最近、艦これが自分の中で低迷していて書ける気がしないので、新しくはじめて見ました。
ウマ娘はやっていますがUCまでしか行けないカスです
───勝負の世界は、一瞬で色を変える。
鈴鹿サーキット、バックストレート。
伏せたスクリーンの内側で、ホンダ・CBR1000RR-Rの直列4気筒エンジンが200馬力超の咆哮をあげる。
一瞬ごとに跳ね上がる速度表示は、すでに時速280キロを超えていた。
挟み込んだ車体は、ライダースーツ越しでも生々しく伝わるほどに猛烈な熱を帯びている。まるで巨大な熱量の塊をねじ伏せて、狂ったような速度の刃に変えている感覚。
目指すは、鈴鹿が誇る超高速左コーナー『130R』。
かつて、俺はその世界のすべてを愛していた。
アスファルトの強烈な摩擦、スリックタイヤが路面を掴む強烈な接地感、限界ギリギリの果てにあるコンマ数秒の駆け引き。
命を懸けて走るこの勝負の世界には、互いの全力をぶつけ合うだけの「最低限の信頼」があるのだと、誰よりも信じていた。頂点を目指して己を研ぎ澄ます、美しく気高き魂のぶつかり合いだけが存在しているのだと。
だが───。
(……っ!?)
一瞬だった。
インを刺し、130Rのクリッピングポイントへ向けてマシンを寝かせた、その刹那。
視界の端に滑り込んできた他人のマシンの影と、同時に───不可解な衝撃が、猛烈な勢いで俺の車体を襲った。
限界までバンクしていたCBRの車体が一瞬にして暴れ、リアタイヤがトラクションを完全に失う。
メーターの表示がめちゃくちゃにブレ、視界の中で空とアスファルトが高速で反転した。
強烈な衝撃。身体を打ち付ける硬い路面の感触。
耳を聾するようなスキール音と、引き裂かれるようなエキゾーストノートが遠ざかっていく。
残されたのは、ただ、不気味なほどの静寂。
目を覚ましたのは、二日後の病室だった。
幸いにも命は助かり、骨折や擦過傷も数ヶ月で元通りになるようなものだった。だが、本当に壊されてしまったものは別にあった。
後に知ったことだが。
あの時、130Rで俺の車体を襲った衝撃は、決して勘違いではなかった。
俺の後方を走っていたライダーが、明確な意図を持って、俺のマシンを弾いた映像が残っていたのだ。
(あぁ、俺は───あの世界への信頼を失ったんだ)
真実を知っても、何も戻らなかった。
相手に処分が下されても。
謝罪をされても。
あの日以前と同じ気持ちで、スタートラインに立てる気はしなかった。
───静寂が、部屋を包んでいた。
「……やっとここまで来た」
短く呟き、俺は顔を上げた。
そこは鈴鹿の130Rではなく、中央トレセン学園のトレーナー室だ。
机の上には、未だライセンスが発行されたばかりの『中央トレーナー証』。
元々、俺は地方のトレセンで働くトレーナーだ。
あのクラッシュ以来、勝負の世界の真ん中に戻る気は起きなかったものの、走るウマ娘たちの姿まで嫌いになったわけじゃない。
地方の現場で彼女たちの走りを預かり、ただひたすらに理論を磨いてきた。担当の脚を診て、トレーニングを組み、レースを分析する。そうしている方が、俺にとっては楽だったからだ。
そうして積み重ねた実績が認められたからこそ、俺は今、この場所にいる。
あの日以降、自分が再びスタートラインに立つ姿だけは想像できなかった。
だけど、ただ純粋に夢を追ってひたむきに走るウマ娘たちには、自分の走りに納得して、全力を出し切ったレースをしてほしい。
そのために、俺の培ってきた理論のすべてを、裏方として妥協なく注ぎ込もう。
気付かないふりをしていた。
あの日から、止まったままのラップタイマーに。
もう更新されることのないはずだった、自分の記録に。
裏方として、走る彼女たちの風になれれば、それで十分なはずだった。
───この時の俺は、まだ知らなかった。
あの日から止まったままのラップタイマーが。
一人のウマ娘との出会いによって。
再び刻み始めることになるのを。
はい、如何でしたでしょうか
この小説を書くためにストーリー4話分を文字で書き起こし、学習させました
正直、構想練ったり、ここはこうしようって考えるよりも辛かったです
投稿の頻度は不定期投稿です。
首を長くして待っていただけますと幸いです