第1Q終了、スコアは18-0。
無慈悲なブザーの音が体育館に響き渡る。
対戦相手のベンチはお通夜のような静けさに包まれ、相手選手たちの顔にはすでに濃い疲労と絶望の色を浮かべていた。
「ほんまに心折るつもりやろ」
第1Qが終わった後の2分間のインターバル中。
ベンチに戻ってパイプ椅子に腰を下ろすなり、額の汗をタオルで拭いながら、腹黒先輩が苦笑交じりにそんなことを言ってきた。
「どこがですか?僕は1本もシュートを打ってないのに」
軽く肩をすくめてみせる。事実、この最初の10分間、僕はひたすらにパス回しと守備に徹していた。
ポイントを決めているのは全部先輩たちなのだから、僕に『相手の心を折った』なんて責任を押し付けるのはあまりにも酷い話だ。しくしく。
「あかんわ。うちのバカ王様は、都合の悪いことは全部先輩に責任押し付けるやつやって忘れとった」
腹黒先輩の呆れたような言葉に、少し息を切らしていた他のメンバーたちもつられて笑い声を上げる。
やれやれ、先輩たちは全く分かっていない。
僕たちは、ただ普通に勝つだけではダメなんだ。圧倒的かつ残酷なまでに相手を蹂躙しなければいけない。
少しでも相手に『もしかしたらいけるかもしれない』という希望を見せる戦い方をしてしまうと、厄介なことになるのだ。
今日の相手はともかく、明日以降に当たるチームが『下克上してやるっ!』なんて無駄な気合いを入れて、アグレッシブにぶつかってくるかもしれない。
そうなれば、当然ルーズボールの奪い合いやゴール下での接触プレイが激しくなり、怪我のリスクが跳ね上がる。
僕たちには、ギリギリの人数しかいない。
交代できるベンチメンバーがいない以上、誰か1人でも怪我で欠けたりすれば、そのあとの試合に参加することさえできなち。
だからこそ、相手に『勝てるかも』なんて1ミリも思わせない、圧倒的な試合を展開する必要がある。
戦う前から心をへし折り、抵抗しようと思う気すら起きないほどの実力差を見せつける。
それが、この中の中クラスのチームを勝たせる方法だ。
「──よし、行くぞお前らっ!」
短いインターバルが終わり、キャプテンの力強い声かけで僕たちは再びコートへと戻る。
コートに向かう足取りは軽く、対照的に相手チームの足取りは鉛のように重い。
さて、第1Qは先輩たちに気持ちよく点数を取らせてあげたし、充分だろう。
第2Qからは、少し戦術を変えようか。いや、戦術なんて大層なものじゃないけどさ。
「完全に勝負を決める」
誰に聞こえるでもなく小さく呟き、僕はボールを受け取る。
心を折るなら、中途半端はよくない。手加減するなんて優しさは、最初から持ち合わせていないのだから。
私は、正直バスケというスポーツにはそこまで詳しくない。体育の授業でやったことがある程度で、ルールも最低限のものを知っているくらいだ。
だから、専門的な戦術や細かいテクニックの凄さについては、うまく語ることができない。
でも、そんな素人の私でさえ、今目の前のコートで起きていることがどれだけ『異常』かはハッキリと理解できた。
『うぉぉぉぉぉぉぉっっっ!!!!なんだあいつっ!!!?』
『あの顔面偏差値でスポーツも万能ってか!!!?』
『おいおい嘘だろ、10本連続でハーフコートからの3ポイント!!!?化物かよっ!!!?』
先ほどまでパラパラとした拍手しか起きていなかった体育館の観客席が、今は地鳴りのような異常なまでの熱気に包まれている。
そして、その熱狂の渦の中心を作り上げているのは、コートに立つたった1人の少年だった。
「すごいっ......!」
思わず、手すりを握る手に力が入り、感嘆の息が漏れる。
彼の名前はまだ知らない。さっき観客席で声をかけられ、自己紹介の前に彼の先輩らしき人に引っ張って連れていかれてしまったから。
でも、彼が多分自信家で、少しばかり傲慢で、そして十中八九女好きであろうことは何となく分かる。
どうしてそんなことが直感で分かるのかといえば、私の身近に、彼とよく似た性質の幼なじみがいるからだ。
南雲雅。容姿が整っていて、何をやらせても完璧にこなしてしまう、圧倒的な自信と才能の塊。
目の前のコートを支配しているあの見知らぬ少年は、どこか雅と重なる部分がある。
タンッ、と彼の手からボールが放たれる。
彼がボールを持つだけで、会場全体がざわめき、誰もが『次は何をしてくれるのか』と期待の視線を向けてしまう。
センターラインのすぐ近く。普通なら絶対にシュートなんて狙わない、狙えないはずの遠すぎる距離。
そこから放たれたボールは、美しい放物線を描く魔法のように、寸分の狂いもなくリングへと吸い込まれていく。
スパッ、という網を揺らす小気味良い音だけが響き、直後に割れんばかりの歓声が爆発した。
目を惹き付けて離さない、圧倒的すぎる存在感。
彼が15本目のスリーポイントをブザービートで決めた瞬間、第2Qの終了を告げる無機質なブザーが鳴り響いた。この目で見てなかったら、信じられなかったと思う。
スコアボードの点差は、もはや直視するのが残酷に思えるほど開いている。
会場の狂気じみた熱気とは裏腹に、コートに立ち尽くす相手チームの選手たちからは、痛々しいほどの悲壮感と絶望感が2階の客席まで漂ってきてる気がした。
無理もない。懸命にディフェンスに走っても、ハーフコートからいとも簡単にシュートを決められ続けるのだから。
努力も戦術も全てを無に帰す理不尽な才能の暴力に、相手チームの心は完全に折れてしまっている。
「なずな......!さっきの子だよね!?どうするっ!?戻ってきたら、連絡先渡そうよ!」
興奮冷めやらぬ様子で、隣にいた友人が私の腕をバンバンと叩きながら身を乗り出してきた。
「ちょっと、痛いってば。それに、あの子がまた来るかなんて分からないでしょ?」
私は苦笑しながら友人を嗜める。
汗ひとつかかずに涼しい顔でベンチへと戻っていく彼の横顔を目で追いながら、私自身もほんの少しだけ、彼の名前を知りたいと思ってしまった。
最終スコア:110-6
終わった。途中からは完全に死体蹴りをしているような気分になって少しだけ心が痛んだものの、手を抜くことなくしっかりと試合を終わらせた。
【スキル取得条件達成:一騎当千】
『多対一の状況下の場合、身体能力が向上する』
【スキル取得条件達成:エンターテイナー】
『注目度に応じて能力が向上する』
条件を満たしたらしい。労せずスキルが2つも手に入ったし、この試合も全くの無駄じゃなかった。ありがたいありがたい。
「公式戦で、こんな勝ち方したの初めてだ......」
「分かってたことだろ。こいつがいれば、俺たちは地区予選突破も夢じゃないってな!」
信じがたいスコアボードを見上げながら、先輩たちは戸惑いと興奮が入り混じった様子で喜びを噛み締めている。
そんな彼らを尻目に、僕は早々にコートから離脱した。向かう先は当然、2階の観客席。試合を見ていた彼女の元だ。
「あのくらい活躍すれば、名前を聞く権利くらいはありますか?」
【好感度:30】
真っ直ぐに彼女の元へ行き、そう切り出した。
特に何もしてないのに好感度が10も上がっている。やっぱりスポーツで活躍する姿はアピールするにはちょうどいい。
「名前くらい、活躍しなくても教えるよ。私は朝比奈なずな、君の名前は?」
「神代凪です。よろしくお願いします、なずな先輩」
「あれ、私まだ学年言ってないよね?」
ふわりとした笑顔を浮かべた彼女が、少しだけ不思議そうに首を傾げる。
「先輩みたいに大人びて綺麗な人が、僕と同い年なわけないじゃないですか。中学2年生って予想してるんですけど、どうですか?」
もちろん、答え合わせをするまでもなく、なずな先輩が僕より1つ年上なのは間違いない事実だ。原作知識があると便利だね。
「ふふっ、正解。大当たりだよ」
人懐っこく朗らかな笑みを浮かべる先輩に、僕も微笑み返す。
さて、ここからどう距離を詰めようか。
早くも接点を作れたのは嬉しい誤算だけど、いかんせん携帯電話を持っていない僕には、今後スムーズにコンタクトを取る手段がない。
やっぱり、携帯を買うべきかな......?
「なずな先輩は今日、誰の応援に来てたんですか?もしかして、彼氏さん......とかじゃないですよね?」
探りを入れるように尋ねると、彼女は悪戯っぽい笑みを浮かべて問い返してきた。
「彼氏の応援っていったら、凪くんはどうするのかな?」
原作を読んだ時から、割と真面目寄りの性格でありながらも明るく、冗談が通じそうだと思っていた僕の予想は外れていなかった。
どう答えるかなんて迷うまでもない。
「どうするもなにも、悲しいですよ。こんなに人が多い会場で僕が自分から声をかけた女性は、なずな先輩だけなんで」
僕が少しだけ寂しそうなトーンでそう返すと、なずな先輩の背後にいる友人たちが『キャーッ!』とわかりやすく盛り上がり始めた。
つられて、なずな先輩の【好感度:35】までスッと上昇する。
「......君、女の子の扱いに慣れてるってよく言われるでしょ?」
「まさか、そんなこと言われたことないですよ。なずな先輩くらい魅力的な美人は、滅多にいませんから」
出来ればこのまま一緒に他校の試合でも観戦して、さらに好感度を稼いでいきたいところだ。
どうやって自然に切り出そうかと思考を巡らせた、その時。
「こら、どこで油売っとんねん。ゴリ先がお前のこと探せ言うて怒っとる。さっさとホテル戻るで」
「え、ちょっと待っ──」
背後から伸びてきた腕に首根っこを掴まれ、有無を言わさず引きずられる。
あ、酷い。まだ良い雰囲気で話してる最中なのに。
そのまま僕は別れの挨拶すらまともにできないまま、腹黒先輩によって強制的に会場の外へと連行されていった。
まあでも、今のうちに朝比奈なずな先輩に顔を売って、好感度のベースを作れたのはかなりの幸運だった。
高校でまた会え...........いや、待てよ。
今年の中体連が終わったら、当然3年の先輩たちは引退する。そうなれば、バスケ部の部員は僕1人だけになるわけだ。
それならいっそ、南雲先輩がいるであろうサッカー部に転部すれば、今後の大会でなずな先輩とまた自然にエンカウントできるのでは......?
あー、でも、マネージャーをやってるとは限らないのか。もう少し時間があれば聞けたのに。
中体連の地区大会を優勝した翌日。教室の扉を開けると、教室内の視線が僕に集まった。
まあ、無理もない。うちの学校の運動部は総じて弱小だと言われているから仕方ない。他の部活は全部、中体連の地区予選であっさりと敗退してしまったらしい。
そんな中で、バスケ部だけがダントツの成績で地区優勝を果たした。注目とともに称賛の声が聞こえてくる。何人かは直接声をかけてきた。
まあ、例の暴力事件が尾を引いてるみたいだから仕方ない。別にクラスメイトに褒めて欲しいわけじゃないし。
「ねぇねぇ、凪くん。期末テストに向けて、また一緒に勉強しない?」
休み時間、周囲の生徒たちが僕に声をかけるのを躊躇っている中、たった1人、僕の隣の席から嬉しそうに身を乗り出してきたのは帆波だった。
「いいよ。中間テストの時と同じように、帆波の家でいいかな?」
僕がそう返すと、彼女は少しだけもじもじと身をよじった。
現在の帆波の僕に対する好感度は、あの一件を経て劇的に跳ね上がっている。
【好感度:90】
僕が学校内を移動する時は、まるで刷り込みを終えた雛鳥のように、トコトコと僕の後ろをどこまでもついてくる。
「......凪くんのお家とか、ダメ......かな?」
上目遣いで、緊張に少しだけ声を震わせながら可愛らしく、そして彼女なりに精一杯の勇気を出して聞いたであろうその問いかけに、僕は内心悩んだ。
「んー、僕の家か」
別に散らかっているわけじゃない。ただ、帆波家に家の場所を教えるのは、少しばかりリスクが高い気がする。
極端な話、このレベルの好意を持たれていると、家の前で待ち伏せされたりする可能性があるんじゃないかと思う。
若干、いや、かなり怖いんだよなぁ。
「......だめ、だよね。ごめんね、無理言っちゃって」
帆波はみるみるうちに眉を下げ、今にも泣き出しそうな捨てられた子犬のような表情になってしまった。
こんな露骨にしょぼんとする姿を見せられたら、警戒心よりも同情の方が勝ってしまう。
それに、今のところ彼女の言動に直接的な闇堕ちや異常な行動は見られない。家の場所がバレたところで、すぐさま実害が出るわけでもないと信じたい。
「わかった、いいよ。今回は僕の家でやろうか」
苦笑交じりにそう言うと、帆波の顔にパァッと花が咲いたように明るい笑顔が戻った。
「うんっ!」
放課後。僕たちは並んで歩き、閑静な住宅街にある僕の家へと到着した。
「お邪魔します......!」
玄関に足を踏み入れ、靴を脱ぎながら、まるで面接試験にでも挑むかのような裏返った声で挨拶をする帆波。
「そんなに固くならなくても大丈夫だよ。今は僕しかいないから。両親はまだ仕事で遅くなるし」
「な、凪くんと、ふ、ふたりきり......」
僕の言葉を聞いた瞬間、帆波の顔がポンッと音を立てるように真っ赤に染まった。本当に家に入れて大丈夫だよね....?
今日はお父さんもお母さんも帰りが遅いから、この家の中には僕と帆波しかいない。
中学生の男女が密室でふたりきり。まあ、帆波が意識してしまうのも無理はないか。
「ほら、こっちだよ」
僕は彼女の手を軽く引き、2階にある自分の部屋へと案内した。
部屋の中は、ベッドと机、クローゼットに本棚があるだけのシンプルな構造だ。余計なものは一切置いていない。
「うわぁ......凪くんの匂いがする......」
部屋に入るなり、帆波は深呼吸をするように小さく息を吸い込み、うっとりとした表情でそんなことを呟いた。
......うん?今、ちょっとだけヤバい発言が聞こえたような気がするけど、気のせいかな?気のせいということにしておこう。
「適当にそこのクッション座ってて。飲み物もってくるから、少し待ってて」
「あ、手伝うよ?」
「帆波はお客さんだから、リラックスしててよ」
僕はそう言い残し、帆波を部屋に一人残して1階のキッチンへと向かった。
冷蔵庫から麦茶を取り出してグラスに注いでいる最中に、家の固定電話が鳴った。
.....仕方ない。急ぎの用事かもしれないし、出るしかないか。そこまで長くはかからないだろうし。
我慢した。
我慢しなきゃいけないって頭では分かっていたけれど、どうしても我慢できなくて。
数分待っても彼が戻ってこない静かな部屋の中で──ほんの少しだけ、魔が差してしまった。
凪くんの部屋にある枕をそっと抱き寄せ、顔に押し付けて深く匂いを嗅ぐ。シワにならないよう細心の注意を払いながら、少しだけベッドに寝っ転がって、彼の残り香に顔を埋めた。
─────幸せっ。もし将来、凪くんと結婚したら、毎日こんなことをしても怒られないのかな。
ううん、絶対に怒らないよね。だって、凪くんは誰よりも優しいもん。
階段の足音に耳を澄まし、まだ彼が戻ってこないことを確認してから、私はベッドに自分の匂いをつけるようにゆっくりとゴロゴロ転がってみた。
ふふっ、これで夜寝る時に、凪くんが少しでも私の事を思い出してくれたら嬉しいなっ。
.....まだ戻ってこない。
実は、この部屋に入った瞬間から1つ気になっていることがあった。本棚に綺麗に並べられている、少し厚めの本。
多分、小学校の卒業アルバムだと思う。見たい。凪くんの小さい頃の写真を、見てみたい。
でも、勝手に見たら怒られるかな。プライベートなものだし、絶対にダメだよね。
.....でも、どうしても見たい。凪くんの足音はまだ聞こえない。少しだけ見るくらいなら....もし万が一見つかっても、謝ったら凪くんはきっと許してくれる。許してくれるまで、何度も謝ればいい。
手を伸ばして、卒業アルバムを手に取ろうとした──その直前で、私はピタリと動きを止めた。
凪くんの足音が聞こえたからじゃない。
卒業アルバムの横に、何個も同じような木製のケースが整然と並んでいることに気がついたからだ。
気になる。卒業アルバムも気になるけれど、それ以上にこのケースの中身が気になって仕方ない。
何個も同じものがあるのに、普段から丁寧に手入れされているのか、埃一つ被っていない。彼が大切にしているものなのは明らかだった。
....勝手に見ちゃダメなのは分かってる。でも、せっかくお家に入れてもらえたんだから、私の知らない凪くんのことをもっと深く知りたい。
意を決してそっとケースの蓋を開くと、そこにはケースの中いっぱいに詰め込まれた大量の手紙が入っていた。
──流石に中身を見たらダメだよね?うん、ダメだよ。手紙の中身を見るなんて絶対に。そんなことしてバレたら、嫌われちゃう。
湧き上がる罪悪感に苛まれながら、そっとケースを閉じようとしたけど──ふと、視界に入ってしまった。
可愛らしい封筒の差出人欄に書かれている、その名前が。
『坂柳有栖』
女の子の名前だ。たくさん、数え切れないほどたくさんある手紙。これが全部、その同じ女の子とのやり取り.....?
私は、凪くんとお手紙の交換なんて一度もしたことがないのに。
もしかして、横に並んでいる他のケースにも全部、この『坂柳有栖』さんとの手紙のやり取りが入っているんだろうか。
──私だけじゃないんだ。私の世界で大切な人は、凪くんと家族だけなのに。凪くんにとっては、そうじゃないんだ。
ううん、別にいいよ。私は凪くんと恋人同士なわけじゃないし、凪くんがモテる男の子なのは知っているから。
私は、ただ凪くんの傍にいられたら、それだけで充分満足だから。見返りなんて一切求めないから。
──なんて、無理。彼の近くにいるだけの存在なんて絶対に嫌だ。凪くんに私を見てもらえないのも嫌だ。
私は、凪くんにとって一番大切な女の子になりたい。
他のどんな女の子よりも、私が『特別』だって思ってほしい。
階段を上ってくる足音が聞こえる。
凪くんが部屋に戻ってくる前に、私は慌ててケースを元の場所に戻し、何事もなかったかのようにクッションの上へちょこんと座り直した。
ドアが開くと同時に、お盆に冷たい麦茶のグラスを2つ乗せた凪くんが現れた。
「ごめんね、帆波。親からの電話が長引いちゃってさ」
「ううん、気にしてないよ!」
うん、本当に気にしてない。
だって、よくわかったから。自分の心の奥底にある、どろどろとした気持ちにしっかりと向き合えたから。
──自分が思っているよりもずっと、取り返しがつかないくらい、狂おしいほどに凪くんのことが好きなんだって、はっきりと自覚できた。
「ね、じゃあ勉強会を始めよっか」
私は凪くんに向かってとびっきりの笑顔を向け、ノートを広げながら彼との距離をスッと詰める。
お互いの肩が触れ合いそうなくらい、ほんの少しの隙間もないほど近い距離に、私は座り直した。
【スキル取得条件達成:一騎当千】
『多対一の状況下の場合、身体能力が向上する』
※取得条件:多数の相手に圧倒的な差を見せつけ、大人数から畏敬の念を抱かれる。
【スキル取得条件達成:エンターテイナー】
『注目度に応じて能力が向上する』
※取得条件:大注目されている中、結果を残す。見た人間全員の視線を奪う。
次は2年まで飛ぼうかな。
中学編が長いっっっっっ!!!
中学は.....?
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一之瀬さんと一緒
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軽井沢さんと一緒
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山村さんと一緒
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椎名さんと一緒
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松下さんと一緒
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小野寺さんと一緒