ハイスクールD×D アフター:New HERO BorN F×F   作:scp-114514

13 / 13
割と読みやすい、理解しやすい原作があるってのは創作活動がスムーズにいくから便利


エマージェンシーです⁉

《ジュラス・グレモリー》

 

 

 

上野地区にて焔ビトが出現したとの報告を受け、俺達第8は出動する。何でも裁判所で死刑判決が予想されていた殺人犯の被告人が焔ビトになって人を襲っているらしい。

 

シンラとアーサーは色々あって外に出ており、先に現場へ。

 

俺らがマッチボックスで急行した頃には、焔ビトは2人の先制攻撃で盛大に吹っ飛んでいた。

 

「いきなり何なんだよテメーらぁ!」

 

何っ⁉こいつ、焔ビトなのに明確な自我が残ってる⁉

 

『生への執着や意志が強いと生前の性質が残るらしいが…奴の場合、とりわけ強かったのかもしれん』

 

「お前のせいでまもる君が木の上に『うぇ~い』されたんだろーが!」

 

いやそういう問題なんですかアーサー君⁉

 

「そーかぁ、お前ら青線か…。いんちきお助けマンの殺人集団じゃねェか…いいなァ…ずるいなァ」

 

悪魔の俺よりもずっと『悪魔』してんじゃないの、この野郎…!

 

『まったく…。血や力に溺れた輩の行く末は、碌なものではない』

 

「7対1で、逃げ場なしか…。わかった、降参するわ」

 

は?何言ってんだこいつ。

 

「お前らが殺人集団じゃねーんなら許してくれるよな?だって判決では俺は無罪。死刑じゃない。殺すわけにはいかねェだろ?」

 

パァン!

 

焔ビトの言い分を退けるように、火縄中隊長の射撃が脳天にヒットした。

 

「あいにくお前のようなクズを許せるほどお人よしでもないんでな。消えてもらう」

 

「けっ、やっぱお前ら人殺し集団じゃんかよ!気に入らねぇな、善人ぶりしたその面!いいぜ、お前らが焔ビトを殺すように、俺も人間を殺してまわろうじゃねぇか!」

 

そう言いながら焔ビトは中隊長に目くらましのように炎を浴びせ、視界を奪った隙にその場から逃走を図った。

 

大隊長、指示をお願いします!

 

「シンラ!スピードがウリのお前が追っかけろ、後から俺達も合流する!」

 

「しかし、あいつ…自我が…」

 

シンラのその反応に言葉が詰まる大隊長だが、火縄中隊長が手で制して本人の言葉を代弁するかのように話に参加する。

 

「シンラ。あいつの言葉に耳を貸すな。処理しろ。話は以上だ、行け!」

 

「はい…!!」

 

処理。つまりは鎮魂をするつもりではないが、甚振るつもりでもない。これ以上危害を加えないよう、害獣を駆除するようなものなのかもな。

 

シンラ、頼んだぜ。

 

「すまん、火縄…」

 

「いいんです。あなたはいつでも、俺達の光でいてください」

 

 

 

***

 

 

 

 

第8のマッチボックスは秋葉原まで来たが…既に他所の部隊のマッチボックスがいた。文字からして第5…灰島の息がかかってるところだ。

 

「シンラ!例の焔ビトの姿がいねェぞ⁉」

 

「第5が…勝手に持ってった…!」

 

「はぁ⁉ここウチの管轄区内じゃん!いくら何でも勝手すぎんだろ!」

 

喚く俺に、倒れ伏すシンラを見下すように立つリーダー格の女性が目を向ける。

 

「なんだ?貴様もこの小砂利と同じか?下っ端は小砂利らしく大隊長に従っていろ」

 

「よせ、ジュラス!

…あなたは、第5の大隊長プリンセス火華。ここで何をやってるんですか」

 

「今回の焔ビトは強い自我がある。珍しいケースだ、このまま消されるには惜しい」

 

「焔ビト化した時点で戸籍上は死亡扱いとなり、そもそも奴自体はれっきとした凶悪な犯罪者ですよ」

 

「鎮魂で死体も灰と還るのならば、体をそのまま預かっても問題ないと思うが?

それに第8にはまだ化学班もいないと聞く。基盤が整っているこちらが検体を持ち帰り、調査した方が人体発火の謎を突き止めやすいだろう?」

 

「その結果は、こちらにも共有してくださるんですよね?」

 

「勿論だとも!」

 

ウソに決まってる!

 

「…シンラ、ジュラス。帰るぞ。あとは第5に任せる」

 

「モヤっとする…」「納得いかねぇぞ…」

 

そうやって愚痴を吐く俺らに対し、第5の隊員の一人が斜に構えたような態度で俺らを嘲笑してきた。

 

「だっせぇー。第8のトップってさー?無能力者なんだろ?無能力っていったらさ、ザコじゃん?マジだっせぇー」

 

フーセンガムを噛みながら桜備大隊長をバカにするのは、金髪のギャル男みたいな隊員だ。

 

こ、この野郎!無能力=ザコなんてなぁ、俺の経験則じゃ成り立たねーんだよ!おじさんとか父さんとか母さんとか!

 

『いや、それは比較対象として不適当だからな?』

 

と、とにかく!こんな事言われたら腹の虫がおさまんねー!

 

「貴様ぁ、いい加減にしろ!」

 

「やんのかコラ!あぁ⁉」

 

「好き勝手ほざくんじゃねーぞコラ!」

 

「ザコの部下がしゃしゃってんなよ2等ザコが!」

 

俺とシンラとアーサーに詰められてもなおヘラヘラしているこいつ、一体何なん?

 

「火に耐性ない人が炎の海に飛び込む勇気がわかんねぇのか!」

 

「わかるわけないじゃぁ~ん!俺、第3世代だも~~~ん」

 

「「「ふっざけやがってぇっ…!!!」」」

 

「キレてるんならやってみろよ、ザコ8の大ザコの部下の2等ザコのザコくんズ~」

 

「3人とも!落ち着きなさい!」

 

「ほら、さっさとマッチボックスに乗って帰るぞ!…それと、マキ!」

 

「…了解です」

 

なんか火縄中隊長に急かされてマッチボックスに乗せられた時、マキさんが遅れて乗車したけど…なんか遠くでさっきの隊員が悶絶してるな。まぁいいや。

 

 

 

《武久火縄》

 

 

 

台東区に出動した翌日のミーティング。桜備大隊長は屋上にレギーナを除く全隊員を集結させ、一つの決断を下した。

 

『第5の調査』

 

その上での課題は、能力者との戦闘だ。炎熱干渉能力は千差万別、それらに対抗する手段を頭に置いておかなければ他部隊の調査は極めて難航する。

 

「おのれグリフォンめ、我が城に攻めてくるとは。我が聖剣の錆にしてくれる」

 

雀に対してムキになるアーサーの馬鹿に…

 

「そんなこと言って、退治なんか本当にしたら鳥獣保護法違反で捕まりますよ?」

 

「そういうマキさんも結構デンジャラスだからなぁ…」

 

 

「でも、マキさんは基本的にクールな美人で素敵ですよ。残念なところはありますけど」

 

「ガーン…」

 

「個々の人は皆変な人ばかりで、シスターだけが救いです」

 

お前も大概だろうに、シンラ。

 

「そんなことありませんよ、シンラさん」

 

「ハァ……」

 

唯一ミーティングをちゃんと聞いているのは…俺も変人なのか、という目で横からシンラを見るジュラス。まぁ俺からすればお前もなかなかだぞ。

 

「全員、ミーティングに集中しろ!

…おいジュラス、俺のさっき言ったことは覚えているな?」

 

「はい。能力者との戦闘もこれからは多くなるだろう…と」

 

「うむ。焔ビトと違って、相手は何をしてくるかわからん。特にアーサー。お前はウチの中でも屈指のバカなんだから、ちゃんとしろよ」

 

唯一の安心点は、ヴァーリ曰く250年前の時点ですべての神滅具(ロンギヌス)が神話世界の中で厳重な管理下に置かれていた事。もし放置されていて、1つでも悪質な連中の手に渡っていたと想像すると…寒気がする。

 

「ふっ…俺はドラゴンを退治する男だぜ」

 

自信満々なアーサーの宣言を聞いたジュラスが、僅かに目の色を変え、震えた気がする。

 

しかし…ドラゴンスレイヤー、ね。

 

ジュラスとレギーナの真実を知った時。第8の仲間の本当の姿を見た時。お前はどう受け取るんだ?

 

それはそれとして…後でアーサーをシゴき倒すか。ついでにシスター以外の全員もだ。連帯責任を負ってもらう。

 

「中隊長、ちょっといいですか」

 

「…なんだ、シンラ」

 

「皆さんがマッチボックスで秋葉原に到着する前、第5の隊員は一般市民を焼くとかいう冗談を言ってました。あそこのトップは何者なんですか!」

 

「あぁ、プリンセス火華か…。第3世代能力者で、突如灰島に現れてからあっという間に出世し、今の地位に登り詰めたらしい。色々と謎の多い彼女だが…何でも違法に焔ビトを研究し、データを切り売りして出世したそうだ。それも、ぽっと出が大隊長になれるほどの質の良いデータをな」

 

「それなら人体発火現象の原因も掴んでいるかもしれないと⁉」

 

「あぁ。それを得るために今回は強行手段を取るつもりだ。強引にでも内部に突入する」

 

 

 

《秋樽桜備》

 

 

 

その日の夜。俺はマキからシスターが行方不明との報告を受け、緊急で再度午後のミーティングを開いている。

 

シンラ曰く、先日出会ったプリンセス火華に対してなんか思うところがあるような表情をしていたらしい。昔、何かしらの接点があったんだろう。

 

「どう考えても第5に行ったとしか思えませんよ!」

 

「俺もそう思っている。だが焦るな、相手はこちらよりも規模が大きい。だから落ち着いて行かないと返り討ちに遭う」

 

そうだ。俺らよりも規模の大きな第5を統率できるレベルのカリスマ性と、それに見合う発火能力の持ち主。加えて、あの凶悪犯罪者の焔ビトを管理下に置いているというのが厄介だ。灰島の関連施設というのも、攻略に手間取らせるだろう。

 

「何より、今回の調査は強引に行うから各所への根回しが必要だ。俺はその辺の工作に手間取るからすぐには行けない、だから火縄が実質的な指揮官だ」

 

火縄が頷き、ホワイトボードに第5の拠点…第5特殊消防コンビナートが記された航空写真を貼って説明を開始する。

 

「今から、俺と大隊長が考えた計画を教える。

コンビナートは広く、内部施設が複雑に入り組んでいるのがわかるだろう。それに対し、桜備大隊長に先んじて突入するメンバーは少ない。だから、役目を割り振る」

 

そうして各隊員に指示が出され、各々が出撃に備えた準備を整えていく。

 

「それと、今回はマッチボックスで行かない。俺はシンラとアーサーとジュラスを乗せて自家用車で行く、装備は荷室に収納しろ。マキは自分の車があったよな」

 

「待ってください、どうして今回は?」

 

「ギリギリまで消防隊だとわからないようにしておけば、第5も油断するだろう。とにかく勢いで突き進むには相手の動きを可能な限り崩しておきたい。それに一般の駐車場はコンビナートのすぐ近くにあるからな」

 

「…わかりました」

 

3人の新人隊員が準備を完了させ、火縄の車に乗った。マキも同様で、いつでも出発できる。だが俺はある事を思い出し、出発前の火縄達を呼び止めた。

 

「待て、火縄。それとマキ」

 

「「なんでしょう」」

 

「あいつを連れて行ったらどうだ?」

 

そういって俺は倉庫の方を指さす。

 

「仲間のピンチだ、働いてもらわないと困る」

 

「では、同性という事で私の車に」

 

 

 

《ジュラス・グレモリー》

 

 

 

火縄中隊長の指示を受けた俺は、中隊長の車から一足先に降りて、いかにもラーメン屋な服装で第5の正門で警備役に接触した。

 

「ちわーす。夜遅くまでお疲れ様でーす!」

 

「お、おう…なんなんだ坊主?」

 

「あー、自分飯屋の者です。第8のシスター・アイリス様が出前を注文したんですけど、屯所にいないみたいで。聞けばこちらに伺っているとか」

 

「うーむ、先ほどアイリスと名乗るシスターがプリンセスに会いたいと言って、中に入っていったな…おい、本当に中身は食いもんなんだよな?」

 

「もちのろんです!ほら、ラーメン!」

 

「…確かに嘘はついていない」

 

「じゃあ中に入れてもらえません?ウチの店、本人から現金受け取る形で配達が完了する仕組みなんで」

 

「ダメだ、関係者以外立ち入り禁止だぞ」

 

「そんなぁ、店長に怒られちゃう~」

 

「知らんわそんな事!とにかく無理なものは無理、会えないんだからさっさと配達品を店に持って帰れ!」

 

「でもこの料理、足が早いし…折角作ったのに傷んじゃったらお客さん泣いちゃうっスよ?」

 

「わ、わかったから!目をウルウルさせて訴えるな!キモイ!」

 

「ありがとうございまーす!あ、警備員さん」

 

「どうした、こっちは仕事中なんだぞ。早く行け!」

 

「お茶です、差し入れにどうぞ!毎日市民の安全を守ってる感謝として!」

 

「そ、そうか。ならありがたくいただく…」

 

ごくっ、ごくっ、ごくっ…。

 

「ぷはぁ、あれ?なんか眠く…ウーン・・・グゴゴゴ」

 

行く道中でドラッグストアの睡眠導入剤を混ぜたんだけど、なんか思ったより早く効果が出たな。

 

「さて、さっさと制服に着替えて、と…。怪しまれないように施設の内部を調べて皆に報告しますかね!」

 

 

 

《武久火縄》

 

 

 

トランシーバーを持たせたジュラスから報告があった。

 

施設内には屋敷型の建物があり、プリンセス火華はそこにいるらしい。そして、例の焔ビトはシンラに右腕を吹き飛ばされたが、その代わりに右腕へキャノン砲を取り付け火力を増強させた。基本的にとんがった頭の老人に付き従う形で行動しているとのことだ。

 

「お前達、聞いたな。

まずはシンラ。シスターは間違いなくプリンセス火華のところにいる。アーサーを背中に乗せて塀を越えたら、屋敷を目指せ。

そしてアーサー、あの焔ビトを今度こそ処理しろ。お前のプラズマがあれば十分に突破できるからな」

 

「中隊長とマキさんは、その…本当に俺に頼らず侵入出来るんです?」

 

「問題ないから、行く前にああして指示を出したんだろう。お前たちが先に内部に入って暴れる方が、こちらとしても都合が良いしな。そら、行った行った!」

 

アーサーを乗せたシンラが足の炎で空から急襲したのを確認した俺は、マキの車の後部座席から一つの人影を引き摺り出す。

 

「それでは、荒事に付き合ってもらうぞ」

 

「ふぁあ、メンドイなぁ…」

 

連れてきたのはレギーナ。勿論そのパワーに目を付けたからだ。

本来なら俺が火薬の爆発を強めることで威力を上げた射撃で塀を破壊するつもりだったが、桜備大隊長がおすすめした通り、こいつに頼む方が手っ取り早い。

 

「よいしょっ…と!」

 

ドゴオオオオン!

 

レギーナが助走をつけてタックルをかますと、それだけで塀が吹き飛んだ。これでこちらも中に入れる。人間態ですら建造物を易々と粉砕する破壊力は驚異の一言に尽きるだろう。

 

「レギーナさん、マッチボックスを受け止めるわ、壁を壊すわ…しかもこれでまだ成長途中なんですよね?」

 

「奴はただのドラゴンじゃない。祖父は龍王という最上級のクラスに属する伝説のドラゴンだ。その系譜ならばこれくらいは朝飯前なんだろう」

 

「チートすぎますよ…」

 

空からの突然の襲撃。最低限の装備で壁を破壊したのはたった3人の侵入者。第5の隊員はただただ驚愕するのみだ。

これこそが俺達の狙い。手薄な戦力で暴れまわることで、相手に精神的な衝撃を与えて混乱させる。

 

「バカな…分厚い鉄筋コンクリートの壁だぞ⁉」

 

「お、おい警備の方はどうなってる!」

 

「ダメです、繋がりません!何者かが妨害を仕掛けたと思われます!」

 

「くそっ、数ではこっちが勝ってるんだ、畳みかけろ!」

 

「空から来た奴らも逃がすな、追え!!」

 

第5の隊員がバリケードのように横陣を組み、銃撃を試みるが——————

 

「ぜーんぜん痛くないですね」

 

矢面に立ったレギーナには全く効いていない。

 

「…さて。俺のしごきから逃げられると思うなよ」

 




最近機種変更しました。デフォルトで充電器のプラグとイヤホンと画面防護フィルムないのか…
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。