今は平成の終わり頃、日本には「オドロキさん」という、恐ろしい幽霊の噂があった。
その幽霊は、「どこの心霊スポットにも出ることがあり、出会ったら最後……!身体の芯まで冷えるほど驚かされる」というすごく恐ろしい幽霊なんだとか……!
そう、その幽霊が……!
『私だ!!』
華麗にポーズを決めて、廃墟の中で一人でぽつんと場を沸かせる。これが私の使命であり、長所なんだから!
私は、日本中の心霊スポットを巡って、そこにいた人間達を驚かせて、反応を楽しむのが趣味!
私一人しかいないから、一斉に何箇所もは物理的に……いや、物理じゃないけど……無理だから、1週間に1箇所ずつぐらいで場所を変えてるんだ!
今いるのは、とある廃墟のホテル!
ここは有名な心霊スポットだから、きっと人間共もすぐ来るはず!
「うぇーい!ほらどうよお前ら!ここが超有名心霊スポットだ!噂だと……オドロキさんが出るって噂だぜ?」
「……『お前ら』って……。私とマコトしかいないでしょ?」
噂をすれば、男と女の二人組がノコノコとやってきた。一人は金髪のヤンキーで、もう一人は気の弱そうな雑魚。
「……えっと、ほ、本当に入っちゃった……」
「なぁにビビってんだよ!マミ!俺がいるから安心しとけ!ハハハ!!」
「……そ、そうだね……マコト……」
……チッ……。カップルじゃん……!
万年ボッチの私の前で……許せない……。ぜったいに男の方に恥かかせてやるから!!女に落胆されちゃえ!
男は私がいることも知らず、スマホのライトであたりを照らしている。弱っちいライトだ。数メートルくらいしか見えてないんじゃなぁい?
私は最初の悪戯として、スマホのライトを手で塞いで、光を遮断してみた。
「あ、あれ!?え?」
「暗いよっ……!ら、ライトは!?早くつけてよぉ……!」
「い、いや見ろよ!ライト、スマホの画面だとちゃんと付いてんだよ……!ほら、オンになってるだろ……!?」
「え、えぇ……!?」
しめしめ。ふふっ……あはは!!ざーこざーこ!人間共は明かりがないと何も見えないんだから!あっはは!!
そろそろ良いかな。ライトは戻してあげよう!
私の目に、強い光が……なんてヘマ、私は起こしませーん!
天才幽霊だからね!ちゃんと目を逸らしてるよーだ!
「あ、ようやく戻った……!買い替えか……?買って一ヶ月なんだけどな……」
「い、いいから……探索するなら、早く終わらせようよぉ……」
「わーったわーった!今度は俺に任せとけ!」
ほら、また始まった!今に見といてよ!人間!
男が足を前に出し、階段を登っている最中、男の足を……
「いやぁぁぁ!!」
『ひゃぁぁぁ!?!?』
ひっ……あ、ふひゃ……!び、ビックリした……マミ……だっけ……急におっきい声ださないでよ……!!
「っ……ど、どうしたマミ……?ひゃぁって……?」
「……あ……ただの虫だった……ごめん…………えっと、ひゃぁってなんのこと……?」
「……聞き間違いか……?あー、まぁ心霊スポットだしな、ビビるのも仕方ねぇよ!」
……私じゃないんかーーい!!!
え?虫?
私、虫に怖さ負けたの!?……てかなんの虫……ゴキブリじゃん!!!これは……まぁ騒ぐか……なぁ……うん……納得……いってないけど。
「さ、次は2階だ!下に気をつけろよ、トゲとかあったら危ねえからな!」
「うん、ありがとう……!」
……なんか良い雰囲気になってる……。どうにか、どうにかして雰囲気を悪くしないと……!
『ばぁ!!』
「っ……!?な、なんだ……?なんか聞こえた気が……?」
「怖いこと言わないでよマコトぉ……!何も聞こえなかったよ!?」
『ぁぁぁぁぁぁぁ……』
「ひっ……あ、え……?き、聞こえてねぇの!?マミ!」
「聞こえないよ!なに!?なんのこと……!?」
聞こえなくて当然!私は男の耳にすっごく近づいて、小声で怖い声を出してるんだもん!あっははは!!!
「あぁ!?なに、なんかいたよ…!?」
「はぁ……!?ど、どこだ!?」
「今、一瞬なんかが……!」
……たぶん気の所為だよそれ。私何もしてないし。
まぁ好都合、存分に怖がるといいさ!ふふっ!ふふっはは!!
「もう……もうやだぁぁぁ!!」
『へぶぁ!?』
痛っぁ……!?ば、このババア……!いや、ババアって年齢じゃなさそうだけどこいつ……!バックで偶然私の頭をフルスイングしてきた……!
「お、おい……!危ないだろ!俺に当たるとこだった……ぞ……?おい、ど、どうした……?」
「ご、ごめん……でも……い、いま、なにか当たった……!マコトには当たってないんだよね……?」
「お、おう……当たってないけど……」
う……ぁ……バックの中身……水筒とか入れてるな……ぁ……重すぎ……。も、もうやだ……私がやだ!コイツら嫌い!!痛いよぉ……!今日は営業停止ぃぃ……!!
この小説は、『書け次第、随時投稿』とさせていただきます。更新する時は、必ず『午前7時30分』に投稿します!