呪術廻戦⇔余話集   作:たゆたう 累

6 / 8
贅沢家庭教師に教えてもらう悠仁(レスポール-陸-の幕間)

 悠仁は気付けば地元仙台にいた。

 

虎「あれ、俺今戦闘中じゃなかったっけ?」

 

宿「お前の心象風景か、実に下らん」

 

宮「え、宿儺って意外と話せるタイプ?」

 

 三者三様の反応。生得領域や心象風景について理解が追い付いていない悠仁だけ、ワンテンポ遅れている。

 

宮「まぁちょうどいいや。今の内に体の動かし方、覚えちゃおう」

 

虎「うっす、ヨロシャス!」

 

宮「まず双重ね。一番基本の立ち方で、これだけで一時間立ちっぱなしにすることもある」

 

 優太はそう言いながら、足を平行にして肩幅に開く。無駄な力みが一切なく、膝を軽く曲げて腰に重心を落としている。

 

虎「こう?」

 

 悠仁が真似てみる。つま先が若干外向きになっているので、優太は悠仁の足に自分の足を添えて内側にスライドさせる。

 

宮「こう」

 

宿「ほう、大陸の武術か。童(わっぱ)、若いのに筋がいい」

 

宮「五歳からやってるかんね。染み付いてる。んで次、単重。体をちょっとだけ横にズラして、片足に重心を置く感じ」

 

 優太が綺麗に一本足で立つ。浮かせた脚をフラフラさせてもほとんどふらつきがない。悠仁が真似をしてみて、目を輝かせる。

 

虎「うお、すげぇ!普通の片足立ちよりめっちゃ安定する!」

 

宮「太極拳の基本は重心の扱い。まずは双重と単重ができて、そっから始まる感じ。んで次が虚歩。単重から浮かせた脚を前に出して、前足はつま先を地面にチョンと置く感じ」

 

 優太がやって見せ、悠仁にやらせてみせる。その様を宿儺が顎に手を添えて目を薄めて観察している。

 

宿「なるほど、貴様は武の達人というわけか。気に入った」

 

宮「両面宿儺に気に入られるの、なんか怖い」

 

 優太の言葉を意に介さず、宿儺はケヒッと不気味な笑い声を上げる。

 

宮「んで次、弓歩ね。腰を前にスライドさせるようにして、後ろに置いた軸足から前に重心を送り出す感じ」

 

 優太がゆっくりと虚歩から弓歩に移る。悠仁も見様見真似でやってみて、スルリと自然に体が押し出される感触に目を見開いた。

 

虎「うぉおお、なんだこれ、力使ってないのに、めっちゃ力が前に出てくる」

 

宿「斬撃に取り入れられるな。推進力が上乗せされる分、見た目以上に威力が出る」

 

宮「宿儺正解。太刀捌きだけじゃなくて、殴る、掌打、蹴る、走る、全部に使える。あと相手から見ると、平面的には差が少ないから距離感がバグりやすい」

 

虎「おー、これが優太の強さの地盤ってやつか」

 

宮「強い弱いとか、太極拳ではあんまり考えないかな。常に流れを意識するのが太極拳」

 

宿「太極、つまり剛と柔を併せ持った武術か。つくづく興味深い」

 

宮「やだこの人、褒めてるのに全然褒められてる気がしない」

 

虎「え、そう?」

 

宿「小僧の体を奪ったらまずは五条悟、次は貴様だ、宮城島優太」

 

宮「やっぱりそうじゃん!やだ!やだやだ!!」

 

宿「貴様の足捌きでは捌で捉えるのは難しい。解は飛ばせる、どういなすのか見物だな」

 

宮「ヤメテッ!暴力反対!」




作者コメント
ちなみに、太極拳(他の武術もかな?)は、師範の動きを見て覚えて、真似して覚えて、師範に正してもらって覚える武術になってます。
ここで悠仁がすぐに習得できてるのは、共振プラス悠仁の持ち前の規格外なフィジカルがあるからです。
もし興味を持たれた方は、教室やサークルなどで民間の太極拳から入るのをオススメします。
独学で真似しようとすると怪我をする危険性が高いので、必ず先生をつけてください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。