ハイスクールD×D アフター:New HERO BorN F×F   作:scp-114514

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オリ主ことジュラスの容姿は戦国basara4の島左近(髪の色がゲームと真反対)をイメージしてください。


偽りの悪魔、真の魔王

《森羅日下部》

 

 

 

今日は訓練学校は休みの日だ。と言っても敷地内を適当にうろついている。積みゲーも消化して、寮の自室じゃやる事マジでないんだよ。

 

ここでの生活にもすっかり慣れた。

 

まぁ、ここでも陰で言われるようになった。案の定だったが。

 

『悪魔』

 

面識の無い母方の祖母からの拒絶に端を発し。

 

発火能力の制御のために入れられた灰島の研究所。

 

身寄りを失い入所した児童養護施設。

 

そこから通った義務教育学校。

 

どこでも同じことを言われ続けてきた。

 

筆記・実技の両方で最高成績を叩き出した主席のオグンとかは「よくわかんねェ噂でお前を疑ったりはしねェ」って言ってたけど…割と俺と進んでつるもうとする奴はほっとんどいなかった。

 

あ、アーサーのバカとはしょっちゅう『ヒーローと騎士はどっちがスゲェか論争』でぶつかってるけど。

 

まぁヒーロー>騎士なのは確定事項だけどな!

 

あれ?

 

「ン“ン”ン“ッ”⁉」

 

いきなりスッゲー匂いがきたんだけど。誰か屁でもこいたか?いやそれにしては刺激的だな…。

 

「あ、ゴメン…」

 

俺とすれ違った後ろの男子生徒が謝ってきた。

顔はそこそこ整っている方で、とりわけ目についたのは紅色の髪。正確には髪の毛が全部紅色ってわけじゃなく、全体の8割が左前に纏められた紅髪で、残り2割は物理的に纏められそうになかった右側頭部の栗毛だ。

うん。なんつーか、特徴的だな。いやたまに変な顔する俺が言うのもなんだけどさ。

 

というか…ニンニクのせいで整えた自分のヘアスタイルが台無しなんですけど大丈夫なんですかね⁉ここ人が行き交うところなんだけど⁉

 

「ニンニクのカットをしてたんで…いやもうホントゴメンな」

 

「あー、そうだったのね。てかキミ誰だっけ?」

 

「…ジュラス、兵藤」

 

ジュラス…あ~~~~思い出した!

 

新入試験の時、実技がそれなりに話題になってたんだ!

そぶりは普通っぽかったのにフルパワー出してたそこらの生徒よりも運動神経がよかったんだ。

それと発火能力が『ある意味で』インパクトがあって『ある意味スゲー奴』って言われてた時があったんだ!

 

でも感情表現がイマイチだったからインパクトが薄れていつの間にか普通の生徒に戻ってたんだよな。

 

「寮は食堂がついてたはずだし、部屋にはキッチンはねェぞ?」

 

「家がラーメン屋なんだよ。『でぃーでぃー』って名前のな」

 

「あぁ、あの2人で営業してるとこか…」

 

俺はラーメンが好きでいろんな店に行って食べてるんだけど、あそこの店は格別だったんだ。今でも印象に残るぐらいには。てかどういう意味だ、『でぃーでぃー』って。

 

「最近おじさんが店のほかにやることができたもんで…俺も手伝える時はいかないとさ」

 

そういえばあの店女性の従業員が一人いたんだけど…クッッソ背丈がデカくてビビったんだよな。

 

「日下部に話しかけるとかマジかよ…」

 

「能力がおかしいなら頭もおかしいってのか…?」

 

昔から言われるけど、ホントに誹謗には慣れない。

 

俺はアーサーとオグンぐらいしか話し相手がいない。他は近寄ってもたかが知れてるし、もしかしたらこいつもなのかな。

 

いや正直、一人でも俺が『そうじゃない』って信じる人がいて欲しい。色んなとこから名も葉もない噂で言われるってのは、マジで心にくるんだよ。

 

だから気づいたら、言ってしまった。

 

「なぁ、お前も噂、信じてんのか…?俺が親殺しの悪魔だっていう」

 

「信じてない。お前は人間だろ。見ればわかる」

 

「えっ…そう…なのか…?」

 

「どうかしたか?」

 

「いやまぁ…嬉しいんだけどさ!即答なんて、意外だなーって」

 

「そうか。世の中、色んなのがいるっつう事だろ」

 

へぇ、まだまだ捨てたもんじゃないよな。『噂はしょせん噂』だと断じて気にしていない輩だっている。でなけりゃ周りから白い目で見られてもこうしてヒーロー目指そうと努力してねェって。

 

うん、そうなんだよ。そういうことにしておこう。

 

だから俺は、気にしないことにした。

 

だから俺は…こいつが俺の噂に対してあっさり『お前は悪魔じゃない』って言った時。オグンは論理的・常識的に考えた上で俺の噂を否定したのに対し、こいつの発言はどこか『ズレている』気がしたけど…気のせいだと思う事にした。

 

「とりあえず、サンキューな!」

 

ニッ・・・カァ・・・

 

「その表情で言われるのも複雑だがな」

 

「ニンニクの匂いをケアしてから言おうぜ⁉」

 

 

 

***

 

 

 

翌週末。俺は葛飾(第4の管轄区内)のとあるショッピングモールのフードコートで、ジュラスと適当に昼飯を食いながら駄弁っていた。

 

俺は馴染みのある某バーガーショップのハンバーガー。ジュラスは食品売り場で買ったチャーハンとチーズケーキがメニューだ。

 

「お前んとこのクラス、最近なんかあったか?」

 

「古達っていう女子生徒が…まぁ、とんでもないもんでな…。そっちは?」

 

「うーん…特には何もねェな。相変わらず話し相手は2人だけだ」

 

俺とジュラスは別のクラスなのでこうして自由に会話できる機会はこういうときぐらいしかないんだ。

 

今日はオグンはバイトが入ってるから今はいない。

 

ちなみに…本当にちなみに!アーサーはクラスの女子生徒達に誘われて渋谷区に遊びに行っている!

 

クソ!バカなのにモテるなんてちっとも…羨ましいッッッ!!!

 

「どうしたよ、血の涙でも流しそうな顔してるぜ?」

 

「な、何でもねェよ。

…あのさ、ジュラス。お前に初めて聞くんだけどよ…」

 

「なんだ?」

 

「俺、お前の事あんまり知らねェ」

 

「だな。お互いこうして話すのは初めてだ」

 

「じゃあこれから色々話そうぜ。

まずは…志望動機だ。お前はなんで消防官の道を志したんだ?

ちなみに俺はヒーローになるためだ!守るべき命があるからな!」

 

ビシッとカッコつけて決めてみたぞ。これぐらいしないとインパクトはないからな。

 

「……」

 

そんな俺をジュラスは無言で見る。やべぇ、スベッた⁉

 

「消防官のタマゴに相応しいな。うん、仕事が仕事なんだからそういかないとな。

…うん、俺は…そうだな。両親に恥じないようにありたい、かな」

 

「おお、そうか!ちなみに親は…ラーメン屋じゃないよな?以前『おじさん』って言ってたし。」

 

「うん。あれはおじさんの店兼家だ。今は親と離れてるよ」

 

おじさんって…多分銀髪の男の店長だよな?めっちゃ若くない?歳の近い叔父なのか?というか全然似てないぞ…?

 

「何か…両親との間にあったのか?まさかアーサーみたいに…あっ、悪い!深入りするの良くないな!」

 

というか、確執あったらあんなん言うわけなくない?いやそうなるともっとよくわかんなくなってきたな…。

 

「いや、そんなんじゃないんだけど…そこら辺は個人情報なんで…」

 

「話がドンドン見えなくなってきたんだが…お前の両親何やってんの?それくらい今の歳ならちゃんと知ってるだろ」

 

「あー…個人事業主。ちょっと規模は大きい、かな?」

 

「なーんだ。太めの実家ってことじゃねえか。そこまで恥ずかしがる事でもないと思うぞ」

 

「ご、ごめん…変なところで恥ずかしがる癖があって…」

 

「ハ…ハハ…」

 

金に困ってるわけでも、毒親に苦しめられているわけでもないのに、わざわざ親戚の家に居候していて、しかも危険と隣り合わせな仕事を目指している。おかしくないか?

両親に恥じない姿。それは本当に親を誇りに思っている事の表れだろうが…わからん。

 

「飯食った後に、ここの中で何か寄りたいとこあるか?俺、スポーツ用品店に行きたいんだけど」

 

「学校が指定した靴は、購買にあるんじゃなかったっけ」

 

「フットサルとかサッカーが趣味なんでさ。でも屋外用と屋内用の運動靴を新調しなきゃいけなくなったんだ」

 

「そうだったのか。俺、書店に行きたい。古生物が好きでさ。その本買いたいんだ」

 

「お、そうか。どちらも同じ2階にあるな」

 

「あとスポーツ用品店の方。俺もちょっと長めに見て回りたい」

 

「ん?なんか買いたいものあんのか?」

 

「いやまぁ、そうなるかはわかんないけど。ちょっと色々スポーツを齧ってみようかなって。シンラだって、相手がいる方が楽しいだろ?」

 

「なら今度、ウチのクラスのオグンも呼ぶよ。ついでにアーサーも呼べばなんかの団体競技が出来るかもな」

 

そう言って、チャーハンを平らげていくジュラスの正面顔を俺はなんとなく眺める。

 

『そうする必要がないと思えるのに』親元を離れて親戚の元で生活している現状。

 

そして、俺をあっさり『悪魔じゃない』と噂をバッサリ切った時の、言葉にできない異質さ。

 

俺はこいつが何かを隠しているのを確信したが、それが何なのか、何のために隠しているのかは見当がつかない。それでも消防官を目指すその理由だけは信じられる。ならそこまで悪い奴じゃないのは確実だな、深く考えないでいよう。

 

 

 

《ヴァーリ・ルシファー》

 

 

 

「準備はいいか」

 

『ああ。いつでもいけるぞ』

 

人気のない地下(ネザー)に降りたった俺達のやろうとしていること。それはアルビオンを顕現させて冥界へ彼を向かわせるのだ。白龍皇の力の一部を持つ兵藤一誠のところに一時的に収納させてもらい、赤龍帝の籠手を介して現代の東京皇国の状況を報告させる。

 

アルビオンは本来俺の中に宿る以上、彼が籠手に宿った状態の兵藤一誠は俺と意識をある程度リンクできる。こうすれば、冥界は人間界に対して足並みをそろえて問題の対処を行えるだろう。

 

『Vanishing Dragon Balance Breaker!!!』

 

禁手化した俺はオーラを高め気合を高めて叫ぶ。

 

「復活せよ!我が内に宿る『白き龍』よッ!!」

 

質量をもったオーラが純白で優美な巨龍の姿を形成する。アルビオンの顕現だ。

 

「頼むぞ、アルビオン」

 

ネザーに広がる暗闇の中で俺は魔法で作った剣で空間に裂け目を作り、その中にアルビオンが入っていく。

 

世界各地を渡り歩いていた頃は何度も人間界と冥界を行き来していた。俺もアルビオンも行き方は覚えている。

炎など、ドライグの炎すら一切効かないアルビオンにとっては何の苦でもない。

成功を確信していた俺だったが———

 

『ぐ、うぐおおおおっ⁉』

 

「アルビオン⁉どうした、アルビオン!」

 

5分も経たないうちに鎧の宝玉からアルビオンの苦悶の声が響いてきた。

 

『まずい、まずいぞ!危険すぎる、引き返させてくれ!』

 

俺は急いで再び虚空に穴をあけ、手探りでアルビオンを引っ張り出そうとする。

 

「が、ぐぅああああっ⁉」

 

どうにかアルビオンをこちらに連れ戻しはできたから良かったものの、穴から溢れた炎に触れた瞬間、何かが俺の頭を駆け巡った。

 

『———————!!』

 

『————————————』

 

『■■■■■■■!!!!』

 

具体的に何を言っているのかはわからないが、どす黒い負の感情に塗れた言葉が無数に頭の中を埋め尽くす。

 

俺は急いでアルビオンを神滅具に戻した後、魔法によって自己催眠をかけてその場で深い眠りに落ちた。

 

 

 

***

 

 

 

眠りから覚めた俺達は、心身の調子を見てようやく精神汚染が止んだと確信した。それでも精神的に満身創痍だが。

 

「アルビオン。あれはマズイな。炎だけで断絶されていたと思っていたんだが…」

 

『うむ…。あの炎の中には、どういう理屈かわからないが無数の怨念のようなものが漂っている。1000とか2000とかのちゃちなものではない…!数える事を諦めるほどの膨大な数…!』

 

確実に言えるのは、あれほどの負の感情はこの国の人間ですべて賄えるとは到底不可能である。

 

「どこからあの数を…」

 

250年前の大災害の時、殆どの人類は炎によって神話世界と断絶され、避難できずに死亡した。

 

そしてその炎は、今なお燃えている…。

 

『私の推測だが。あの炎は当時死した人類の負の感情を留めているのだろう。東京皇国の人口は現在約1500万。これは大災害前の1割にも満たない数。仮に大災害の死者が当時の人口の9割と仮定すれば…あの負の感情、90億人分は軽く超えているだろう』

 

「魔王化した上で半減を行えば、何とか消せないか?」

 

『可能だと思うが……すまない。サマエルの毒を受けた時と同じかそれ以上の消耗を受けでしまった。

5分に満たない短時間ですら、あの怨嗟が私の全身を蝕むには十分すぎた。

応急処置が功を奏して最悪の事態は防げたが、神器の再調整には時間がかかる。こうして会話はできるが…少なくとも半減は使えない。暫く休ませてくれ』

 

「謝るのはこちらの方だ、アルビオン。やり方を変えるしかあるまい」

 

そう。今の人間界に存在するモノを使って解決する他ない。

 

「アルビオン、鎧自体は使えるんだろう?」

 

『…今までと比べて制限時間はあるが』

 

「各地のネザーの調査はもちろんだが…潜水調査をしたい。おそらく海中の遺構なら手出しができていないだろう。空気ごと大気中の酸素をヘルメット状に頭にかき集め、水中の溶存酸素と交換していく…。うん、この理論で魔法を構築してみるか」

 

『水圧という限界があるのは注意しておけ』

 

よし、ならば一度家に戻って今後の予定を練り直していこう。

 

そうしてネザーを後にしようとする俺だが、何者かの気配を前方から感知した。

 

「暗くてカビくせぇネザーにゃ汚いドブネズミしか居ねェと思ってたが…まさか綺麗な白鳥がいるとはな。…おおっと、ドンパチやる気はねェぜ」

 

現れたのは左目を隠し、煙草をふかす外見年齢20代後半くらいの黒い長髪の男。容姿は整っているが、どことなく退廃的な雰囲気を醸し出している。

 

「いつから見ていた?」

 

「アンタがその白い鎧を纏ったまま、寝ているのを見たくらいさ。現代の皇国の技術で作れるとは到底思えねェその外見…それほど詳しい身ではないが、何となくわかる。発火能力の類でも、灰島重工の極秘技術でもねェな?」

 

「そういうキミも只者ではないだろう。

見ただけでわかるさ。死線を潜ってきた事くらいはな。そしてその整えた外見。

なのにこんな所に姿を隠すなど、想像に難くない」

 

「いやいや、買い被りってもんだよ。俺はどこにも属さねぇ一匹狼だ。これまでも、これからもな」

 

「…『彼』(兵藤一誠)ならばキミの事を深く知った後、暑苦しく握手を交わそうと思うのかもしれんな」

 

「…あ?何のことだ?」

 

「いいや、何でもない。では、ここに長居するつもりもないので帰らせてもらうとしよう」

 

「おう、さいならだ。

…せいぜいその綺麗な翼、ドブで汚さねぇよう気ぃつけな、銀髪の兄ちゃん」

 

背後からのけだるげな声を聞き流しながら俺は踵を返し、ネザーの入り口を目指して歩みを再開した。

 




イッセーの方の話が上手い事纏まらねぇ…!
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