ハイスクールD×D アフター:New HERO BorN F×F 作:scp-114514
そして、F×FはFire Force…つまり炎炎ノ消防隊の英語版タイトルからとりました。
世界は変わっていきます
《兵藤一誠》
「カチカチカチッ…よし、書類を、送信っ!
あー、目がショボショボする。目薬はどこだったかな…」
冥界、グレモリー本邸。俺、兵藤一誠は仕事にひと段落をつけて、はた伸びをする。
世界規模のレーティングゲーム『アザゼル杯』を経験したのも、地獄の神々を打ち倒したのも、異世界から襲来した邪神達を滅ぼしたのも過ぎた話。隔離結界領域に入り込んで封印したトライヘキサも完全に倒し切り、俺は大切な人達と過ごす平穏を勝ち取った。
あれから50年。駒王学園の高等部、大学部を卒業した俺は、グレモリー家の息がかかってる企業で社会経験を積んだ後、冥界の政治家としての道を進んでいった。
民衆に請われる形で魔王に復職したサーゼクスさま…いや義兄上の秘書になったり、グレモリー領での地域活動に参加して課題解決の経験を積んだりしていったんだ。もちろん『乳龍帝おっぱいドラゴン』としてのヒーロー活動も欠かさずだぜ。
そして世界情勢だが…どこでも劇的な変動を経験している。例を挙げればキリがない程に。
例として冥界のレーティングゲームに限定していうと、現状中止になってしまった。
その理由は第一に、50年前に侵略してきた邪神達の影響だ。
奴らは単体でもグレートレッドを超える強さを誇っていた。そんな奴らが地球上で暴れ回ってたんだから大変なものでして…。人間界は真っ先に各地の神話勢力と共に総力で元の平和な状態を取り戻し、記憶改竄も徹底して何とかなったが(他の場所でも言えるが、失った命についてはどうしようもなかった。そこは本当に済まない)…首脳陣がトライヘキサ封印に出向いている世界では代理が痛手を喰らったように、未だ癒えない爪痕が世界各地に残っている。
第二に、トライヘキサ。復活の際にリゼヴィムが細工を施していて、あろうことか悪魔の駒を作り出す特殊な物質を利用していたんだ。この時点で転生悪魔を作り出す方法には限界が生じており、冥界でのレーティングゲームは新規参入の壁がとんでもなく高くなってしまった。
このように『今まで』が根底から崩れ去り、新しい現実に適応するための価値観が広まっていった。人間社会でも普通は流行病や金融危機、戦争などが原因となってそういうのが起きるが、俺達異形は往々にして寿命が相当長い故に価値観が凝り固まりやすく、故に流れに乗れない場合がある。流石に禍の団が起こしたほどではないが、受け入れられない不満が募って暴動などの事件が各地の神話世界で勃発した。
幸い、邪龍戦役の際にテロ対策チームが結成された事もあって対処はできた。しかしこの問題において最も目を見張る点は、加害者が属する世界に対して、仲が悪い世界が課題解決の為に手を取り合い、お互いの未来について考えるようになったケースがよくあったという事だ。
今の世代は次の世代の為に未来を作る責務がある。だが邪神の侵略によって荒廃しているにも関わらず現状維持をしていては、確実に未来は詰む。
託す未来は如何なるものであるべきか?それを世界の垣根を越えて模索しなければならないのだから。
手に余る災禍及びそれらが齎した変革を経験して、共に憎しみの向こう側を進んでいく者達。人類に出来た事が、異形に出来ない訳なんてなかったのだ。
そして、俺の方はと言うと…
「おとーさん、出かける準備できたよ」
俺の部屋に、リュックサックを背負った紅髪の少年がやってくる。
見てくれよこのツンツンヘアー。俺に似てる?似てるでしょ⁇
そう!遂に…遂に!
俺、兵藤一誠は!ハーレムとの子供が出来ました!
名はジュラス・グレモリー。名前の通り、正妻ことリアスとの子供だ。ちなみに1番目に生まれたんだ。
「ねーお父さん、お母さんもだけどホントに今日一緒に行けないの?」
「ホントごめんな!お父さんもお母さんも忙しくて…」
今日はお盆休み、本来なら俺の両親のお墓参りの日だ。けれど急で外せない仕事が出来てしまって、しかも今動ける人がまともにいない。
…父さん、母さん。肝心な時に行けなくて本当にすまない。
後ろめたい事この上ないんだが、ハーレムとのキャッキャウフフな生活は全然望めていない。俺やリアス達、その他同世代の実力者は激変した世界に改めて平穏を取り戻すため、世界中を飛び回っている。ブラック企業もドン引きレベルだよ。
『休む時はイングヴィルド・レヴィアタンの神滅具が欠かせなくなったなぁ…』
マジでそうだよな、ドライグ。彼女に足向けて寝れないよ…。
「友達のとこはみんな、お父さんとお母さんがいるのにさ…」
ただでさえグレモリー領での仕事もあるのに、ヒーローとしての仕事が加われば家庭に割ける時間は更に少なくなり、俺もリアスもジュラスへの向き合い方はハッキリ言って上手くいってるとは思えない。というかそもそも、悪魔の出生率が低い事もあって、俺たちは現状この子しか作れる余裕が無かった。家族サービスを奮発したり、リアスの眷属やグレモリー家の親戚をはじめとする俺と親しい人達に子守りをお願いしてもらってはいるが…。
「うん…マジでゴメン。この埋め合わせはちゃんとするから…。ほら、送迎が来るよ」
ドアノックに対する俺の返事を受けて入ってきたのは、ダークな銀髪が特徴的な青年。
皆さんご存知、ケツ龍こ…じゃなかった、『明星の白龍皇』ヴァーリ・ルシファーだ。
「急で悪い。電話で言った通り、この子を暫く頼む」
「礼には及ばん。俺もキミの御両親には本当に世話になったからな」
グレモリー家の使用人に任せても大丈夫だとは思うが、かつてクリフォトが護衛のエージェントを殺して俺の両親を拉致った事があったしな。こういうのは実力、信用ともに申し分ない人に任せたいんだよ。
「キミ達への労いも兼ねて、何か土産物でも買っておこう。取り敢えずチーズケーキで良いだろうか」
「おっ?流石、マジもんのルシファー様は気が利くねえ!」
護衛を他人に任せるだけでなく、ジュラスにも護身のための手段を持たせてる。
『神の子を見張る者』との研究で開発した人工神器、『
「じゃあ、行ってくるねお父さん」
「あぁ。五郎お爺ちゃんと三希お婆ちゃんに、最近起きたよかった事を報告してきなよ」
…俺は、俺たちは予想もしていなかった。
これから先、短くも長い別れになる事に。
主人公はまだ幼いのでどうこうできる状態ではありません。なので本格的に活躍するようになってから人物設定について書きます。