魅力至上主義の教室   作:Mr.♟️

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中学時代終了と天使面談

 

「海外留学したいのなら、好きにすればいい。お前は女性関係以外はしっかりしているからな。海外で知見を広めるのも悪くない」

 

「ぱぱぁっ」

 

渾身の媚び売り甘え声を出したら険しい顔をされた。お母さんも笑ってる。解せぬ。

 

「お前にも考えがあるだろうから、留学に至った詳細は聞かない。話したくなったらいつか話してくれればいい」

 

.....お父さん、お母さん。ああ、今世の親は本当に恵まれてる。

 

「ん?留学したい理由話してなかったっけ?別に隠してないから話してあげるよ」

 

話し終わったらお母さんから六法全書で頭をバンバン叩かれたし、お父さんが『俺の血が濃かったのか...』なんて頭を抱えてた。

 

んー、妥当な反応。

 

 

 


 

中学3年生に進級した。

 

本格的に受験勉強を始めないといけない、誰もがピリピリとし始める時期。

 

私は国が運営してる『高度育成高等学校』への進学を目指しているから、2年生の時から勉強は一切手を抜かずに頑張っていた。

 

とはいえ、どれだけ勉強が忙しくなろうとも、日々の友人付き合いを欠かしたことは一度もない。

 

クラスの中心で常に笑顔を振りまき、誰にでも優しく接し、悩み相談にも乗る。

 

なぜなら彼女たちは、私という存在の価値を肯定し、私の評判を最高に高めてくれる『都合のいい友達』なのだから。

 

その厚意と承認を集めるためなら、多少の睡眠時間を削ることなんて惜しくはない。

 

「あ、そういえば桔梗ちゃん知ってる?最近、堀北さん元気ないらしいよ。なんか噂では、彼氏に振られたとか」

 

「えー、そうなの?堀北さんって彼氏いたんだっ。すっごい美人さんだもんね」

 

休み時間、いつものように私の周りに集まってきた女子グループの一人が、ひそひそと声を潜めてそんなゴシップを口にした。

 

1年生の後期くらいから、他愛のない噂話の中でよく名前が出てくるようになった別クラスの女子生徒。それが、堀北鈴音だ。

 

1番最初、入学式で彼女の姿を見た時は、その凛としていて整っている容姿に、自分の立ち位置が脅かされるのではないかと少しだけ警戒した。

 

でも、私から愛想よく話しかけてみると、本人の性格が親しみやすさの欠片もない氷のように冷たいものだった。

 

その上、クラスも別だったから、それ以降はそこまで気にすることも警戒することもなく放置していた。

 

どうせ勝手に孤立して、誰からも好かれない可哀想な存在になるのだから。

 

それなのに、1年生の後期に入ったあたりから、彼女の雰囲気が少し柔らかくなったと友達から噂話を聞くようになった。

 

最初は全く信じていなかったし、興味もなかったから適当に相槌を打って無視をしていた。

 

その噂と同時に『彼氏ができたから性格が丸くなった』なんていう三流の恋愛ドラマみたいな話も流れてきたけれど、あの孤高を気取る堀北が彼氏なんて作るわけがない。

 

だからこっちは完全にガセネタだと決めつけていた。

 

 

 

それからもたまーに話題に出てくるから、少しだけ堀北のことが気になってはいた。

 

とはいえ、自分からわざわざ別クラスまで出向いて絡みに行くこともなく、頭の片隅に置いておく程度の存在だった。

 

もし同じクラスなら、私より目立つ彼女をどうにかして失脚させるために動いていたかもしれないけれど。

 

「そうそう、なんでも他中の生徒ですっごいイケメンだったんだって」

 

「そうなんだー、美男美女でお似合いだったんだね。でも、なんで別れちゃったんだろ?」

 

「んー、堀北さんが重たすぎて振られたとか......?堀北さんと同じクラスの友達が、毎週金曜日は他中まで彼氏を迎えに行ってるって言ってたし」

 

彼氏ができたって話、ガセネタじゃなかったんだ。

 

いや、でもまだ分からない。

 

男女がただ一緒に歩いているのを見ただけで、すぐに恋人認定して騒ぎ立てるこの年頃の連中の話には、全くもって信憑性がない。

 

それはそうとして、もしこの話が本当なら、あの堀北が彼氏には甘々でぞっこんの女になるということだ。

 

あの、孤高をきどっている堀北が?

 

初対面で私がとびっきりの笑顔で話しかけた時、『用がないなら話しかけないでくれるかしら?』なんて冷たく見下すように尖っていたあの堀北が?

 

「あはは、堀北さんをそこまで虜にできるなんて、すっごく素敵な彼氏さんなんだね。私も一度でいいから見てみたかったなー」

 

私は心にもないお世辞を並べ、心の中でいつもの仮面を被って微笑んだ。

 

「あ、それなら、友達が偶然見かけて隠し撮りした写真があるみたいだから──よかったら今日の放課後、一緒に見る?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──は?」

 

放課後、ファミレスの席で友達のスマートフォンの画面を見せてもらった私の口から、思わず低い声が漏れた。

 

そこに写っていたのは、小学校の時よりも背が伸びて、より一層大人びて美しく成長した、見間違えるはずもない神代凪の姿だった。

 

そして、そのすぐ隣には、頬をほんのりと赤く染めて微笑む堀北鈴音の姿が並んで歩いている。

 

どういうこと?

 

なんで、私以外の女と一緒にいるの?

 

は?堀北と毎週金曜日に会う暇があるなら、私に会いに来るべきでしょ。

 

林間合宿の時、私のお願いを聞いてくれて、あんなに優しくしてくれたのに。邪魔なのも1人いたけど。

 

私にはどこの中学校に入るのかすら教えてくれなかったくせに、堀北みたいな性格のひん曲がった女とは仲良くしてるんだ。

 

私が入学した中学はちゃんと教えてあげたのに、私には一度も会いにこなかったのに。

 

「桔梗ちゃん?」

 

写真に釘付けになって押し黙ってしまった私を不思議に思ったのか、友達が顔を覗き込んできた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「......ムカつく」

 

「え?桔梗ちゃん、今なんて......?」

 

「あっ、ううんっ!なんでもないよ!本当にすっごいイケメンだねって思って!」

 

慌てて笑顔を取り繕い、声のトーンを無理やり上げる。

 

こっちは、毎日毎日馬鹿みたいに愛想笑いを振りまいて、他人の愚痴を聞かされて、ストレス溜まりまくってんのに。

 

あんたは私を放ったらかして、あんな女と楽しく過ごしてるんだ。

 

ムカつくムカつくムカつく。

 

絶対に許さない。私を差し置いて凪くんの隣で幸せそうに笑ってる堀北も、私がここにいることを知っているのに放置している凪くんも。

 


 

高度育成高等学校データベース

 

氏名:堀北鈴音

 

誕生日:2月15日

 

評価

 

学力:A

 

判断力:B-

 

身体能力:B+

 

協調性:D

 

面接官のコメント

 

学力、知性、判断力、身体能力いずれも突出して優秀であり、特に学力に至っては同学年の中でもトップクラスの成績を収めている。

 

個人の総合力も非常に高く、面接での受け答えも一貫性があり、矛盾点はなく堂々とした態度であった。また、課題とされていた協調性に関しても、中学の調査書にて改善傾向が見られるとの記述あり。

 

個人のポテンシャルと総合力から見てもAクラスへの配属が妥当であると判断するが、中学時代において好ましくない噂が多数存在している点が懸念される。

 

いずれも明確な真偽の確認は取れていないものの、それが原因で長期間の自宅待機となっている期間が存在するため、これらの噂が事実であった可能性を考慮し、Dクラスへの配属とする。

 


 

氏名:櫛田桔梗

 

誕生日:1月23日

 

評価

 

学力:B

 

判断力:C+

 

身体能力:B

 

協調性:A

 

面接官のコメント

 

中学時代は長らく学級委員長を務めており、友人関係は男女問わず非常に幅広く、コミュニケーション能力に極めて優れている。

 

学業成績や身体能力も高水準でまとまっており、一見すると優秀な生徒である。

 

学力や協調性の面から見れば、AクラスもしくはBクラスへの配属が妥当な生徒であると判断できる。

 

しかしながら、中学時代において別紙①に記載された重大な事件を引き起こしており、複数のクラスを連鎖的に学級崩壊へと追いやったという事件を起こしている。

 

表層的な協調性の高さとは裏腹に、自己中心的な精神の歪みを注視する必要があるため、Dクラスへの配属とする。

 


 

中学3年生に進級してから、私と彼の関係において、とある大きな出来事がありました。

 

それは、私の退屈な日常を彩ってくれていた『神代くんとのお手紙のやり取り』の変化。

 

私たちが小学校の時に交わした、手紙のやり取りという時代錯誤な約束。

 

ポストを開けた瞬間のお手紙が届いていた時の高揚感。

 

決して悪くないやり取りでしたが──そのアナログな関係は終わりを告げました。

 

彼が、ついに携帯電話を購入したからです。

 

神代くんは海外へ留学したらしいです。海外では流石に携帯がないと困るということが購入したようですね。

 

手紙という目に見える繋がりがなくなってしまったことに、ほんの少しの寂しさを感じなかったと言えば嘘になります。

 

ですが、その寂しさをあっさりと上書きしてしまうほどの喜びが、今の私にはありました。

 

なぜなら、こうしてリアルタイムで彼の『声』を聞くことができるようになったからです。

 

『ハロー、坂柳さん。そっちは朝だよね?調子はどう?』

 

少し大人びた彼の落ち着いた声。昔とは違いますね。

 

「悪くないですよ。神代くんは如何ですか?」

 

私は今、清々しい朝を迎えています。窓から差し込む陽光が、私の部屋を白く染め上げる。

 

対して、海を越えた彼がいる場所は、大体午後10時頃でしょうか。

 

『僕も絶好調だよ。寝る前に坂柳さんの声が聞けたからね』

 

......神代くんは、本当に悪びれもせず、恥ずかしげもなくこういった甘い発言を平然とやってのけます。

 

もしこれが、そこら辺にいる有象無象の男性からの言葉だったなら、私はきっと心底嫌悪して、即座に通話を切っていたことでしょう。

 

興味のない相手から向けられる好意ほど、無価値で無意味なものはありませんから。

 

ですが、彼からこんなことを言われると──どうしようもなく、胸の奥が甘く疼いて、嬉しくて仕方がないのです。

 

私のことを理解し、私と同等の知能を持つ、唯一無二の存在。そんな彼が、寝る前の時間に私を想い電話をかけてきてくれた。

 

自分の頬が熱を帯びていくのがわかります。

 

こんな緩みきった顔、絶対に彼には見せられません。電話でよかったと、そう思いました。

 

「......ふふっ。お世辞が上手くなりましたね。海外の女性たちをその口車で誑かしているのではないかと、少し心配になりますよ」

 

私は照れ隠しに、あえて少しだけ意地悪なトーンで返しました。

 

『まさか。僕の目は高いんだよ?『海外には』坂柳さん以上に魅力的で、僕を夢中にさせてくれる人なんてこっちにはいないから安心して。それに、僕の携帯に入ってる番号は君だけだからさ』

 

「......っ、本当に、あなたは」

 

どうしてこうも、私が欲している言葉を的確に、そして当然のように与えてくれるのでしょうか。

 

気を抜けば、あっという間に彼のペースに呑み込まれてしまう。

 

『ああ、でも和食が恋しいかなぁ。こっちにも和食もどきのお店はあるんだけど、海外に迎合したスタイルで微妙なんだよね』

 

彼がふと、少しだけ子どもっぽい愚痴をこぼしました。

 

どんなに大人びていて、どんなに天才的な頭脳を持っていても、やはり根底にあるのは日本の味を懐かしむ年相応の少年の姿。

 

そのギャップが可笑しくて、愛おしくて、私は思わずクスクスと声を上げて笑ってしまいました。

 

「ふふっ......仕方ないですね。天才を自称するあなたでも、食の欲求と故郷の味には敵わないということですか」

 

『天才を自称したことあったかな....?ははっ、笑い事じゃないよ。このままじゃ、僕の胃袋がホームシックになっちゃう』

 

『あら、胃袋だけですか?』

 

 

 

 

 

『人種差別で絡まれて、ボコったら更に──』

 

 

 

 

 

 

「最近、料理を学んでいるんです。いつか、神代くんにも食べ──」

 

 

 

 

この後も、彼との他愛のない会話はいつまでも尽きることがありません。

 

海を越えて繋がるこの電波が、私の退屈だった日々をどれほど色鮮やかにしてくれているか、彼はきっと気づいていないでしょう。

 

いえ、もしかしたら気づいた上で、連絡をしてきてくれてるのかもしれませんね。

 

彼が日本に帰国し、私と同じ『高度育成高等学校』へと入学する日がやってきます。彼の学力なら落ちることは無いでしょう。

 

 

 

 

なので、そこで再び、私たちは交わることになります。

 

手紙でもなく、電話でもなく、直接顔を合わせて。ああ、待ち遠しくて仕方ありません。

 

私の対等な好敵手であり、誰よりも理解し合える唯一の存在は、世界中に神代くん、あなたしかいないのですから。

 

「......ふふっ、高校で会えるのが楽しみですね」

 

電話を切ったあと、通話していた携帯を撫でながら私は小さな声でそっと呟いた。

 

 

 

 

早く、早くあなたに会いたい。

 


 

坂柳有栖

 

原作同様Aクラス

 

 

氏名:一之瀬帆波

 

誕生日:7月20日

 

学力:A

 

判断力:B-

 

身体能力:C

 

協調性:A

 

 

面接官のコメント

 

学業成績は極めて優秀であり、他者とのコミュニケーション能力にも非常に優れている。中学時代においては生徒会役員としても活躍し、周囲の生徒たちからの厚い人望と信頼を集めていたとのこと。

 

特筆すべきは、彼女を取り巻く人間関係における圧倒的な求心力である。誰に対しても分け隔てなく接する善性と、対人トラブルを未然に防ぐ行動力が、多くの教員から高く評価されている。

 

また、素行不良や欠席遅刻の記録は一切存在せず、中学時代におけるネガティブな噂やトラブルの痕跡も全く見当たらない。

 

よって、他者を導く無垢なリーダーシップ、高い学力、そして品行方正さの全てを高い次元で兼ね備えた、非の打ち所がない生徒であると評価する。大いに期待が持てる人材であるため、Aクラスへの配属とする。

 


 

真っ白な空間。ここを訪れるのも、転生時、中学入学前に続いて3回目になる。

 

『よく来ましたね、神代凪。早速ですが始めますよ』

 

いつにも増して話が早い。いや、この大天使の対応が雑になっていると言うべきだろうか。

 

まあ、どっちでもいいけど。いよいよ明日からは、高度育成高等学校での生活が始まる。手っ取り早く恩恵をもらえるならそれに越したことはない。

 

さて、今回は何が手に入るだろうか。

 

知力S(20)

 

身体能力S(05)

 

メンタルS(03)

 

運A(90)

 

魅力S(99)

 

【トリックスター】

 

『人の感情に揺さぶりをかける際、効果が倍増する』

 

※取得条件:短時間の間に知力の高い相手の好感度を上下させ、最終的に元の好感度より高い数値で終わらせる。

 

【カリスマ】

 

※自身の指揮下にいる人間のステイタスを0~100%向上させる。対象がスキル保有者を信頼、もしくは尊敬などポジティブな感情が大きければ効果を発揮しやすい。

 

反対に、指揮下にあってもネガティブな感情が大きければ効果は発揮しない。

 

【一騎当千】

 

『多対一の状況下の場合、身体能力が向上する』

 

※取得条件:多数の相手に圧倒的な差を見せつけ、大人数から畏敬の念を抱かれる。

 

【エンターテイナー】

 

『注目度に応じて能力が向上する』

 

※取得条件:大注目されている中、結果を残す。見た人間全員の視線を奪う。

 

【慧眼】

 

※他者からの好感度を見ることができる。その他、他者のその時点の感情・プロフィール等を閲覧することができる。

 

ずらりと並んだ自分のステイタスとスキル群を眺める。

 

我ながら、恐ろしいまでの成長ぶりだ。特に魅力の数値はカンスト一歩手前まで来ているし、一度はどん底だったメンタルも今やSランクに到達している。

 

『ほとんどのステイタスがSに到達してますね。これならガチャも何回か引くことができそうです』

 

僕の意思関係なく、ガチャを引くことが決まってる。って、ちょっと待ってよ。

 

「ステイタスボーナスは?」

 

前は無条件であげてくれたと思うんだけど......?

 

『ありません。あれは、中学卒業時のボーナスだけですから。今回のボーナスはガチャの権利だけです』

 

「わかりました。今回のガチャはどんなガチャですか?」

 

......まあ、文句を言っても始まらない。ガチャを引かせて貰えるだけありがたく思う事にしよう。

 

『ふふっ、素直なのはいいことです。今回のガチャは、名付けてアイテムガチャです。スキルとは違って、回数制限のある消費型のものですね』

 

「どんなアイテムがあるんですか?」

 

『捧げるステイタスのランクによって変わりますが、酷いものだと『1時間転ばなくなるチケット』なんてものがありますね』

 

うわっ、全然いらない。そんな小学生のおまじないレベルのアイテムしかもらえないなら、今回の呼び出しは完全に時間の無駄だったかもしれない。

 

『ちなみに、今話したのは最低のFランクのステイタスを捧げた場合です。あなたはAとSのステイタスしかないので、排出されるアイテムのグレードも段違いですよ』

 

「引きますっ......!レートはワンガチャ何ステイタス必要なんですか?」

 

『20ですね』

 

20......か。割とごっそり持っていかれる。

 

だが、Sランクから下がらなければ、ステイタスのポイントは使っても問題ないはずだ。

 

迷った末、僕はステイタスを捧げ、5回のアイテムガチャを引くことにした。

 

メンタルS(03)→S(01)

 

魅力S(99)→S(01)

 

 

 

「『アイテムガチャスタート』」

 

僕がそう言葉を発すると、いつもと同じように上空に巨大なガチャの筐体が現れ、派手な音を立てて回った。

 

そして、眩い光と共に5つのカプセルが順に排出された。

 

【神の手】

 

※使用回数:3回まで。

 

対象の胸に1分手を置いた後、頭の中で念じたら使用可能。

 

1回目の発動時はあらゆる心身の不調を治す。2回目の使用時はある程度の心身の不調を治す。3回目の使用時は身体のダルさを治す。

 

『ううん、Sランクのステイタスを捧げたので、やはりグレードの高いアイテムが出ましたね』

 

「これって、自分以外にも使えるんですか?」

 

もし他人に使えるなら、坂柳さんの足を完全に治せるかもしれない。

 

『使えますよ。使用条件を満たせば。さあ、どんどん行きますよ』

 

それだけ確認できれば充分だ。

 

......とはいえ、『対象の胸に1分手を置く』という使用条件は、倫理的にかなりハードルが高い気がする。

 

特に相手が年頃の女の子の場合、確実におかしな雰囲気になるか。まあ、どうにかして上手くやるしかないか。

 

自動的に開いた残りのカプセルから、次々とアイテムの詳細が脳内に流れ込んでくる。

 

【透明化】

 

※使用回数:2回まで。

 

自らの姿を10分間透明にする。重ねがけして20分透明でいることも可能。

 

これまた随分とファンタジーなアイテムだ。高度育成高等学校には無数の監視カメラが設置されているはずだから、いざという時の裏工作や潜入にはうってつけだろう。

 

んー....僕がそんなことするかな?

 

【天界の美容液】

 

※使用回数:1回まで。

 

永続効果アイテム。使用者の肌をいつまでも美しく保つ。交わった相手に対しても効力を発揮する。

 

美容液......?まあ、一応嬉しくはあるけど、後半の『交わった相手に対しても効力を発揮する』という一文が不穏すぎる。

 

 

【悪魔の瞳】

 

※使用回数:3回まで。

 

対象を視界に入れた状態で、頭の中で念じたら使用可能。

 

1回目の発動時は対象の運気を最大限下げる。2回目の使用時はそこそこ運気が下がる。3回目は少しだけ運気が下がる。

 

 

【ジャミング】

 

※使用回数:3回まで。

 

『ジャミング』と口に出すことで発動できる。半径100メートル以内にある電子機器をエラー状態にする。

 

これもまたいいアイテムだ。あの高校においてはかなりいい類のアイテムと言ってもいい。カメラの監視を一時的に避けることができる。

 

 

 

 

 

『──それでは、あなたがいつ女性に刺されるのかを楽しみに、我々は天界で見守っています』

 

ガチャを引き終えた僕に向かって、大天使は最後にひどく悪趣味な冗談を口にした。

 

「縁起でもないこと言わないでくださいよ」

 

まあ、そう言いつつも気をつけないといけない。まあでも、頑張ればこのままハーレムを作ることも.......できるかな?

 

いや、うん。きっと大丈夫。高校に入ってからは下手に隠さずに、割とオープンに関わっていこう。

 

 

 

 

 

 

 

視界が真っ白な光に包まれ、僕の意識は現実へと引き戻されていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




当たり屋にあたられた堀北さん。

中学は.....?

  • 一之瀬さんと一緒
  • 軽井沢さんと一緒
  • 山村さんと一緒
  • 椎名さんと一緒
  • 松下さんと一緒
  • 小野寺さんと一緒
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