ウルトラクロスロード ~銀河に輝く星々の宿命~   作:通りすがりの大学生

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(=◎ω◎=)<どうも読者の皆様、おはこんばんちは! 作者です!


(=◎ω◎=)<前回のお話の時点で一日が終わりましたので


(=◎ω◎=)<ここらで一つ、幕間を差し込んでみました


(=◎ω◎=)<サブタイから登場人物はすぐに分かると思いますんで


(=◎ω◎=)<どのような内容になっているのかは本編で確認してくだされ


(=◎ω◎=)<それでは、ゆっくりして行ってね!


幕間① おやぢとおっさん猫の語らひ

 

 

 

 その日の夜。

 

 

 

「まいにち~、まいにち~、ボクは情報の♪ 海を泳いで、笑顔になっちゃうよ♪」

 

 

 

 秘密基地「アイランド・フォートレス」の地下中層階にある「趣味部屋二号室」では、太郎が超有名なたい焼きに関する歌(ただし歌詞は変えている)を唄いながら、キーボードを高速かつ軽やかにタイピングしていた。

 目の前の壁に所狭しと並べられた大小さまざまなモニターには、今日の星都の活躍によって獲得された膨大な観測データが次々と表示され、解析や分析、内容の仕分け、情報の統合といった様々な作業が同時並行で行われている。

 

 熟練のオペレーターですら処理能力が追い付かずに目を回してしまいかねないほどの情報量だが、世界最高峰のハッカー兼プログラマーである太郎にとっては問題にならない。

 雪崩のように襲い掛かって来るデータの山を並列思考と抜きん出た情報処理能力で鮮やかに捌き、必要な部分だけを的確に見極めて抜き取り、一目で把握しやすいように纏めていく。

 

 そして、自身が開発した次元交差型の広域追跡探索システム「ワールド・エンド・ハウンド」に解析して綺麗に纏められたデータを次々と入力し、あるいは獲得した観測データを下地にして作り上げた新機能や拡張パックをどんどん追加した。

 この日だけで「ワールド・エンド・ハウンド」に施されたアップデートは十や二十では利かないほどの回数に上り、誕生したばかりのシステムは既にとんでもない次元までレベルアップしている。

 

 世界中のハッカー達の間で「電脳の怪物」と呼ばれ、恐れられる男の本領発揮であった。

 

 

 

「精が出るな、太郎。お前の楽しそうな替え歌が部屋の外まで聞こえてたぜ」

 

 

 

 そんな太郎の背中に穏やかな声を掛けながら、部屋の中に入って来る人影が一つ。

 今日の昼間に出撃して行った星都の父親で、「連合軍」創立メンバーの一人でもある人物、星野谷月光だ。愛用している携帯音楽プレイヤーから、お気に入りの歌手である西川貴教氏のアップテンポなナンバーが微かに漏れ出ている。

 

 

 

「あるぇ~? ボクってばそんなに大声で唄ってましたぁ? いやぁ、失敬失敬。お恥ずかしいところを見せてしまってごめ~んちゃい♪ この失態は今後の働きでドドーンとお返ししちゃいますんで許してちょ!」

「別に今更どうとも思ってないから、その口だけで心が籠ってない謝罪をいい加減ヤメロ。あんまりしつこいとシバキ倒すからな」

 

 

 

 いつもの軽薄なセリフにジト目を向けて容赦無く打ち返しつつ、月光は手に持っていた一人用のお盆をデスクの空いているスペースに置いた。

 

 お盆の上にはいくつかのお皿が載せられており、柔らかく握られた「鮭おにぎり(たくあん付き)」や、豆腐と卵を麵つゆで煮込んだ「くずし豆腐の卵とじ」、出し汁を吸って柔らかくなった大根や根菜類がメインの「おでん」など、夜食におススメの消化に良くて低脂質なメニューが並んでいる。

 仄かに白い湯気が立ち上っているところからして、どれも出来立てのようだ。

 

 

 

「今回の件で誰よりも頑張ってるチーフ・オペレーターに、俺からの差し入れだ。お前が作った『ワールド・エンド・ハウンド』に関する事は全部、開発者であるお前に頼る他無いからな。細やかながら、夜食で手助けさせてくれ」

「うっひょ~~~~~~~~ッッッ!!!! ご飯だご飯だーーーーーー!! 月光さんの手作りご飯だぁあーーーーーーーーーーーー!!! 星都くんがGUYSの皆さんの前で料理してた時からもうお腹空きまくリングで、お腹と背中が『こんにちわ』しちゃう三秒前だったんですぅ!! ああ、もう! 感謝感謝、マジ感謝!! 大黒柱の気遣いが身に沁み沁みですわぁ~~~~~!! 神!? 神なの!? あーた神なの!? もう神で良いっしょ!! 全ボクが認めちゃうッ!!」

 

 

 

 目を星のように輝かせてオーバー気味なリアクションで騒ぐ太郎。物凄い早口で捲し立ててくるその様子から、本当に腹ペコで困っていたのだと月光は察した。

 

 そして、穏やかな笑みを向けて来る彼の目の前で、箸を手に取った太郎はそっと手を合わせて「いただきます」と静かに述べ、普段の騒がしい彼からは想像も付かないほど厳かな所作で料理を口に運んだ。

 もぐもぐとじっくり味わいながら咀嚼し、飲み込む。次の瞬間、ほぅ、と太郎の口から深い満足感に満ちた吐息が零れ落ちた。

 

 

 

「あぁ~~~~~…………全身に優しいあったかさが染み渡るんじゃあ~~~~~~…………ミシュランシェフも同然の料理人に無償で夜食を差し入れて貰えるとか、なんかもう、言葉にできないくらいすっげぇ贅沢な話ですよねぇ~~~~………大富豪を飛び越えて一国の王族とか大統領にも匹敵しちゃうようなやつぅ………月光さん、悪い事は言いませんから今からでも星都くんと一緒に料理人に転職しません? お二人なら大衆食堂でも高級料理店でも行列間違いナシ、ミシュランガイドで三ツ星だって獲れちゃいますって絶対。経理とかプロモーションとかはぜぇんぶボクに丸投げしてくれちゃって全然無問題(モーマンタイ)なんで、騙されたと思ってレッツチャレンジしちゃいましょうよ」

「お誘いはありがたいが、丁重にお断りさせて頂きます。前から言ってるだろ、俺の料理はあくまでも『趣味』の範疇だって。どんだけ美味かろうが金取ってまで出すつもりは無いぞ。気に入った相手に振る舞うくらいで丁度良いんだよ」

「わぁ~~、今のセリフを聞いたら世界中の美食家達が『そんな殺生な!』って泣いて縋り付いて来るんじゃないですかねぇ……。腕っぷしが強くて料理も美味くて心も顔もイケメンとか、何この完璧超人。絶対に敵わないと悟った野郎共の悲嘆に暮れる声が聞こえて来そうです」

「わざわざ自分から敵いっこない勝負を挑んで来るようなアホの事なんざ気にする余裕無いっての。…………んでだ、太郎。システムのアップデートが上手い事行ってるって事は、星都の方も仕事は順調って事で良いんだな?」

「おぉっと、気になる? 気になっちゃいますぅ? んも~~~~~、月光さんはホントに『穏やか親バカ』なんだからぁ。そんな風にあれやこれやと構い倒してると、そのうちお子さん達から揃って『ウザい』って言われても知りませんよぉ?」

「ふざけんな。ウチの子ども達はそんな事言わんし、そもそも言われないようにちゃんとセーブしとるわ。良いからさっさとログを見せろ」

「へいへ~い」

 

 

 

 直径十センチはあろうかという大きな輪切りの大根を丸ごと口の中に放り込み、柔らかい食感と出汁の深い味わいに舌鼓を打ちながら、太郎は月光の目の前の位置にあるモニターに昼間の観測記録を出す。

 繁華街の中心部で、ガーゴルゴンとボガールモンスを相手にメビウスとタッグを組んで立ち向かうファイブキング(星都)の姿に、画面を食い入るように見つめていた月光の表情も自然と安心感に満ちた優しいものになった。

 

 最後のメビュームシュートとカタストロフィスパークの同時攻撃による決着までしっかり見届けてから、月光は隣で一心不乱に夜食を食べているオペレーターに再び声を掛ける。

 

 

 

「太郎、時系列的にいたらおかしいヤツが紛れ込んでたが、つまりはリヤンゴンのコソ泥野郎が何か仕掛けて来てると、そう考えて間違いないって事か」

「もきゅもきゅ………ングッ、その通りですねぇ。あの野郎、ボク達から盗んだSDを基に、自前でSDをでっち上げて我が物顔で使って来てるみたいです。人の褌で相撲を取るようなものですよ。詳しい情報は、あとでファイルに纏めて皆さんの携帯端末に一斉送信しときますから、もちっとだけお待ちください」

「バロッサ星人の戦術自体、他人の上前をはねてるからな。とはいえ、自前でSDを創っちまうとは流石に予想外だが……。椋埜じゃないが、折角技術力も知恵も知識もあるのに、勿体無い使い方してるぜ。ヤツが持ってる技術力の十分の一でも真っ当に使ってくれてれば、宇宙の平和に貢献できるかも知れないってのにな」

「その辺がバロッサ星人のバロッサ星人らしさだと思いますよぅ。どれだけ素晴らしい技術力や豊富な知識を持ってても、使い道がクソだったら全部クソ評価になっちゃいます。それを分かっててやってるのが猶更タチ悪いですねぇ。…………っと、ご馳走様でした。本日も大変おいしゅうございました」

「ほい、お粗末様でした。………早いところ、俺達もリヤンゴンが逃げた先の次元宇宙へ行けるようにしてくれよな、太郎。あのアホ面をぶん殴りたくて仕方ないのは俺だけじゃないんだからさ」

「言われずともやってまぁ~す! 星都くんの協力で、ファイブキングが持つワームホールを創る能力はほぼ解析が完了しました。今回の作戦中に、とは行きませんが、なるべく早く多次元宇宙間を移動できるようにしますんで、乞うご期待でぇす!」

「頼んだぜ」

 

 

 

 最後に一言付け加えてから、月光は空になった皿と一緒に部屋の外へ引き上げていった。

 

 あとに残された太郎は、親指に付いていた塩気をペロリと舐め取ったあと、首をゴキゴキと鳴らして気合いを入れる。

 

 

 

「さァ~て、月光さんのお夜食のおかげでエネルギー満タン、視界良好、思考回路は絶好調! ボクもちょびっとだけ仮眠する時間をとれるよう、ちゃちゃっとやるべき事をすませちゃうとしますかねぇ!」

 

 

 

 双眸の奥をギラリと輝かせ、「怪物」と畏怖される男は狂気と情熱に彩られた笑顔を浮かべて、再びキーボードに指を走らせるのだった。

 

 

 




(=◎ω◎=)<いかがでしょうか


(=◎ω◎=)<ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!


(=◎ω◎=)<今回は星都くんの父・月光と、オペレーターの太郎の語らい回となりました


(=◎ω◎=)<太郎に「穏やか親バカ」と呼ばれた月光ですが


(=◎ω◎=)<これ、はっきり言ってガチです


(=◎ω◎=)<少しでも星都くんがピンチになったら確実に飛び出して行くくらいにはバカです


(=◎ω◎=)<チーム内でも有名な話なんで


(=◎ω◎=)<中には太郎のように軽く揶揄う人もいますね


(=◎ω◎=)<ちなみに、冒頭で太郎が歌っていた「替え歌」の元ネタですが


(=◎ω◎=)<あれって確か、最後に割と「えぇ~……」な結末を迎えるんですよね……


(=◎ω◎=)<切実


(=◎ω◎=)<次回の更新は九月三日(木)予定!


(=◎ω◎=)<お楽しみに!


(=◎ω◎=)ノシ
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