虎「なんか優太が使う鳴弦と、俺が使う鳴弦って音違うよな」
宮「確かに」
伏「呪力特性がそのまま音になるんじゃないか?」
宮「ほな伏黒どうなるん?」
優太は鳴弦を引き抜き、恵に握らせてみる。恵が呪力を流すと、安定感のある重低音サウンドが響いた。
虎、宮「ベース?」
虎「じゃあ釘崎は?」
悠仁ははしゃぐように恵から鳴弦を取って、野薔薇に持たせてみる。
釘「何企画よこれ」
虎「いいから。呪力流してみ」
野薔薇はとりあえず言われた通りにしてみる。革張りを打つ音、シンバルを叩くような音が呪力の強弱で切り替わる。
宮「ドラムじゃん」
虎「バンド組めるくない?」
一行は音楽室に向かった。
釘「私がリズムを作るわ。あんたたち、しっかりリードされなさい」
「「「うーっす」」」
宮「伏黒がベース?」
伏「ギターは目立ちそうだから嫌だ」
虎「鳴弦もベースみたいな音だったしな!」
野薔薇がドラムセットに座る、恵がベースギターを担ぐ。悠仁と優太は複数あるエレキギターの前でどれにしようか品定めをしている。
宮「俺これ。シンプルでかっこいい」
優太が選んだのはレスポール。なんとお値段140万円。なぜこんなものが高専の音楽室にあるのか?五条悟が置いたのかもしれない。
虎「俺これ!とんがっててカッコイイ!」
悠仁が選んだのはフェンダー・ストラト。なんとお値段、未知数。三桁万円であることはなんとなくわかる。
宮「で、なに
伏「とりあえずボーカルは宮城島だろ」
宮「なんで歌うこと前提なんだよ、引き語り難しいんだぞ」
虎「えー、でも優太歌上手くなかった?」
野薔薇は何も言わない。ただ、少し期待に満ちた視線を優太に送っている。
宮「分かった、やるよギターボーカル。その代わり悠仁がリードギターな」
虎「任せとけ!」
五「さあみんな!レッスンのお時間よ!!」
とても用意周到に、アコースティックギターを担いだ悟が現れた。
虎「えっ、五条先生ギター弾けるの!?」
五「高専時代にちょっとね。まぁ僕、やってできないことないから」
自慢げに言う悟。優太と恵が視線を合わせて、同時にため息を吐いた。
五「ひとまず恵と野薔薇はテンポ合わせね。悠仁と優太くんはコード覚えるとこから始めよっか」
音楽室にそれぞれの音色が響いていく。最初こそぎこちなかったが、教えがいいのか吸収が早いのか、メキメキと質が上がっていくのが少し離れた医務棟にまで聞こえてきた。
家「……懐かしいわね。あいつ、昔ギター触ってたっけ」
硝子の手には一枚の写真。アコギを弾きながら同級生と放課後を過ごす悟の姿が写っていた。