ウルトラクロスロード ~銀河に輝く星々の宿命~   作:通りすがりの大学生

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(=◎ω◎=)<どうも読者の皆様、おはこんばんちわ! 作者です!


(=◎ω◎=)<前回のお話を読んだ方なら薄々は感付いていると思いますが、


(=◎ω◎=)<スペシウム弾頭弾が直撃した程度で勝てるほど甘くはありません。


(=◎ω◎=)<その上、予想外の最悪な事態に見舞われます。


(=◎ω◎=)<詳しい内容は本編をどうぞ!


(=◎ω◎=)<という訳で、バトルパートその2


(=◎ω◎=)<は~じま~るよ~!


(=◎ω◎=)<ゆっくりして行ってね!


第二十一話 驚異の能力

 

 

 

 絶大なダメージにガーゴルゴンが堪らず激しい悲鳴を上げ、スペシウム弾頭弾によって完全に潰された口腔内の巨大な単眼から、ジュウウウゥッ……! と焦げ付くような白煙を噴き出して力無く大通りの路面へ横倒しになる。

 

 轟音と地響きを立ててダウンしたその無残な様子に、最前線で戦っているリュウ達も、フェニックス・ネストの司令室でメインモニター越しに固唾を呑んで戦いを見守っていたサコミズ達も、みんな一様に「勝った!」と勝利を確信して歓喜の声を上げた。

 

 

 しかし、宇宙の広さと海賊の執念は、そんな美しいハッピーエンドをまだ許してはくれなかった。

 

 

 

「ギヒヒッ! GUYSの連中も、意外となかなか良い動きをするじゃねぇか」

 

 

 

 戦場と化した繁華街の一角。

 舞台の中心から離れた場所に建っていて倒壊を免れている商業ビルの、何も遮蔽物が無い屋上という特等席で、リヤンゴンは悠々と高みの見物を決め込んでいた。欺瞞用の電磁シールドを発生させる特殊な宇宙ガジェットを使って姿を隠しながら、金色の外骨格に隠れた口許をニヤニヤと嫌らしく、不気味な愉悦に歪めながら呟く。

 

 

 

「まさか、初見のはずのガーゴルゴンの弱点を、こうも早く看破して正確に突いてくるとは思わなかったぜ……! コンピューターセキュリティはあんなにザルなくせして、前線での戦闘力はまあまあ高いってか? 正直言って少しばかり甘く見てたなぁ……。けどよォ、その程度の攻撃で勝てるほど、俺様が盗んで来たお宝と、俺様が手ずから施した『改造』は甘くねぇんだぜ?」

 

 

 

 リヤンゴンの嘲笑を含んだ不吉な独り言が、誰もいなくなった繁華街の張り詰めた空気を揺らした、まさにその直後。

 大空を舞うリュウ達の目の前で、現代の生物学の常識を根底から覆す、信じられないような最悪の事態が起きた。

 

 

 

「KYUIKOAAAAAAAAAAAAAAA――――ッ!!」

 

 

 

 完全に沈黙していたはずのガーゴルゴンの巨躯が、まるで蘇生された死者の如く突然むくりと起き上がる。次いで、たった今スペシウム弾頭弾の直撃を浴びて無残にも破壊されたはずの巨大な単眼から、赤黒い電磁パルスが激しく火花を散らした。

 そして、ぐむぐむ、ぐちぐちと不快な音を立てて細胞が異常な速度で蠢動を繰り返したかと思うと、やがて傷付いた表面の角膜が縦に大きく割れ、その内側から傷一つ付いていない健康で真新しい眼球が姿を現したのである。

 

 

 

「再生しやがった……!?」

Dios mio(嘘だろ)……!」

 

 

 

 ガンウィンガーの服座敷コックピットの中からその悪夢のような光景を目の当たりにして、操縦桿を握るリュウと射撃トリガーを構えていたジョージは、血の気が引いたような表情でそう零した。

 ガンローダーを操るミライも、ガンブースターで上空を旋回するマリナも、それぞれが愛機のキャノピー越しにガーゴルゴンの単眼が「新生」する様子を見ていたらしく、瞠目したまま開いた口が塞がらない。そしてそれは、作戦司令室にいたサコミズ達も動揺であった。

 

 

 

「そ、そんな……! テッペイくんが分析した通りの場所に、完璧なタイミングで攻撃が決まったはずなのに……!」

「い、一体、向こうで何が起きていると言うんだね、テッペイくん!?」

 

 

 

 ショックのあまり青褪めた表情でガタガタと震えるマルの隣で、トリヤマが血相を変えてコンソールのキーボードを猛烈に叩き続けているテッペイに詰め寄った。

 当のテッペイも、液晶画面に映し出される解析データを凝視しながら、愕然とした様子で激しく首を横に振った。

 

 

 

「分かりません! 突然、破壊したはずの眼球が巨大で赤黒いエネルギー反応を示したかと思ったら、次の瞬間には再生が完了していたんです! 過去のアーカイブ・ドキュメントには再生能力を持つ怪獣の記録もいくつか存在しますが、スペシウム光線級のダメージを受けて一瞬で再生して来る怪獣となると、これまでの記録にも例がありません!」

「例が無いって、キミ、現にたった今、あの怪獣の目は綺麗さっぱり治っとったじゃないか! まさか、本来ならばあり得んオカルト的な現象が目の前で起こったとでも言うつもりかね!?」

「その通りです! 生物学的に見て絶対にあり得ないはずの出来事が、今まさに僕達の目の前で起きたんです! 信じられない……! あの怪獣、今まで僕達が戦ってきた怪獣や宇宙人とは、明らかに『格』が違います!」

 

 

 

 チーム内で最も怪獣の知識に明るいテッペイが大声で断言したという事実に、室内の空気は一瞬にして冷たく凍り付いた。普段は穏やかで冷静なサコミズも、事態の尋常ならざる深刻度を瞬時に理解し、精悍な顔に冷や汗の筋を一本流す。

 

 

 その時、メインモニターに映し出されるガーゴルゴンの様子に、更なる異変が起きた。

 

 

 無数の鋭いキバが並んだ顎を限界まで開き、再生したばかりの巨大な単眼をこれみよがしに露出させる。と同時に、二股に分かれた長い尻尾の先端、そこに備わっているオレンジ色の発光器官がにわかに強烈な輝きを発し始め、眼球の中心点に向かって空間が歪むほどの強大なエネルギーが充填されていった。

 

 

 

「全員、退避しろォッ!!」

 

 

 

 強烈な悪寒に襲われたリュウは咄嗟に無線機を通じて怒号のような指示を出し、ミライ、マリナと共に操縦桿を思いっ切り倒す。ジェットエンジンが唸りを上げ、機体を急旋回させてガーゴルゴンから全力で距離を取った。

 

 

 その、次の瞬間。

 巨大な単眼の深奥から、血のように悍ましい色彩をした、一本の極太な光線が迸った。

 

 

 戦闘中に乱射していた稲妻のような破壊光線とは、明らかに籠められたエネルギーの量も毛色も違うその光線は、繁華街の雑多な街並みを真っ直ぐ数百メートルに渡って無慈悲に切り裂いて行く。

 しかし、不思議な事に、その悍ましい光線が直撃したビルや家屋は、爆発炎上したり粉々に崩壊したりする事は無い。その代わりに、光線を浴びた端からあらゆる物体の表面がどんどんと生気の無い、無機質な灰色へと染まって行くのが見えた。

 

 高層ビルも、路肩に放置されていた乗用車も、青々と葉を茂らせていた街路樹も。赤黒い閃光の通り道にあったすべての物体がグレーの冷たい塊と化し、まるで時間そのものが停止したかのようにピタリと動きを失って行く。

 

 

 

「………っ、対象の解析結果が出ました!」

 

 

 

 今しがた、ガーゴルゴンが放った不気味な光線やその与える影響について調べていたコノミが、悲鳴に似た声を張り上げる。それを受けて、手元のモニターに映し出された詳細なデータを目にしたテッペイが、その瞳を限界まで見開かせた。

 

 

 

「そんな、バカな……! あの光線を浴びた物体ですが、ありとあらゆるすべての分子構造が『岩石』と同じものに書き換えられています! しかも、灰色になった植物の内部からは、未だに微弱な生体反応が検知されているとの事です!」

「つまり、熱線による破壊じゃない……。あの光線を浴びた物は、生きたまま強制的に『石化』させられているという事か……!」

 

 

 

 サコミズの絞り出すような呟き室内に重く響く。

 当てるだけで、対象を生きたまま石に変えてしまう呪いの光線。それはまさしく、ギリシャ神話にて語られる「見たものを例外無く石へと変えてしまう」とされる怪物ゴルゴンの如き、恐怖の能力であった。

 

 最大の弱点と見られていた眼球はどれだけ攻撃しても瞬時に再生し、更には触れるものすべてを石化させる恐るべき光線まで撃って来る。

 しかも、無情な事にコックピットのモニターに表示されたメテオールのタイムリミットが、たった今ゼロを刻んで強制的にマニューバモードが解除された。一分間の猶予は過ぎ去り、再使用のためには機体の整備と膨大な時間が必要となってしまう。

 

 切り札を完全に欠いた状態で、一体どうやってこの怪物と戦えば良いのか。

 にわかに濃密な絶望感が漂い始めた司令室の重苦しい空気を、スピーカーのノイズと共に響いて来た不気味で無機質な「声」が切り裂いた。

 

 

 

『地球人類ニ告グ。今スグ「うるとらまん」ヲ、ココニ呼ベ。サモナクバ、コノ星ニ住マウスベテノ命ハ、一時間以内ニ例外ナク石ニ変ワル』

 

 

 

 抑揚の無い、どこか電子音声にも似たその響き。それは、ガーゴルゴンの巨体から発せられたテレパシーのようでいて、しかしどことなく昨夜、リヤンゴンによって精神を乗っ取られたあの青年の、生気の無い平坦な声を何倍にも増幅させたかのようにも感じられた。

 

 裏で糸を引く卑劣な宇宙海賊の、悪辣な悪意が透けて見える「仕組まれた宣戦布告」である。

 

 

 

「『ウルトラマンを呼べ』、だと……? クソが、あのヘビ野郎、俺達をコケにしやがって! 一体何を考えてやがるッ!」

 

 

 

 ヘルメットに内蔵された無線機を通じて同様の不吉な通告を聞いたリュウが、コックピットで顔を顰めて吐き捨てた。

 このまま進撃を続ければ、この街はおろか地球を滅ぼす事すら可能だったかも知れないのに、わざわざ自らの敵となるはずのウルトラマンを名指しで呼び付けるなど明らかにおかしい。精神と思考がトチ狂ったか、あるいは確実にウルトラマンを倒せるだけの罠を張っているかのどちらかだ。

 

 

 

『――リュウさん! ジョージさん! マリナさん! 僕が出ます!』

「待て、ミライ! ヤツはわざわざ自分からお前を指名して来たんだ、確実に何かあるぞ!」

『分かっています! でも、これ以上街の平和が脅かされているのを、ただ見ている訳にはいかないんです!』

「ミライ……――分かった、気を付けて行って来い!」

「頼むぜ、アミーゴ!」

『援護は私達に任せて!』

 

 

 

 ミライの、どんな絶望を前にしても絶対に一歩も退かないという、ウルトラ戦士としての魂が籠った言葉を聞き、三人は忸怩たる思いを胸の奥へ押し込めて、祈るような気持ちで仲間の背中を押した。

 人類が現時点で持っている科学力では、あの驚異的な再生能力と石化能力を併せ持つ怪獣は倒せない。勝つためには、メビウスの力に頼る他無い。そんな自分達の無力さに、リュウとジョージは静かに悔しさで白くなるほど拳を握り締めていた。

 

 

 そして、灰色の絶望に染まりかけた戦場へ、輝かしい希望の光が降り立つ。

 

 

 

「リュウさん、ジョージさん、マリナさん………みんなを信じて、行って来ます!」

 

 

 

 並走して飛行するガンウィンガーとガンブースターのコックピットに座る、熱き戦友達の思いを無線機越しに汲み取り、ミライは瞳に決意の光を爛々と輝かせた。

 

 自身が駆るガンローダーの操縦をマニュアルからコンピューター制御によるオートパイロットへと切り替えると、衣服の袖ごと覆うように自身の左腕に出現した変身アイテム「メビウスブレス」の球体部分「クリスタルサークル」に、静かに右手を翳す。

 サークル内部に眩い光エネルギーの輝きが渦を巻き始めたのを確認し、ミライは大空を目掛けて、キャノピーの天面を突き破らんばかりの勢いで左腕を力強く掲げた。

 

 

 

「メビウゥゥゥゥ――――――――――――スッッッ!!!!」

 

 

 




(=◎ω◎=)<如何でしたでしょうか。


(=◎ω◎=)<ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!


(=◎ω◎=)<遂に次回、メビウスが登場!


(=◎ω◎=)<戦いは益々激しさを増して行きます!


(=◎ω◎=)<あと、リヤンゴンのクソッタレがガーゴルゴンに施した「改造」について


(=◎ω◎=)<たぶん感付く人は感付けるかと思います。


(=◎ω◎=)<どんな改造を施しているのかも含めて、今後の更新をお待ちください!


(=◎ω◎=)<それではまた次回、お会いしましょう!


(=◎ω◎=)ノシ
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