澪、窓、朱鷺子…。
影澪が網代心平の体を押さえつけている。
俺は影澪の心臓目掛けて思い切り石を投げる。
着弾、それと同時に銃声が響き影澪の頭に風穴を開ける。
シュド!
パァン!
完全に同じタイミングでの狙撃…イヤ、それは偶然…だが影澪を狙っていた誰かが居るのは確定、そしてこの島で銃声、それもこんなに重い音を出す代物を持っているのは一人しか居ない。
「アンタは…」
「アナタは…」
俺と銃を持った女性が目を合わせ、さっきの…とお互いにそう言葉を続けしようとした時、胸と頭に穴が空いた影澪が起き上がる。
「慎ちゃ」ドガ!!
その瞬間、俺が影澪に接近、空中数mまで蹴り飛ばし、それを撃ち抜く。
「熟れ鮨って日都ヶ島で聞きませんよね…僕はまだ食べた事無いんです…アナタはありますか?」
「開口一番に何の話や」
「は…はぁ!?…ぅ、えぇ…!?」
(この人は…フェリーの!それにコッチは俺…まさか!さっきの俺の影か!?でもなんで…)
網代慎平は突然の出来事に頭が付いてきていない様だ。
「また会いましたね」
「俺は会いたくなかったけどな」
「おや、釣れませんね、良い連携だったと思いますけど」
「やかまし、お前今俺がコイツ蹴り上げんかったら俺ごと撃っとったやろ…今も銃下ろしてへんし」
「銃を下ろしてないのはまださっきの影を仕留めてないからですよ」
女性がそういうと、網代慎平(本物)は澪の姿が消えている事に気づく。
「は?…ッ!?澪の影は…!居ない…!」
影澪はどうやら俺より先に銃を持った女性を片付けるつもりの様だ。
「右から来とるぞ」
「わかってますよ」
影澪が包丁を振りかぶった瞬間!女性は影に向かって発砲する。
やっぱり…上手いと言うより未来が見えとる…影澪が飛び出す前にもう銃を影に向けて構えてた。
「すごい…後ろに目ぇ付いてるんですか?」
影澪が女性に向けてそう質問すると、影澪の体が崩れた
「何…で?」
どうやら影澪は自分の弱点を知らなかった様だ…心底驚いた様な、不思議そうな顔で消えていった。
(なん…まさかこの人…倒したのか!?影を…!?)
「…アナタの事は後にしましょうか、先ずは網代慎平君の手当を」
「その方が良さそうだな、とは言え急いでくれ、俺には聞いてもらわなアカン事があるからな。」
女性はひとまず網代慎平の折れた腕の支えに自分の上着を首に掛けさせながら自己紹介をする。
熟れ鮨云々の話は多分、網代慎平の気を紛らわせる為に話しているのだろう…*3
そうして応急処置が終わった頃
「あ…アナタは」
「えっと、申し遅れました、僕は、南雲龍之介と言います」
「なぐ…えぇ、龍之介…」
「アナタを助けに来たんですけど…ごめんなさい、遅くなってしまいました、網代慎平さん」
「ッ!?なんで…俺の名前を…それにお前は俺の影か…?さっき上に行ったのになんで戻って来たんや…何が目的で俺を助ける!?」
「あぁ…うん、俺もどう説明したらえぇんか分からんのやけど…お前が言っとる俺は俺やない…って言ったらややこしいか…」
「!話は後に、コッチへ!」
「なっ、何が…!」
「おと、俺もかい」
女性、南雲龍之介は網代慎平と俺を直ぐ側の茂みに引き込み、顔の前で指を一本立てながら小声で話しだした。
「シー…影です」
「俺も影やけどな」
「茶々入れるのやめてください」
小声でそう話し合ってる内に影の姿が見えた。
?…??潮?なんで潮?アイツは2年前に死んでるはず…影って遺体から映す事も出来るんか…?
「潮…!?アイツ…じっとしてろって言ったのに…!?」
「待って、上は危険です、影たちが集まってる。」
「ッあ、アナタは、影と人間の区別が付くんですか?」
網代慎平が南雲龍之介に対してそう質問すると、南雲龍之介は影についての説明を始めた。
「影の上に立っている物はただ人の形をした肉の塊にすぎません」
「足元をよく見てください」
「ん?なんか俺の影狙ってへん?」
「叩きませんから、奴等の正体は地面に落ちる平面の影の方です」
「くすぐったいから突くのやめてくれん?」
「なので、影を踏まれることを嫌います、こんなふうに踏もうとすれば避けようと、影の方だけが動いたりしますよ」
「実践して見せるのは良いけど一言位言うて欲しい」
「すみません、ではさっき蹴られたことはこれでチャラって事で」
「それ言われたら弱いんやけど…いやでも襲い掛かって来たんアンt「それで、ここからは姉の仮説ですが、影は人間を光によってスキャンし、その情報を取り込む」
凄い強引に遮られた…
「何故そうするかと言えば、それが奴等の食事に当たる行為では無いか、影は人間の情報を食べて生きている、しかし味という情報だけは直接食べる必要がある」
「見て、あのシミは奴等が人の肉を食べた後」
「っ…」
「僕たちは成り行き上、影に狙われる身です…まぁアナタもでしょうけど…」
「影はこの3日間でどんどん増えてます、倒しても倒してもキリがない…何か…統率された意思を感じます、全ては一つの目的の為に動いている様なね」
南雲龍之介がそう言うと網代慎平は何か思い当たる節がある様な表情を浮かべる。
「それで、アナタは何なんですか…?先程の姉の仮説についても、もし分かるのであれば教えていただきたいのですが」
「ええよ、でも口頭で話すと長いし、二人の頭に直接情報渡したる、やったこ事は無いけど多分行けるやろ」
何となくだけど絶対行けるハズ。才能(全)が行けるって確信を与えてくれてるし…影の才能ってなんや…
記憶は一部しか見せてないけど情報だけは伝えた*4、それとと同時に網代慎平の記憶を読み取った…あの潮は影やけど人間…と言うか影に関する事全て抜け落ちて自分の事人間や思っとるのか…実は生きてた、なんて美味しい話は無いって分かってはいたけど…
「なるほど…食事と言うのは少し間違っていた様ですね…ですがそれ以外は仮説通りですか…影に対する免疫も考え方は合っているんですね…しかし、一人の人物の影が二人存在する…そんな事あり得るんでしょうか…?」
「いや、アレは影じゃ無かった…影の気配は感じひんかったし、確実に人間にしか見えんかった。」
「なおさら分かりませんね…人間の変装にしても…」
南雲龍之介は思考を深めている様だ、俺もかなり引っかかる所はある…それに先程見た網代慎平の記憶では三人目にはスキャンをされて居なかった、なのに情報が知られてる…影澪のスキャンした情報を受け取った…?
だとすれば何故、やはり三人目は影ではなく人間…だが人間があそこまで完璧に変装出来るのか…?あり得へんやろ、やけど偶然そっくりさんが影に与してたとは考え辛い…情報が足らりすぎる、頭の片隅に入れておく程度で留めるか。
「アランが…殺られたッ…クソッ!…はぁ、お前が何を思って影を殺し回っとるんか知らへんけど今は信用する…けどなんでお前は…」
網代慎平が俺に対して何かを問いかけようとすると突然、上の方が一瞬光る。
「今の光は…何かを映した…?」
「問答は後や…影はその銃で倒せるんですよね…南雲先生…!」
「!」
南雲先生、そう呼ばれると、南雲龍之介は少し体を強張らせる。
「では…ありませんか?小説家の…!」
「…っあ、まぁ…ハイ…」
「やっぱり…!お願いします!手を貸してください!…っ…ホンマは聞きたいことは山のようにありますけど!今は!上に澪が!家族とか友達が居るんです!!」
そう言うと網代慎平は神社の階段を駆け上がって行った。
俺はその影に潜り込み着いていく…南雲先生*5は特に何かして来る様子は無い…ひとまずは信用して貰えたって事で良いのだろうか…?
そうして網代慎平が階段を登り切ると、境内には朱鷺子の後ろ姿、彼女はどこか呆けた様子で立っている…そして足元にはおびただしい量の血液が広がっており、朱鷺子の後ろには俺の姿をした何か、さらに後ろには凸村の影に担がれ、意識を失っているている小舟潮の影の姿と、斧を片手に持つ窓の影、そして己の影から澪を守ろうと覆い被さる窓が居た…どうやら窓が澪を守ろうとしてそうなったらしい。
…頭の中が怒りと憎しみでどうにかなりそうだ…それでも思考は冷静に状況の把握を仕様と働いている…冷静なのに…冷静のはずなのに…正気じゃない…そうとしか思われへんわ…体から力が抜けていく、初めての感覚だ…絶望じゃ無い…悔しさと憎悪で体が満ちて…背中から冷たい風が吹いている様な感覚…コレが憎しみか…
「朱鷺ちゃん!良かった…!皆は!?…澪は!?」
朱鷺子は涙を流しながら後悔の滲む声で話始める。
「…ッごめんなさい…こんなっ事…こんなことのためにッ、手ぇ…汚してきた訳ちゃう…!」
ザク!
朱鷺子の後頭部へ何かが深く刺さる。
「朱鷺ちゃん…?」
ドサッ…
朱鷺子が倒れ…その背後に居た者の姿が見える…そこに居たのは三人目の網代慎平だった。
俺達が三人目を視認した瞬間、その姿は唐突に変異し始める…異様だった。
網代慎平の姿をしていた何かは約2.5mに届きそうな程の真っ黒な人形へと姿を変えた、腕は四本、顔には、目耳鼻口、それら全てのパーツが存在していない。
三人目の網代慎平は…シデだったのか…!コイツ影が居っても擬態出来るってホンマに何なんや…!?
「は…?」
「時期、9時になる…祭りは終わり、私は最後の日を終える」
口は無い…なのに声が聞こえる。
頭の中に直接、なんてモノじゃ無い、しっかりと聴覚で、振動で聞こえる…俺にはそれがかえって不気味に思えた…。
境内には蒸し暑い夜の空気に混じって、むせ返るような血の匂いが充満している。
島民や観光客達の夥しい死体。
「1…3…5…7…9…11…」
網代慎平は恐らく、無意識的に数を数え始めている…思考が現状を受け入れきれずに脳がフリーズしているのだろう…それでも、影の数を数える位は出来るようだ。
網代慎平はアランが殺された事を知ったその瞬間から、次のループに入る事を決めていた、せめて次に情報を持っていく為に凍りついてしまった思考を必死に回そうとしている。
(はよ気付け!あの四本腕の後ろや!窓が、窓と澪が危ない!)
突然、網代慎平の頭に声が響いた…慎平(影)にも何故こんな事が出来たのかは分からない様だが、どうやら直接頭の中に声を送り込んだらしい。
しかし…遅かった…その姿を視認した時には既に…窓は斧で頭をカチ割られていた。
「窓ぉぉぉぉ!!!??」
「澪…逃…げろ…」
窓は今際の際、それでも澪を逃そうと声をかける…そして力尽きた。
「身を挺して守るとか、澪への愛はホンマもんやなぁ!俺!」
窓の影は上機嫌そうな口調で話始める。
「せやのにお前は昔から…慎ちゃん慎ちゃんって…」
「窓くん…ッ」
窓の影は澪目掛けて斧を振りかぶる。
許されへんぞ…窓が!アイツがどれほど澪の事を好きだと…!やのにお前が!
パン!!
思わず隠れていた事を忘れて飛び出そうとしたその時、俺が影から出るよりも早く、隣から銃声が響いき、窓の影の腕を破壊した。
南雲先生か…!
「澪!!」
網代慎平が声を張り上げる
その瞬間、あの四本腕の異形の様子が変わった。
四本腕の体から、女性の形をした何かが浮き上がり、銃を構える…よく見てみるとその形は今隣に居る南雲先生にそっくりだ。
「何!?」
パン!
南雲先生はギリギリ致命傷は避けたが、弾丸は肩に掠っていた…
「危ないですねえ、この神性な儀式の間侵入してきたと言う事は、君たちが澪ちゃんを倒したって事かな」
「ゴフッ…キサマが…親玉だな!」
「ッ!誰や…!誰なんや!お前!」
網代慎平がそう咆えると、シデは腕を一本、触手の様に伸ばし、慎平に巻き付けて引き寄せる。
「君のその右目…やはり…!昔失われた母の右目…!そのオリジナル…何故君が持ってる…?」
「それがあれば確かに可能か…時間の複製…」
そう言うと、シデは慎平に触手を巻き付け拘束したまま地面へと下ろす。
!、潮が目を覚ました様だ…だが身動きは取れそうに無いな…
「ッく…離せ!」
「コラ!…何なん?だから暴れんなよ…お前はコッチ側やろ!」
凸村さんの影が小舟潮を担ぎ、抑えていた。
アレは…凸村さんの影…!?今回は凸村さんが澪に殺されるのを阻止しているはず…別のとこで殺られたんか…?
網代慎平は潮の姿と凸村の影を見てそう驚いた。
「違う!私は人間や!小舟潮や!」
「アホかいな!人間はへし折れた腕がすぐに治ったりせぇへんわ!」
「ッ!」
「殺しても殺してもセーブポイントから復活する勇者に魔王が勝つにはゲーム機の電源を切る他無いとは思いませんか?…もしも2次元の魔王に、電源と言う3次元の概念が理解出来たらどうです?」
「君は見届けてください、慎平君、私が電源を切る瞬間をね…」
「嫌や!離せ!私はコッチと違う!慎平!!澪を!お願い!澪を!」
「!!ッ澪…」
慎平は動か無い体を這う様に動かして澪へと手を伸ばす
「慎ちゃん…!」
澪も力の入らない体を必死に動かして、慎平に手を伸ばす。
「待ってろ…!今…!行…く…!!」
「慎ちゃん…ぅうッ」
二人は全力で互いに手を伸ばす…しかし、その手が触れ合う事は無かった。
(クソッ…食われてしもた…)
「ッ!…ッ!?」
「そんな!?澪!澪ォォ!」
目の前で澪を喪った慎平の言葉にならない声と、潮の叫びが境内に響く。
「よくも!よくも澪をぉぉぉぉ!!」
しかし、潮の叫びをシデは意にも介さずに何かへと語りかける。
「最後の食事です、存分に…お召し上がりください」
シデがそう言うと、慎平の目の前に会った死体の山は突然消え去った…境内に広がる、巨大な影に食われたのだ。
「(あの巨大な影…あの影に触れただけで…飲まれてしまうのか…)…なまくらなのは…私の方だったな…龍之介…どうやら私は遅すぎたらしい…」
南雲先生は誰かに語りかけるようにそう呟く。
空から赤く光る何かが現れる…それは人の形をしている様だ…。
慎平(影)は網代心平のフリーズした脳みそにテレパシーの様な現象を使って思考を垂れ流し続ける…考察と情報を次に持ち越させる為に。
(上を見ろ!何かが居る…それに境内の巨大な影も関連している様だ…シデ、あの四本腕は最後の食事と言った…それはどう言う意味だ…?
(南雲先生は誰に語りかけている…?龍之介、と言う誰かに向けて話している印象を受けた…?それに口調もいつの間にか変わっている…?先程、根津さんにひずる、と呼ばれていた事に関係があるのだろうか…?)
(違う!今はそこじゃない!四本腕は最後の力を私の為にと言った…それにあの赤く光る何かを母と呼んだ…影の親玉はあの四本腕やでは無い…?)
(この先は無?どう言う事や…?)
影が…広がって行く…境内を埋め尽くした訳では無い…まるで粘性を持った水のようにゆったりとした動きで…しかしかなりの速度で階段を流れ落ち、参道を埋め尽くして行く…人間はその影に触れただけで姿を次々と消して行った。
…島が…影に飲まれる。
「ハイネ…」
南雲先生はそう呟く
「コレが…私のエンディング…!」
シデはどこか嬉しそうな声色でそう言った。
「ッ…ゴメンな…!澪…皆…くぅ…ッ…」
「済まない慎平君…もっと早くに…私があのメッセージを信じていれば…ァフッ…もはや…何もかも、手遅れだ…」
「違う!…あの時ああしてれば良かったとか…なんであんな事してしもたとか…後悔ばっかりです…何っ時も何時も…でも今…!まだ俺は後悔してません…!まだ!手遅れじゃありません!南雲先生!」
網代慎平の眼光が鋭くなった、慎平(影)が思わず関心してしまうほどに、その瞳は不屈を物語っている。
「!」
「俺を撃ってください!この俺を!俺は死んで!何回もやり直してるんです!撃って!俺の頭を!」
「フッ…君は…本当に妙な事ばかり…言う奴だ…」
南雲先生は銃を構える。
「俺なら戻れる!22日に!」
「無駄な事を…」
シデはそう言って南雲先生に指を指す
「全く…最後の…一発なんだぞ」
「信じてください!先生!」
「アナタも影に飲まれなさい…」
シデは指を鋭く伸ばして南雲先生に触れようとする。
次の瞬間、影が蠢き、影から小舟潮がシデに向かって飛び出した。
(潮!?無事やったんか!やはり潮の影は他とは何かが違う…この先の…次の希望になり得る存在!取られるなよ…網代慎平!)
「こんの〜!あっぽけー!!!」
ガッ!!
潮はシデに向かって猛烈に拳を振るい、シデを殴り飛ばす。
「もしも君…本当に戻れたのなら、私に君の名を名乗りたまえ、必ず助ける!」
パン!
…………………………
〜主人公視点〜*6
暗い…
慎平(影)は極めて冷静に状況を把握しようと辺りを見渡すが、何も見えない。
次に見えるのは島中の様子だ…テレビの映像を切り替えるように、次々と景色が入れ替わっている…俯瞰している時に似た感覚だ。
そして隣を見ると、網代慎平が居た。
?もしかして俺もループに着いていっとる?これ…?
もう一度辺りを見回すと、島の全てが影に飲まれる様子が見える…
クソ…嫌なもの見せよって…絶対にこの未来を変える…!
そう決意しながらこの光景を目に焼き付けていると、次は島を見下ろせる程の遥か上空から、赤い光に向かって落ちるような場面に切り替わる。
改めてよく見える…島が完全に影に飲まれてしまった事が…ッ…!
あの赤い光は…さっきの人型…よく見たら女の子の姿だ…
!?、今…あの子と目が合った…?いや、見られたのは網代慎平の方だ、俺の事は見ていなかった…?何かに引き込まれる…これは…ループの感覚だな…本当に俺も着いて行けるのか…思わぬ誤算だ。
ループの通り道の様な場所で、どこからとも無く潮の声が聞こえる
《慎平…》
「!?潮…!潮やろ!」
《気をつけて、力には限りがある、夏祭りに…皆死ぬ》
「ッ!今度ははっきり聞こえるぞ!潮!どこや!?」
《止められるんは…慎平だけ、澪の事…守っちゃってね》
俺の方も見て言っている様だ…ってかこの潮は一体…?
……………………
7月22日
〜網代慎平〜視点〜
「東京はどう?渋谷行った?渋谷!」
「!?…」
慎平がループして戻ったのは、日都ヶ島に帰って来て海に落ち、シャワーを浴びるために小舟澪と小舟家へ向かっている最中だった。
「慎ちゃん?」
突如、猛烈な吐き気に襲われ、慎平は思わず蹲ってしまう。
無理も無いだろう…3日後にあんな事が起こったのだから、ましてや網代心平にとってはつい先程の出来事…しかし、今の慎平には希望が満ちていた。
「慎ちゃん!?…海に落ちて、体冷えたんかなぁ?」
やった!…澪…生きてる!
「良かった…ッ」
「?」
澪は良くわからないと言う表情を浮かべながら慎平の事を心配そうに見つめて声をかける。
「だ、大丈夫や…ちょっとフェリーで酔ただけ…」
そうして、慎平は改めて立ち上がり歩き出そうとした所で気づく。
…!俺…服が濡れてる…?ッ…そうか…澪の自転車を止めようとして、海に落ちて、逆に助けてもらったんだ…!
「顔色悪いよ?家寄って着替えてから、ちょっと休も?携帯は無事で良かったけど…このまま二人とも体ベタベタさせて…葬式出る訳いかんし…私も」
小舟澪が慎平を心配しながら声を掛けてくれている…普通に返答したり話しながらも、慎平の思考は別の事を考え続けていた。
…力には限りがある…あの潮のメッセージ…俯瞰するんだ…これまでの出来事を…
一回目はフェリーの上。
二回目は上陸直後。
そして三回目は、澪と会った後。
時間がスタートするループ地点が…徐々に遅くなって来ている…目覚める前に起きた出来事は、確定した事実になるらしい…つまり俺が海に落ちない様にする術は…もう無い。
次にループする時は恐らく…今回よりも遅い時間に目覚めるはず…もう何度も失敗出来ない…!
もしも…澪達が殺される時間より後ろにスタート地点が来てしまったら…いくらループしても…もう助けられないって事だろ…!?
3日…夏祭りまで後3日…たったの3日でなんとか出来る問題なのか…?いや!何を弱気になってる…!
潮の言葉がフラッシュバックする…
《止められるんは、慎平だけ》
俺がやるんや!
…………………
7月22日
〜主人公視点〜
「お?」
「…あれ?」
俺と潮は同じ海岸で目が覚めた…
はい、第2話終わりッスね。
やっぱサマータイムレンダ難いわ…慎平君の影を使ってる都合上細々としたストーリーの改変があるんですけどね…一番の相違点は三回目のアランと凸村さんは3日目の夏祭りの日に殺されているって所とシデが慎平君に変身出来るってとこやね。
原作の最終決戦の時に中身は言ってない影の鎧でもシデの本体の顔作れてたし、情報さえあれば変身出来たんじゃ無いかと言うこじつけ。
情報はしおりちゃんがコピーしたやつをハイネがシデに送ったんだと思います。
そんで主人公の謎テレパシーについても原作最終時に小舟潮が網代慎平にやってたしハイネもシデにやってた。
その二人が特別と言ったらお終いだけどまぁ行けるって事にしとこうかと。
そんで本題の慎平(影)のループ同伴についてはストーリー的そうしないと主人公作られなくなるって言うのとそもそも主人公が特別と言うか中身が同時に二人存在出来ないって設定のつもりなんでこの先何回ループしても殺されない限りは慎平君のループに引っ付いて行きます
何の説明にもなってないけど許して…ユルシテ…
ついでに、慎平(影)は窓が澪の事を好きだと言う事を何となくで察してます。
多分慎平の記憶読んだ時に夏祭りの最中のやり取りを読み取ってそこから察したんでしょうね。
じゃ、また次回〜