オドロキさんはオドカしたい!   作:TTKTW

1 / 2
第壱話 オドロキさんはヤンキーをオドカしたい!

 

 今は平成の終わり頃、日本には「オドロキさん」という、恐ろしい幽霊の噂があった。

 

 その幽霊は、「どこの心霊スポットにも出ることがあり、出会ったら最後……!身体の芯まで冷えるほど驚かされる」というすごく恐ろしい幽霊なんだとか……!

 

 そう、その幽霊が……!

 

『私だ!!』

 

 華麗にポーズを決めて、廃墟の中で一人でぽつんと場を沸かせる。これが私の使命であり、長所なんだから!

 

 私は、日本中の心霊スポットを巡って、そこにいた人間達を驚かせて、反応を楽しむのが趣味!

 

 私一人しかいないから、一斉に何箇所もは物理的に……いや、物理じゃないけど……無理だから、1週間に1箇所ずつぐらいで場所を変えてるんだ!

 

 今いるのは、とある廃墟のホテル!

ここは有名な心霊スポットだから、きっと人間共もすぐ来るはず!

 

「うぇーい!ほらどうよお前ら!ここが超有名心霊スポットだ!噂だと……オドロキさんが出るって噂だぜ?」

「……『お前ら』って……。私とマコトしかいないでしょ?」

 

 噂をすれば、男と女の二人組がノコノコとやってきた。一人は金髪のヤンキーで、もう一人は気の弱そうな雑魚。

 

「……えっと、ほ、本当に入っちゃった……」

「なぁにビビってんだよ!マミ!俺がいるから安心しとけ!ハハハ!!」

「……そ、そうだね……マコト……」

 

 ……チッ……。カップルじゃん……!

万年ボッチの私の前で……許せない……。ぜったいに男の方に恥かかせてやるから!!女に落胆されちゃえ!

 

 男は私がいることも知らず、スマホのライトであたりを照らしている。弱っちいライトだ。数メートルくらいしか見えてないんじゃなぁい?

 

 私は最初の悪戯として、スマホのライトを手で塞いで、光を遮断してみた。

 

「あ、あれ!?え?」

「暗いよっ……!ら、ライトは!?早くつけてよぉ……!」

「い、いや見ろよ!ライト、スマホの画面だとちゃんと付いてんだよ……!ほら、オンになってるだろ……!?」

「え、えぇ……!?」

 

 しめしめ。ふふっ……あはは!!ざーこざーこ!人間共は明かりがないと何も見えないんだから!あっはは!!

 

 そろそろ良いかな。ライトは戻してあげよう!

 

私の目に、強い光が……なんてヘマ、私は起こしませーん!

天才幽霊だからね!ちゃんと目を逸らしてるよーだ!

 

「あ、ようやく戻った……!買い替えか……?買って一ヶ月なんだけどな……」

「い、いいから……探索するなら、早く終わらせようよぉ……」

「わーったわーった!今度は俺に任せとけ!」

 

 ほら、また始まった!今に見といてよ!人間!

 

 男が足を前に出し、階段を登っている最中、男の足を……

 

「いやぁぁぁ!!」

『ひゃぁぁぁ!?!?』

 

 ひっ……あ、ふひゃ……!び、ビックリした……マミ……だっけ……急におっきい声ださないでよ……!!

 

「っ……ど、どうしたマミ……?ひゃぁって……?」

「……あ……ただの虫だった……ごめん…………えっと、ひゃぁってなんのこと……?」

「……聞き間違いか……?あー、まぁ心霊スポットだしな、ビビるのも仕方ねぇよ!」

 

……私じゃないんかーーい!!!

え?虫?

 

私、虫に怖さ負けたの!?……てかなんの虫……ゴキブリじゃん!!!これは……まぁ騒ぐか……なぁ……うん……納得……いってないけど。

 

「さ、次は2階だ!下に気をつけろよ、トゲとかあったら危ねえからな!」

「うん、ありがとう……!」

 

 ……なんか良い雰囲気になってる……。どうにか、どうにかして雰囲気を悪くしないと……!

 

『ばぁ!!』

 

「っ……!?な、なんだ……?なんか聞こえた気が……?」

「怖いこと言わないでよマコトぉ……!何も聞こえなかったよ!?」

『ぁぁぁぁぁぁぁ……』

「ひっ……あ、え……?き、聞こえてねぇの!?マミ!」

「聞こえないよ!なに!?なんのこと……!?」

 

 聞こえなくて当然!私は男の耳にすっごく近づいて、小声で怖い声を出してるんだもん!あっははは!!!

 

「あぁ!?なに、なんかいたよ…!?」

「はぁ……!?ど、どこだ!?」

「今、一瞬なんかが……!」

 

 ……たぶん気の所為だよそれ。私何もしてないし。

 

 まぁ好都合、存分に怖がるといいさ!ふふっ!ふふっはは!!

 

「もう……もうやだぁぁぁ!!」

『へぶぁ!?』 

 

 痛っぁ……!?ば、このババア……!いや、ババアって年齢じゃなさそうだけどこいつ……!バックで偶然私の頭をフルスイングしてきた……!

 

「お、おい……!危ないだろ!俺に当たるとこだった……ぞ……?おい、ど、どうした……?」

「ご、ごめん……でも……い、いま、なにか当たった……!マコトには当たってないんだよね……?」

「お、おう……当たってないけど……」

 

う……ぁ……バックの中身……水筒とか入れてるな……ぁ……重すぎ……。も、もうやだ……私がやだ!コイツら嫌い!!痛いよぉ……!今日は営業停止ぃぃ……!!




この小説は、『書け次第、随時投稿』とさせていただきます。更新する時は、必ず『午前7時30分』に投稿します!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。