ウルトラクロスロード ~銀河に輝く星々の宿命~ 作:通りすがりの大学生
(=◎ω◎=)<バトルパート第二ラウンドその3
(=◎ω◎=)<今回は星都くんのチート具合に益々拍車が掛かります
(=◎ω◎=)<苦手な方はブラウザバックして頂いて構いません
(=◎ω◎=)<「それでも良いよ!」という懐の深い方のみどうぞ
(=◎ω◎=)<それでは、ゆっくりして行ってね!
しかし、食欲と破壊の本能に取り憑かれたこの化け物は、ただ一方的に転がされるだけで終わるほど生易しくはなかった。
「COOOKISYAAAAA―――ッ!!」
―――バサァッ……!!
「ッ、まさか……あいつ!?」
《まだ悪足掻きしようってか! 凍らせろ、レイキュバスの力!!》
ボガールモンスの背中から生えている、あらゆる生命を呑み込んで来たあの巨大で悍ましい捕食用の大口が、まるで本物の鳥類の翼のように大きく滑らかに羽ばたいた。
それを見たメビウスは嫌な予感が頭を過り、星都はボガールモンスの動きを完全に停止させるべく、即座にファイブキングの左腕を覆うレイキュバスの頭部から絶対零度の「冷凍光線」を勢いよく撃ち出した。
しかし、この時の一瞬のタイミングばかりは、ボガールモンスの何が何でも生き残らんとする執念深い意思の方が早かった。
放たれた冷凍光線が黒灰色の皮膚に着弾する、まさにその寸前。巨大な爆発を彷彿とさせる猛烈な突風を周囲に巻き起こしながら、ボガールモンスの六万トンを超える巨体が、重力を完全に無視して白昼の空中へと力強く舞い上がったのである。
「マジかよ……!? あいつ、空飛んで逃げる気だぞ!」
「そうはさせねぇ! ウイングレットブラスター!!」
「ガトリングデトネイター!!」
コックピットのキャノピー越しにその逃走劇を目の当たりにしたジョージが驚愕の声を上げ、すかさずリュウとマリナが息の合った操縦テクニックで戦闘機の機体を同時に翻した。上空へ向かって急上昇するボガールモンスの背中を正確に追いかけ、それぞれの翼に装備された高出力ビーム兵器を一斉に撃ち放つ。
だが、背中の巨大な捕食口を羽ばたかせて大空を舞うボガールモンスは、その異形に似合わぬ俊敏さで巧みに体を傾けて次々とガンウィンガーとガンブースターの光線の弾道を紙一重で掻い潜ると、そのまま進路を東京の空の彼方へと固定し、戦域からの高速離脱を開始した。
『おやおやぁ〜? そう言えばそんな設定、劇中でもバッチリ見せてましたっけねぇ、あいつ!♪』
(実際、GUYSが太平洋の無人島に用意した決戦場まで、単機で悠々と飛んで来てたもんな。そもそも飛行能力の類が無けりゃ、惑星アーブからこの地球までどうやって来たのかって話になるし)
星都の言う通り、かつてウルトラマンメビウスとボガールモンスとの最終決戦が描かれた、テレビ本編の第十話「GUYSの誇り」。その中で、日本各地の怪獣を捕食して膨大なエネルギーを体内に溜め込み、いつ自爆してもおかしくない状態にまで至ったボガールモンスを安全に仕留めるため、GUYSは太平洋上に浮かぶ無人島に強力な磁場フィールドによる電磁バリアと遠隔操作型の地上兵器を極秘に配備し、準備が整ったところでボガールモンスを誘き寄せていた。
その際、日本本土のどこかに人知れず潜伏していたボガールモンスは、背中に備えた巨大な捕食口をまるで悪魔の翼のように羽ばたかせて大空を飛行し、太平洋の大海原を悠々と横断してその島に現れたのである。
後に公式設定でも、「背中の捕食器官を用いての自由飛行が可能である」と正式に明かされることとなったこの能力。しかし、もし仮にテレビ本編でそのような描写が用意されていなかったとしても「そもそも飛べないと、惑星アーブから地球までどうやって辿り着いたんだ」という話になるため、コアな特撮ファンの間では「ボガールは飛行能力を有しているはずだ」との推測が容易に立てられていた事だろう。
公式設定を知った時は、「連合軍」の中核メンバーたちも一様に「まあ、そうだろうな」とすんなり納得したものである。
おそらく、リヤンゴンが創って実体化させたのであろうこのボガールモンスは、このまま戦場から一旦逃走してどこかの山奥に姿を暗まし、星都のガンQの右腕によって根こそぎ奪い取られたエネルギーを再び補充するつもりなのだ。
手っ取り早く空間移動能力を使わないのは、先ほどの星都の強奪によって体内のエネルギー残存量が、次元を歪める能力の使用に必要な最低数値を完全に下回ってしまっているからに違いない。
《空を飛んだ程度で、この俺から逃げられるとでも思ってんのかッ!!》
すぐさま星都は、ファイブキングの頑強な背中に生えた『超古代竜 メルバ』の巨大な翼を猛然と羽ばたかせた。何万トンもの超重量を誇る巨体を、まるで重力など最初から存在しないかのような凄まじい推進力で大空へと打ち上げ、一目散に逃げるボガールモンスの背中を爆速で追いかける。
メルバの翼が空気を叩き、地球の引力を引き千切らんばかりに巨体を上へ上へと押し上げて行く。風を切るびゅうびゅうという音が絶えず耳元で大合唱を繰り返し、まばらに浮かんでいた雲をいくつか突き破って大穴を開けた。
その猛烈な急上昇の途中、同様にボガールモンスを追って急上昇を続けるガンウィンガーとガンブースターを一瞬で、残像と共に追い抜いて行った。
あちらの飛行に影響が出ないよう細心の注意を払って巨体をコントロールしつつ、 追い越しざまにちらりと二機のコックピットへ視線を滑らせる。驚愕のあまり目を丸くしてこちらを見つめて来るリュウやジョージ達の表情が、キャノピー越しにはっきりと見え、星都はファイブキングの面貌の下で思わずフッと小さく微笑んだ。
そして、「ここから先は俺の仕事だ、大人しく下がってな」という言葉の代わりに、メルバの翼の出力を更に引き上げさせ、逃げる暴食の化身の背中へと迫る。
遥か眼下に見える繁華街の瓦礫の海では、今もなおメビウスとガーゴルゴンの激しい戦いが続いていた。
あの相手を石化させる凶悪な光線ばかりに注目が集まりがちだが、元々ガーゴルゴンは純粋な身体能力の性能からして、宇宙怪獣の中でも指折りと言えるほどの強豪だ。実際、ヤツが初登場を果たした『ウルトラマンX』の第六話においても、防衛チーム「Xio」が誇る最新鋭の通常兵器だけでなく、ウルトラマンエックス自身が放つ強力な打撃や光線攻撃すらも、その強靭な皮膚で正面からことごとく跳ね返す無類の防御力を発揮していた。
いくらエネルギーが回復した事で優位に戦いを進められているとはいえ、一筋縄で行くほど甘い相手ではない事は星都も重々承知している。本当の戦いはここからであった。
《来ルナアアアアアアアアアアアッ!!!》
耳をつんざくような咆哮と共に、女の金切り声がテレパシーとなって脳内に直接響く。
追い詰められたボガールモンスの巨体が空中で縦にぐるんと大きな円を描きながら急反転し、急降下と同時に両目から赤黒い破壊光弾を狂ったように乱射して来た。
少しでもファイブキングの翼や装甲にダメージを与えて飛翔する速度を鈍らせ、その僅かな隙に全速力で追跡を振り切るつもりのようだ。
しかし、上空から雨あられと激しく降り注ぐ怒りと殺意を孕んだ光弾の嵐に対し、星都はファイブキングの蒼い瞳の奥に、どこか余裕すら感じさせる不敵な笑みを浮かべて切り返した。
《ハッ! その程度の攻撃が、この俺に通用するとでも思ってんのか? だったら考えが甘いぜ! ―――吸い尽くせ、ガンQの力!!》
超高速で迫り来る光弾の雨に向かって空中を真っ直ぐに突き進みながら、星都はファイブキングの右腕を天高く掲げ、先ほどから戦闘で絶賛大活躍中であるガンQのエネルギー吸収能力を最大出力で起動。ボガールモンスが放った赤黒い閃光を、粒子も残さずその巨大な単眼の中へすべて吸い込み、文字通り綺麗に平らげて無効化してしまった。
『あっはははは! サイッッコーに滑稽ですねぇ! さっき目の前でガーゴルゴンの破壊光線をぜぇんぶ吸収して見せたばかりだってのに、本当に学習能力の無いおバカさんですぅ! 並み居る怪獣の中でも高度な知能を持つ「高次元捕食体」だっていう評判は、完全に過大評価だったみたいですねぇ〜?♪』
(そんだけこいつが追い詰められてパニクってるって事だろ。あのコソ泥野郎の手を借りてせっかく復活できたってのに、戦場に降り立ってすぐ一方的に蹂躙されるわ、溜めてた生体エネルギーをごっそり奪い取られるわ、挙句の果てに空へ逃げても音速で追い回されるわ。こんだけ休む暇もなく畳み掛けられりゃ、冷静な判断力なんてどっかにぶっ飛んでっちまうだろうぜ)
ファイブキングの視界を通じて太平洋の本部から戦況をモニターしていた太郎の、嫌味たっぷりで軽薄な哄笑がインカムのスピーカーから響き渡る。それを聞いた星都は、ファイブキングの巨体を更に上空へと押し進めながら、今のボガールモンスの極限状態の心境を冷静に推測した。
ファイブキングが持つガンQの力をベースにしたこのエネルギー吸収能力は、使い勝手が良い上に汎用性も極めて高く、あらゆるエネルギー攻撃に対して圧倒的なアドバンテージがある。しかし、あくまでも生物が持つ力を発展させた能力である以上、無限にエネルギーを吸収し続けられる訳では無く、その許容量には明確な
とはいえ、ウルトラマンシリーズの長い歴史を振り返ってみても、このガンQの右腕による攻防一体の盾を、真正面から強引に打ち破ってきた存在はただの一体のみ。
それが、かつて『ウルトラマンZ』の第十五話「戦士の使命」において、次元のひずみから出現した「虚空怪獣 グリーザ」だ。
「生物ではなく『無』という現象そのものである」 、「質量もエネルギーも何もかもが最初から存在しない」という、物理法則を根底から否定するグリーザ自身の概念的な性質によって、ファイブキングのエネルギー吸収能力を逆に利用され、こちらのエネルギーを根こそぎ奪い取られる形で返り討ちにしていた。
逆を言えば、「ウルトラ怪獣における最強候補」という議論において、必ずその最上位に名前が挙がるほどの存在であるグリーザを除けば、この能力を正面から突破した者は、大宇宙の歴史上ただの一人もいないという事だ。
過去にファイブキングと対峙してきた歴代ウルトラマン達はみんな、正面からは突破しようとせず、あらゆる手段を尽くして右腕の能力を封じた上でようやく勝利を掴み取っているという、ある意味で「光の国のウルトラマン達ですら、正面突破は一〇〇%無理だった」とも言えるとんでもない力なのである。
宇宙中を食い荒らしていくつもの惑星を滅ぼしてきた悪魔とはいえ、どこまで行ってもただの「宇宙怪獣の一種」に過ぎないボガールモンスでは、例え天地がひっくり返ったとしてもこの能力を正面から破る事は出来ないだろう。
《オノレ、オノレ、オノレェェェエエエエェェエェエェェェェエエェエエエッッッ!!!》
《もう無駄な悪足掻きはお仕舞いか? だったら、今度はこっちの番だ! ―――撃ち落とせ、超コッヴの力!!》
どれだけ大量に放とうが、光線攻撃の類はすべて無意味であるという現実を、否が応でも魂レベルで理解したらしい。大空に浮かんでこちらを睨み付けて来るボガールモンスから、血を吐くような凄まじい怨念の声がテレパシーに乗って叩き付けられて来た。
まるで相手を呪い殺さんばかりに迸る巨大な負の感情を、星都はファイブキングの巨躯の中で涼しい顔をしたまま、柳の枝の如く優雅に受け流す。
そして、ファイブキングの下腹部に備わった『宇宙戦闘獣 超コッヴ』の顔を模した器官にエネルギーを最大出力で充填。反撃とばかりに、そこから真紅に輝く無数の破壊光弾を一斉に連射した。
かつて『ウルトラマンガイア』の第四十四話「宇宙怪獣大進撃」に登場した超コッヴも使用していた技、「フラッシュコッヴショット」である。ただし、こちらはオリジナルとは異なり、太郎が作った索敵システムと同調させる事で高い追尾性能を持たせ、更に積み重ねられた戦闘経験によってエネルギー効率を最適化した事による威力の上昇をも実現させた、「誘導爆裂弾」へとアップデートが施されていた。
《アアアアアアアァァアアァアアアアァァァァアァァァァァァァアアアァッ!!!!》
絹を裂くような断末魔の悲鳴を大空に轟かせ、ボガールモンスは四方八方から迫り来る真紅の破壊光から必死に逃げ回る。
しかし、星都が撃ち出すフラッシュコッヴショットの誘導弾幕は、まるで生き物のように美しい曲線軌道を描きながら凄まじい速度で標的に殺到した。それはまさしく、世界のどこにも逃げ場など存在しない、脱出不可能の「破壊の監獄」である。
エネルギーを根こそぎ奪われた上に多大なダメージを負った今のボガールモンスに、その誘導弾幕から逃れる術は無かった。
躱し切れなかった一発の光弾が足先に掠るようにして着弾。その一撃を皮切りに、被弾数が秒単位で爆発的に増えて行き、やがてボガールモンスの六万トンを超える巨体を眩い紅蓮の閃光が包み込んで大爆発を起こした。
―――ドガガガガガガガガガガガァンッ!!!
体中の皮膚の至る所に痛々しい焦げ跡を作り、力なく真っ逆さまに落下してくるボガールモンスのその首元に、再びファイブキングの左腕―――レイキュバスの強靭なハサミが容赦なく深々と食い込んだ。
《いらっしゃぁ~い♪ このまま地獄の底まで優しぃ~くエスコートしてやるぜ、おらァあッ!!》
どうにかして逃れようと手足をバタつかせて藻掻くボガールモンスを尻目に、星都はファイブキングの巨体を大きく翻し、東京の地上へ向かって真っ逆様に
周囲の風の音すら置き去りにするほどの凄まじい重力加速の衝撃が全身を叩き、猛烈な速度で繁華街の地面が眼前に迫る。このまま仲良く一緒に墜落するのかと思われたその刹那、ボガールモンスをガッチリと捉えていた自らの左腕を思いっきり下へ振り抜いた。
―――ドグオオオオオオンッッッ!!!
まるでミサイルが直撃したかのような轟音が大気を震わせ、特大の衝撃波が一瞬にして繁華街全域を突き抜けた。ボガールモンスの巨体が激突したその落下点を中心に、アスファルトの地盤を大小さまざまな亀裂が何十本も放射線状に走る。
ボガールモンスが落下した場所は、星都がそこに狙いを定めていた事もあって、先にガーゴルゴンが暴れ回った所為で瓦礫だらけの廃墟と化している無人のエリアだった。
しかし、落下速度と星都の腕力が組み合わさった事で発生した激突の威力が尋常ではなさ過ぎたため、衝撃波によって窓ガラスが粉々に吹き飛んでいたり、コンクリートの外壁の一部が激しいひび割れを起こして轟音と共に崩落したりと言った二次被害が、周囲のまだ無事だった街のあちこちで同時に発生するほどであった。
「COOOKISYAAAAA………ッ……!」
全身の骨が砕けかねないほどの甚大なダメージを受けてボロボロになったボガールモンスが、ガタガタと震える足と緩慢な動作で、煤煙の中からどうにか這い上がるようにして立ち上がった。
それとは対照的に、余裕綽々の安全飛行でゆっくりと灰色の地面に降り立った星都は、周囲の街の被害状況をちらりと確認して、(……あっちゃー。こりゃちょっとばかし派手にやり過ぎちまったか……?)と冷や汗を掻いた。
とはいえ、この局面で油断するような真似はしない。何が起きても瞬時に対応できるように警戒心を緩めず、剛腕に力を込めて息も絶え絶えのボガールモンスの姿を冷徹に見つめるのだった。
(=◎ω◎=)<如何でしたでしょうか
(=◎ω◎=)<ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!
(=◎ω◎=)<ボガールモンス(ボガール)が飛べるというのはガチの公式設定です
(=◎ω◎=)<作中でも星都が言っていた通り
(=◎ω◎=)<「どうやって惑星アーブから地球までやって来れたの?」
(=◎ω◎=)<という話になるので、ある意味では順当な設定ですな
(=◎ω◎=)<それを撃ち落として
(=◎ω◎=)<首根っこを引っ掴んで
(=◎ω◎=)<地面に超高速で叩き付けた星都くん
(=◎ω◎=)<外道には一切の容赦なんてありません
(=◎ω◎=)<呪うなら軽々に怪獣墓場から出て来た自分を呪いましょうね~♪
(=◎ω◎=)<それではまた次回、お会いしましょう!
(=◎ω◎=)ノシ