オドロキさんはオドカしたい!   作:TTKTW

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第参話 オドロキさんは、現場をオドカしたい!

 

 

 

 

  日本のどこか、山奥のトンネルで……

 

「アクション!」

 

 一人の活気ある声が響いた。

 

「……なぁミチヤ。本当に入るのか?」

「当たり前だろ?オレたち心霊バスター、ここの幽霊くらい退治できないとさ」

 

 中肉中背の男と、背丈は高いがヒョロヒョロの男が、共にトンネルの中に入っていった。

 

 

 その先に待ち構えていたのは……

 

 

 

 

 

 

 私だ!!

 

 ほうほう、今日も今日とて、活きのいい人間の若造が来たようではないか!はーはっはっはー!

 

 さて、今日はいったいどうやって驚かしちゃおっかな〜?

呻き声?それとも押してみたり、引っ張ってみたり?

 

 たぶん、映画の撮影かなんかだから……盛大に俳優を転ばせて、失敗シーンを連発させてやるんだから!

 

「……ふぅ……分かった。行くぞ……」

「おう!その意気だ!」

 

 しめしめ、なんにも警戒せずに歩いてきたなぁ、バカめ!そこには私の特製トラップが仕掛けられてるんだよぉ〜っ!

 

「……ありゃ、なんだこれ?」

「ん……?どうしたミチヤ……?」

 

 ふふっフフ……フフフフッ……!

 

 そこにあるのは、私の血を直接垂らした血糊(ガチ)ドッキリ!

 

私知ってるよ?

 

 人間って血とか無理なんでしょ?

 

  だから献血にも行かないんだもんねぇ……!

 

 

「……いや、ただのカビとかだな!」

「……カビかよ、驚かせるなよな……場所が場所なんだから。……でも引き続き、警戒だ」

 

 

 

 

 カビじゃないんですけどぉぉ!?!?

しかも、なんか良い感じのアドリブに繋がってるし!なんで私が撮影のサポートしちゃうの!?もぉぉぉ!!!

 

 

「……っ!下がれシドウ!ゴーストだッ!」

 

 ……ゴースト?

 

 私が振り向くと、目の前。ほんとうに目の前。互いの睫毛が触れるくらいの距離に、顔が漂白された気味の悪い顔があった。

 

 

『イャァァァァァァァァア!!!!!』

 

 

 ——ペシィィイン!!

 

 

 

 はぁっ……はぁぁ……ふぅ……お、思わず、叩いてしまった……。

 

 

 いやいや、それにしてもキモすぎでしょ!?何その顔!?私のほうがまだ人間らしいよ!?

 

 

「痛ッ……!?」

「あ、え!?大丈夫ですか?」

「叩かれた……?でも、他に誰もいないですよね……?」

「頬が赤くなってる……。他にケガとかは……?」

 

さっきまで演技してた人とか、撮影の人とかが一斉に駆け寄ってきてる。

 

 

 ……ま、まぁ……なんか悪いことしちゃったみたいだけど?

 

 元はといえば、意味不明なメイクしてるそこの女が悪いんだし!!

 

 驚かせるような顔しないでよね……もう!!

 

「カット!!撮影停止だ!」

 

 ゴースト役の女が、泣いてはいないけど、ドキドキしてちょっとパニックになってる。ふんっ……まぁ、撮影を邪魔できたみたいだし、怖がってもくれたみたいだから……許してあげようかなっ……!

 

 

 私は、ちょっとだけ心を痛めながら、トンネルからスタスタ走って逃げ出した。

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