ウルトラクロスロード ~銀河に輝く星々の宿命~   作:通りすがりの大学生

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(=◎ω◎=)<どうも読者の皆様、おはこんばんちわ! 作者です!


(=◎ω◎=)<バトルパートその3


(=◎ω◎=)<今回から満を持してメビウスが登場します!


(=◎ω◎=)<未知の怪獣・ガーゴルゴンを相手に、彼がどう戦うのか


(=◎ω◎=)<乞うご期待!


(=◎ω◎=)<それでは、ゆっくりして行ってね!


第二十二話 リヤンゴン・メソッド

 

 

 

 光の粒子そのものとなってガンローダーのコックピットの風防を透過し、大空へと飛び出して行くミライの肉体。パイロットを一時的に失った翼が、コックピットの電子音と共に静かに自動操縦(オートパイロット)へと切り替わり、戦域の外へ旋回離脱して行った。

 その背後で、繁華街を満たす重苦しい煤煙を真っ二つに切り裂いて、光の巨人が灰色の大地へ力強く舞い降りる。

 

 

 ズズゥゥゥゥンッ!! という、大地を震わせる重厚な着地音を響かせて、シルバーの美しい体躯に鮮烈な赤のラインが走る巨人――ウルトラマンメビウスがその姿を現した。そして、眼前に佇むガーゴルゴンに向かって、堂々と気合いの漲る構えを取る。

 その、希望の象徴たる巨人の姿を特等席から眺めて、リヤンゴンは抱腹絶倒で下品な哄笑を上げた。

 

 

 

「ひゃはははははははは!! マジかよ、あの宣戦布告を聞いてホントにノコノコと出て来やがったぜ! 罠だと脳ミソじゃ分かっていても、人間の哀れな命を守るためには放置できない、逃げられないなんてさァ! いや~、正義の味方ってヤツも、つくづく割に合わねぇ大変な仕事だよなぁ~!」

 

 

 

 その口から紡ぎ出される宇宙言語には、見返りを何一つ求めずに戦うウルトラマン達に対する、明確な嘲りと蔑みの感情が浮き出ていた。

 彼らバロッサ星人にとって、他人が血と汗を流して手に入れた大切な物を磨いた技術で盗み出し、奪い去る事こそが生き甲斐であり、また一族の生業でもある。だからこそ、見知らぬ誰かのために身を粉にして戦うという意思や発想は、天地が引っ繰り返っても理解が及ばない「狂気」でしか無かった。

 そんな下らない綺麗事や偽善のために命を懸けるなんてバカげていると本気で思っているからこそ、メビウスやGUYSの隊員達が見せる不屈の気概を前にしても、リヤンゴンの心には軽蔑や侮辱の念しか湧いて来ないのである。

 

 

 

「――まぁいいさ! リヤンゴンプレゼンツ、宇宙中があっと驚く世紀の大実験の、これ以上無いほど上等な実験台(モルモット)のご登場だ! かるぅ~く捻り潰してやっからさァ、精々その将来有望な若い体で、最後の最後まで無様に足掻いてしっかり絶望してくれよぉ~? ひゃははははははははは!!」

 

 

 

 真っ黒で悍ましい宇宙海賊の悪意が朗々と響き渡る中、白昼の繁華街を舞台に、遂にメビウスとガーゴルゴンの激闘の火蓋が切られた。

 

 

 

「KYUIKOAAAAAAAAAA!!」

 

 

 

「お前を待っていた」とでも言わんばかりに、ガーゴルゴンが口腔内の眼球をぎょろつかせながら咆哮し、メビウスの胸元を目掛けて両肩の蛇状の触手から黄金色の破壊光線を放った。

 

 本物の稲妻の如く、空間を不規則に折れ曲がる複雑な軌道を描いて迫る閃光を、メビウスは冷静に両手を広げて迎え撃つ。瞬時に凝縮されたウルトラエネルギーで形成された、(メビウスリング)の紋章を描く光の防壁「メビウスディフェンサークル」が、ガーゴルゴンの猛攻を正面から受け止めた。

 

 防壁に弾き返された黄金の稲妻が空中に激しく飛び散り、メビウスの足元のアスファルトを爆裂させて凄まじい白煙と火花を巻き起こす。そして、光線の照射が途切れた一瞬の隙を突き、煤煙を割ってメビウスが突撃を開始した。

 

 

 

「KYUIKOAAAAA!!」

 

 

 

 ガーゴルゴンもまた、自身の巨躯を前傾させ、地響きと共に大地を猛烈に蹴立てて突進。

 何万トンもの質量が激しく激突する凄まじい轟音を発生させて、二つの巨体が繁華街のド真ん中で正面衝突した。

 

 メビウスが自らの強靭な肩を叩き付けるショルダータックルでガーゴルゴンの巨躯を強引に押し戻し、間髪を入れずにその括れた黄土色の腹部へ、目にも留まらぬスピードでパンチのラッシュを浴びせていく。

 ドガッ、ドガッ、ドガァン、と的確に急所を捉える打撃音が街中に響き渡り、三発目の拳が深々とめり込んだ、その瞬間。ガーゴルゴンも数多の惑星を滅ぼした獰猛さで、負けじと右腕の鋭い三本の爪を上から勢いよく振り下ろした。

 

 

 

「ぐあっ!?」

 

 

 

 流れるようなコンビネーションで四発目のストレートを放つ態勢に入っていたメビウスには、そのあまりにも刹那のタイミングで放たれたカウンター攻撃を防ぐ術は持っていなかった。

 銀色の左肩に凄まじい爪撃の直撃を受け、火花を派手に散らしながらメビウスの巨体が大通りの路面へ弾き飛ばされる。

 

 更に、不快な咆哮を上げながらうつ伏せに倒れ込んだメビウスの脇腹を力任せに蹴り飛ばして仰向けにさせ、カラータイマーが美しく輝く胸部の中心を巨大な足で執拗に踏み付けた。

 寸でのところでメビウスの両腕によるガードが間に合ったものの、ガーゴルゴンの脚力は想像を遥かに絶するほど強く、メビウスはその場に抑え付けられて身動きを奪われてしまう。

 

 

 

「ミライがピンチだ、援護するぞ!!」

 

『「G.I.G!!」』

 

 

 

 上空をハイスピードで旋回していたリュウの鋭い指示に、ジョージとマリナが間髪を入れずに応じた。

 ガンウィンガーとガンブースターのエンジンが猛烈に駆動し、高速でガーゴルゴンの背後へと同時に肉薄。それぞれの翼から放たれた高出力ビーム兵装の眩い輝線が、メビウスに馬乗りになっていたガーゴルゴンの頭部周辺に次々と命中し、視界を白く染め上げるほどの大量の火花と閃光が爆音と共に生じた。

 

 

 

「KYUIKOAAAAA!!?」

「ハァァァァーーーーーッ!!」

 

 

 

 予期せぬ連続ダメージに怪獣が驚き、胸部を踏み付けていた足の圧力がほんの一瞬だけ緩む。その隙を、若きウルトラ戦士は見逃さなかった。

 

 メビウスは全身の筋力を爆発させてガーゴルゴンの巨大な足を強引に押し返し、バク転の要領で素早くその場から離脱して立ち上がる。そして、短い助走を経て美しいフォームから繰り出される、反撃の飛び蹴り(メビウスキック)を放った。

 空中で綺麗に一点へと集中されたメビウスの右足が、ガーゴルゴンの側頭部を完璧な角度で捉えて激しく蹴り飛ばす。巨大な質量移動の破壊力によって、ガーゴルゴンの巨体はすぐ近くにあった大型の雑居ビルへと文字通り真横から突っ込み、コンクリートの壁を轟音と共に粉々に砕きながら派手に転倒した。

 

 

 

「ほほぉ~? GUYSの連中もそうだが、こっちの世界のウルトラマンも、なかなかに骨のある戦いをしてくれるじゃねぇか。風の噂じゃあいつ、確か宇宙警備隊の中じゃまだ入隊したばかりの『新人』なんだろ? それで初見のガーゴルゴンを相手にここまで立ち回れるんだから、宇宙の基準から見てもすげぇ有望株だぜ」

 

 

 

 宇宙ガジェットによって展開された電磁シールドの中で、リヤンゴンは指で顎を擦りながら、メビウスが見せた戦闘力とそのポテンシャルの高さに素直に感心した。

 

 途中、GUYSの戦闘機による絶妙な援護もあったとはいえ、強大な力を持つ石化魔獣を相手に、格闘戦で互角以上の戦いぶりを見せているのだ。その実力と驚異的な成長性は、新人でありながらM78星雲「光の国」の上層部から地球の防衛任務を任せられるに足る、本物の戦士の証明だった。

 

 

 

「けど、ま。これくらいの強さを見せてくれねぇとなァ。わざわざ俺様が頑張って準備した実験の、最高の『実験台(モルモット)』を務めるにゃあ役不足ってモンだろ?」

 

 

 

 喉の奥でクツクツと冷酷に笑い、リヤンゴンは腰に提げていた白い布袋(マジックバッグ)の口をゆっくりと開けた。そして、中からもう一体の不気味なSDと、先日チンピラの青年に渡したものとは別のギンガスパークを取り出す。

 こちらも当然、内部の生体認証システムを書き換えてあり、今はリヤンゴンの手で無慈悲に振るわれる「恐怖の兵器」と化していた。

 

 

 手の平に収まった人形は、全身が黒灰色の爬虫類を思わせる恐ろしげなシルエットをしていた。

 人間で言うところのうなじに当たる部位から突き出した一本の巨大な角には、濃い黄色に輝く左右一対の発光体があり、背中からはまるで巨大な植物の花弁か不気味な形状をした翼のようにも見える、禍々しい「捕食器官」が備わっている。

 

 

 そのSDの怪獣の名は、「高次元捕食体 ボガールモンス」。

 

 

 かつて、ウルトラマンヒカリが愛した美しい惑星「アーブ」を、その溢れんばかりの食欲で文字通り食い潰し、この地球に降り立ったあとも日本各地で様々な怪獣達を無理やり呼び起こしては捕食し続ける事で、最悪のパワーアップを果たした暴食の悪魔であった。

 

 よく目を凝らしてその人形を観察してみれば、ボガールモンスの細長い瞳孔を含んだ黄色い双眸から、本来ならば存在しないはずのドロドロとした黒紫色のオーラが陽炎のように揺らめいているのが分かるだろう。

 見る者に強烈な悪寒を与えるそのSDは、実は頌栄達が厳重に保管していたあのアイテム保管庫の棚から盗み出された物では無い。

 

 リヤンゴンがハッキングによってアイテム保管庫のメインサーバーから盗み出したSDの基本データと、昨夜フェニックス・ネストのサーバーを通じてGUYS総本部のブラックボックスから抜き取った最新のアーカイブ・ドキュメント。それらを自らが持つ宇宙科学の技術で融合させ、秘密裏に偽造・作成した「複製版(フェイク)SD」の試作品第一号。それこそが、この不気味なSDの真なる正体なのだった。

 

 

 

「さァ~て、記念すべき『リヤンゴン・メソッド』の初お披露目だ! 二体仲良く並んで、あの生意気なウルトラマンのガキを絶望の底へ叩き落して来なァ!!」

 

 

 

 狂気をも孕んだ悪意の宣言と共に、複製版SDの足裏にあるライブサインを、ギンガスパークのブレード先端へとセットした。

 

 

 ――カチッ。

 

 

 ――《スパークドールズ、モンスロード!》

 

 

 リヤンゴンの手で内部システムを強制的に書き換えられたアイテムは、本来設定されていないはずの禁忌のバグデータを「登録された正規のコード」として瞬時に承認。そのスピーカーから、通常のものとは明らかに異なる、低く歪んだオーダーメイドのシステムボイスを響かせた。

 電子音声が聞こえると同時に、リヤンゴンは宇宙の闇市で手に入れた遠隔通信ポータルを起動。そして、接続された二つの兵器をまるで銃のように構え、今まさにガーゴルゴンと対峙しているメビウスの背後の空間に向けて、トリガーを一気に引き絞った。

 

 

 ――《リアライズ! 「高次元捕食体 ボガールモンス」!!》

 

 

 ドゴォォォォォォンッ!!!

 

 

 直後、偽造SDを凄まじい量の暗黒の光の粒子が包み込み、ポータルを通じてメビウスの死角となる空間へ転送され、そこで爆発的な光の柱を立ち上らせる。光の奔流は激しい嵐となって虚空で渦を巻きながら、みるみるうちに巨大化。何も無かったはずの空間に、太陽光を遮るほどの圧倒的な絶望の影を描き出し、生々しい生物的な質量を生じさせた。

 

 

 リヤンゴンの手によって創り出された複製版ボガールモンスが、繁華街の戦場へと悍ましい実体化(リアライズ)を果たしたのである。

 

 

 

 




(=◎ω◎=)<如何でしたでしょうか。


(=◎ω◎=)<ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!


(=◎ω◎=)<誰が「メビウスが出て来たら事態が好転する」と言った?


(=◎ω◎=)<今回はそんな内容でした。


(=◎ω◎=)<盗んだSDを改造するだけでは飽き足らず、


(=◎ω◎=)<自力でSDを創り始めたリヤンゴン。


(=◎ω◎=)<ヤツがGUYSのデータベースから色々と盗んでいたのも、


(=◎ω◎=)<これをやるためだった訳です。


(=◎ω◎=)<まだまだ未完成ですが、本当に油断のならない「海賊」ですね。


(=◎ω◎=)<ちな、ヤツが創ったフェイク版を読み込んだ際の音声は


(=◎ω◎=)<声質が結構低いと言うか、割と禍々しいと考えてください。


(=◎ω◎=)<創った人物の違いがそのあたりにも出てるという感じでお願いします。


(=◎ω◎=)<それではまた次回、お会いしましょう!


(=◎ω◎=)ノシ
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