ウルトラクロスロード ~銀河に輝く星々の宿命~   作:通りすがりの大学生

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(=◎ω◎=)<どうも読者の皆様、おはこんばんちわ! 作者です!


(=◎ω◎=)<今回は会議パートの続き


(=◎ω◎=)<「どうやって追いかけるの?」の回答からスタートです。


(=◎ω◎=)<太郎のヤバさが爆発してますんで、


(=◎ω◎=)<乞うご期待!


(=◎ω◎=)<それでは、ゆっくりして行ってね!


第十五話 一番槍

 

 

 

『ンッフフフ……随分と心外な物言いですねぇ、畠音さん。ボクを一体誰だと思ってるんですか? 勿論、バッチリご用意してありますとも! さぁ皆さぁん、電脳の怪物たるボクが紡ぎ出す神域の奇跡を、その目にしかと焼き付けやがれですぅ♪ どうぞッ!』

 

 

 

 再び指先を軽快に鳴らし、巨大ホログラムディスプレイの表示を瞬時に切り替える。

 漆黒の画面中央に巨大な一粒の白いドットが強烈な輝きを放ち、それを包囲するようにして無数の光の粒子が深淵の闇を瞬く間に埋め尽くして行った。その様は、一見すれば細部まで美しく造り込まれたプラネタリウムの投影図のようにも感じられる、神秘的な天体画像そのものであった。

 

 だが、よく目を凝らしてみれば、銀河の星々を思わせる無数の光の中にただ一つ、生き物の拍動を思わせる不気味な明滅を繰り返す、真っ赤に染まった異質な光点が怪しく瞬いている。

 その摩訶不思議な画像を見上げながら、太郎はヘッドセットの位置を直すと誇らしげに鼻を鳴らした。

 

 

 

『こちら、ボクが今回の事件解決のために緊急構築致しました、次元交差型・広域追跡索敵システム「ワールド・エンド・ハウンド」でぇす! リヤンゴンがダークロプスゼロの持つ次元跳躍能力を使って、この世界そのものからパパッと逃走したのは先程皆さんにも観て頂いた通り。連中が抉じ開けたワームホールの入り口はとうの昔に閉じられてどこにも残ってませんが、強引に空間の壁をぶち抜いて歪みを創った際に発生した特殊なエネルギーの残滓は、まだ保管庫内の空間にふよふよと漂っていました。ボクはそのエネルギー残滓が持つ微弱な波長を計測してシステムのベースに組み込み、更にそこに頌栄さんが創るスパークドールズや各種変身アイテムのみに宿る、固有エネルギーを逆探知可能な特殊フィルタリングプログラムを掛け合わせまして……はい、テッテレー♪ これこの通り! 無事に出来上がっちゃったって訳ですねぇ♪』

 

 

 

 軽妙な狂気を孕んだ口調で紡がれた解説を聞いて、杉の円卓を囲む猛者達はホログラムの向こうにいる面々も含めて一様に息を呑み、驚愕の表情を浮かべた。当人は何て事の無い仕事であったかのようにのたまっているが、その成し遂げた仕事は、控えめに言っても正真正銘の「神業」の域に達していた。

 

 元々、司令官である頌栄が具現化した各種変身アイテム専用の特殊探知プログラム自体は、以前から太郎の手元に存在していた。万が一にも前線で戦う者達が、誤って市販の玩具のSDを読み込んでしまった事による致命的な誤作動(エラー)を起こさないよう、頌栄の創る本物のSDには共通して微弱な固有エネルギーを発する設計が施されている。ギンガスパーク側にはそのエネルギーのみを読み取って作動する認証プログラムが組み込まれており、不意の人為的ミスが起こらないよう万全の対策が立てられていた。

太郎はそれらを利用して、地球上の如何なる場所であっても正確にその位置を捕捉し、世界中に配置されている各アイテムの在庫や所在地を一括管理するためのシステムを独自に作り上げていたのである。

 

 しかし、それはあくまでも太郎達が住んでいる「この次元宇宙の内部だけ」に限った話だ。三次元世界の壁を超克して、その外側に無限に広がる多次元宇宙(マルチバース)まで探査の手を伸ばせる追跡システムなど、未だ理論を研究している段階ですらない「机上の空論」だったはず。いくらこの二十年で地球人類の科学技術が飛躍的な進歩を遂げていて、ベースとなるデータやプログラムがすべて揃っていたとしても、その「現段階では物理的に不可能なはずのシステム」をわずか数分の間に実用可能なレベルで創り上げてしまうとは、誰も想像できなかった。

 

猫原太郎という男が持つIT技術もまた、現行の人類がいる領域を遥かに超越したオーバーテクノロジーそのものであると言えよう。

 

 

 

「マジかよ……!? 緊急招集を掛けてから、まだほんの数分くらいしか経ってねぇんだぞ!? そんな短い時間で、こんなクソヤベー専用追跡システムをイチから組み上げて作っちまったってのか!?」

「冗談はそのひん曲がった顔と口だけにしとけよ、この化け物め……ッ!」

 

 

 

 蓮二がサンライトイエローの髪を揺らし、驚愕のあまり思わず椅子から勢いよく立ち上がった。別の席では、龍海があまりにも常軌を逸した事態に頭痛を覚えたらしく、様々な感情がない混ぜになった苦笑いを浮かべながら頭を抱えている。

 

 

 

『ハハハッ! こりゃあ、そのリヤンゴンとか言うコソ泥野郎もビックリして腰抜かしちまうだろうな! 何しろヤツにとっちゃ、おれ達は完璧に撒いたはずの相手だ。たった今まで並行世界を渡る事なんざできねぇと思ってた連中に、次元を超えて爆速で追い付かれる事になるとは、夢にも思っちゃいねぇだろうよ』

 

 

 

 遠い異国のオフィスから投影された椋埜の立体ホログラムが、重厚な渋い低音ボイスと共にニヤニヤと底意地の悪い笑みを浮かべて顎を摩る。

 質問をした当人である畠音もまた、既に追跡と反撃のための準備が整えられていると知って、その陶磁器の如き美貌に穏やかな微笑みを作って深く頷き、再び静かに言葉を紡いだ。

 

 

 

「そう……だとしたら、太郎。もしかしてだけれど、そのバロッサ星人が、今現在どこの世界のどの座標に身を隠しているのかも……既に掴んでいたりするのかしら?」

オォォォォッフコォ~~~~~~~~~ッス(もっちろんでぇす)!!♪』

 

 

 

 幼児のような無垢さと底知れない狂気が同居した満面の笑みで応え、太郎が細い指先で空中にくるりと円を一つ描いてみせる。

 直後、ディスプレイの中で赤く明滅していた光点に向かって、ロックオン・マーカーがピタリと重なった。続いて、詳細な次元座標を始めとする膨大な環境データが記載されたウインドウ、円卓の中央へ一斉にホログラム展開される。

 

 

 

『頌栄さんが魂を込めて創り出したSD、その固有エネルギー反応が観測された次元宇宙の座標はこちら! 特撮ファンである皆さんなら勿論ご存じでしょう、あの「ウルトラマンメビウス」の世界でしたぁ! ちなみに現地の時間軸を細かく申し上げますと、第三十一話「仲間達の想い」にて、あの新種の円盤生物「ロベルガー」との死闘を無事に戦い抜いた日からおよそ数日後あたりかと思われます。つまり、主人公のヒビノ・ミライがウルトラマンメビウスであるという事実が、CREW GUYSの仲間達全員にバレたあと……あの伝説の後半クールの、まさに大興奮の幕開けを迎えたばかりのタイミングと考えて頂ければ分かりやすいでしょう!』

 

 

 

 ――「ウルトラマンメビウス」第三十一話の直後。

 

 その言葉が耳に飛び込んで来た瞬間、下座に座る頌栄を除くメンバー全員の雰囲気が、目に見えてパッと明るく、そして抑えきれない期待と情熱に満ちたものへと一変した。

 もしかしたら、他でもない自分自身が、過酷な戦いの中で本物の「家族」も同然の絆を紡いで来たあのCREW GUYSの隊員達や、将来有望な宇宙警備隊の若き戦士たるウルトラマンメビウスと、まったく同じ空の下、本当に肩を並べて戦えるかも知れないのだ。

 特撮ファンの一人として、命を燃やして地球防衛の任をこなして来た者達の集まりとして、それはまさに、魂の底から焦がれ続けた「夢のシチュエーション」そのものであった。

 

 

 

『本物のウルトラマンが大活躍してる世界で、おれ達「連合軍」がド派手にぶちかます栄光の初陣、文字通りの「一番槍(ファースト・アタッカー)」って訳かよ……! クククッ、聞いてるだけで腕が鳴るじゃねぇか! んで、頌栄? 肝心のその大役を担う人選だが、一体誰を向かわせるつもりなんだ?』

 

 

 

 椋埜が年頃の少年のようにワクワクした様子で、ぐっと身を乗り出して尋ねた。リモート通信で無ければ、勢い余って相手の眼前まで迫って行きそうな雰囲気だ。

 そんな彼の様子にフッと小さく笑ってから、頌栄は沸き立ちかけている円卓の仲間達を落ち着かせるように咳払いを一つ挟み、司令官としての冷静な声で静かに告げる。

 

 

 

「期待に胸を膨らませているところ非常に申し訳ないが、今回の事件の『一番槍』に関しては、既にオレと太郎の間で送り出す人員を決めているんだ」

 

 

 

 そう言い切ってから、「お前以外に適任者はいない」という絶対の信頼を込めた視線を円卓の一角へ真っ直ぐに向ける。

 

 

 

「――星都。オレ達の最初の光として、現地に行ってくれるか?」

 

 

 

 その先にいたのは、一人の青年だった。丁寧に整えられた黒のニュアンスパーマヘアの合間に綺麗な銀色のメッシュを一筋走らせた、涼やかで端正な顔立ちの人物だ。

 二十五歳と言う若さでありながら、組織内でも群を抜いて優れた戦闘能力と戦況を的確かつ冷静に見極める洞察力を兼ね備えた男。頌栄達「親世代」の血を引く子ども達だけで構成された、次世代の精鋭集団「二世軍団」の実質的なリーダーとしてその辣腕を存分に振るっている青年、星野谷星都(ほしのやせいと)である。

 

 星都は、自分に白羽の矢が立ったという事実を知って、その双眸をほんの少しだけ丸くした。だがそれも一瞬の事で、すぐに端正な唇の端を不敵に持ち上げると、大物の風格を漂わせながら浅く頷いた。

 

 

 

「ああ、良いとも。『連合軍』の名誉ある一番槍の任、確かに承った。……けど、頌栄さん。並み居る猛者の中から、敢えて俺を選んだ理由はなんだ? まさか、『その時のノリや気分だ』とか『長年の勘だ』とか、そんな曖昧な言葉でお茶を濁すつもりじゃないよな?」

「それこそまさかだ。オレがそんなテキトーな采配で物事を決めていたら、ここにいる選ばれなかった他の血気盛んな連中が納得してくれるはずも無いさ。安心しろ、お前を指名したのにはちゃんとした理由がある。……と言っても、実際にお前の出撃を決めたのはオレじゃなく太郎なんだがな」

「太郎さんが……? ――ああ、なるほど。そういう事か」

 

 

 

 たったそれだけの短いやり取りで、星都は頌栄が言いたい事を理解した様子。そして、彼は確信と皮肉の入り混じった穏やかな眼差しを、右隣の席で妙に体をくねらせている天才ハッカーに向けた。

 

 

 

「本当に欲しかったのは俺の戦闘力よりも、俺が生体認証登録して愛用してる『SD』の固有能力の方だな。何か、任務のついでに集めて解析したいデータがあって、その調べたい能力を持つ怪獣のSDを持ってる人間。でもって、万が一リヤンゴンが盗んでった凶悪なSD怪獣達と戦闘になったとしても、単騎で確実に切り抜けられると判断できるだけの実力を持ってる人間。この二つの基準を両方満たすヤツって事で、俺を選んだ。そうなんだろ、太郎さん?」

『――さっっっすがは星都くん! 二世軍団の若頭を張ってるだけあって、相変わらず話が早くて助かりますぅ♪ ええ、おっしゃる通り。ボクが全力を挙げて作り上げた、この多次元追跡システム「ワールド・エンド・ハウンド」ですが、実はまだ一〇〇%完全に完成したとは言えません。人間に例えれば、ハイハイすらまともにできない赤ちゃんも同然です。今回はたまたま、あのコソ泥野郎(リヤンゴン)がボク達の住んでる宇宙からかなり近い座標に位置する宇宙へ逃げてくれていたから補足できましたけれど、今後はもっと遥か遠い座標へ逃げると考えるべきでしょう。そうなった場合、今のシステムの完成度ではヤツが遺した足跡を見失ってしまう可能性が極めて高い。だから、広大な多次元宇宙の中でヤツの居場所をロックオンできている今の内に、大規模アップデートを重ねてこの赤ちゃんシステムを完成された大人版に近付けておきたいんですよ。そのために、星都くんが愛用しているSDの一つ、「超合体怪獣 ファイブキング」が持つ「自力で空間にワームホールを生み出して次元間を自在に飛び回る能力」の生きたデータを、重箱の隅を楊枝で突いて穿るように奥の奥まで解析して技術に活かしたい! ですから、勝手ながらボクの一存で、今回の栄光ある一番槍の任務に星都くんを推薦させていただいたと、そういう次第ですねぇ』

「なるほどな。そういう技術的な裏事情があるってんなら、今回の任務は確かに俺が最も適任と言えるか……。元からあんな泥棒に負ける気も、頌栄さんからの頼みを断る気も毛頭無かったが、世界的な天才ハッカーにこうも期待を掛けられると益々無様を晒す訳には行かなくなっちまったな。あぁ、プレッシャーが凄過ぎて今から胃がキリキリ痛むぜ……」

 

 

 

 そんな言葉とは裏腹に、星都の態度は大胆不敵そのものだった。百八十四センチにもなる鍛え上げられた立派な体躯をゆったりとオフィスチェアに沈め、静かに細められた瞳には漲る自信と覇気が宿っている。その姿は、「何が起ころうと必ず勝つ」という確固たる意志を見る者に強く印象付けているかのようだった。

 そこへ、彼のすぐ斜め向かいの席に座っていた龍華が気品溢れる仕草でそっと口に手を当て、クスクスと鈴を転がすような声で小さく笑いながら言った。

 

 

 

「あらあら、そんな見え透いた嘘はいけませんわ、星都。言動と態度が一切噛み合っておられませんわよ? そういう時は、ご自分の『早く暴れたくて堪らない』『必ず勝つ』というお気持ちに、もっと正直におなりなさいな。それに、この程度の任務で本当にプレッシャーを感じてしまうほど、貴方の精神は軟ではありません。そうでしょう?」

「その通りだぜ、星都!」

 

 

 

 穏やかだが容赦の無いツッコミの言葉尻に被せるようにして、更にその隣の章大が勢いよく身を乗り出した。

 

 

 

「お前と、お前の持ってるあの『ファイブキング』の強さは、親父達も含めたこの円卓にいる全員が認めてんだ! 太郎さんや親父がちゃんとした理由でお前を選んでて、ちゃんと強ぇヤツが一番槍を務めるってんなら、俺達に文句なんてあるはずねぇよ! どうせ行くならさ、あっちの世界にいるメビウスやGUYSのみんながビックリするくらい派手に大暴れして、あの強欲なコソ泥野郎の度肝を抜いて来てくれよな!」

 

 

 

 ぐっ、と力強く右の拳を突き出して、章大が熱い言葉で星都の背中を全力で押す。それを引き金に、未だタンコブを押さえて痛がっている頼巳や、腕を組んで快活に笑っている蓮二を始めとする血気盛んな仲間達からも、一斉に「お前なら安心だ!」「泥棒野郎に吠え面掻かせて来い!」と熱い応援の声が湧き起こった。

 

 

 こうして、民間防衛組織「連合軍」がその全戦力を賭して挑む、次元超越式のSD奪還作戦。その運命の第一陣が、若き英雄の一人たる星野谷星都の双肩に、最高潮の熱量と共に託されたのであった。

 

 

 




(=◎ω◎=)<如何でしたでしょうか。


(=◎ω◎=)<ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!


(=◎ω◎=)<頌栄に依頼されてから


(=◎ω◎=)<みんなが集まるまでの間に


(=◎ω◎=)<こんなものを作っちゃってました。


(=◎ω◎=)<まだまだ「完成」はしていませんが、


(=◎ω◎=)<今後のアップデートでその問題も直に解決します。


(=◎ω◎=)<これでもう、あのコソ泥野郎は逃げられません。


(=◎ω◎=)<じっくり追い詰めて料理するだけですぞ!


(=◎ω◎=)<今回の事件のMVPは間違いなくあの変人ハッカーですね。


(=◎ω◎=)<それではまた次回、お会いしましょう!


(=◎ω◎=)ノシ
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