魅力至上主義の教室   作:Mr.♟️

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モチベが下がったら新しい作品を書き、そのうち心が折れてしまう。初めての神様転生作品です。


プロローグ

 

「タイムタイムタイムタイムっ!待て待て待て待てっ!落ち着いてっ!」

 

『おめでとうございます。あなたは、異性に殺された1億人目の人間になります』

 

「─────って、え?」

 

どこだろうか、ここは。ついさっきまで僕は、ホスト時代のお客さんに詰められていたはずなんだけど。

 

『つきましては、別世界に転生して今一度生を授かるか、地獄で永遠に過ごすか、あなたには選択権があります』

 

「は?え、待って?地獄?なんで?え、待って。そもそも、ここどこ?」

 

嘘だろ。悪いことなんて、何もしてないんだけど。てか、なんで天使が目の前に?

 

『返答意思がないということであれば、地獄行きで問題ありませんね。それでは、手続き上本人からの口で申告する必要がありますので、『地獄行きを受け入れる』と仰ってください。そしたら、一瞬で移動しますので』

 

なんだこいつ。全然話にならない。僕の言葉を聞いた上で全部無視してる。誰が地獄行きなんて受け入れるんだ。

 

「嫌だ。僕は『別世界の転生』を選択する」

 

選択権は僕にあるんだろ。それなら、選ばせてもらう。別世界の転生を。正直状況は分からないけど、地獄行きは嫌だ。

 

『チッ......別世界への転生を選んだ方には、幾つか説明事項があります。1度しか言いませんので、心して聞いてください。情けなくも異性に殺された1億人目のあなたには、別世界への転生時に特典が付与されます。その特典というのが、ステイタス』

 

「もう少しゆっくりと説明」

 

早口すぎる。聞き取れるけど、しっかりと整理しながら話を聞きたい。

 

『ステイタスは知力・身体能力・メンタル・運・特殊ステイタスの5つに別れています。S~Fでランク分けされており、行動によって向上させることが可能です。その他、あなたの行動によってはスキルが身につくこともあります』

 

もういい。僕の言葉を聞く気はないみたいだし、気遣いを求めるのは諦めよう。一言一句聞き逃すな。

 

『ステイタスは、Sが比類なき天才、Aが天才、Bが秀才、Cが優秀、Dが凡人、Eが劣等、Fが致命的になってます』

 

『ここまでで質問はありますか?はい、ありませんね』

 

「いや、待って。質問が」

 

マニュアルに書いてあるから一応聞いておきましょうのテンションやめて。質問あるんですけど....!

 

『では、続けます。続いては楽しい楽しいガチャの時間です。親ガチャからステイタスのランク決め、特殊ステイタスまでこのガチャの結果で決まります。努力でどうこうできるとはいえ、初期値は大事ですからね』

 

な、なんだ。いきなり少し楽しそうにしてるぞ。ついさっきまでは、説明めんどくさいから重要事項の説明を早口で伝えてやろう....みたいなテンションだったのに。

 

『まずは親ガチャから。『親ガチャスタート』と言ってください』

 

『親ガチャスタート』

 

促されるままに口にすると、上空にバカでかいカプセルトイの筐体が突如として現れ──そのまま自動で、ゴトゴトと派手な音を立てて回った。

 

そして、光り輝く金色の大型カプセルが排出される。天使はそれをまじまじと見つめてから、パカッと開けた。

 

『──お?おぉ、おめでとうございます。親ガチャAランクの『医者の父親と弁護士の母親』です。次のガチャは──特殊ステイタスガチャになります。特殊ステイタスはピンキリなので、当たりが当たるといいですねー』

 

「ちなみに、どんなのがあるんですか?」

 

ガチャが好きなのか?テンションが高い。今なら質問しても答えてくれる気がする。

 

『当たりになると、Sランクの『金運』ですかね。上手く育てれば、歩くだけで資産家がビルを譲ってきますし、他にも石油を掘り当てたりと...所謂チートステイタスですね』

 

『反対に、ハズレのFランクは『不運』ですかね。不幸なことがあれば勝手にあがり、高ステイタスになれば歩くだけで死にかけます。これがあたったら悲惨ですねー』

 

本当にピンキリだ。特殊ステイタス、これ次第で生まれた初日で死ぬ可能性もある。

 

『あ、ちなみに、ステイタスは生まれた時から有効ですが、向上させることができるのは小学校入学以降になります。では、早く『特殊ステイタスガチャスタート』と言ってください』

 

『特殊ステイタスガチャスタート』

 

『お、おお?おおおお?これは、もしかすると──』

 

ガチャガチャの中のカプセルたちが暴れ狂い、治まったと思ったら──虹色に輝き、排出の直前で紫色の光に変わった。

 

『あー、惜しかったですね。今の昇格が成功したら、Sランクの特殊ステイタスだったのに。勿体ない。普段の徳の積み方が足りないからダメなんですよ』

 

「え、まさか....ダメなステイタスとか?」

 

『そんなことはありませんよ。ただ、昇格に失敗したのでAランクの特殊ステイタス──厳密に言えば、本来Sランクだったものがデメリット付きになってAランクに落ちたってとこですねー』

 

『まあ、Sランクもピンキリですから、この特殊ステイタスなら充分当たりですよ。そこら辺の雑魚いSランクよりも全然』

 

『付与される特殊ステイタスは『魅力』になります。同性からの好感が得にくくなり、異性からの好感を得やすくなります』

 

ん、んー。もし昇格に成功してたら、性別関係なく好感を得やすかったって事なのか?

 

『これで基礎ステイタスは知力・身体能力・メンタル・運・魅力で決まりましたね。次に、『ステイタスガチャスタート』と言ってください。それが終わりましたらあなたは、別世界『ようこそ実力至上主義の教室へ』に転生します。あ、転生者はあなただけですので、そこはご心配なく』

 

ようこそ実力至上主義の教室へって、あのラノベの?え、今からそんなラノベ世界に転生できるの?それこそラノベの中の話じゃん。

 

よう実を読んだのはかなり前だから、あんまり細かいところ覚えてないんだよなぁ。

 

「ありがとうございます。では『ステイタスガチャスタート』」

 

ガチャを引き始めてからというもの、この天使、なんだか随分と対応が優しくなった気がする。

 

何度かぐるぐると機械が回ったあと、コロンッと5つのカプセルが排出された。

 

知力A(15)

 

身体能力B(05)

 

メンタルF(20)

 

運B(00)

 

魅力A(05)

 

『あー..........メンタルが終わってますね。他は悪くないのにもったいない。まあ、詳しい説明は転生して暮らしていく中でわかると思うので、割愛しますね。ステイタスは100になれば、次のランクになるのでお忘れなく』

 

「え、え?これで終わり?」

 

『はい、終わりです』

 

「ま、待って!まだ聞きたいこと──」

 

『享年20歳。幼少期の頃に本来であれば地獄行きであった神代凪の別世界への転生を、大天使ガブリエルが承認します』

 

 

 

 

『よしっと。地獄行きを選んでくれたら、説明とか面倒なことなかったのに。ま、でもガチャ楽しかったしいっかー。ふぁぁ、眠たい』

 

神代 凪

 

少年時代に両親からの虐待を受け続け、苦痛に耐えかねて1度だけコンビニからビールを万引きした経歴あり。

 

高校卒業後はホストへと就職。1年でNO.1まで上り詰めるも、大学に通うための資金が貯まるとと共に退職。

 

大学生活中にホスト時代の痛客に刺され死亡。

 

 


 

クソメンタル。ゴミメンタル。終わってるメンタル。

 

ようやく、ようやく今日、小学校へと入学できた。これまでの人生どれだけ辛かったか.....!このゴミメンタルのせいで...!

 

『はい、じゃあ次は神代くん自己紹介してみよっか』

 

イスから立ち上がって、全体を軽く見渡して口を開く。

 

「ぅ、うぅぅ.......」

 

──このザマだ。メンタルがゴミすぎて、注目が集まったらまとめに喋れなくなるし、注目されてる状態だと他の能力値にもデバフをくらう。

 

「ぅ、かぁみ...しぃろ、なぁぎ」

 

こんな笑えるくらい無様な状態でも、逃げたりしてはいけない。なぜなら今日からは──頑張ればステイタスが上がるはずだから!

 

うわ、気分悪くなってきた。体調も悪くなってきた気がする。

 

【メンタルが8向上しました】

 

──嘘だろ。こんな結構辛い目にあって、8しか向上しないの?え、嘘だろ?初期ステイタス大事すぎない?

 

「ちょ、ちょっと緊張しちゃったのかな?はい、じゃあ次の子.....」

 

どんどん自己紹介が進んでいく。そして、次は僕の隣の席に座ってる彼女の番だ。

 

「坂柳有栖です。皆さん、よろしくお願いします」

 

そう、あの坂柳有栖だ。まさか、同じ小学校に通うことになるなんて思いもしなかった。

 

あ、今見下された気がする。仕方ないだろ。僕だって、泣きたくて泣いてるわけじゃないんだ。ぐすん。

 

まあでも、原作のキャラクターに関われるのは嬉しい。可愛いし、可愛いし、可愛いし。なにより、可愛いし。

 

今はまだ、坂柳さんと積極的に関わらない方がいい。女子人気がある僕が彼女に話しかけたら、他の子が何するか分からないし。

 

なにかあっても、今のメンタルだと動きが遅くて守りきれない。だから、一段階ランクが上がってから話しかけるようにしよう。

 


 

1週間も経てば、小学生一年生といえどグループができる。活発でやんちゃなグループ。大人しめなグループ。そして、周りから弾かれたぼっち。

 

彼女の場合は、自分から交わってないから弾かれたと言ってもいいかは微妙なところではある。

 

そして、僕はというと──

 

「ねぇねぇ、凪くんも一緒にやろうよー」

 

女子グループに囲まれた。魅力Aの影響か知らないけど、女子の好感度がみるみるうちに上がっていくのがわかった。

 

「ぅん」

 

ゴミメンタルのせいで女子の集団から注目を浴びると、どうしても言葉に詰まってどもってしまう。

 

正直なところ、僕は坂柳さんとコンタクトを取りたいのだ。だから、こうして他の女子から頻繁に話しかけられるのは、割と迷惑な状況ではある。

 

でも、その居心地の悪さのお陰でメンタルがぐんぐんと上がっていくのだから、助かっている部分も大いにある。

 

初期値が底辺だからか、今のうちはステイタスが上がりやすくて本当に助かる。

 

結果として、この1週間でメンタルは『51』まで跳ね上がった。他のステイタスに関しては、運と身体能力が微弱に上がった程度だ。

 

「まーた、泣き虫は女に混ざるのかよ。お前も本当は女なんじゃねぇの?」

 

「ちょっと!凪くんにそんな事言わないで!」

 

この、忌々しいゴミメンタルめ。

 

同級生の男子から少し悪口を言われたくらいで、僕の意思とは無関係にすぐさま涙が溢れてくる。

 

この生理現象にはもう慣れたけれど、こういう屈辱的なことがあるたびに、もっと早くメンタルを強固にしなければならないと痛感させられる。

 

くそっ、好きな子が自分に見向きもしないからって、大人しい僕に嫉妬で八つ当たりしてくるなよ。

 

男子と女子がわーわーとやかましく揉めている間、僕はその醜い争いから逃げることなく、言いたい放題言われてもその場にじっと残り続けた。

 

ここで耐えきれずに離れたりしたら、メンタルを向上させてくれないんだもん。

 

【メンタル1向上しました】

 

ぅぅ、こんな屈辱に歯を食いしばって耐えたのに、たったの1しか上がらないなんて。いや、挫けずに頑張るんだ。この諸悪の根源であるメンタルさえ向上すれば、僕に欠点はない。多分。

 


 

【メンタルが2向上しました】

 

【おめでとうございます。メンタルF→メンタルEにランクアップしました】

 

来た。待ちに待った瞬間だ。これでようやく、僕の人生を縛り付けていたこの忌々しいゴミメンタルが一段階進化した。

 

ここまでたどり着くのに丸1ヶ月もかかってしまった。でも、なんとかギリギリで間に合ってよかった。

 

坂柳さんが、あの綾小路くんとホワイトルームで運命的な出会いを果たしてしまった後では、いくら僕が原作の知識を駆使して彼女を落とそうと思っても、決して落とすことはできない。

 

彼女の心に、誰も覆せない絶対的な存在が刻み込まれる前に、どうにかして関係性を築かなければならないのだ。

 

今までは少しでもストレスがかかって涙を流せば、喉が詰まって殆どまともに喋れなくなっていた。

 

けれど、FからEランクへとランクアップした今の僕なら、たとえ無様に泣き顔を晒していようとも、震える声でしっかりと自分の意志を言葉にして相手に伝えることができる。

 

これは僕にとって、今後の命運を左右するほどに大きな進化だ。うん、これなら戦える。

 

「──さて、そろそろ坂柳さんに話しかけようかな」

 


 

小学校に入学してからというもの、私は退屈と暇を持て余して仕方ありませんでした。

 

厳格な審査を潜り抜けた名門小学校のはずなのに、周りにいる同級生たちはどの子も知性の欠片も見当たらない、頭の足りない人ばかり。

 

泥に塗れて無邪気にはしゃぐだけの子供たちとの会話は、私にとって苦痛以外の何物でもありません。

 

中には少しばかり頭が回りそうな方も見受けられましたが、その人は些細なことですぐに涙を流すただの泣き虫で、常に群がる女子の後ろに隠れて守られている有様でした。

 

そんな思考の浅い彼らと同じ空間で過ごす小学校での時間は、ただただ暇で暇で、息が詰まるほどに無駄なものだったのです。

 

 

 

 

 

ようやく訪れた昼休みですか。

 

教室にそのまま残っていたら、同級生たちが獣のように騒いでうるさいので、私はいつも通り図書室で過ごすことにしています。

 

あそこなら誰も寄り付かず、私の求める静寂が保たれていますから。

 

 

 

 

 

──しかし、図書室の扉を開けた私の目に飛び込んできたのは、思いがけない光景でした。

 

普段私が特等席として座っている、窓際の一番日当たりのいい席。そこに、珍しい先客が1人座っていたのです。

 

彼は私が部屋に入ってきたことに気がつく素振りも見せず、図書室の備品である古びたチェス盤に向かい、ただ1人で黙々と駒を打っています。

 

その横顔は、普段教室で女子に囲まれながら惨めに涙を流している時とは比べ物にならないくらい、鋭く、そしてひたすらに真剣で──

 

窓から差し込む柔らかな陽光が彼の輪郭を淡く照らし出し、その整った容姿も相まって、思わず一瞬見とれて息を呑んでしまうほど美しさを放っていました。

 

 

「1人で楽しいですか?」

 

だから、柄にもなく思わず声をかけてしまったのです。そのあまりにも真剣にチェス盤と向き合う彼の姿を見て、私の心の奥底で、ほんのわずかな興味が惹かれてしまったから。

 

「頭の中で指してるんだ、自分自身とね。自分以外に、僕と同等に戦える人はいないから」

 

盤面からゆっくりと顔を上げた彼から放たれたその物言いは、少し癪に触るものでした。

 

普段は女子の後ろで泣いてばかりのあなたが、自身と戦える者は自分以外いないと。この私を前にして、ひどく傲慢な口を叩くのですね。

 

「面白いことを言いますね。では、私が教えてあげましょう。思い上がりという言葉を」

 

チェスに関しては、本で読んだ基礎的なルールしか知りませんが、ひ弱な彼が相手ならそれで充分でしょう。

 

盤上における圧倒的な知の暴力で、その自信を粉々に砕いてさしあげます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──その考えは、数手も交えないうちに崩れ去ることになりました。

 

私が攻め入ろうとする先を全て見透かしたような、冷静な駒回し。息を呑む暇すら与えられないまま、私のキングは逃げ場のない盤面の隅へと完全に追い詰められていたのです。

 

「──負けた......?」

 

呆然と呟く私の声が、静まり返った図書室に虚しく響き渡りました。

 

「楽しかったよ、坂柳さん。また、遊んでくれるかな?」

 

鮮やかにチェックメイトを告げた彼は、教室で見せる弱々しい姿とはまるで違う、どこか大人びた余裕のある穏やかな笑みを浮かべていました。

 

 

「えぇ、やりましょう。何度でも」

 

ああ、この小学校を選んで良かった。心からそう思えますよ。神代凪くん。

 


 

 

 

【ステイタス】

 

知力A(16)

 

記憶力、理解力、器用さ、計算能力等に影響する。

 

身体能力B(06)

 

筋力、体力、瞬発力、持久力、反射神経などのフィジカル全般に影響する。

 

メンタルE(01)

 

メンタルにダメージを負うと泣いてしまう。耐えようとした場合、精神的・肉体的負荷が生じる(ランクアップで解消)。

 

重圧に弱い。注目されるとベストなパフォーマンスを発揮できなくなる(ランクアップで解消)。

 

状況により、他ステイタスに一時的に影響を及ぼすことがある。

 

運B(02)

 

幸運体質。

 

魅力A(05)

 

異性からの好感度を得やすい。

 

同性からの好感度を得にくい。

 

スキル

 

なし

 

 

 

神代凪

 

前世では青春を味わいたくて、日本最高峰の大学に入学。その夢が叶う前に痛客に殺されてしまった。

 

転生後は、ラノベ世界ならハーレム許されるよね?よう実可愛い子多いし、頑張って落とそうと思っている。

 


 

坂柳さん

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

転校先にいるのは?(項目少なく上げてしまったため、上げ直してます)

  • 長谷部波瑠加
  • 長谷部波瑠加&他クラスに櫛田桔梗
  • 長谷部波瑠加&同じクラスに櫛田桔梗
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