ウルトラクロスロード ~銀河に輝く星々の宿命~   作:通りすがりの大学生

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(=◎ω◎=)<どうも読者の皆様、おはこんばんちわ! 作者です!


(=◎ω◎=)<いよいよリヤンゴンの「実験」が始まります。


(=◎ω◎=)<果たして何が出て来るのか?


(=◎ω◎=)<開けてビックリ、玉手箱でぃす!


(=◎ω◎=)<……まぁ、サブタイで「出て来るヤツ」は分かるんですけどね。


(=◎ω◎=)<それでは、ゆっくりして行ってね!


第十九話 石化魔獣

 

 

 

 そして、夜が明けた翌日の昼前。

 

 

 バロッサ星人リヤンゴンが仕掛けた「悪魔の策略」が、遂にその冷酷な牙を剥く。

 

 

 眩い太陽の光が降り注ぐ繁華街のド真ん中。平日の昼間を迎えて数え切れないほどの大勢の人々が活発に行き交う大通りの中心に、一人の青年がぽつりと静かに佇んでいた。

 茶色に近い派手な金髪と、だらしなく着崩した衣服。周囲の喧騒から完全に隔絶されたかのように立つその人物は、昨夜、リヤンゴンの掌に描かれた渦巻き模様を介した超能力によって精神を掌握され、彼の操り人形に仕立て上げられたあの青年であった。

 

 

 

「…………………………………」

 

 

 

 青年は感情のハイライトが一切消え失せた、ガラス玉のように虚ろな瞳でただ虚空を見つめたまま、ロボットのように正確な動作で上着の内ポケットから小さな銀色の金属箱を取り出した。リヤンゴンに無理やり握らされた、プレゼントケースに偽装されたあの特殊な亜空間収納箱である。

 

 脳に直接書き込まれた命令に従い、一切の迷いも恐怖も無い機械的な手付きでその箱の蓋を開けると、青年は中からずっしりとした質量を持つSDとギンガスパークを取り出した。

 その右手に握られた人形の威容は、ウルトラシリーズの歴史を知る者ならば驚愕は免れないほどの、邪悪で恐ろしい風格を秘めていた。

 

 地球の神話や伝説上の存在である「悪魔」を彷彿とさせる、内側に大きく歪曲した左右一対の禍々しい巨大な角。目の無い蛇を思わせる小さな頭部が付いた不気味な触手が、両肩の付け根から一本ずつ鞭のように生え、両手にはあらゆる金属を容易に引き裂けるであろう鋭い爪を三本ずつ備えている。

 背面は深い緑色、腹面は黄土色のツートンカラーをした体格は、引き締まっていながらも胸部がなだらかに盛り上がっていたり腰部が綺麗に括れていたりと、どことなく女性的な印象を与える異質なシルエットだ。

 二股に分かれた長い尻尾の先端には、オレンジ色に怪しく輝く発光器官があり、見る人が見れば敵を威嚇するガラガラヘビの尾を連想する事だろう。

 そして何よりも悍ましいのは、頭部の鋭いキバが幾重にも並んだ巨大な口の奥に、相手を射殺すかのような巨大な単眼がぎょろりと覗いている点である。

 

 

 古の神話の奥底からそのまま飛び出して来た異形の怪物と言っても過言では無い、圧倒的な悪意のオーラを漂わせているその怪獣の名は――「石化魔獣 ガーゴルゴン」。

 

 

 かつて別次元の宇宙に置いて、ただ自らの欲望が赴くままに数多の高度な惑星文明を滅ぼし、物言わぬ石くれへと変えて来た、圧倒的な戦闘能力と高度で狡猾な知能を併せ持つ恐怖の宇宙怪獣だ。

 

 

 

「…………………………………」

 

 

 

 周囲を歩く一般の人々が「おい、あの兄ちゃん何持ってるんだ?」と怪訝な視線を向け始めたその時、青年の肉体がプログラムされたロボットのように再び動き出した。

 無表情・無言のまま、ガーゴルゴンのSDをギンガスパークのブレード先端部分にセットする。

 

 

 ――カチッ。

 

 

 ――《スパークドールズ、モンスロード!》

 

 

 バトルナイザーにも似た重厚な電子音声が、白昼の繁華街の雑音を切り裂いて鳴り響く。

 ライブサインの暗号コードを滞りなく認証させ、青年は虚ろな瞳のまま接続された二つの超常的なアイテムを天高く突き上げると、躊躇なく一気にトリガーを引き絞った。

 

 

 ――《ウルトライブ! 「石化魔獣 ガーゴルゴン」!!》

 

 

 ――ズズゥゥゥゥン…………ッ!!

 

 

 

 SDとギンガスパークから解き放たれた光の粒子が、一瞬で凄まじい光の奔流となって嵐の如く渦を巻き、大通りの中心で青年の体を瞬く間に包み込んだ。

 光の奔流は秒単位で巨大な生物的質量を帯びて膨れ上がり、やがで大勢の人々で賑わう都市の景観を引き裂くように、一体の巨獣へと変貌する。

 

 アスファルトの地面を地鳴りと共に踏み砕き、都会の商業ビル群の狭間にて堂々たる実体化を果たしたのだった。

 

 

 

「KYUIKOAAAAAAAAAAA――――――ッ!!!!」

 

 

 

 実体化したガーゴルゴンは、自由意思を奪われた青年の代わりに己の裡に滾る圧倒的な破壊衝動を爆発させた。解放感に打ち震え、本能の赴くままに大気を爆裂させるほどの凄まじい大咆哮を轟かせて、両肩の蛇状の触手の先端から稲妻のような形状をした禍々しい金色の破壊光線を放つ。

 

 

 バリバリバリバリバリバリッ!! ドゴオオオオオオオオオオンッ!!!

 

 

 激しい破壊の閃光が迸った直後、繁華街のあちこちで高層ビルや商業施設が爆発炎上。巨大な黒煙を噴き出しながら、轟音と共に無残にも倒壊した。

 

 

 

「うわぁああああああああああああああ!!」

「か、怪獣だぁーーーーーーーーーーー!!」

「逃げろーーー!! 早く地下の防護シェルターへ避難しろーーーーーーーーーーー!!」

 

 

 

 さっきまで平和な買い物を楽しんでいた人々が血相を変え、口々に悲鳴を上げながら蜘蛛の子を散らすように四方八方へ逃げ惑う。大通りを走っていた車も次々に急ブレーキを掛け、そこかしこで追突事故や玉突き事故が発生。中には前の車を避けようとして急ハンドルを切った結果、道路脇の街路樹や建物の一階部分に突っ込む車両まであった。

 

 そんな阿鼻叫喚の地獄絵図を上から見下ろし、ガーゴルゴンは足元を這いずるアリの如き人々の狂乱を嘲笑うかのように、ゆっくりと巨大な足音を響かせて進撃を開始したのだった。

 

 

 ヴィーーーーーッ!! ヴィーーーーーッ!!ヴィーーーーーッ!!

 

 

 国際特殊防衛チーム「GUYS」の日本支部基地「フェニックス・ネスト」の内部に、鮮烈な赤色のフィッシュランプと共に緊急事態を知らせる大音量のサイレンが鳴り響く。

 

 ヒビノ・ミライを始めとする「CREW GUYS JAPAN」実働部隊の面々が、弾かれたように作戦司令室へと一斉に集結した。彼らはメインの大型モニターに映し出される、衛星カメラや街頭の定点カメラからリアルタイムで送られてくる繁華街の惨状を目の当たりにして、一様にその表情をプロの防衛隊員のそれへと引き締める。

 

 

 

「ポイント〇―○○、繁華街の中心部に怪獣が出現! 過去のアーカイブ・ドキュメントと照合しましたが、該当する怪獣の記録はありません!」

「そ、それってつまり、また新種の怪獣が現れたって事ですか!?」

 

 

 

 オペレーターを兼任しているアマガイ・コノミが、キーボードを叩きながら焦燥感を隠せない様子で声を張り上げる。それを聞いたマル補佐官秘書が驚愕に目を丸くして顎をガタガタと震わせ、続いてトリヤマ・ジュウキチ補佐官も「なんという事だ……!」と心底忌々しそうに頭を抱えた。

 

 

 

「ええい、この前ロベルガーとか言う正体不明の円盤生物を倒したばかりではないか! 次から次へと、一体どうなっとるんだ!?」

 

 

 

 トリヤマが激しく愚痴った通り、彼らはつい数日前、「アウト・オブ・ドキュメントMAC」にすら一切の情報記録が無い新種の円盤生物「ロベルガー」と激しい死闘を繰り広げ、辛くも勝利を収めたばかりである。

 

 かつて日本を恐怖に陥れた「高次元捕食体 ボガール」の暗躍以降、この世界の地球では、往年の怪獣頻出期と同等に近い頻度で怪獣災害が発生するようになってしまっていた。しかし、過去のデータに記録が存在しない未知の怪獣が、こうも短いスパンで連続して出現した事例となると滅多に無い。

 防衛軍の歴史を鑑みても極めて異常な事態であり、トリヤマが禿げ上がった頭を抱えて泣き言を言いたくなるのも、ある意味では仕方が無いと言えるだろう。

 

 そんな司令室の張り詰めた空気の中、隊員の一人であるアイハラ・リュウが、険しい目付きのまま隣に佇むミライに鋭く尋ねた。

 

 

 

「ミライ、お前はあの怪獣について、宇宙警備隊の知識か何かで見た事はねぇのか?」

「………すみません、リュウさん。僕も、あいつについて何か少しでも知っている事があれば良かったのですが、生憎と『光の国』の情報記録でも見た事が無くて、何も…………」

 

 

 

 自身の不甲斐無さに胸を痛めるように、暗い表情で力無く首を横に振るミライ。そんな彼の様子を見たリュウは、いつもの粗っぽさを消して柔らかく微笑むと、ドン、と励ますようにその若い肩を力強く叩いた。

 

 

 

「気にすんな! 宇宙が広いってのは、お前を見てりゃすぐに分かるからな。お前の知らない怪獣が一匹や二匹居たって、不思議でも何でもねぇさ!」

 

 

 

 M78星雲「光の国」から地球防衛の任を帯びて派遣されて来たウルトラ戦士とは言え、地球人の姿を借りているミライ――ウルトラマンメビウスは、まだ若い新人戦士だ。この果てしなく広い多次元宇宙に蠢くすべての宇宙人や怪獣のデータを完璧に網羅するほどの知識など、持っていなくて当たり前である。

 

 リュウのその飾らない等身大の優しさが、ミライの張り詰めていた心を和らげた。

 

 

 

「兎に角、今はこれ以上の市街地への被害と、一般市民の犠牲を拡大させないようにするのが先決だ。テッペイ、キミはコノミと共に、あの怪獣の解析と分析を進めて特性や弱点などを探ってくれ」

「分かりました! 任せて下さい!」

 

 

 

 GUYS JAPANが誇る随一の怪獣マニアであり、卓越した頭脳を持つクゼ・テッペイが瞳に真剣な光を宿らせて頷いたのを見届け、それまで静かに状況を見つめていた隊長のサコミズ・シンゴは、仲間達の顔を見渡しながら威厳と信頼に満ちた声で鋭く言い放った。

 

 

 

「他のみんなは至急、ガンフェニックストライカーで出動! あらゆる手段を尽くして、あの怪獣の進撃を食い止めるんだ! ――GUYS Sally Go!」

 

「「「「G.I.G!!」」」」

 

 

 

 隊長からの的確な指示を受けて、ミライ達は同時に背筋をビシッと伸ばして声を揃える。そして、特殊暗号通信機が内蔵されたGUYS特製のパイロットヘルメットを小脇に抱え、風のような速さで司令室の自動扉を飛び出して行った。

 

 CREW GUYS JAPANが保有する、現代科学の粋を集めて建造された多目的大型戦闘機「ガンフェニックストライカー」。

 それは、ガンウィンガー、ガンローダー、ガンブースターの、合計三機の高性能戦闘機がドッキングする事で完成する、圧倒的な火力を誇る対怪獣戦闘用合体機だ。三機それぞれに独立した複座式のコックピットがあり、最大搭乗人数は六名。必要に応じて空中での分離・合体戦術を自在に行う事ができる、彼ら「GUYS」が誇る「無敵の翼」であった。

 

 薄暗い搭乗用通路を駆け抜け、ミライに加えて超人的な視力や洞察力、判断力、空間把握能力を持つイカルガ・ジョージ、そして抜群の操縦技術や聴力、絶対音感を兼ね備えるカザマ・マリナがそれぞれの機体のシートへと滑り込み、ハーネスをロックした事をインジケーターで確認。コックピットのキャノピーを重厚な音と共に閉鎖し終えたリュウは、「俺達の翼」と呼んで生涯の誇りとしている愛機のイグニッションシステムを起動させた。

 

 

 

「よっしゃあ、行くぜ! ――ガンフェニックストライカー、バーナーオン!!」

 

 

 

 ガンフェニックスの重厚なボディに、背後からガンブースターがガチリと火花を散らすような音を立てて合体(バインドアップ)し、長距離航行モードから対怪獣戦闘用モードへと移行。

 フェニックス・ネストの巨大な天蓋式カタパルトゲートが重低音と共に左右へと割れる形で展開し、緊急発進シークエンスに従って三機の超高出力バーニアから凄まじい紅蓮の爆炎が噴き出された。

 

 

 機械仕掛けの炎の鳥は、大気を引き裂く轟音の大合唱を奏でながら、ガーゴルゴンが暴れる東京の大空へ向かって超高速で飛び立って行ったのだった。

 

 

 

 




(=◎ω◎=)<如何でしたでしょうか。


(=◎ω◎=)<ここまで読んで頂き、ありがとうございます!


(=◎ω◎=)<出て来たのは「ウルトラマンX」初登場の宇宙怪獣


(=◎ω◎=)<数多の惑星を石に変えて滅ぼして来た悪魔ことガーゴルゴンでした。


(=◎ω◎=)<ちなみにこいつ、「X」の作中ではSD化させずにそのままぶちのめされてます。


(=◎ω◎=)<かなりの悪党だったので是非も無し。


(=◎ω◎=)<そんな相手にGUYSのみんなはどう戦うのか?


(=◎ω◎=)<次回も乞うご期待!


(=◎ω◎=)<あと、どーでも良い事ですけど


(=◎ω◎=)<「トリピー」ことトリヤマ補佐官の下の名前は「ジュウキチ」だそうです。


(=◎ω◎=)<小説版で明かされた情報らしいので、作者は全然知りませんでした。


(=◎ω◎=)<新しい発見があるって良いですねぇ……。


(=◎ω◎=)<それではまた次回、お会いしましょう!


(=◎ω◎=)ノシ
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