ウルトラクロスロード ~銀河に輝く星々の宿命~   作:通りすがりの大学生

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(=◎ω◎=)<どうも読者の皆様、おはこんばんちは! 作者です!


(=◎ω◎=)<今回から第三章における第一回バトルパートがスタート!


(=◎ω◎=)<未知の怪獣であるスフィアザウルスを相手にUGMや80がどう戦うのか


(=◎ω◎=)<厄介さを知る章大と瑠偉がどう戦うのか


(=◎ω◎=)<乞うご期待です!


(=◎ω◎=)<それでは、ゆっくりして行ってね!


第五十七話 リヤンゴン・メソッド第二弾

 

 

 

 法定速度を完全に置き去りにしたスピードで幹線道路を疾走する事数分。

 

 

 緊張感に包まれていた車内の空気を、章大の鋭い声が切り裂いた。

 

 

 

「瑠偉! 矢的先生! 見えて来たぜ、スフィアザウルスだ!」

 

 

 

 待ちに待ったそれを耳にした瞬間、二人は反射的に運転席と助手席のシートの間から顔を覗かせる。

 車の進行方向の先、オフィスビルの隙間から冗談のように巨大なクリスタルの塊の如き生物の姿が見えた。

 

 

 信じられないくらい肥大化・巨大化した両前足を持ち、その頭頂部と背中から白っぽい鉱石の棘を生やした怪獣。間違いなく「精強融合獣 スフィアザウルス」だ。

 

 

 

「GIIIIIIOOOOOOOOOOOOッッッ!!」

「………ッ!」

 

 

 

 車の窓ガラス越しに耳まで届くほどの咆哮を上げ、前足を踏み出す度に地震と砂煙を巻き起こす。

 タブレット端末の画面に映る静止画像ではない、本物のスフィアザウルスの威容を目の当たりにして、その異質さに猛は思わず息を呑んだ。

 

 

 その一方で、瑠偉の視線はある一点に固定して注がれていた。

 道路上に乗り捨てられていた車や背の低い建物を踏み潰し、炎と黒煙を発生させながらオフィス街のビル群の間を悠々と闊歩する大怪獣の胴体部分。人体で言うところの胸元に当たる箇所に、横長でオレンジ色に輝く見覚えの無い発光器官が存在している。

 その発光器官から嫌な気配を感じ取った瑠偉は、ハンドルを握る兄に静かに問い掛けた。

 

 

 

「……章大。あのスフィアザウルス、胸の辺りに発光器官があるんだけど、見えるかな?」

「ああ、見えてんぜ。あんなモン、スフィアザウルスは持ってねぇはずだろ? なんっか嫌な予感がすんな……瑠偉、お前はアレが何だと思う?」

「たぶんだけど、ネオジオモスの亜空間バリアー発生器官、かな……色合いや形がちょっと違うから、スフィアジオモスの要素も混じってるかも」

 

 

 

 兄も同じ気持ちだったらしい事が分かり、一安心した瑠偉は己の考えを口にした。

 一九九八年五月に放送された、「ウルトラマンダイナ」の第三十六話「滅びの微笑み(後編)」にて登場したスフィア合成獣の一体、「超宇宙合成獣 ネオジオモス」。

 大阪城公園付近ビジネスパークにてダイナやスーパーGUTSらと激戦を繰り広げた、あの強力なスフィア合成獣が持つ亜空間バリアーの発生を司る部位と、世田谷のオフィス街で暴れているスフィアザウルスの胸元に存在する部位が、非常によく似ている気がするのだ。

 

 

 ただ、ネオジオモスのバリアー発生器官の色は明るい黄色だったのに対し、今回のスフィアザウルスが持っている部位はオレンジ色に近い黄色と、色合いが少し異なっている。

 加えて、部位の形状もネオジオモスは緩やかなカーブを描くブーメラン型で、スフィアザウルスの方はカーブの角度がより鋭角に寄ったVの字型に近い。

 

 

 この特徴は、二〇二二年十二月に放送された、「ウルトラマンデッカー」の第二十一話「繁栄の代償」にて登場したスフィア合成獣の一体、「Sプラズマ合成獣 スフィアジオモス」に似ている。

 スフィアソルジャーの死骸を新たなエネルギー資源として活用しようとした結果、誕生してしまった新種のスフィア合成獣。あの化け物の胸部に輝いていた発光器官は、濃いオレンジ色で明確なVの字型だった。

 同じスフィア合成獣繋がりという事で、瑠偉はその二体の怪獣を連想したのである。

 

 

 

『あ”~、只今スフィアザウルスの解析を進めてるところですけど、瑠偉くんの予想は当たっちゃってるっぽいですねぇ~……! あのスフィアザウルスの体から、ネオジオモスとついでにスフィアジオモスのエネルギー反応がバチコリ検知できちゃってます。以前に計測したスフィアザウルスのスキャンデータと比較しても、内包する生体エネルギーは軽く見積もって数倍違いますなぁ……。こんな魔改造個体を送り込んで来るとか、あのコソ泥野郎、本腰入れてUGMと80を潰しに掛かって来てんじゃないですかねぇ……!』

 

 

 

 キーボードのタイピング音と共にインカムから流れてくる太郎の声は苦々しさが滲み出ており、向こうで思いっきり渋面を浮かべている事が容易に想像できた。

 判明した解析結果から推察するに、あのスフィアザウルスは何らかの形でネオジオモスとスフィアジオモスのデータを取り込み、数倍に強化・改造された状態で実体化しているのだろう。

 

 

「ダイナ」と「デッカー」、両作品それぞれに登場するスフィア合成獣を掛け合わせるなどという魔改造が、自然に起きたとはまず考えられない。とすれば、犯人はあのコソ泥星人(リヤンゴン)で決まりだ。

 

 

 

「瑠偉くん。さっき言った『亜空間バリアー』というのは、ひょっとして中学校で僕を助けてくれた時に使っていた、あの膜のようなバリアーの事かい?」

「ええ、その通りです。一部のスフィア合成獣が使って来る強力な防御能力で、並みの銃火器やミサイル、レーザー光線の類は通用しません。攻略するには展開されたバリアーと同等の反エネルギーをぶつけて破壊するか、バリアーの発生を司る器官を損傷させて使用不能に追い込むかのどちらかです」

「なるほど……以前戦ったメカギラスの時と似たようなものか……」

 

 

 

 猛の脳裏に過ったのは、「四次元ロボ獣 メカギラス」と戦った時の記憶だった。

 あの時は地球侵略を企み、四次元空間に集団で前線基地を造っていた「四次元宇宙人 バム星人」によって知らない間に拉致され、彼らの根城である四次元空間で孤独な戦いを強いられた。

 最終的には偶然カバンの中に入れていたテストの答案用紙を通じて届いた生徒達の声援に勇気づけられ、バム星人を全員制圧して80に変身。起動したメカギラスと激戦を繰り広げ、からくも勝利を収めたのだった。

 そのメカギラスとの戦いでは、必殺のサクシウム光線すら通用しないほど強固なバリア能力に大いに苦戦させられた。

 瑠偉の説明を受けて、猛にはその時と状況がよく似ているように思えたのである。

 

 

 

「確かに似てるっちゃ似てるかもしんねーな。メカギラス(あっち)は四次元空間から引き摺り出せばバリアは使えない、スフィア合成獣(こっち)は発生させるのに必要な器官を潰せばバリアは使えない。どっちもちゃんと攻略法があるって訳だ」

「唯一にして最大の問題は、この時代(いま)の人類の科学力でそれができるかどうか、だけどね……。少なくともメカギラスに関しては、四次元空間を自由に行き来できる能力も持ってたからUGMの戦力じゃどうしても詰め切れなかった訳だし」

 

 

 

 からりと笑いながら肯定した章大に対し、メカギラスとバム星人が登場した「ウルトラマン80」の第五話「まぼろしの街」のエピソードを思い起こして、瑠偉の眉間に皺が寄った。

 メカギラス本体の装甲強度はUGMが保有する兵器でも十分通用する程度しか無いが、四次元空間と三次元空間を自由に移動できる能力がある所為で、不利になると逃走される可能性が高い。実際の劇中でも、攻め込んだ先でUGMの攻撃を受けて体が大きく損傷すると、即座に四次元空間の中へ逃げ込んでいた。

 そうなると三次元空間にいるUGMでは手が出せず、結果として80が出て来る事になったのである。

 

 

 あのスフィアザウルスが二体のスフィア合成獣のデータを取り込んで強化されているのだとしたら、展開する亜空間バリアーもあの怪獣達が使うそれと同じか、もしくは限りなく近いものであると見た方が良い。

「滅びの微笑み(後編)」では、バリアーを打ち破るために「反ネオマキシマエネルギー」と呼ばれる強力なエネルギーを使用したビーム兵器を使用していたのだが、UGMの科学力でそれを再現かどうかははっきり言って未知数だ。

 最悪の場合、UGMはあの強化・改造されたスフィアザウルスに手も足も出ない可能性すらある。

 

 

 その時、ジェットエンジンの爆音を轟かせて、三人を乗せた車の上空を二機の戦闘機が駆け抜けて行った。UGMが誇る単座式主力多目的戦闘機「スカイハイヤー」と、同じく複座式主力多目的戦闘機「シルバーガル」だ。

 

 

 

「こっちも来たな!」

「先生! キャップ達に今分かった情報を伝えてください!」

「分かった! キャップ! キャップ、聞こえますか!? あの怪獣について、追加で判明した事があります!」

 

 

 

 猛が通信機でオオヤマ達と連絡を取り、亜空間バリアーやその発生器官について話し始める。

 その様子を横目に、松葉家の双子の兄弟は前方に聳え立つスフィア合成獣の威容を睨み付けた。

 

 

 

◇

 

 

 

 その頃、スフィアザウルスの暴威の影響を受けない場所にあるビルの屋上では、リヤンゴンが現着したUGMの二機の戦闘機を見てその青白い双眸をニヤリと醜悪に歪めていた。

 

 

 

「ヒヒヒッ、来た来た来たッ! UGM様のお出ましだ!」

 

 

 

 例によって展開させた欺瞞用電磁シールドの内側で、待ってましたと言わんばかりに手を叩く。その仕草は平和を守るために命懸けで戦っているUGMを嘲笑うかのようであり、彼ら程度ではどうしようもないのだと確信しているかのようであった。

 

 

 

「俺様プレゼンツ、宇宙中があっと驚く世紀の大実験第二だぁ~ん! こいつが成功すりゃ、あの松葉頌栄(スカしたおっさん)もびっくらこいて引っ繰り返る事間違い無しだぜぇ~! という訳でぇ~、精々目いっぱい足掻いて目いっぱい絶望してくれよ~? ユゥ~・ジィ~・エェェェェム!」

「GIIIIIIOOOOOOOOOOOOッッッ!!」

 

 

 

 大仰な身振り手振りを交えながらそう言って、リヤンゴンは何やら手元に用意していた小型の機械を操作する。

 直後、オフィス街を進撃していたスフィアザウルスが突然立ち止まり、咆哮を上げながらぐぐっとその巨躯をわずかに屈めた。

 背中から突き出た巨大なスフィアクリスタルが緑色に輝き、エメラルドグリーンの電磁波が全方位に向けて解き放たれる。

 

 

 スカイハイヤーの操縦桿を握っていたオオヤマは、電磁波を放射する前触れを見た瞬間に機体を急上昇させていたおかげで、間一髪のところで電磁波の影響圏から逃れる事ができた。

 

 

 

「ハラダ! タジマ! そっちは無事か!?」

『大丈夫です! 問題ありません!』

『計器に異常無し! 先ほどの電磁波による影響はありません!』

 

 

 

 すかさず確認のために無線機を取ると、間髪を入れずシルバーガルに乗っているハラダとタジマから応答があった。

 事前に「民間の協力者」と目される者達から猛を通じて情報を得ていたおかげで、あの得体の知れない攻撃を躱せた事にホッと胸を撫で下ろす。

 その時、本部の司令室で解析作業を行っていた城野エミから通信が入った。

 

 

 

『キャップ! あの緑色の電磁波の解析が終わりました! 矢的隊員が得た情報の通り、あの電磁波には機械を強制的にダウンさせる効力があります! 少しでも浴びたら、シルバーガルやスカイハイヤーでも墜落します!』

「そうか……矢的と一緒にいる『民間の協力者』とやらの情報は、どうやら正しかったようだな」

 

 

 

 エミの報告を受けて、オオヤマは猛から伝えられた情報の内容を思い返しながら呟いた。

 よく見ると、オフィス街の道路に建てられた信号機やビルの各階から電気が一斉に消えており、あの電磁波攻撃を受けて故障を起こした可能性が高い。

 上手く躱せていなかったら、今頃はスカイハイヤーもシルバーガルも操縦不能による不時着を余儀なくされていただろう。

 

 

 まだその「協力者」が宇宙人ではないと確信した訳ではない。しかし、少なくとも眼下の街で暴れている巨大怪獣、スフィアザウルスが持つ攻撃能力に関する情報に嘘偽りがない事は間違い無かった。

 であるならば、必然的に他の情報についても信ぴょう性が高くなる。

 

 

 

「確か矢的の話では、敵の怪獣は強力なバリアーを張る能力を持っている可能性が高いという事だったな……ハラダ! タジマ! 三方向からヤツを攻める! 準備しろ!」

 

『『了解!!』』

 

 

 

 通信機から二人の応答が聞こえた直後、近くを飛んでいたシルバーガルの機首が持ち上がり、そのまま前方上部と後方下部に分離して二機の戦闘機となった。

 機首を含む前方上部で構成されるα号と、尾翼・エンジン部分を含む後方下部で構成されるβ号だ。どちらも単座式で、状況に応じて分離を活かしたコンビネーション戦法を行う多彩さがウリである。

 

 

 スカイハイヤー、α号、β号の三機で編隊を組んだオオヤマ達は、一糸乱れぬ動きで飛行し、スフィアザウルスの背後や側面から流れるように攻撃を仕掛けた。

 

 

 ——バシュッ! バシュッ! バシュッ! ドゴゴォンッ!!

 

 

 スカイハイヤーのカナード翼下やα号の機体上部、β号の機体下部から次々と空対地ミサイルが発射され、スフィアザウルスの巨体に襲い掛かる。

 しかし、爆発による炎と黒煙を引き裂いて前進して来たスフィアザウルスには、目立った傷どころか焦げ跡一つすら付いていなかった。

 ならばと、主翼内部に搭載されているレーザー砲「ファイヤーストリーム」を三機同時に放つが、結果は同じ。スフィアザウルスのクリスタルの塊を思わせる前足や、生物然とした黒っぽい胴体部分にオオヤマ達の攻撃が届く事は無かった。

 

 

 とはいえ、完全に意味が無いかと訊かれれば、実はそうでもない。

 攻撃手段をミサイルからレーザー砲に切り替えたおかげで、オオヤマ達の目はレーザーをシャットアウトする透明なバリアーの存在をはっきりと捉える事ができていた。

 あれこそが、猛の追加情報にあった「亜空間バリアー」という名の強固な防御能力なのだろう。猛や「協力者」達の懸念が現実になった瞬間だった。

 

 

 

『キャップ! こちらからの攻撃がまったく効いていません!』

「分かっている! 一点集中で三機同時に攻撃するぞ! 狙いは胸部に見える発光部分だ!」

『了解!』

 

 

 

 猛からの情報では、あの発光体がバリアー発生を司る器官との事。

 このままバラバラに攻撃しても意味が無いのなら、少しでも効果がありそうな戦法に打って出るべきだ。

 

 

 背中の白いクリスタルから発せられる電磁波に注意しつつ、巨大な前足に邪魔されない絶好の位置取りを探す。そして、三機それぞれが攻撃ポイントに着いた瞬間を見計らって、オオヤマが声を張り上げた。

 

 

 

「今だッ!!」

 

 

 

 三機の主翼レーザー砲から一斉に輝線が迸り、着弾点で一つとなって炸裂した。先ほどまでの攻撃よりも遥かに大きな火花が散り、濃密な白煙がビル群の中に充満する。

 

 

「やったか!?」と思わず身を乗り出したハラダとタジマだったが、現実は非情にして残酷だった。

 

 

 

「そ、そんな……!」

 

 

 

 白煙が晴れて露わになったスフィアザウルスの体には、掠り傷一つ付いていない。

 決死の三機同時攻撃も、スフィアザウルスが展開する亜空間バリアーを貫いてダメージを与える事はできなかったのだ。

 その様子をじっくりと観察していたリヤンゴンが、ビルの屋上で耳障りな哄笑を響かせる。

 

 

 

「ひゃはははははははははは!! 無理無理、そんなチンケな攻撃じゃ俺様が手ずから改造したスフィアザウルスは倒せねーよ! なんてったって、ネオジオモスが持つ亜空間バリアーとスフィアジオモスが持つSプラズマ亜空間バリアーを合体させてんだからなァ!!」

 

 

 

 そう、これこそがリヤンゴンの仕掛けた「実験第二弾」の正体だった。

 

 

「アイテム保管庫」から盗み出した各種スフィア合成獣のデータを片っ端から調べ尽くし、その中から有用なものをピックアップ。特殊なガジェットの一つを使って、同じく「アイテム保管庫」から盗み出したスフィアザウルスのSDにそのデータをダウンロードする事で、データの元となったスフィア合成獣が持つ能力をスフィアザウルスにそっくりそのまま移植したのである。

 同じスフィア合成獣同士という事もあって親和性が高く、合成実験は大成功。あとは実際に戦わせて細部を詰めるための実証実験が必要で、そのためにわざと都市の中心部にスフィアザウルスを実体化させ、UGMが出撃して来るように仕向けたのだ。

 

 

 先ほどの一連の戦闘結果は、リヤンゴンもとても満足の行く内容になった。

 UGMの戦闘機がいくらミサイルを撃とうとレーザー光線を放とうと、スフィアザウルスが展開する亜空間バリアーはすべてをシャットアウトしている。防御力、耐久力、持続時間、どれをとっても文句の付けようがないほど完璧だ。

 

 

 

「ねぇ今どんな気持ちィ~? 効きもしない攻撃を無意味に繰り返すしか無いって一体どんな気持ちィ~? ここまで見事に完封された今の気持ちを聞かせてみろよぉ! ひゃはははははははは!!」

 

 

 

 抱腹絶倒で屋上の床をごろごろと転がるリヤンゴン。まさしく、「他人の不幸は蜜の味」であった。

 

 

 

「さァ~て、そんなカワイソーなUGM諸君に更なる悲報! 俺様のスフィアザウルスちゃんが持つ『力』には、まだまだ『先』があるんだぜぇ~?」

「GIIIIIIOOOOOOOOOOOOッッッ!!」

 

 

 

 そう言ってリヤンゴンは起き上がると、手元のギンガスパークを通じてスフィアザウルスに命令を下した。

 主からの指令を受けたスフィアザウルスは、蒼い双眸をギラリと輝かせると、世田谷区全域に届かせんばかりの大音声で咆哮を轟かせる。

 音圧と衝撃で周囲のビルの窓ガラスが一斉に砕け散って行く中、大空を飛び回るオオヤマ達の目が信じられない光景を捉えた。

 

 

 なんと、何も無かったはずの虚空から次々と緑色に輝く球状の生物、スフィアソルジャーが湧き出して来たのである。

 

 

 出現したスフィアソルジャーは瞬く間にその数を膨れ上がらせ、スフィアザウルスの両隣にそれぞれ折り重なるように密集していく。

 そして、地上から七十メートル付近まで積み上がったところで、集まったスフィアソルジャー達が一斉に溶け合い、不気味に蠢きながら融合・合体。街全体を染め上げる眩いエメラルドグリーンの閃光と共に、二体の巨大怪獣へと変貌を遂げた。

 

 

 

「「GYAAAAAAAAAAAAOOOOOOOOOOッッッ!!!」」

 

 

 

 青白い双眸に邪悪で禍々しい意思の輝きを宿し、出現した二大怪獣が周囲を圧倒するような存在感を纏って、天を仰いで同時に咆哮を上げる。

 

 

 片方はスマートな細身でありながら、黒灰色の装甲で全身を固めた禍々しいシルエットを誇る怪獣。

 もう片方は太陽光を反射してメタリックブルーに輝く装甲で重厚な体躯を包んだ、異様なまでの威圧感を放つ怪獣。

 どちらも共に山羊の悪魔や邪神を彷彿とさせる形状をした頭部を持ち、その両脇には逆反りになった巨大で鋭利な一対の角が生えていた。

 

 

 細身の怪獣の名は、「超宇宙合成獣 ネオジオモス」。

 

 

 重厚な体躯を持つ怪獣の名は、「Sプラズマ合成獣 スフィアジオモス」。

 

 

「ダイナ」と「デッカー」、二つの異なる次元世界で、しかし共通の宇宙生物によって産み出された驚異が、リヤンゴンとスフィアザウルスの意思に従い、一九八〇年代の地球にて一堂に会したのだった。

 

 

 




(=◎ω◎=)<如何でしたでしょうか?


(=◎ω◎=)<ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!


(=◎ω◎=)<誰が「出て来るのはスフィアザウルスだけ」だと言った?


(=◎ω◎=)<そんな展開になりました


(=◎ω◎=)<なんでこいつらが出て来られたのかという理由については


(=◎ω◎=)<次回以降で明らかにしますので、少々お待ちを


(=◎ω◎=)<次回の更新は十月二十九日(木)予定


(=◎ω◎=)<お楽しみに!


(=◎ω◎=)ノシ
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