ウルトラクロスロード ~銀河に輝く星々の宿命~ 作:通りすがりの大学生
(=◎ω◎=)<今回はバトルパートその2
(=◎ω◎=)<UGMvsスフィア合成獣軍団を描きつつ
(=◎ω◎=)<矢的先生&松葉兄弟にバトンタッチしていく流れとなっております
(=◎ω◎=)<とにかくUGMがやられ役にならないよう注意しつつ
(=◎ω◎=)<人類側が可能な限り戦い抜く様子を描いてみました
(=◎ω◎=)<乞うご期待です!
(=◎ω◎=)<それでは、ゆっくりして行ってね!
天を衝く咆哮が世田谷の空を揺るがし、オフィス街の空間を物理的に波打たせる。
その中心で、三体のスフィア合成獣が同時に動き出した。
「GIIIIIOOOOOOO!!」
「「GYAAAAAAAAOOOOOOO!!」」
——キュイィィィィィ………………バババババババババッッ!!
ネオジオモスとスフィアジオモスが鋭利な爪の生えた両手を胸の前で交差させ、勢いよく前方へ突き出す。その瞬間、背中から無数に突き出ている棘の先端部分から、青く輝く電撃が何条も迸った。
彼らが得意とする中・遠距離攻撃能力の一つ、「破壊電磁波」である。
スフィアザウルスも、頭部に生える赤い角や両腕の上部から突き出たスフィアクリスタルの先端から同様の電磁波を放出し、三位一体となってオフィス街を攻撃した。
直撃した高層ビルが爆炎を吹き上げて瞬く間に瓦礫の山と化し、道路には白煙と共に何本もの傷跡が刻まれ、自動車やバイクが火花を散らしてスクラップへと変わる。発生した炎や瓦礫といった「エネルギーそのもの」や「エネルギーになりそうなもの」は、スフィアジオモスが片っ端から吸い寄せて胸部のオレンジに輝く発光器官から吸収し、己のエネルギーに変換・蓄積し始めた。
尽きる事無く湧き上がる破壊衝動に身を任せ、三体のスフィア合成獣は平和だった世田谷の街を恐怖のどん底に突き落とす。
——バシュッ! バシュッ! バシュッ!
——ビィィィィィィーーーーーーーッッ!!
怪獣達による蹂躙劇を黙って見過ごすUGMではなく、持ち得るすべての装備を総動員して果敢にも攻撃を仕掛けた。
だが、数多の侵略者達を退けて来たミサイルやレーザーも、スフィアザウルス達が展開する透明な膜のような亜空間バリアーの前には無力だった。どれほど必死になって撃ち込もうとすべて弾かれ、その奥にいる怪獣本体には欠片も届かない。
万事休すかと思われたその瞬間、絶望的な戦況に一筋の光明が差し込んだ。
オオヤマが操縦するスカイハイヤーが、急降下しながらネオジオモスの背中に照準を定め、ミサイルの雨を降らせる。すると、今までバリアーに阻まれるだけだった攻撃がネオジオモスの背中に明確にヒットし、火花と煙を吹き上げたのだ。
「GYAAAAAAAAAAA!?」
「通じた……!」
背後から痛みに襲われて戸惑いの声を上げるネオジオモスの姿を目の当たりにして、オオヤマは機首を上空へ向け直しながら確信と共に無線機を繋げる。
「ハラダ! タジマ! どうやら敵のバリアーは、真上からの攻撃まではカバーし切れていないらしい! 急降下しながら奴らの背中を攻撃するんだ!」
『『了解!!』』
瞬時にα号とβ号が散開し、スフィアザウルスとスフィアジオモスの背後に回って同様のやり方でミサイルやレーザーを撃ち込んだ。
やはりこちらも、亜空間バリアーに阻まれる事無く敵の体に命中し、火花や煙が舞い散って目に見える形でダメージが入る。
オオヤマの睨んだ通り、強力なバリアーも直上からの攻撃までは覆い切れていなかったのだ。
「GIIIIIOOOOOOOッ!!」
「GYAAAAAAOOOOOッ!!」
バリアーによる防御をすり抜けて攻撃された事に怒りを覚えたらしく、スフィアザウルスとスフィアジオモスは咆哮を上げると、三機の戦闘機目掛けて破壊電磁波を放った。
青い稲妻にも似た攻撃が世田谷の上空を駆け抜け、オオヤマ達を撃ち落さんと迫る。
一撃でも当たれば撃墜必至な攻撃を、オオヤマ達は日頃の訓練で磨き上げた操縦技術をフル活用して躱し、再び攻撃を加えるべく怪獣達の背後へ回り込んだ。
しかし、ようやく見つけた反撃の糸口を全霊で物にしようとするUGMに、残る三体目の怪獣が牙を剥く。
「GYAAAAAAOOOOOッ!!」
「うわあぁっ!?」
ネオジオモスが上空を飛ぶ三機を睨み上げ、額の中心に輝く球状の発光器官から赤色の破壊光弾を発射した。
光弾はUGMの空対地ミサイルに匹敵する速度で大空を飛翔し、ハラダが乗るシルバーガル・α号の機体尾部に着弾。機体に重大なダメージを与えたのである。
幸いな事に、燃料に引火して空中で爆発するような事は無かったものの、飛行が困難になったα号は黒煙の尾を引きながら高度を下げて行き、やがてオフィス街のビル群の谷間へと消えて行った。
地上からα号が被弾不時着する様子を目の当たりにして、猛、章大、瑠偉は悔しそうに表情を歪ませる。
予想した通り、戦場へ近づくにつれて渋滞が激しくなったため、途中で大通りから脇道へ入り、邪魔にならない適当な場所に停車して、そこから現場まで走って来たのだ。
「なんて奴らだ……! 怪獣なのにバラバラに好き勝手行動するどころか、協力して攻撃して来るなんて……!」
猛は、三体のスフィア合成獣が見せた怪獣とは思えない連携に、冷や汗を流しながら思わずそう呟いた。
彼の経験では通常、種族の異なる怪獣が一か所に集まると、縄張りを巡って怪獣同士で争うか、てんでバラバラに行動するかのどちらかになる。同じ種族同士だったり雄と雌で番っていたり、あるいは何者かの手で操られていたりするのであれば、協力して外敵に立ち向かう事もあるかも知れないけれど、少なくとも異なる種族の怪獣が互いに自然と協力し合うという事例は聞いた事が無かった。
猛の反応は、そんな未知の事例に直面し、しかもそれが強力な力を持った怪獣の間で起きた事に対する驚愕と戦慄から来るものだった。
一方の章大と瑠偉は、オフィス街で暴れる三体のスフィア合成獣の中でも、特にネオジオモスとスフィアジオモスの二体を神妙な面持ちで睨み付けていた。
「………なぁ、瑠偉。あの二体、どっちもスフィアソルジャーが寄り集まってできてたよな? あの球っころ共、どこであいつらの細胞片なんて手に入れやがったんだ……?」
「断定はできないけど、状況から見て『どこかから調達した』んじゃなく『元々持ってた』と考えるべきだと思うよ。太郎さんは『スフィアザウルスの体内からネオジオモスとスフィアジオモスの反応が出た』って言ってたから、おそらくバリアー能力を付与する際にあの二体の体細胞に関する情報も一緒にくっ付けて、もしもの時に増援を呼べるようスフィアソルジャーと情報を共有させてたとか、そんな感じだと思う」
「なるほど。確かスフィアソルジャーは、肉片から怪獣の体を再生させて新たなスフィア合成獣を創る事もできたんだったか。基になる情報を最初から持ってたんなら、あとは大量のスフィアソルジャーさえ用意できりゃ問題ねぇって訳だ」
実際、「ウルトラマンデッカー」の第十二話「ネオメガスの逆襲」では、第十話でデッカーに倒された「新創獣 ネオメガス」の残存細胞に無数のスフィアソルジャーが取り付き、取り込んで、「新創合成獣 スフィアネオメガス」という新たなスフィア合成獣を誕生させていた。
また、同じ第十二話の劇中には、スフィアネオメガスの角が折れた際、スフィアソルジャーが傷口に寄り集まって合体する事で真新しい角を復元したり、あるいはスフィアネオメガスの両腕に集まってスフィアザウルスと同じ巨大化したクリスタル状の腕に変化させたりする描写もある。
つまり、スフィアソルジャーには怪獣の細胞片を取り込む事でその怪獣の肉体に変化し、瞬時に復元したり、修復・再生させたりする能力があるという事だ。
今回のネオジオモスとスフィアジオモスの出現は、その事を知っていたリヤンゴンがあらかじめスフィアザウルスのSDに二体の怪獣の細胞情報をダウンロードしておき、更にスフィアソルジャー達にも情報を共有できるように仕込んでおく事で、スフィアソルジャーが「最初から細胞片を取り込んだ状態」になっていたからこその産物だと思われた。
亜空間バリアーの発生器官を付け足す都合上、どうしても二体の怪獣の情報は必要だったはずなので、瑠偉の推測もあながち間違ってはいないだろう。
『こうなって来ると、今回実体化したスフィアザウルスのSDは何としてでも確実に回収しなくてはなりませんねぇ……。瑠偉くんの仮説の真偽を証明するためってのもありますが、それ以上にヤツの持つ技術力のレベルを知る良い材料になります。勢い余ってお皿まで食べちゃいたいくらい美味しい情報の山ですな! 早く食べさせて♪ Please let me eat quickil!』
((はいはい……))
何故か最後に英語(しかも文法は合ってる)で催促して来る太郎に心の中でげんなりしつつ、双子は何の躊躇いも無く懐のアイテムボックスからギンガスパークとSDを一組ずつ取り出す。
このままでは残るシルバーガルのβ号とスカイハイヤーも撃墜され、邪魔者がいなくなって自由になったスフィアザウルス達が進撃を再開してしまう。世田谷のオフィス街で足止めできている今の内に変身し、三体の怪獣を倒してスフィアザウルスのSDを回収すべきだ。
口には出さずとも、長年の戦いで培った経験からそう判断した双子は、慣れた手付きでSDをギンガスパークにセットしようとする。
そこに、猛から声が掛かった。
「待ってくれ、二人とも! キミ達の話を聞いていたが、つまりはあの後から出て来た二体の怪獣は、スフィアザウルスがいる限り何度倒しても再生して復活してくる、そう考えて良いという事かな?」
猛からの問い掛けに、章大と瑠偉は同時に目を見開き、そして同時に首を縦に振った。
「ええ。矢的先生の考えている通りで、間違いないでしょう」
「さっきの俺達の話を聞いてたんなら分かると思うが、スフィアソルジャーには怪獣の体細胞情報を基に怪獣の肉体を復元・再生させる力がある。んで、それに必要な情報をあいつらは既に持ってんだ。だったらもう、やる事は一つっきゃねぇ」
「あとから出て来た二体の怪獣……ネオジオモスとスフィアジオモスは、いわば『複製体』です。例え跡形もなく消し飛ばしたとしても、スフィアザウルスを倒さない限り第二、第三のネオジオモスやスフィアジオモスが出現する事になりかねません。スフィアザウルスが呼び出せる限界まで倒し続ける、という選択肢も無い訳ではありませんが、それだと流石に時間が掛かり過ぎます」
「つまり、俺達がやるべき事は一つ! ネオジオモスとスフィアジオモスを抑え込んでる間にスフィアザウルスをぶちのめし、そのあとにソッコーで残りを倒す! これが一番手っ取り早い方法だぜ!」
「スフィアジオモスには次元の壁に穴を開けて、そこから新たなスフィアザウルスを召喚する能力もありますので、スフィアザウルス撃破から二体の怪獣の撃破までに掛ける時間はできる限り最短。可能なら、三体同時に撃破するのが最も望ましいでしょう。大丈夫です。すべてを先生お一人に背負わせるつもりはありません。僕達も、一緒に戦います」
「一緒に戦うって、さっきキミ達が使っていた銃の事かい? 確かに凄い武器だと思うけど、あの怪獣達が張るバリアを破れるほどの威力があるとは……」
「いいえ、もっと直接的な意味です」
桜ヶ岡中学校での一件を思い出して心配そうにする猛に対し、瑠偉は眼鏡の奥でニヤリと不敵な笑みを浮かべてみせる。
理知的な雰囲気によく似合うその笑みに、猛が「それは一体……」と言い掛けた次の瞬間。
——ドガァンッ!!
オフィス街に再び轟音が響き、三人の頭上をタジマの乗ったシルバーガル・β号が通過して行った。
よく見ると、機体の右翼側から黒煙が上がっており、敵の攻撃を受けてこれ以上の継続戦闘は不可能になった事が分かる。
そのままα号と同じくオフィス街のビル群の中へ消えて行くβ号を見送り、松葉兄弟と猛は顔を見合わせた。
「議論している時間はありません。先生、詳しい事はまたあとでお話します。今は、僕達を信じてください」
「早くしねぇとオオヤマキャップまで撃ち落されちまう!」
「瑠偉くん、章大くん………………分かった。どうせ、中学校で助けられた時から、僕はキミ達を信じると決めてたんだ。自分で決めた事は最後まで貫く。一緒に行こう!」
「「はい!」」
腹を括り、三人は横一列に並んで、暴れ回る三体のスフィア合成獣を真っ直ぐ見据える。
猛は胸元から80への変身アイテムであるブライトスティックを抜き放って力強く構え、双子はそれぞれ手にしたSDをギンガスパークに素早く接続した。
——《スパークドールズ、モンスロード!》
響き渡る荘厳な電子音声と共に、世代と宇宙を超えた三人の熱き意思が一秒の狂いも無く完全にシンクロし、行動となって重なり合う。
天高く掲げられたそれぞれの変身アイテムのトリガーが、一斉に引き絞られた。
「——
——《ウルトライブ! 『シビルジャッジメンター ギャラクトロンMK2』!!》
——《ウルトライブ! 『電脳魔人 テラフェイザー』!!》
世田谷の空を覆いつつあった絶望を突き破るように、三つの色鮮やかで眩い光の本流が交錯する。
(=◎ω◎=)<如何でしたでしょうか?
(=◎ω◎=)<ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!
(=◎ω◎=)<「ウルトラマンの出番は人類が力を尽くしたあと」
(=◎ω◎=)<というのがウルトラマンシリーズにおける鉄則ですので
(=◎ω◎=)<オオヤマキャップ達にもしっかり頑張って頂きました
(=◎ω◎=)<キャップはまだ撃墜されていませんし
(=◎ω◎=)<ハラダ隊員とタジマ隊員も堕とされましたけど無事なので
(=◎ω◎=)<今後も出番を作るつもりです
(=◎ω◎=)<あと、松葉兄弟がチョイスしたSDですが
(=◎ω◎=)<どっちも「デッカー」に出演したキャラクターです
(=◎ω◎=)<相手がスフィアザウルスなので、「デッカー」繋がりですね
(=◎ω◎=)<次回は十月三十一日(土)更新予定
(=◎ω◎=)<お楽しみに!
(=◎ω◎=)ノシ