今日からいよいよ部活動が始まる。
放課後のチャイムが鳴り終わり、生徒たちがそれぞれの居場所へと散っていく中、僕は静かな渡り廊下を歩いていた。
向かう先は、文化系の部室が立ち並ぶ特別棟の一角。僕が入部した『茶道部』の部室だ。
椎名ひより。彼女を誰にも邪魔されず、静かな環境でじっくりと攻略するためには、この上なく最適な場所だ。
そんな計算を胸に秘めながら部室の前に到着した僕だったが......そこで思いがけない人物と出くわすことになった。
「あれ、茶道部の名簿に先輩の名前はなかったと思うんですけど......あ、お久しぶりです。覚えてますか、僕のこと?」
少しだけ驚きつつも、笑みを浮かべながら声をかけた。
そこに立っていたのは、2年生の朝比奈なずな先輩だった。
「うん、覚えてるよ。神代くんこそ、よく私のことを覚えてたね」
なずな先輩は、ふわりとした人懐っこい笑みを浮かべて振り返った。
その表情には、年上の先輩としての余裕と、僕への好意が入り混じっている。
「なずな先輩みたいに綺麗な人を忘れるわけないじゃないですか。またこうして会えて嬉しいです」
視界の隅で、彼女の頭上に浮かぶ数値を確認する。
【好感度:45】か。
中学の地区大会で言葉を交わした時は35だったはずだから、何もしていないのに前よりも増えていることになる。
ああ、なるほど。これは単純に、僕が中学の時よりもさらに成長し、天界の美容液の効果もあって容姿が格段に洗練されたからだろう。
視覚から入る情報は、特に第一印象において強烈な影響力を持つ。この【SS】まで跳ね上がった魅力値は、やはり伊達ではないらしい。
「ぅっ......もう、そんなこといいながら、プレイボーイだって噂になってるから知ってるよ。誰にでも言ってるんでしょ〜」
僕のストレートな褒め言葉に一瞬だけ頬を染めたものの、なずな先輩はすぐにおどけた調子でそれを受け流そうとした。
入学してまだわずかな期間だというのに、僕の周りに女子が集まっている噂はすでに上級生の耳にも届いているらしい。
けど、その程度で僕が止まるとでも思っているのだろうか。
「まさか。僕は、本心から綺麗だと思っている人にしかこんなこと言いませんよ。なずな先輩のことを本当に──心の底から綺麗だと思ってます」
僕はすっと1歩踏み出し、彼女の懐に入り込んだ。
そして、戸惑う彼女の華奢な右手をそっと軽く握り、逃げ場を塞ぐように真っ直ぐな視線を射抜く。
周囲の喧騒が遠のき、僕と彼女だけの静寂が落ちる。
瞳の奥底まで覗き込むような僕の視線に、なずな先輩の呼吸がわずかに乱れたのがわかった。
頭上の数値が、スッと【51】まで上がった。
こういう風に冗談めかして受け流そうとするタイプには、あえて逃げ道を塞ぎ、本気であることを真っ向から直撃させるのが一番効果的だ。
一線引いた照れ隠しの壁を壊された瞬間、一気に脆くなる。
......ここで一つ、厄介な問題がある。
このままなずな先輩を口説き落とすことは不可能ではないが、部室の扉の向こうには、おそらく椎名ひよりがいるはずだ。
なずな先輩と椎名さんが同じ空間にいる状況では、甘い言葉を囁くことも、視線で絡め取ることも、どうしても制限されてしまう。
二人の前で均等にアプローチを演じれば、ただの顔のいいチャラい男として警戒度を高めるだけで終わるリスクがあるからだ。
同時に複数のターゲットを中途半端に落とそうとするのは、難易度が高い。これが小学生の時とかなら問題ないんだけどなぁ。
「....あっ、ぶ、部室に入ろっか」
至近距離で見つめられた熱に耐えきれなくなったのか、なずな先輩は顔を僅かに朱に染め、慌てて僕の手を振り解いた。
その仕草には明らかな動揺が見て取れる。
「そうですね。先輩と一緒なら、部活も楽しくなりそうです」
僕は名残惜しそうな表情を作り上げながら、ゆっくりと一歩後ろへ下がった。
なずな先輩が逃げるようにして部室の引き戸に手をかけ、ゆっくりと開ける。
部室に足を踏み入れると、そこは喧騒から切り離されたような静寂に包まれていた。
微かに香る畳の匂いが落ち着く。
「新入部員のみんな、歓迎するよ。入ってくれて嬉しいな」
穏やかな笑顔で出迎えてくれたのは、3年生の部長だった。
茶道部は他の部活に比べて上下関係も厳しくなく、緩い空気が流れている。
「まずは自己紹介も兼ねて、みんなでお茶を飲みながら交流する時間にしようか」
部長の提案に従い、僕たちは畳の上に座った。
新入部員は僕と、Cクラスの椎名ひより。そして途中入部という形で参加している2年生のなずな先輩の3人だけだ。
部長や他の上級生たちが簡単な自己紹介を終え、いよいよ新入部員の番が回ってくる。
「1年Cクラスの椎名ひよりです......読書が好きで、休日は図書館にいることが多いです。よろしくお願いします」
透き通るような銀髪を揺らしながら、椎名さんは控えめに頭を下げた。
物静かで、どこか儚げな雰囲気を持つ彼女。その手元に置かれたカバンからは、小説が顔を覗かせている。
彼女を落とすための布石は、すでに僕の頭の中で組み上がっていた。難しい話じゃない。
「1年Bクラスの神代凪です。僕も読書が好きで、特に海外の古典ミステリーや心理描写の深い純文学をよく読みます」
僕の言葉に、ひよりの肩がピクッと反応した。
僕はわざと彼女の目を見つめ、優しく微笑みかける。
「椎名さんのカバンに入っているその本......もしかして、エミリー・ブロンテの『嵐が丘』じゃない?」
「えっ......?あっ、はい!そうです。神代くん、読んだことがあるんですか?」
ひよりの瞳が、驚きと喜びに大きく見開かれた。
それまで伏し目がちだった彼女が、身を乗り出すようにして僕を見つめてくる。
「うん。愛と憎しみが複雑に絡み合う心理描写がたまらなくて、何度も読み返したよ。特にヒースクリフの狂気的なまでの執着心には、どこか惹きつけられるものがあった」
「わかります......!あの救いのない世界観の中で、登場人物たちの感情だけが鮮烈に描かれているところが本当に魅力的で......」
ひよりの頬がほんのりと桜色に染まり、早口で本の魅力を語り始める。
普段は大人しい彼女が、自分の好きな領域に踏み込んでくれた相手に対して見せる姿。
【好感度:20】だった彼女の頭上の数値が、目の前でスルリと【32】まで跳ね上がった。
趣味への深い理解を示すことは、趣味に生きてるタイプの人間には効果的だ。もし、それが浅すぎると知られたら後から好感度が下がるだろうけど──問題ない。
彼女にとって僕はすでに『単なる同級生』から『語り合える理解者』へと昇格したのだ。
「もしよかったら、今度おすすめの本を教えてくれない?椎名さんと本の好みが合いそうだからさ」
「はいっ!ぜひ......喜んで」
嬉しそうに微笑む椎名さん。
これ以上の追撃は今は必要ない。1回目の接触としては100点満点だ。
そして──その和やかな空気の裏で、冷ややかな視線が射抜いているのを僕は感じていた。
「......ふーん。神代くんって、本当に手当たり次第なんだね」
隣に座るなずな先輩が、僕にしか聞こえないような小さな声で呟いた。
その横顔は呆れたように冷たく、先ほど廊下で見せていたほんのりとした熱は完全に冷めきっている。
【好感度:51】まで上がっていた数値が、スルスルと【38】まで下降した。
当然だろう。
つい数分前まで廊下で『心の底から綺麗だと思っています』なんて熱烈に口説いてきた男が、部室に入った途端に別の女の子と趣味の話で意気投合し、嬉々として連絡先を交換しそうな勢いなのだ。
彼女からすれば、僕はただの『口の美味いチャラ男』に成り下がったに違いない。
だが、この好感度の低下すらも僕の計算通りだ。
嫉妬や失望という感情は、相手への関心がなければ生まれない。
彼女の心がマイナスに振れたということは、僕の存在が彼女の中に介在している証拠でもある。
マイナスに振れた感情は、適切な言葉を与えればプラスへと何倍にもなって跳ね返る。
交流会が中盤に差し掛かり、椎名さんが部長にお茶の作法を質問したタイミングを見計らい、僕はなずな先輩へと少しだけ距離を詰めた。
「......何?今度は私?」
なずな先輩は視線を合わせようとせず、不機嫌そうに茶碗を見つめている。
「怒ってますか?」
「別に。ただ、プレイボーイって噂は本当だったんだなって感心してただけ」
刺々しい言葉。僕は周囲に聞こえないよう、声を一段階落として彼女の耳元に顔を寄せた。
「誤解ですよ、なずな先輩。椎名さんはCクラスで、この部活にも知り合いがいなくて不安そうだったじゃないですか。だから、同じ1年として彼女がこの場所に馴染めるように、共通の話題を探して場を和ませただけです」
「.....それは嘘でしょ。あんなに楽しそうに話してたのに」
「話術ですよ。本は広く浅く読んでいるので、合わせるのは得意なんです。誰にでも優しく接するのは、ただの処世術ですから」
実際に本はかなり読んだ。椎名さんを落とすためというより、坂柳さんから手紙で勧められた本、そして本を勧め返さないといけないため、本当に多種多様なジャンルを読んだ。
おっと、今はそんなことはどうでもいい。
僕は畳の上で、他の誰からも見えないように、なずな先輩の華奢な指先に自分の指をそっと重ねた。不意打ちは抵抗されにくいから楽だ。
「ひゃっ......ちょっと、何して......」
「.....先輩が可愛くて、つい」
驚いて身をすくませた彼女の耳元に、甘く、熱を帯びた吐息を吹きかける。
「それに、言ったじゃないですか。先輩と一緒なら──楽しい部活になるって。あれは本心ですよ」
重ねた指先に少しだけ力を込めると、彼女の肩がビクッと跳ねた。
僕の言葉が、ただの言い訳ではなく『自分だけを特別扱いしている』という優越感へと変換されていく。
チャラいと思っていた男が、実はしっかりと周りを見て気遣った行動をし、自分にだけは本気の熱を向けてきている。
そのギャップと背徳感が、彼女の理性を激しく揺さぶっているはずだ。
「......っ、ほんとに、神代くんって......口が上手いんだから......」
なずな先輩は顔を真っ赤に染め、重ねられた僕の手を振り払おうとはしなかった。
むしろ、その指先が微かに僕の指を握り返してくるのを感じる。惜しいけど、そろそろこっちを見られそうだ。手を離しておこう。
ふと彼女の頭上を見上げれば、先ほど【38】まで落ち込んでいた数値が、廊下で話していた時よりも高い【58】という数字を叩き出していた。
「先輩のそういう素直じゃないところも、すごく可愛いです」
「......バカ。誰かに見られたらどうするの」
文句を言いながらも、彼女の瞳にはすでに僕への警戒心は見えなかった。
今はこれでいい。最後まで落とせば、どうせハーレムを受け入れるしかなくなるんだから。
僕から離れたくないと思わせることができれば何も問題ない。だから、多少の嘘はご愛嬌ということで、ね。
部活が終わり、茜色に染まり始めた空を見上げながら、僕はなずな先輩と一緒に寮への帰り道を歩いていた。
夕暮れの涼しい風が、先輩の少し明るい色の髪をふわりと揺らす。その横顔には、部室を出る前から続くほんのりとした熱がまだ残っていた。
僕の頭の中では、すでに今後の計画が組み上がっている。
今の優先順位は椎名さんよりも、なずな先輩だ。
まずは彼女を完全に堕とし、僕のハーレムに加える。その上で、茶道部における椎名さんへのアプローチに協力してもらうのが、最も確実で効率的な戦略だと言える。
今日部室でなずな先輩に使ったリカバリー手法は、確かに好感度の上昇をもたらしたけど、何度も使えるものじゃない。
だからこそ、彼女を完全に底なし沼に落として後戻りできなくなるまでの間は、椎名さんよりも優先して時間を割く必要がある。
「もー、私の荷物なんて持たなくていいのに」
隣を歩くなずな先輩が、少しだけ上目遣いで僕を見上げて口を尖らせた。
僕の左手には、先輩のバッグが握られている。先輩という立場を気にして遠慮しているようだが、その声色はどこか嬉しそうだ。
「女の子に重い荷物を持たせたまま隣を歩くなんて、僕の美学に反しますから。それに......」
僕は歩みを緩め、右手をスッと差し出した。
「そんなに手持ち無沙汰なら、僕の手も片方空いてますよ」
悪戯っぽく微笑みかけると、なずな先輩はハッとして顔を朱に染めた。
「なっ......!ば、バカじゃないの!?こんなところで手なんか繋げるわけないでしょ!誰に見られてるかわからないんだからね!」
慌てて周囲を見渡し、早口でまくしたてる。
しかし、僕から少し距離を取ろうとしたその手は、迷うように空中で数秒だけ彷徨っていた。
結局、少し迷った末に、彼女は僕の手を取ることはなく、ギュッと自分のスカートの裾を握りしめた。
今はこれで充分だ。ここで素直に手を繋いでくるほど、彼女のガードはまだ低くない。大切なのはアプローチを継続すること。
「残念です。じゃあ、次の機会を楽しみにしておきますね」
「......次なんてないんだから」
ぷいっとそっぽを向いたなずな先輩だったが、その足取りは先ほどよりも軽く、僕との距離も自然と近くなっていた。
それからしばらくの間、僕たちは他愛のない会話を交わしながら寮へと続く道を歩いた。部活の雰囲気や、互いのクラスの話題。
先輩の明るい笑い声が、夕暮れの道に響く。
もうすぐで寮につきそうな──その時だった。
「──ずいぶんと楽しそうだな、なずな」
前方の曲がり角から、冷ややかな声が降ってきた。
夕日を背に受けて立っていたのは、金髪を揺らす2年生、南雲先輩だった。
その鋭い瞳が、なずな先輩、そして僕の左手に握られた彼女のバッグへと向けられ、不快そうに細められる。
「あ、雅......」
なずな先輩の纏っていた甘い空気が、一瞬にして硬直した。
南雲先輩はゆっくりとした足取りでこちらへ近づいてくると、僕を値踏みするように頭の先から爪先までジロリと見下ろした。
「まさか初日から1年のガキに荷物を持たせて、随分と良いご身分じゃないか」
「これは僕が勝手に持っているだけですよ。なずな先輩は断ったんですが、僕が無理を言ったんです」
僕は一切の動揺を見せず、笑みを浮かべて南雲先輩の前に進み出た。思ったよりも早い接触だったな。
「初めまして、南雲先輩。1年の神代凪です。お噂はかねがね」
「......ほう?」
南雲先輩の目が、わずかに険しさを増した。僕の堂々とした態度が、彼のカンに障ったのだろう。
「噂ね。どんな噂だか知らないが、俺はお前のことをよく知ってるぜ。入学早々、何人もの女を侍らせてる1年がいるってな」
南雲先輩は一歩、僕に距離を詰め、威圧感で押し潰そうとしてきた。
生徒会という権力と、2年生を束ねるカリスマ性。普通の1年生なら、この時点で震え上がり、目を逸らしてしまうだろう。
だが、僕からすればただの道化だ。
「神代、だったか。忠告してやる。なずなと距離を置け。こいつは俺のクラスの大切な駒だ。お前みたいなチャラついたガキのお遊びに付き合わせるつもりはない」
ストレートな要求。警告と言うべきか?いや、これは命令だ。
隣でなずな先輩が口を挟もうとしたが、南雲先輩は手でそれを制止した。
完全に僕よりも自分の方が上の立場であると疑わない、傲慢な瞳。
僕はゆっくりと首を傾げ、口角を深く釣り上げた。
「お言葉ですが、それはお断りします」
「......何?」
南雲先輩の声のトーンが、更に低いものへと変わった。
「なずな先輩とどう接するかを決めるのは、南雲先輩ではありません。なずな先輩自身の意志です。僕たちはただ、同じ部活の先輩後輩として親睦を深めているだけですから」
「お前、自分が誰に向かって口を利いてるのか分かってるのか?」
「ええ。生徒会の南雲先輩ですよね?でも、学校のルールブックのどこにも『南雲先輩の許可なく先輩と親しくしてはいけない』なんて校則は書かれていませんでしたけど」
挑発的な言葉を、あえて笑顔で包み込んで返す。
空気が凍りついた。南雲先輩から発せられる敵意が、明確な殺意に近いものへと変わるのがわかる。
「......いい度胸だ。1年の分際で、俺に喧嘩を売る気か」
「とんでもない。僕はただ、平和に学園生活を送りたいだけです。ただ──」
僕は一歩だけ前へ踏み出し、南雲先輩の耳元に顔を近づけた。
「自分の女を手放したくないなら、もっと上手く管理することですね。いい女性をどーもっ」
南雲先輩の肩がピクリと跳ねた。すぐに距離をとと、ギリッと歯を食いしばる音が聞こえてきた。
ここは寮へ向かう通りだ。周囲には他の生徒たちの目もあり、彼のような立場の人間が力ずくで暴挙に出ることはできない。
「......後悔するぞ、神代」
低い声でそう吐き捨てると、南雲先輩は僕を鋭く睨みつけ、踵を返した。
「なずな先輩と親しくなれるなら、後悔なんてしませんよ」
「行くぞ、なずな」
「え、あ......神代くん、ごめんね。また明日、部活で」
なずな先輩は僕に申し訳なさそうな視線を送ると、僕からバッグを受け取り、小走りで南雲先輩の後を追っていった。
また明日って、茶道部は月水金だから明日はないですよ。
遠ざかっていく二人の背中を見送る。
【好感度:69】
なずな先輩の頭上に浮かんだ数値を見て、僕は小さく笑みをこぼした。
南雲先輩という存在が介入したことで、逆に僕が彼女を庇うような形になり、好感度をさらに押し上げる結果になった。嫉妬は醜いねー。
なずな先輩を狙った時からこうなる未来は見えてた。南雲先輩とは、いずれ潰し合うことになるってね。
あーあ、やだなぁ。南雲先輩って、小物チックな描写が多いせいでザコキャラなのかと思われやすいけど、実際は能力が高い。
身体能力、学力、統率力。その全てが高水準だからこそ、競争必至のこの学校で学年を束ねることができている。
その成果として大量のpptまで所有しているから倒すのが面倒くさい。敵に回すと面倒くさい。まあ、敵に回したんだけど。
あ、どうせなら【悪魔の瞳】でも使ってみたらよかったかな?
【悪魔の瞳】
※使用回数:3回まで。
対象を視界に入れた状態で、頭の中で念じたら使用可能。
1回目の発動時は対象の運気を最大限下げる。2回目の使用時はそこそこ運気が下がる。3回目は少しだけ運気が下がる。
でも、最初の1回は山内に使いたいからなぁ。1回目を使って南雲先輩が大怪我でもしたら可哀想だし。
「ま、いっか」
ここまで持ち上げて南雲先輩の能力が高いと言ったけど、所詮は【秀才】レベルだ。堀北先輩にも勝てないのに、どうして僕に勝てると思ってるんだろうか。
「........神代くんを睨みつけて、あんな態度は許せません」
......もし、あの人の弱みを見つけたら、神代くんは私のことを褒めてくれるでしょうか。私にも、微笑みかけてくれるでしょうか。また私のことを名前で呼んでくれるでしょうか。私のことを思い出してくれるでしょうか。私とも一緒に帰ってくれるでしょうか。私のことを見てくれるでしょうか。話したら、またあの時みたいに綺麗だと言ってくれるでしょうか。ちゃんと思い出して貰えるように初めて会った時のような格好を....卓球のユニフォームを脈絡なく着る....?それは、変なのでは?....いえ、ですが、神代くんに話しかけて忘れられていたらショックで悲しくて生きていけない気がします。それなら、そうならないように事前に対策をとるのは当然なのでは?
......違いました。まずは、あの人を尾行して弱みを見つけましょう。私は幸い───影が薄いので、バレないでしょう。
なずな先輩
椎名さん
山村さん
Bクラス or Cクラス
-
Bクラス
-
Cクラス