ウルトラクロスロード ~銀河に輝く星々の宿命~   作:通りすがりの大学生

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(=◎ω◎=)<どうも読者の皆様、おはこんばんちわ! 作者です!


(=◎ω◎=)<今回からは星都くんとGUYSの交流ターン


(=◎ω◎=)<自己紹介したり情報を交換したり


(=◎ω◎=)<色々とやる予定です


(=◎ω◎=)<まずはその走りとして、メビウスことミライくんとの邂逅から!


(=◎ω◎=)<ゆっくりして行ってね!


第三十話 憧れのヒーローを生で見たらこうなります

 

 

 

 瓦礫だらけ、穴ぼこだらけの街並みの中を走ること数十秒。ガーゴルゴンとボガールモンスが爆散した地点へと辿り着いた星都は、注意深く周囲を見渡しながら慎重に歩いた。

 

 衣服のポケットに入れるには大き過ぎるとはいえ、SDは成人男性が片手で持てる程度の大きさしかない。瓦礫の山の中に紛れ込んでしまえば、肉眼で探し出すのは骨が折れる作業だ。下手をすれば、数日に渡って一帯の瓦礫を掘り返すという地獄を味わう事にもなりかねない。

 

 だからこそ、こうした戦場跡地での捜索には太郎の協力が必要不可欠なのである。

 

 

 

『来ます……来ますよぉ~……! SDの反応がぎゅんぎゅん、ビンビンに感じられますよぉ~! あ、もうちょっと右右! そこのもりもりっとこんもりしてる瓦礫のお山ちゃんからガーゴルゴンのエネルギーをがっちりキャッチングですぅ! 天辺あたりにどっかりヤンキー座りしてるっぽいんで、やさし~くエスコートしちゃいましょ~!』

 

 

 

 キーボードの打鍵音と共に、太郎の陽気でぶっ飛んだハイトーンがインカムから響いた。

「ワールド・エンド・ハウンド」は非常に優れた追跡システムだが、その真髄は「SDを探し出す」事にある。故に、今回のように広大な範囲から一個のSDを探し出さなければならない場合は、特に重宝する神システムだった。

 このあたりは、太郎がかつて開発し、このシステムのベースにも採用している「SD探査プログラム」が非常に優秀な事の証左だろう。

 

 まるでトレジャーハンターにでもなったかのような心境で、星都は指示された瓦礫の山を目指して歩を進めた。

 

 

 

「太郎さんの言う瓦礫の山はこれだな…………っと、あったあった。見つけた」

 

 

 

 目的の山はすぐに見つかった。砕けたアスファルトやら鉄筋コンクリートやら車の一部やら、色んなものが積み重なってできている。このなだらかさは、「山」よりも「丘」と呼んだ方がしっくり来そうだ。

 そして、太郎の言葉通りその山の頂上付近に、目的のSDは静かに鎮座していた。

 

 

 

「お疲れさん。あんなコソ泥に好き勝手されて嫌だっただろ……しばらくゆっくり休んで、傷を癒してくれ」

 

 

 

 直立不動で立つ人形をそっと持ち上げ、労いの言葉を掛けながら指で頭を撫でる。

 すると、口の中から覗く単眼が淡く発光し、指先を通じてガーゴルゴンの思考が直接脳内に流れ込んで来た。

 

 

 

「おまっ、『目いっぱい暴れられて満足だ』だって!? 盗まれた事は気にしてないのかよ! 正規の持ち主じゃないヤツに使われたんだぞ!? 『それは貴様らの責任だ。我は関係ない』? まぁ、確かにそうだが………ん? 何だって? 『いつかメビウスにリベンジさせろ』だと? いや、連れてくのは別に良いが、いつになるかは分からないぞ……『ふざけるな、すぐに日程調整しろ』!? そっちこそふざけんな、ウルトラ戦士はお前のためにいるんじゃない!」

 

 

 

 ガーゴルゴンの傲岸不遜な言い分に、目を吊り上げて怒る星都。傍から見れば、屈強な成人男性がただのソフビ人形を相手に一人で百面相しているようにしか見えない、滑稽で不気味極まりない光景だ。

 周辺一帯が無人なので目撃者はいないとはいえ、戦闘が終結した以上は直に警察や自衛隊が現場検証にやって来るだろう。そうなる前に、さっさと場所を変えるべきだ。

 

 

 

「とにかく! 今はさっきの戦いで負ったダメージを癒す事に専念しろ! 変に弄られてるみたいだから、帰ったら頌栄さんにメンテして貰え! メビウスにリベンジ云々はそれからだ! 良いな!」

 

 

 

 子どもに言い聞かせるような口調で怒鳴り付け、ジャケットの内ポケットから平たい長方形のケースを取り出して、その中にSDを仕舞い込む。

 頌栄が具現化能力を駆使して創ってくれた「アイテムボックス」だ。一度に十種類までしか物体を入れられない代わりに、入れられる物の大きさは無制限。更に、SDと同じ生体認証システムを採用しており、結果が不一致になるとすぐさまロックされて誰にも蓋を開けられなくなる優れモノである。

 いつでも戦闘態勢を取れるようにと、頌栄が用意して各人に配ってくれている「連合軍」の必須アイテムの一つだった。

 

 ちなみにだが、星都がよく使用しているファイブキングのSDはこのアイテムボックスの中には入れられていない。使用頻度が最も高いSDであるため、取り回しの良さを優先して直接衣服のポケットに入れていた。

 

 

 閑話休題。

 

 

 箱に仕舞われる際、「まだ話は終わってないぞ」とでも言いたげに単眼が発光していたが、星都は気付かないフリを決め込んだ。

 そして、ジャケットを翻して急ぎその場をあとにする。

 

 

 

「太郎さん、可能なら例のボガールモンスのSDも回収しておきたいんだが、そっちの反応はあるのか?」

『それがですねぇ……さっきから血眼になって探してるんですが、ち~~~っとも見つからないんですよ。こんだけ探っても反応が無いって事は、おそらくSDそのものが消えて無くなってるんでしょうねぇ……Oh、Shit!』

「リヤンゴンの野郎が創った複製品かも知れないもんだからな。倒されたらその場で自壊するとか、SDごと消滅するとか、そういう変な設定がされててもおかしくないさ。鹵獲できれば良い資料になったんだが、無い物強請りしても意味無いな」

『サンプルが欲しけりゃリヤンゴンをとっ捕まえて全部ボッシュートしろって事ですかねぇ~……証拠品、最終的にいくつ残る事やら……』

「今から『何も残りませんでした』を覚悟しとくべきってか? もし本当にそうなったら嫌過ぎるんだが、ヤツの戦い方次第じゃ本当にそうなってもおかしくないのがな……」

 

 

 

 思わず溜め息が出そうになるのを何とか堪えつつ、先を急ぐ。

 

 途中で見るからにチャラいチンピラ風の男性が倒れているのを見つけたため、応急処置をして救急隊に通報した上で、分かりやすい場所に男性の容態に関する様々な情報を書き込んだメモも残しておいた。

 彼の手にはアイテム保管庫から盗まれたと思しきギンガスパークが一つ握られていたため、あのガーゴルゴンにウルトライブしていたのはこの男性と見て間違い無いだろう。こちらも忘れずに回収である。

 

 

 

『にしてもさっきのガーゴルゴン、気合いがもりもりマウンテン、あるいは水蒸気爆発宜しくドッカンドッカン弾けてましたな。よっぽど負けたのが悔しかったんでしょうねぇ……。終わった途端、次の話をし始めるとか相当ですよこれ』

「まぁ、気持ちは分からんでも無いけどな。自分の必殺技を跳ね返されて負けるとか、俺でもフツーに悔しいって思うぜ。美月姉から一方的に煽られるのとはまた別ベクトルで嫌だわ。リベンジできるんなら絶対にしたくなるし、時と場合を選んでくれさえすれば、日程調整くらいならいくらでもやるんだが」

『「いつか」とか言いつつ、中身は「今すぐやらせろ」でしたもんね~。三度の飯より戦う事が好き! 戦闘狂(バトルマニア)を爆速で通り越して、中毒患者(ジャンキー)の域にダイナミックエントリーしちゃってますよ。流石はガーゴルゴン、色んな意味で手綱を握るのむずかしーですねぇ~』

「色んな星を石に変えて滅ぼして来た怪物だ、面構えが違うわな」

 

 

 

 加えて、リヤンゴンに盗み出された件についても全然気にしていないどころか、むしろ歓迎している気配すらあった。ガーゴルゴンとしては「暴れられれば何でも良い」というニュアンスでしか無いだろうが、こういった輩は少なくとも自分の好きにできている間は敵対して来ない手合いだ。

 

 その辺りも考えて盗むSDを選んでいたのだとしたら、リヤンゴンの審美眼は卓越していると言わざるを得ないだろう。

 

 

 

「取り合えず俺は、約束通りメビウスと合流する。太郎さん、進む方向はこっちで合ってるんだよな?」

『はい~、バチバチバッチリのオール・オッケーでーす! アップデートを重ねまくって進化を続ける「ワールド・エンド・ハウンド」の探査プログラムに死角はありませーん♪ なんでしたら今から、星都くんが進む先にミライくんがいるかどうか賭けますか~? ボクは「いない」方に一〇〇ペリカですぅ♪』

「日本円でたったの十円かよ!? 逆張りするにしても掛け金しょっぱいな! 中東の『死海』の水とどっちの塩分濃度が上か競ってんのか!?」

 

 

 

 つまり、逆を言えばそれだけ探査プログラムの正確性に自信があるという事なのだろう。

 歴代ウルトラ戦士の内、「変身用アイテムがある」ウルトラマンに関しては、元の世界で頌栄と協力してこの二十年の間にデータをこれでもかと集めまくっているし、こちらの世界で実際に地球を守っているメビウスについても、今回の一連の戦闘で星都がウルトライブしたファイブキングの視界を通じて必要なデータを入手している。それらを統合して組み込んでいる以上、「ワールド・エンド・ハウンド」の探査プログラムには万に一つの間違いも無いはずだ。

 星都もそう信じているため、何のかんのと言いつつも真っ直ぐ太郎の指示する場所へ向かって突き進んでいた。

 

 

 そうして太郎との他愛ない会話を交えつつ、小走りで街の中を移動する事数分。戦場となっていた区画から少し離れた繁華街の通りで、星都は見覚えのある人影を見つけた。

 少しだけ線の細い百七十五センチの長身をGUYSの隊服で包んだ、爽やかな印象を受ける顔立ちをした一人の青年。年齢は二十歳に届いていないのか、精悍さとあどけなさが混在した不思議な雰囲気を醸し出しており、何かを捜しているのかしきりに周囲を見渡している。

 

 彼の姿を目にした瞬間、星都は感動で一瞬だけ言葉を失った。

 CREW GUYS JAPANの隊員の一人にして、ウルトラマンメビウスの地球での仮の姿でもある人物、ヒビノ・ミライだ。

 

 

 

「すまないな、メビウス。待たせたか?」

 

 

 

 嬉しさで爆発しそうになる心を必死で抑え込み、努めて冷静な口調で声を掛ける。振り向いたミライは、星都の姿を確認するや否やパァッと表情を綻ばせながら駆け寄って来た。

 

 

 

「いえ、全然そんな事はありません! あの、ひょっとして貴方が……?」

「ああ、さっき一緒に戦った怪獣の『中身』だ。名前は星野谷星都、宜しくな」

「こちらこそ! ヒビノ・ミライです、宜しくお願いします!」

 

 

 

 互いに自己紹介し、固く握手を交わす。

 心地良い体温を感じ取り、そこに眉目秀麗な青年であるミライの柔和で爽やかな笑顔を向けられて、星都の精神は遂に限界を迎えた。

 

 

 

「ど、どうかしましたか……?」

「な、何でもない……何でもないんだ、気にしないでくれ……ッ!」

 

 

 

 いきなり背を向けてしゃがみ込んでしまった星都の姿に、ミライは目を丸くして声を掛けてくる。

 明らかに「さっきの戦いで実は深手を負っていたんじゃないか」とこちらを心配してくれている気配だが、星都が奇行に走った理由は怪我ではなかった。

 

 

 

(やっべ、若いッ! 尊いッ! リアルガチの生ミライだ、すげぇ!!)

 

 

 

 ただ単に、特撮ファンの一人として感極まってしまっただけである。

 ヒビノ・ミライを演じていた俳優の五十嵐隼士は、二〇一三年に芸能界を引退して別の仕事に転職している。「メビウス」の撮影と放送は二〇〇六年で、五十嵐氏は一九八六年生まれなため、計算するとこの時の五十嵐氏の年齢は大体十九歳から二十歳。ウルトラマンの人間態という事もあってミライの実年齢は明かされていないものの、彼の見た目もそれくらいなので、二十五歳である星都から見れば五つ程度は年下だ。

 それ故か、こうして面と向かって話していると妙な庇護欲をそそられる感覚を覚える。

 また、メビウスとミライ、両方の顔を生で見たからこそ、自分が今こうしてウルトラマンメビウスの世界にいるのだという実感が改めて湧き起こっており、総じてファン魂が嬉しい悲鳴の大合唱を上げているのだった。

 

 

 

『心にダイレクトアタックを受けた、という点で言えば、「深手を負った」というのもあながち間違いじゃないですねぇ~。今のでどれくらいライフが削れました? 三〇〇〇ですか? それとも四〇〇〇? ひょっとして初手の五枚ドローで即《エク〇ディア》を揃えられちゃったとか?』

(黙れ、ぶっ飛びハッカー。ミライは遊〇王じゃない。ただ、例えるなら間違いなく初手《エク〇ディア》完成で即ゲームセットコースだな)

 

 

 

 背後にいるミライには聞こえないように小声で、かつとんでもない早口で太郎の軽口を投げ返してやった。

 その後、五秒ほどプルプル震えながら幸運と感激を存分に噛み締め、星都は一つ咳払いをして立ち上がる。

 

 

 

「……悪いな。いきなり変な真似をしちまった。別に怪我したとかそういうんじゃないから、そこは安心してくれ」

「は、はぁ……それなら、まぁ、構いませんけど…………それより、どうして僕の正体を知っているんですか? 見たところ、別に宇宙人とかじゃ無さそうですが」

「ああ、確かに見ず知らずの相手からいきなり正体を言い当てられれば、疑問にも思うよな。分かった、教えるよ。それはだな……」

 

 

 

 言い掛けたところで、ミライの持つ通信機が着信を知らせた。

 特に止めるつもりも無いため、星都が「良いぞ」と無言で頷くと、ミライは申し訳無さそうに会釈してから通話ボタンを押す。

 

 向こうの声量が大きいらしく、少し離れている星都の耳にも通話内容が聞こえて来た。スピーカーモードにはしていないはずなのに、ここまで声が聞こえるとは凄い声量である。

 

 

 

「はい、ミライです」

『ミライ! お前、今どこにいるんだ!? 早く戻って来いよ! みんな待ってるぞ!』

「りゅ、リュウさん!? すみません、もうそんな時間ですか!?」

『あったりまえだろ! あの訳分かんねぇ怪獣と一緒に戦ったのはお前なんだから、お前がいなきゃ話にならねぇんだ! 大きな怪我とかしてねぇんなら、とっとと戻って隊長に報告しろよ! GUYS隊員の基本じゃねぇか!』

「わ、分かりました! すぐに帰還します!」

 

 

 

 通話を終え、振り向いたミライは焦った様子で頭を下げた。

 

 

 

「すみません、星都さん! すぐに基地へ戻らなきゃならなくなりました!」

「いや、気にするな。そもそも引き留めてたのは俺の方だ。ミライ、お前に落ち度は無いよ。それよりも……」

 

 

 

 一旦そこで言葉を切り、わずかに期待感を滲ませながら星都はこんな提案をした。

 

 

 

「もしお前さえ良かったら、俺も一緒にフェニックス・ネストに行こうか? GUYSのみんなも交えて色々と話した方が、手っ取り早く済むと思うぜ」

「えっ……!?」

 

 

 

 予想外の提案に、ミライの口から短い驚きの声が零れ落ちる。確かに彼の言う通り、フェニックス・ネストの指令室まで来て貰えれば一度の説明だけで済むし、GUYSの隊員達に囲まれていれば下手な真似もできないだろう。

 

 話し手である星都にとっても、聞き手であるミライやGUYSにとっても、双方にメリットのある魅力的な話だ。

 

 

 

「そ、そうしてくれるのなら僕達も助かりますが……本当に良いんですか?」

「ああ、全然構わないさ。俺もお前達と敵対したい訳じゃないし、実際に見ないと分からない事も多い。この程度でお前達の信用を買えるんなら安いもんだ」

「星都さん………分かりました! お願いします!」

 

 

 

 さて、リュウやジョージ、マリナ、テッペイ、コノミ、そしてサコミズ。この世界に生きる本物の命である彼らを前にして、何をどこからどう話して驚かせてやろうか。ジャケットの内ポケットに入れているアイテムボックスをそっと指先でなぞりながら、ほんのわずかに不敵な笑みを浮かべてミライのあとを追いかける。

 

 

 

 こうして、星都は合法的にフェニックス・ネストの中へ立ち入る事になったのだった。

 

 

 




(=◎ω◎=)<如何でしたでしょうか。


(=◎ω◎=)<ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!


(=◎ω◎=)<とにかく内心でファン魂が絶賛炸裂中の星都くんですが、


(=◎ω◎=)<実は戦闘中から疼いてました


(=◎ω◎=)<憧れのヒーローと肩を並べて戦ってるから仕方ないですよね


(=◎ω◎=)<あと、読者の皆様に一つお知らせ


(=〇ω〇=)<遂に書き溜めていたストックが底を突きました


(=〇ω〇=)<今後はおそらく2~3日ごとに1話の更新になるかと


(=〇ω〇=)<お待ち頂いている皆様には大変申し訳ありませんが、


(=〇ω〇=)<ご了承いただければ、と思います


(=◎ω◎=)<ちなみに次回更新は7月21日(火)を予定しております


(=◎ω◎=)<それではまた次回、お会いしましょう


(=◎ω◎=)ノシ
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